七陰外ヒロインアンケート協力ありがとうございます。
投票の結果を見る限り、いらないって思ってる人も多いし、シェリルをヒロインにすると自分のやろうと思ってるシーンに整合性がなくなりそうなので、ヒロインするとしてもクレアのみとなりました。
アレクシア王女誘拐事件が解決してから、数日経ち、俺達はまた平凡な日常に戻った....はずだったんだが。
俺は横で体中が血塗れになって歩いている、我らのボスに目をやる。
「お前、大丈夫か?」
「傷はもう治ったし、大丈夫だよ」
あの事件の時、シャドウは単身で教団のアジトに乗り込みアレクシア王女を救出しに行った。(まぁ、本人に助けたってつもりはないが)
それで今朝、アレクシア様に呼び出されて、まさかのアレクシア様側からの告白を受けていたのを俺は建物の上から隠れて見ていた。
....いやホント告白してるときの彼女の顔、まじで惚れてる感じだったな、一体こいつの何に惹かれたのやら。
でまぁ、当然、王女様とかいう超目立つキャラとの恋愛なんて、心底御免被りたいと思ってるシドは告白を断ったところ、剣でバッサリいかれた。
「断っただけで、切りかかってくる?普通ありえないでしょ」
「それはまぁ、確かにな。でも、あの耐え性がなさそうな彼女に、笑顔で中指突き立てて告白断ったら、そうなるのも自明だろ」
「だって今まで散々、『ポチ〜』とか言って弄ばれたんだ。これくらいの意趣返ししたっていいでしょ」
「そう思ってたなら、
「金はね....命よりも重いんだよッ!!」
「どこぞの中間管理職みたいなこと言うな」
妙に迫真のある顔しやがって。
「はぁ、まったく。あれじゃ王女じゃなくてただの人斬りじゃ────おっと」
「きゃっ....」
俺に横を向いて話していたせいで前を見てないでいると、シドは前から歩いて来た子とぶつかって、女の子の方が持っていた大量の本が散乱する。
「ごめん、大丈夫?」
シドが倒れた桃髪の少女に手を伸ばすと、彼女はシドの顔を見て少し頬を赤らめてから自分に差し出されたシドの手をとって、そのままボーっと少し惚けている。
あれ、何かフラグ立ってない?
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学園の食堂でいつも通り男四人で昼飯を食べていると、先に食べ終わったヒョロとジャガが横にいるシドに話しかける。
「で、結局アレクシア王女とはどうだったのよ?」
「どうって、何。別れてそれっきりだって」
「チューもしてないんですか!?」
「「ちゅ────!!っぐべ!?」」
「気持ち悪い。食欲失せるからやめろ」
俺は急に口をすぼめてシドに顔を近づけてきた二人に鉄拳を御見舞する。
「な、何をするんですか、グラス君!!」
「ったく良いよなお前はっ!シドの姉貴さんと仲良さそうでよっ!!」
「また、その話か。いつも言ってんだろ?あのブラコンゴリラとはそういうんじゃねえって....」
前の食堂での一件の際、俺がクレアと二人で話してるのを見たやつが『二人はただならぬ関係だ』とかいう根も葉もない噂を広めたせいで、この二人に一々言われるようになってうんざりしていた。
何で俺があのドSブラコンゴリラと....どうせならもっと中身がマシな子とそういう噂が立ってほしかったわ。そもそも俺はアイツから迷惑受けてるんだが。
「まぁいいぜ。それよりシド、俺がそんなヘタレのお前に良い店紹介してやるよ」
「イイ店って、ヒョロ君....ッ!?」
「ソッチの店じゃねえ、最近話題の
「なるほどつまり、それを使って女の子と......!」
「シドっ!」「グラス君!!」
「「行きましょうっ!!」」
二人が「これしかないっ!」みたいな迫真の表情で俺達に迫る。その顔に根負けしてシド、そして俺はその案を承諾した。
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放課後、俺達は王都にあるミツゴシの店まで足運ぶと、そこには店を一周する程の行列が出来ていた。
「うわぁ....すごいですね」
「ミツゴシの商品求めて貴族のお偉いさん方がこぞって買いに来てるんだろうな」
ヒョロとジャガはその様子に驚いたように口を開く。
ちなみにさっき二人が言っていた、女の子とお近づきなるための作戦ってのは、
狙いの女の子にチョコをプレゼントしてその子のハートを射抜いちゃおう!名付けて、『チョコプレゼント大作戦』っ!らしいが....正直チョコを上げたところでこいつらに靡くような女の子なんていないだろ。
「────入店まで八十分待ちらしいけど」
「ど、どうします?寮の門限には何とか間に合いそうですけど....最近夜になると人斬りが出るって噂ですし」
「「『人斬り』?」」
「バーカッ!ジャガ、バーカッ!こっちには魔剣士が四人もいんだぞ?」
「そ、そうですねっ!」
いや、お前らは魔剣士だけど雑魚じゃん。モブって言うにふさわしい雑魚じゃん。
そりゃまぁ、俺とシドがいるからいざとなったらどうにでもできるけど、ビビってるジャガはともかくヒョロは何でそうな余裕そうな顔してんだ。
「──────そこの水色髪と黒髪のお客様。失礼ですが少しお時間いただけますか?」
声をかけられ振り向くと、茶色の長髪の女性が『最後尾』と書かれたプラカードを手に持って立っていた。
あ、この子....
「よろしければ、アンケートにご協力を」
「アンケートって....僕らが?」
「はい。ぜひご協力くださいませ」
「お、俺も協力します!!」
「じ、自分もですっ!!」
こいつら、相手が美人だからって必死すぎるだろ。
「いえ....お二方だけで結構です」
「「アッ、ハイ....」」
うん....美人の笑顔ほど綺麗で、怖い物ってないよな....
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それから俺達は茶髪の女の人に連れられて店の中を歩いていた。
横を見ると洋服屋や化粧品店が立ち並んでいて、食品店の商品棚にはチョコやコーヒーなどが置かれている。
「(ねぇ、これさ、まるで前世の百貨店みたいじゃない?この世界じゃ初めて見るような商品も置いてあるし、そういうこと?)」
「(黙って着いてってろ。すぐに分かる)」
「(??)」
女の人の案内に従って進んでいくと、屋上ににある一際重厚に出来た建物に辿り着き、これまた大きな扉を開けた先には、真っ直ぐ広げられたレッドカーペットの横で少女達がこちらに頭を下げている。
「────ご来店を長らくお待ちしておりました」
「ガンマ....じゃあここ君の店なんだ」
そう。何を隠そうこのミツゴシ商店、このガンマが経営してる
僅かな知識しか教えてないのに、ここまで発展させるとはさすがの頭脳。だけど....
「お久しぶりです、主様、ゼロ様」
頭を下げてから、ガンマが目の前の小さな階段をゆっくり降りていると、
「ぎゃっ!?──────ひゃぁっ!?」
「運動音痴なのは相変わらずか、ガンマ」
何故か何もないところでコケそうになったガンマを、彼女が地面と正面衝突する前に瞬時に近づいて優しく抱きとめる。
「ももも、申し訳ありませんっ!!」
「いいよ別に。それより、お前ハイヒール履くなって。ただでさえ普通の靴でもコケる時あるんだから」
俺はため息を付きつつ、ガンマをそっと地面に下ろす。
「んんっ────それでは御二方、どうぞあちらへ」
そう言うガンマの手を向けた先には、如何にもな玉座が一つ。
うん、なるほど。
「
「ふっ....任せろ」
シャドウは少し考え込んだ後、自分は玉座に足を組んで、右肘を置いて堂々と座ると、俺に見えるように左側の肘掛けに指をさす。
俺はそれを見て、何を伝えているのか理解し、後に続いて、その空いた肘掛けに横向きに座り、背もたれの側面に体を預ける。
「ああ....なんて素敵な....!!」
「(こんな感じでいいか、シド)」
「(バッチリだよ。しかし、良いねコレ。まさに『王』、陰の実力者になった気分だ....!)」
「(俺もこの、最強の右腕感....!いいなぁ....ガンマ達には褒美をやらないとな)」
「(おっじゃあ、あれやろっか)」
俺達は互いに魔力を掌の上に集め、それを上に放ると、集約した紫と
ちなみに俺の方はそれなりに魔力を込めたから、彼女達が頭痛とか風邪とか引いてても治る程度には効果が出るだろう。
「......今日という日を、生涯忘れません....!」
ガンマ達も喜んでくれてるみたいだ、泣くほど喜ぶ必要はないけど。
「それでこの店、結構稼いでる感じ?」
聞いてる内容と声のギャップが凄いから、シャドウボイスでそんな質問するな。
「はい。現在国内外の主要都市に店舗を展開し、僻地には通販で影響力を拡大しています。活動資金も
「じゅっ!!?」
「っ!少なかったでしょうか」
「い、いや....」
「(ねぇ、さっき案内にすんなり着いてってた感じ、グラスはここがガンマの店だって知ってたんだよね?ひどくない!?僕が授けた知識で、僕を除け者にしてガッポリ稼いでたってこと....!?)」
「(いや、ここがガンマの店だってのは知ってたけど来たのは始めてだし、頑張ってるなぁとは思ってたけどまさかここまで稼いでるとは知らなかったな....)」
「(でも、こんなセット用意してくれたから、それで十分.....いやぁでも、こんだけ儲けてるんだったら....!)」
セット?あっそういえばこいつそうだったな、テキトーに話し合わせるか。
「(あ、あーそういえば、知識を教えてくれた恩があるから、頼まれたらお金はいくらでもあげるみたいなこと言ってたなぁ〜)」
「(ほんとっ!?ならまぁ、いいかな......ホントだよね?)」
「(必死かよ)」
「御二方が来訪された理由は分かります。例の事件についてですね?」
「えっ────あぁ」
こいつ何もわかってないのに「あぁ」って言ったな?....まぁ、俺もわかってないけど。
「王都に現れた『人斬り』....漆黒の衣を纏い、シャドウガーデンの名を騙る愚者共」
俺達の名を騙って....ふーん、随分と無礼た真似してくれるじゃないか....
「現在捜査を続けておりますが....未だ犯人は捕らえられておりません。ですが、必ず我等の手で仕留めてみせます」
「ふん....心当たりがある一度探ってみる」
は?まじで?
「まさかもう答えにたどり着いたのですか....!」
その衝撃に、目の前のガンマも目を見開いて驚いている。
「(....ちなみに誰だと思ってる?)」
「(アレクシアだよ。彼女の性格上、無差別殺人犯になってもおかしくない)」
「(......)」
こいつやっぱ駄目だ。
シドが立ち上がり、歩き始めたので俺も後からついて行く。
「お待ち下さい────来なさい」
すると、脇にある扉から、さっき案内してくれた茶髪の女の人がこちらを向いて立っていた。
「その子は────」
「新しい『ナンバーズ』の子だろ?確か
「えっ....」
「まぁ....ゼロ様、ご存知でしたか」
「そりゃそうさ....アルファ達から貰ったシャドウガーデンに関する資料はいつも目を通してるからな。構成員の名前、というか番号は全員覚えてるよ」
「「!!」」
え、何で驚いたような顔してんの。
「ぜ、全員ですか....!?」
「おう。まずニューは元々は93番だろ?」
「!!は、はいっ」
「それから....そこの青髪の真面目そうな子は664番で、こっちの何処かおっとりとしてる子は665番。それにそっちは────って、え、何で泣いてるの?」
俺がそこにいる構成員それぞれの番号を言っていると、何故か全員顔や声を抑えて泣き始める。
「え、なんか俺、悪い事したか?」
「いえ、ただ....我等末端の一構成員風情の名を覚えていただけていることに感銘を......!」
「『風情』って、はぁ....お前達シャドウガーデンのために頑張ってくれたおかげで今の組織が成り立ってるんだ。そんな大切な『仲間』のことを覚えておくのは当然だ」
これはカッコつけとかじゃなくて、自分達が散々辛い目にあってきただろうに、次の犠牲者を出さないために大元たる教団を打ち倒すため、日夜身を粉にして働いてくれてる彼女達には上司として恥ずかしくないように振る舞いたいっていう俺の本心だ。
俺が『組織最強のNo.2』っていう立場でいられるのも彼女達のおかげだしな。
「それにお前達に与えられた
「とんでもございませんッ!!ゼロ様は我々が望む全てに応えてくれておりますっ!!」
「本当か?何か不満とかない?」」
「不満なぞ、あるはずがありません....!!」
ガンマがの言葉に共感するように、周りの子達も頭を上げる。
「そうか.....では、
「「「「「ッ!!は──ッ!!」」」」」
あぁ、本当にこの子達はいい子ばかりだなぁ......本当に────
「凄いね、グラス。まさに理想の上司って感じだ」
おまけ
「そういえば、ガンマ、チョコを2つ買いたいんだけど」
「御二方ならタダで差し上げますっ!」
「そうか?なら、プレゼント用だからラッピングを────」
「プ、ププ、プレゼント!? ち、ちなみにど、どなたに.....?」
「いや、それがまだ決まってないんだよ....あ、そうだ、ならこれから一番頑張った子にプレゼントするわ....なーんて──」
「「「「「ッ!!」」」」」
「えっ、ちょ、どうしたの?え、これから任務に行く?ちょっと?みんな?みんな〜〜〜!!」
次回、ゼロのチョコ争奪戦......開幕ッ!!!(嘘)