目が覚めるとがっこうぐらし!(実写版)の世界だった。   作:RNKI

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※こちらは第2話の加筆修正前です。

細々と再開させていただきます。
みんなも実写版、観よう!!


旧第2話 であい

「えっ」

 

「えって何よ、最近会ってなかったからって寂しかったの?」

ーー.....んんん?

目の前に居るのは、間違いなく若狭悠里。

「い、いや....えと」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「入学おめでとう」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ーーもしかして、あの時の声ってりーさん?

「ちょっとびっくりしただけだから...大丈夫」

「そう?なら良いけど」

何とか誤魔化す事が出来たが、良くない状況には違いない。

んー.....

 

ーーいやいやいやいやいやいやいやいやおかしい!!!

どうしてりーさんが此処に?!というか最近会ってない?!?!一体何がどうなって....!!

 

とその時、突如として私の脳内に流れ込んできた"存在する記憶"。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「お姉ちゃん!遊ぼ!」

「ええ、なら今日もお医者さんごっこね!」

 

「ね、姉さん...こんな格好...恥ずかしいよ」

「怖がらないで良いのよ、すぐ終わるから....!!」

 

「ひっ!姉さんどこ触って...!」

「ふふっ、春ったらそんな声出して....」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ーーいや何やってるのりーさん?!私の知ってるイメージと真逆なんですけど!?

思わず心の中で叫んでしまったが、大体の状況を理解する事が出来た。

どうやら私はりーさん....姉さんの義理の妹であり、るーちゃん共々散々可愛がられていた様だ。

つまりこの状態での最善の選択は。

「姉さん、肩に顎乗せないでよ」

ーー姉さんに若干反抗するムーブが正解の筈!

「冷たいわね、昔はあんなに可愛かったのに...」

「それ、今は可愛くないって事?」

「嘘よ、今の方が可愛い」

「....そ、そう」

ーー姉さんに可愛いって言われた!!!!やばい!!!!

私は何とか興奮を抑え、そのまま姉さんに向き直った。

「それでどうしたの?」

「今日はこっちの家でしょ?だから迎えに来たの」

こっちの家というのは恐らく姉さんの家、つまり私を助けてくれた彼女の両親の家だろう。

どうやらこの世界の私の記憶は、自分に関係のある人物と出会う度に思い出していけるらしく、既に幼少期からの自分を思い出す事に成功していた。

てっきりこの世界の私の人格がー、みたいな事があるかと思っていたが、どうやらこの世界の私は今の私であり言うならば転生前の記憶を思い出した形の様だ。

ここはとある事情で私が一人暮らししている家、何日に一度かは向こうの家に泊まるというのが決まりとなっている。

「そっか、ありがとう」

 

 

 

「春お姉ちゃん!」

玄関の扉を開けた途端、腹部に大きめの衝撃を感じた。

私はその正体の頭を何度か撫でると、彼女は嬉しそうに抱き着いたままこちらに顔を向けた。

「るーちゃん、いきなり飛びついて来たら危ないよ」

「えへへ、嬉しかったから」

ーー可愛い、天使。

るーちゃんは私の右手を取り、そのまま玄関まで引っ張っていく。

その楽しそうな姿を見て、私はとある事を思い出した。

 

『るーちゃん!危ないっ!』

 

これはきっと、本来なら事故に遭う筈だったるーちゃんを助けた記憶。

ーー私が助けたんだっけ...

「春お姉ちゃん、大丈夫?」

どうやら記憶を探っている姿が心配に値するものだった様で、るーちゃんが声を掛けてきた。

「ちょっと疲れただけだから平気だよ、ありがとう」

そう言って私は、彼女の頭を優しく撫でた。

 

 

「お疲れ様です、胡桃先輩」

「おっ、ありがとな」

木陰に座っていた胡桃先輩に水筒を渡すと、彼女は笑顔を見せながらそれを口にした。

あれから数ヶ月が経ち、私は陸上部に所属した。

実写版の主人公である恵飛須沢胡桃先輩とも割と交流を深められている気がする。

もう1年も経たない内に、パンデミックが始まってしまう。

それまでに出来る限り体力を付け、食料や道具等を考えていかないといけない。

だからこそ陸上部に所属した訳だし、こうして昼休みの時間も練習に使っている訳だ。

ーそれにしても....

 

胡桃先輩、カッコよ可愛い過ぎる!!!

 

「ん?どうした?」

「いや、何でもないですっ」

どうやら横顔を見つめていたのがバレたらしく、私は急いで正面を向いた。

原作での胡桃先輩と言えば葛城紡、つまりOBの事でめぐねえに恋愛相談をしている様だったが、今の所まだ想いを寄せてはないようだ。

そもそもこの世界のめぐねえは養護教諭であり、国語の教師ではない。

その為中々狙って会いに行く事は....

 

「あ!ごめん!!」

 

「へ?....ぐへっ!!!」

誰かの焦った声を聞き思わず顔を上げると、その瞬間顔面に鋭い痛みが走った。

ーー痛ったッッ!!!!何が飛んできたの?!?!

「危ないだろ!!春!大丈夫か?!」

顔面を押さえながら涙で滲んだ目を何とか開き、飛んできた何かを片手で掴む。

するとそれは、大方の予想通りサッカーボールだった。

「鼻血が...立てるか?」

「へっ?」

この妙な感覚、とうやらサッカーボールが鼻に激突し鼻血を出してしまった様だ。

「後で先生に報告するからなー!!...春、保健室まであたしが送るよ」

「あ、ありがとうございます」

 

保健室に行く口実は向こうから飛んできた。

 

 

 

「もう鼻血は止まったかな...大丈夫?」

「あ....ちょっと頭がくらくらします」

「なら暫くは寝てた方が良いわね、ベッドは...こっちを使って」

めぐねえは私の体に手を回すと、そのままベッドの近くまで肩を貸してくれた。

「ありがとうございます....佐倉先生」

チラッと横を見ると、そこには一面めぐねえの顔。

「ひゅっ.....」

「よいしょっ...何かあったら言ってくださいね」

「は、はい」

ーーやばい!!生めぐねえだ!!!良い匂いする!!!

興奮を抑えながらベッドに横たわり、一度大きく息を吐く。

とりあえずめぐねえと接触出来た事は良かったが、まだまだ私の目指す目標には程遠い。

ある程度の信頼が無いと、恐らく本編が始まった際に先を知っている様な行動や言動を怪しまれてしまうだろう。

ーー出来る限り準備しないと...

これからの自分を思い、私はもう一度大きく息を吐いた。

まずはーー

「佐倉先生...このぬいぐるみって」

グーマちゃんで攻める!

私の問いかけに反応しためぐねえは、すぐにその意図に気付いたのかこちらに向かってきた。

「保健室のベッドって殺風景だから家から持ってきたの」

「個性的ですね、名前とか無いんですか?」

「それが特に無いみたいで...」

そう、グーマちゃんと言うのは由紀ちゃんが勝手に付けた名前であり、このクマ自体に明確な名前は存在しない。

そして此処から話を広げるにはーー

「...先生って園芸部の顧問でしたよね」

「ええそうだけど...どうして?」

「若狭悠里って生徒が居ると思うんです」

ーー姉さんの話題を使う!

「若狭さん?2年生よね」

「はい、普段ってどんな感じですか?」

「知り合いなの?」

「まあ、姉みたいな存在です」

「そうね...授業姿を見てる訳では無いけど真面目な生徒だと思うわ、部活にもちゃんと来てくれてるし」

「ねえねえ!」

「わっ!」

突如大きな声と共にカーテンを開けられ、私は思わず声を上げてしまう。

ーー...由紀ちゃん?!

隣のベッドから顔を出したのは、この作品の主人公である丈槍由紀その人だった。

「丈槍さん、治ったならそろそろ戻りなさい」

「えーっ、めぐねえ酷いよぉ〜」

「佐倉先生、です」

ーーてえてえ....生のやり取りが見られるなんて...!

2人のやり取りを暫く眺めていると、ひと段落着いた所で由紀ちゃんがこちらに顔を向けた。

「えっと、名前は?」

「...1年の天音春です」

「なら私が先輩だ!丈槍由紀、よろしくね!」

「は、はい。よろしくお願いします、丈槍先輩」

「くーっ!先輩って呼ばれちゃったよ!めぐねえ!」

「もう、だからめぐねえじゃなくて....」

ーー思わぬ所で関係ゲット!!

これで原作でメインとなる人達とは、全員大なり小なり関わりを持つ事が出来た。

後は実写版の人達との繋がりさえ持てれば、パンデミック時に必ず有利に働く筈。

原作より人手が多ければバリケードの製作も楽になるし、何より精神面で大きくプラスになる。

ーー絶対に皆を....

「失礼します、1年生の直樹美紀です。天音さんは...」

「あっ、直樹さん」

保健室に入ってきた直樹さんは、ベッドの上に座っている私を見つけると小さく微笑みを浮かべた。

ーー可愛い。

「春!大丈夫?!」

続いて駆け込んできた圭ちゃんは、やや不恰好な走りをしながらベッドの前まで一直線に向かってきた。

「う、うん...ちょっと鼻血出ただけ」

「祠堂さん、保健室では静かに」

「あっはい....ごめんなさい」

佐倉先生の注意を受けて、彼女は申し訳なさそうに顔を下げる。

「それで2人はどうして此処に来たの?」

「天音さんの荷物を届けにきました」

佐倉先生の問いに対し、直樹さんは冷静に返答する。

「ありがとう直樹さん」

「あ....うん」

「春、明日は絶対一緒に帰ろうね」

ーーなんかさっきから圭さんグイグイ来てません?

私は眼前まで迫った圭の顔に緊張しながらも何とか頷くと、校内にチャイムが響き渡った。

「やばっ、じゃあね春!」

「....またね、天音さん」

 

 

 

放課後を知らせるチャイムが鳴り、私は目を覚ました。

どうやらあの後ベッドで寝転がっている内に眠ってしまったようだ。

「天音さん、大丈夫ですか?」

カーテンを開ける音と共に、佐倉先生がベッドに近付いてきた。

「はい、もう平気です」

立ち上がって隣のベッドに目を向けると、カーテンが開いており既に丈槍先輩の姿は無かった。

ーー私が寝てるうちに戻ったのかな?

「1人で帰れそう?親御さんに連絡とかは...」

「あっ、大丈夫で「失礼します」.......姉さん?」

私の言葉を遮るように保健室に入ってきたのは、姉さんだった。

「....春?!何かあったの?!怪我?!それとも」

「ね、姉さん落ち着いて!!」

物凄い剣幕で捲し立ててくる姉さんを何とか止めると、その光景を見ていためぐねえが口を開いた。

「天音さんは昼休みに怪我をしてしまって、さっきまで休んでいたの」

「そうそう、誰かが蹴ったボールが偶然当たっちゃって」

「.....絶対許さない...後で探す...」

ボソッと二言呟いた姉さんは、そのままめぐねえの方に向かった。

「えっと、園芸部の事でちょっと」

「分かったわ、天音さんは...」

「はい、帰ります」

「そうですか...気を付けてくださいね」

荷物を持って歩き出すと、すぐに姉さんが声を掛けてきた。

「本当に大丈夫?」

「心配しすぎだよ、家も近いし」

「そう....事故に気を付けてね」

この言葉の裏には、るーちゃんの影があるのだろう。

私は改めて気を引き締め、保健室を後にした。

 

 

 

「そこの1年生ストーップ!!」

「えっ?!」

慌てて振り向くと、下駄箱に2人の生徒が立っていた。

その内片方はカメラを持っており、こちらを撮影している様だ。

ーーもしかして...梢と実咲?!

梢と実咲、2人は共に実写版がっこうぐらし!の前日譚、がっこうxxxに登場したキャラクターだ。

ーー確かNコンに向けて3年間のドキュメンタリーを撮ってるんだっけ...

カメラを持っている方、篠原実咲はパンデミック当日に襲われてしまい、もう1人の窪田梢も...

がっこうぐらし!という世界の厳しさが分かる前日譚だったが、私としては1人でも多く助けたい。

此処で無視するという選択肢は無かった。

「ごめん、ちょっと撮影協力してくれない?」

「そう言いつつもう撮ってるじゃん...実は私達ドキュメンタリーを撮影してたんだ」

「ドキュメンタリー?」

少々わざとらしく疑問を投げると、篠原先輩が食いついてきた。

「そう!来年のNコンに応募しようと思っててさ、撮らせてくれない?」

「まあ少しだけなら....」

「ありがとう!じゃあ梢、私が指示するから移動させてあげて」

篠原先輩はそう言うと、すぐにカメラ台の位置を調整し始めた。

「すぐ終わるからごめんね、私窪田梢。であっちのカメラマンが篠原実咲」

「窪田先輩と篠原先輩ですね...」

ーー....あっ、せっかくなら。

確か2人は放送部だった筈、という事は...

「もしかして...ごきげんようの人ですか?」

「えっ?!良く分かったね!そうそう、私達放送部だから」

当てられた事に驚いたのか、予想通り窪田先輩が食いついてくる。

昼休みの放送の最後、ごきげんようで締めていたのを思い出し、それを口に出したのは正解だった様だ。

ーーここで出来る限り仲を深めておきたい...!

「梢!準備出来たよー、後輩ちゃんもお願いね」

「下校するシーンが撮りたいだけだから、変に意識しないでいつも通りで良いよ」

ーーそれ、入学から数ヶ月の1年生には中々難しいと思うんですが...

私以外の普通が馴染んでいない1年生だったら、きっとガチガチに緊張していた所だろう。

しかし私は転生者、ここは過去の経験にものを言わせて完璧な普通をお見せしよう。

窪田先輩に軽く両肩を引かれて位置を調整され、直後に篠原先輩の合図が掛かった。

「はい!回った〜!」

 

 

 

「ありがとう!まさか一発で行けるなんて...!」

私の両腕をブンブンと上下に振って喜ぶ篠原先輩の横で、窪田先輩が口を開く。

「実は何人かに協力してもらったんだけど中々良いのが撮れなかったみたいでさ、君が居てくれて助かったよ〜」

「あ、そうだ後輩くん、名前なんて言うの?」

「1年の天音春です」

「アマネハルあまねはる....よし覚えた」

復唱して頭に入れたらしい篠原先輩は、そのまま私に顔を近付けてきた。

「これからも協力してくれない?!」

ーー待ってました!!

「....えーっと、私で良ければ喜んで」

「よーし!1年生の協力者ゲット!」

「なんかごめんね....!でも実咲、超本気だから」

そう、篠原先輩は超本気だ。

パンデミック当日もカメラを回し、自身が襲われる寸前まで....

そのシーンを思い出し、思わず表情が歪む。

助けたい人、助けなければならない人。

 

完成する筈のないこのドキュメンタリーの完成品が、とても見たくなった。

 

そして、完成させたくなった。




ーキャラクター紹介ー
直樹美紀
巡ヶ丘学院高校の2年生(原作開始時)。
原作ではショッピングモールで騒動に巻き込まれ学園生活部に救出されるが、実写版では校内で生き残っていた所を発見され救助される。
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