It is calm and it is a passionate magic boy.   作:桜井舞人

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初めましての方は初めまして。
お久しぶりな方はお久しぶりです。
桜井舞人です。

マルチが解禁されたので、読もうから直接移転させていただきます。
移転作業が終了次第、読もうの方は削除させていただきます。
リリカルなのはの二次小説を書かせていただきます。

オリ主、原作ブレイクしますが、よろしくお願いします!!


プロローグ
第00話 「チート??違います、お金持ちです。」


side ???

 

「今年でワシももう76…か…」

老人は呟いた。

「地位も権力も金もあるのに…息子が先立ち、跡取りとなる子がいないとは…

死にきれんのぉ…。」

クシャクシャの顔が更に渋く、クシャクシャになる。

 

男の名は花菱(はなびし) 暁(あかつき)。

日本に花菱ありと言わせるほどの名家、花菱の者だ。

今となってはバニングスに遅れをとるが、昔は日本の4割の収益を占めていた。

石油、自動車、服に食べ物…考えられるものに手を出した。

 

が…それも25年ほど前までだ。

跡取りにして最愛の息子、亨一(きょういち)をなくしたからだ。

妻とは相性が悪かったらしく、子供ができずに、やっとのことで生まれた子供であった。

それ故医者に、この子を出産したら後が無いでしょう…

残念ですが、奥さんの体ではもう出産できません。

それは、後になってわかったが、死刑宣告と同じであった。

それは妻の幸子(さちこ)にとっても同じことであった。

 

「あなた…養子を取りませんか??そうすればきっと…」

妻の言葉に首を振った。

「よしてくれ…このような後先少ない老人達がとったって、その子の迷惑になる。」

幸子も確かにそうだと思う。

今から養子をとっても、面倒を見れるのが5年が精々。

いつ死ぬかもわからない老人の世話になり、その後は世話をしなくてわなら無い子…

とてもかわいそうである。

 

「ふむ…む??おぉ!幸子見ろ!!雪だ…今年に入って初めてではないか??」

落ち込んでる老夫婦たちにエールを送るかのように降ってきた雪。

「まぁほんと…そうですねぇ…初雪ね。」

そう言うと革の椅子から立ち上がり、二人で窓の外の雪を眺めていた。

すると、門の外からなにか聞こえるではないか…

 

「む?珍しい…猫でも喧嘩してるのか??」

首をかしげながら耳をすまし、音のほうに目をやってみる。すると…

 

「まぁ大変!!あなた!これは赤ん坊の泣き声ですよ!!」

「なんだと!!こうしちゃおれん!すぐに門に行くぞ!!」

二人はコートも着ずにすぐに門に向かって走り出した。

急いで階段を駆け下り、使用人たちの制止を振り切り門まで一目散にやってきた。

老人とは思えないスピードでやってきた門のそばには…

やはり赤ん坊が元気よく泣いていた。寒さに震え、涙を流し泣いている。

「まぁ、まぁなんてかわいそうに…すぐに暖めてあげますからね…」

そう言いながら幸子は子供を抱き上げた。

すると、子供から何かが落ちた。

手帳と…何か…月の形をしたアクセサリーである。

 

とにかくここは寒すぎる…

二人…いや三人は大きな家の中に入っていった…

 

中では使用人たちと執事の那賀川(なかがわ) 秋一(しゅういち)が待ち構えていた。

「旦那様。一体如何なさったのですか??急に外にお出になされて…

おや?その赤子は如何なさったのです?」

もっともな事だ…

主人であるこのわしがいきなり走り出し、コートも着ないで外に出るとは…

ただの乱心にしか、わしも思えん。

そう考えていると幸子は

「外でこの子が泣いていたのです…

誰もいませんでしたし、このままでは凍えてしまいますので連れて来ましたの。」

いけなかったかしらと言わんばかりに首をかしげ、那賀川を見た。

無論那賀川はいけないとは言えない。

「すぐに暖かいミルクとタオルをお持ちします。ですから、部屋にお戻り下さい。」

その言葉に礼を告げ、すぐに部屋に戻って先ほどの手帳を開く。

 

それは日記帳だった。

 

6月1日 晴れ 23:45

 

もうすぐ赤ん坊が生まれる。

せっかくなので日記を記念につけることにする。

待ちに待った我が子…

予定日では20日になっている。

 

立て続いた事件もようやく片付き、出産に立ち会うことができそうだ。

今はただ、我が子が元気に生まれることだけが楽しみで仕方が無い。

本当に待ち遠しい。

 

6月2日 くもり 23:31

 

おかしい…犯人たちの供述と犯行の手口の予想が大幅に違う。

それに道具を用いての犯行なのにもかかわらず、それが出てこない。

犯人たちの供述通りに探してみるも、見つからない…

どうなっているんだ。

明日もう一度取調べと、調査を進めることにする。

 

愛する我が子が生まれる前に、決定的な証拠を見つけてやる。

 

6月3日 はれのちくもり 22:59

 

犯人たちの供述は自体は一致してはいる…

だが、証拠を捨てた場所からは何も見つからない…

犯人たちのアジトにも決定的といえるものがない。

しかもだ、口裏を合わせられないように、拘留場所も離してある。

わからない…一体どこにあるんだ。

明日はもう少し範囲を広げることにする。

 

6月4日 あめ 23:11

 

ようやく一つ見つけたが…これも決定打にかける。

やはり、決定的な証拠は別にあると睨んでいる。

だが、犯人たちからは新しい情報が出たという続報がない。

もう一度アジトを含め、くまなく探すことにする。

 

以下同じような文面が続く。

 

 

だが、文面が徐々に変わってきた。

 

6月15日 天気不明 21:43

 

ようやくもう一つのアジトを発見した。

周りは証拠ばかり…これでこの件もおさらばだ…

しかし潜入したがいいが…単独なために人を捕まえるにも心持たない…

応援を要請する事にする。

 

6月16日 天気不明 22:45

 

日記をつけてから丸一日が経過した。

だが…連絡も、応援も来ない。

どうなっているんだ??

とりあえず、脱出通路の確保と証拠をできるだけとる事に専念する。

 

6月17日 天気不明 23:13

 

まだ来ない。

証拠は持てるだけ持っている。

犯人の仲間たちに見つからないように息を潜めるのにも疲れた。

我妻、シルヴィにも会いたい…

まだお腹にいる我が子キョウにも…

 

6月18日 天気不明 20:59

 

一瞬通信が入るが、すぐに切れた。

ネズミの様に息を潜める。

 

6月19日 天気不明 23:15

 

医者からメールが届く。

シルヴィが産気づき始めたようだ。

もう少しでキョウが生まれる。

我が子を抱き上げるためにも、この件を早く終わさせると胸に誓う。

 

6月20日 天気不明 23:45

 

はめられた!!

管理局の介入した事件だったのだ!!

つまりこの人体実験…プロジェクトFは管理局が管理、実行していたのだ!!

そして真実を知った俺は切られ、消される!!

このままではまずい!!

すぐに病院に駆けつけたが、妻はもう手をかけられていた…!!

せめて我が子だけでも…!!

 

12月23日 天気曇り 23:55

 

かこまれた…せめてキョウだけも!!

そう思い走っていると、いかにも裕福な家がある。

断腸の想いで、キョウとデバイス、そしてこの日記を置いていく。

これを見た方には、申し訳が無いと思う。

キョウを頼みます。

 

日記はここまでで終わっている。

 

日記には血が滲んでいた…

恐らく彼はもう死んでしまったのだろう…

 

「あなた…どうかなさったの??」

妻は哺乳瓶でミルクを与えながら、わしを見つめた。

「…この子の両親は亡くなられた…」

幸子は目を見開いた。

「だから…この子はワシらで育てよう。」

「はい…。」

 

 

運命とは残酷なもんじゃ…

一つの家族が潰えたと思ったら、一つの家族の希望となっとる…

ワシは自分が憎い…

この子を抱いて、幸せを…生きがいを…希望を感じとる。

この子に会えてよかったと思っておるんじゃ…

それは本当に罪なことじゃ…

だが、この子には罪は無い!

だからワシはこの子の両親に誓う。

この子を、わしの命が燃え尽きるまで育てて見せると!

 

 

そして時は流れる…

 

あれからもう7年の年月が経った。

 

side 暁

 

「バニングスさん!!このとーーーーーりじゃ!!!!」

ワシはこの通り元気にしちょる。

向かって目の前にいる若い金髪碧眼のいけめんは…

ワシの元ライヴァルのデビッド・バニングス氏じゃ。

「いや、ですから…」

「それをどーーーーーにかできんか!!頼む!!

もうバニングスさんしかおらんのじゃ!!」

頭をさげ、手を頭の上で拝む。

全くふざけた頼み方だが、これの方が一生懸命さが伝わる。

「はぁ…では、なぜ叶(キョウ)君を私が預からなくてはならないのですか??」

やっと、話のテーブルについてくれた様だ。

「ワシはもう83じゃ…この先もう長くない…余命宣告3ヶ月じゃからな。」

バニングスさんの顔が驚愕にゆがむ。

「癌じゃよ…もう末期の末期じゃ…ワシも…妻もじゃ。」

「それで叶君を…」

うなずくてこう言った…

「あの子は頭がいいといってもまだ7歳。一人残して逝ったら、騙されてしまうわい。

ワシは色んな人間を見てきたからわかる。

金は麻薬と一緒よ…それで人生変わってしまうのじゃ…

だから頼む…学費も養育費も渡す!!会社の合併吸収してくれてかまわん!

頼む…あの子を…叶を頼む!!」

深々と頭を下げる…。

「顔を上げてください…」

言われた通りに顔を上げる。

するとバニングスさんが笑顔でこう言った。

「養子には…とりません。ですが、花菱 叶君はしっかりと預からせてもらいます。」

ワシは感動した。

「ありがとう…!!ありがとう…!!はっ!こうしちゃおれん!!

待たせている弁護士を呼ぶ!!すぐに遺言を変えなくては!!」

と席を立ちドア付近で電話をかける。

バニングスさんはぽかーんとしちょる。

「もう来るそうじゃ…来た様じゃの…」

一人のスーツの青年が来た。

「花菱様…バニングス様立会いのもと、

本日は花菱 暁様のご遺言の変更ということでよろしいのですね??」

早速話を進めた。

「うむ…相楽君。

遺言の内容は、バニングスさんに会社とその利益を任せ、養育費に30億渡す。

そして叶に1兆円の相続。残りは執事たちに一年は暮らせる…

そうじゃなそれぞれ3億づつ渡し、バニングスさん、いくら欲しい??」

またもやぽかーんとしてるバニングスさんは、すぐにこう言った。

「そ…そんなにはいらないですよ。」

またまた謙遜しおって。

「じゃぁバニングスさんに300億とワシの土地をプレゼントしておくれ。

後は恵まれない子供や国に寄付じゃ。」

青年…相楽君はうなずくと、おもむろにペンを渡した。

「ではこちらに前の遺書とあわして、変更したところを書いてください。」

 

 

 

 

 

「ではこちらで遺書のほうは変更完了です。では私これで失礼いたします。では…」

そう言って、静かに相楽君は出て行った。

「やれやれ…バニングスさん。

叶は結構習い事をしてまして…

すみませんが、本人がやめると言うまで続けさせて下さい。」

間抜けな声をだすバニングスさん。

「はぁ…。わかりました。ではいつからお預かりしましょう。」

「今日からお願いしたい。」

「かまいませんが、なぜですか??」

「今日からワシら入院しなくちゃならんのじゃよ。

して、面倒見れん…だからすまんが頼めんかのぉ。」

「わかりました、お預かりします。」

 

 

 

こうして僕、花菱 叶の物語が幕をあげた…。




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