It is calm and it is a passionate magic boy.   作:桜井舞人

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第08話 「いきなりのデート!?喫茶店に行ってきま~す♪」

前回のあらすじ。

魔力反応を調べに行ったら、一人と一匹発見。

彼女達の動向を探るために、潜入捜査を始める…

まずは…

 

 

「デートか…」

「違います。」

いきなりコントをしている叶と月詠。

「男と女が二人で逢引なんてデートじゃないか。」

「前提が間違っています。二人ではありません。

そんなふざけていると、使い魔に噛み殺されますよ。」

「アルフ君にか…それは困る。」

「とにかく、急ぎましょう。もうすぐ刻限です。」

学校が終わってからもう10数分。

急がないと公園に着く頃には3時を過ぎてしまう。

 

「ちょっと叶!何処に行くのよ!!」

こ・こ・で・邪・魔・が!!

ってアリサかぁ…

「ちょっと野暮用があってね…何夕飯までには帰る。」

すると少し考えるアリサ。

何を考えているかわからないが、こっちには時間がない。

さっさと行ってしまおう。

「じゃぁ、また後で。」

「待ちなさい!と、特別に私もついて行ってあげるわ。」

な、なんだってー!!

「いや…ついて来ないで欲しいんだけど…」

「なんでよ!」

「いや…だから、野暮用なんだって。」

「む~!怪しいわね…」

アリサ君…女の子と会うのに、女の子を連れてはいけません。

というか、魔法関係なんでよけいに無・理。

と、考えていると…

 

「アリサちゃ~ん!」

すずかちゃんが走ってきた。

「何よすずか。」

「何って、塾だから迎えに来たんだけど…」

あっ!という顔をするアリサ。

よっし!!よ~し、よしっ!!

ナイスすずかちゃん!!

するとすずかちゃんがつやのある唇を僕の耳まで顔を近づけて…

「貸しだからね♪」

と小声で囁いた。

コクンと頷いたてアリサを見たら、真っ赤な顔をしている。

はてな?一体どうしたんだろう…

「叶!アンタって奴は!!」

「なにゆえ!?」

いきなり怒られた!

なぜ!?

訳もわからずまま走って逃げ出した。

振り向くと…クスクス笑うすずかちゃんとなのは。

よし、二人には今度たっぷりと御礼をしよう…たっぷりとね…

 

(そんなことはどうでもいいですから、急いで下さい。

あと10分です。)

(げ、本当に!?そりゃぁ急がないと!!)

「待ちなさ~い!!」

あぁもう!!アリサの奴、しつこい!!こうなったら…!!

「伏見君!この券あげるから、アリサから逃がしてくれ!!」

翠屋JFCのキーパー、伏見君にお願いすることにした。

「あ、あぁ…わかった…でもこの券って…」

「この前できたばかりの水族館!マネージャー誘ってあげなよ!

じゃぁ、よろしく!!」

手を上げて、公園へと走る僕。

これで間に合えばいいなぁ…

(その前に、変装はして下さいよ、マスター。)

(む、了解した。)

変身魔法を使いながら、フェイトの元へ急ぐ。

変身といっても、顔に傷を作ったりするだけで、顔はあまり変えてない。

まぁ、ようはあまり顔を見えないようにすればいい。

 

「はぁ…なんとか着いたな…」

「2時56分…ギリギリですね。」

「時計台の下にフェイトは…いた。」

「でも、使い魔の姿が見えませんね…」

確かに…あの犬の姿が見えない。

一体どうしたのだろうか。

まぁ、何はともあれ…

「待たせたな、フェイト…」

声をかけた。

すると顔を上げて、僕を見上げて…

「いえ…まだ時間ではないですから…」

「ふむ…そう言って貰えると助かる。

では…移動するかい??それとも…ここで?」

「私はどちらでもいいです。」

「ならば移動しよう。こんな目のある所で話などできん。

適当な喫茶店にでも行こう。」

「わかりました…アルフもそれでいいでしょ??」

「あたしはフェイトの言うことに従うよ。

でも…あんたの言うことは聞かないからね。」

「アルフ?君が??そうか…人間の姿にもなれるのか…

なかなか綺麗じゃないか。」

「な、何をいきなり言ってるんだい!!

い、いきなり綺麗だなんて!」

顔を真っ赤にして…か、かわいい…

アリサもこれ位かわいければなぁ…

(え?十分かわいくありませんか?)

(性格が…だよ)

(アリサはこの手のお世辞で照れてなんてくれない…

ていうか、アルフ照れすぎ。いつまで頭振ってるんだ??)

(かわいいと思うのですが…まぁアルフについては同感です。)

「まぁ、喫茶店に行こう。おいしいお店を知ってるから。」

 

という訳で…

やってきました。

花菱家の元執事、那賀川(なかがわ) 秋一(しゅういち)さんのお店に。

この店…浪漫巣館(ロマンス)は、結果的に首になってしまった、花菱家の使用人達が働いている。

お金の使い道のない僕が、オーナーをしている。

コーヒーも紅茶も一級品。

特に売りなのが、スイーツである。

花菱家の料理長だった、瑠璃垣(るりがき) 倭(やまと)が腕を振るう。

特にケーキやタルトがお勧めである。

ちょっと場所がへんぴな場所にあり、知る人ぞ知る名店だ。

まさに、隠れ家と言える場所だ。

 

「マスター、個室借りるよ~。」

「おや??坊ちゃん、久しぶりですね…どうぞお使い下さい。」

「すごいお店ですね…」

「あぁ…アンティークな家具とか結構いいだろ?

紅茶とかもうまいからね…結構重宝してるよ。」

まぁ日常会話を続けていると…

那賀川さんがメニューとお水を持ってきた。

「失礼します。はい、メニューです。

御用がおありでしたら、ベルをお鳴らし下さい。では失礼しました。」

流石本職とあって、動きが洗練されている。

 

「さて…何を飲む??私はコーヒーを頂くが…」

「えっと…」

うーん…とすごく悩んで言う。

「えっと…お勧めとかありますか??」

「そうだな…ラズベリーティーソーダなんて面白いぞ。」

色々の味が4層に分かれる。グラデーションの綺麗な紅茶だ。

「じゃぁそれで。」

「わかった。アルフはどうする。」

「え!?あたしかい!?」

「当たり前だ…飲むんだろ?」

「え…よくわかんないからフェイトと同じでいいや。」

「わかった。なら頼むぞ。」

机に置かれた、小さなハンドベルをチリーンと鳴らす。

すると10秒経たずに那賀川さんがやってきた。

「お呼びでしょうか…」

「注文をお願い。

ラズベリーティーソーダを二つに、ローマン・エスプレッソ。

それと、チョコケーキとチーズケーキ。

それから、ショートケーキを一個ずつ下さい。」

ローマン・エスプレッソとは、エスプレッソにレモンがついているもの。

エスプレッソにレモンをひと搾りすると、苦味が丸く変化。

イタリアの家庭で親しまれているメニューだ。

「かしこまりました。では少々お待ち下さい。失礼します。」

 

「さて…飲み物がきたら本題に入ろう。」

「はい、わかりました。」

ここからが勝負だ。

(マスター早めに決めて下さいね。)

(ん?何でだ。)

(今日は夕飯までに帰るのでしょう?あと2時間半ですよ。)

(了解した。ちゃちゃっと終わらせよう。)

 

こうして僕らの心理戦、第二幕が始まろうとしていた。

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