It is calm and it is a passionate magic boy.   作:桜井舞人

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第10話 「あれ?神様??ご不在なのですか!?」

前回のあらすじ。

喫茶店にてアルフをなでなで。

ねだられてフェイトもなでなで。

そして二人を研究所にお持ち帰り…

いや…二人とも寝てるんですよ??

 

さてはて…一体どうしたものでしょう…

「とりあえずメンテして欲しいです。」

「なに??何か変な所でもあったか?」

そいつは困る。

恐らく管理局が来るのは遠くの話ではない。

そこで月詠が整備不良ではお話にならない。

「いえ…特に問題はありません。」

問題がない??

だが…言い出したって事は何かありそうだな…

「分かった…メンテしよう。何処を中心に見ればいい。」

「カートリッジシステムの辺りを…」

「カートリッジ…やはり嫌か??」

「いえ…必要なものですから…ただ、やはり苦手です。」

インテリジェントデバイスである月詠。

彼女にカートリッジシステムを付けると言うのは異例である。

まずは安定性が確保されていない。

次にパワーが増えたことにより…フレームの耐久が落ちた。

コレはフレームを補強すればいい…

問題は安定性だ。

コレばかりはデリケートすぎてなんとも言えない。

徐々にすり合わせていくしかない。

 

「月詠…データはどうなんだ。他に妙な所は??」

「パワーが上がった分フレーム…というのは分かっていますね??」

「あぁ。もちろん了解している。」

元々そうなると分かっていたからな。

「その他に言えるとすれば、たまに魔力が抜ける感じがあります。」

「どういう意味だ…」

「つまり…パワーを増してますが、駄々漏れの状態…とでも言いましょうか。」

つまり何割かが無駄になっているということか…

「かなりの問題だな…どんな感じだ。」

「二割は逃げてます。」

「八割か…」

「そのお陰もあってフレームは大丈夫な所もあります。」

成る程な、それで予想よりも損傷度が低い訳か…

「自己修復モードを展開した時はどうだ??」

「やらないよりやったほうがましって感じです。

今言えるのは、自己修復モードに2割回せばフレームもガタがこないかと…」

「ちなみに砲撃魔法をフルパワーで撃ったらどうなる??」

「壊れます。」

「なら、どうにかするしかないな。」

「とりあえず、フレームを補強して下さい。」

「ん、それでフレームにパワーが伝わり過ぎないように、遊びを出す。」

どんな機械にも遊びは存在する。

車だって、バイクだって、自転車だって…

え??乗り物だけかって??

なんかの試験機にもあったはず…だよ??

 

「残りはカートリッジの漏れているパワーですね…」

「漏れていないカートリッジの特徴は??」

「ちゃんと封印処理をしてあり、均一に魔力が通っています。」

「漏れているカートリッジは??」

「封印処理はしてありますが、魔力は均一とは言えません。

それどころか、私自身に馴染んでいないです。」

成る程な…

魔力の均一性が問題なのだろうか…

「他に気になるところはあるか??」

「そうですね…強いて言うなら…

マガジン型のカートリッジではなく、リボルバー型のカートリッジを推奨します。」

リボルバー型のカートリッジ…

「そうだな…どちらも試してみなくては結果はでないな…」

「はい。まぁカートリッジは取り寄せないといけませんから…

今日の所は、フレームの補強をお願いします。」

確かに…その件は後でドクターに頼んでみよう。

「月詠リカバリーモード。」

「はい。スタンバイモードに移行します。」

懐中時計から刀の形になった。

パーツを一個一個丁寧に外していく。

そしてパーツを取り替えていく。

元のパーツより多少重厚感が出てしまうがこの際しょうがない。

グリースを塗ることも忘れずにしていく。

そして、最後にパーツを戻していくと…

「よし!!できたぞ月詠。」

「はい。ありがとうございます。マスター。」

「へ~…ペルソナさんは自分で整備できるだ…。」

 

「………!?」

 

ばっと後ろを振り向くと、フェイトがいた。

まぁいるだろうな。連れて来たんだし。

そうじゃなくて、起きていて、なおかつ僕の後ろにいるのだ。

つまり、先程の作業を見ていたことになる。

「いつからそこに??」

「えっと…今ですけど…もしかしてまずかったですか??」

またシュンとなるフェイト…可愛いな…

「べ、別に問題なんてないさ。」

カートリッジシステムさえ見られなければ…な。

「あ、あれ??仮面…つけたんですね…」

「あぁ…あまり見られたくないし、見ていて気持ちよくないだろう?」

「えっと…その…そ、そんな事は…ないですけど…

あ、あれ!見てもいいですか??」

指差す先は月詠。

「ダメだ。コイツは見せられない。

代わりと言っちゃなんだが、朧月(ろうげつ)なら構わない。」

朧月とは、月詠を模して作った、小太刀型デバイスである。

こちらにはカートリッジシステムは付いていない。

それどころか、インテリジェントでありながら、会話があまりない。

つまり、余分を消したデバイスだ。

「ほら…」

フェイトに朧月を渡す。

「わ、わわわ。えっと…り、りかばりーもーど??」

「スタンバイ。」

すると月詠の小太刀バージョンがセットアップする。

「すごい…これ、コンソールに乗っけて調べてもいいですか!?」

なんかすっごい勢いで迫ってきたんだが…

「か、構わないが…別に大した物じゃないと思うぞ…」

「ありがとうございます!!」

頭を深々と下げて、すぐさま調べている。

全く…かわいいなぁ…

(あなたにはその言葉以外言えないんですか。)

え?いいじゃん事実なんだし。

(知りません!)

何怒ってんだか…

 

「すごい…ここの構造とか、バルディッシュと全然違う。

比較的古い構造なのに、新しい技術が詰め込まれている…

あの!これって、ペルソナさんが作ったんですよね!?」

「あ、あぁ…それは月詠を元に作ったもんでな…

あ、月詠ってのはさっきのデバイスな。

構造はそのままに中身を新しくしようとしたんだが…

月詠に組み込む前に、試験的に作ったのがその朧月だ。」

すると、うんうんとうなる様に首を上下に動かすフェイト。

「すごい…是非、私にも教えて下さい!!」

「え??」

「この、デバイスの組み方とか、整備の仕方を!!」

「いや、整備はできるでしょ?」

「ペルソナさんのやり方を是非見たいんです!!お願いします!!」

困ったなぁ…ドクター仕込のやり方だから、常に最前線なんだけどなぁ…

(適当に教えればいいじゃないですか。

どうせ大したこと教えられませんよ。なにせ、半人前ですから。)

お前は一々言葉にとげがあるね。

まぁ、確かに事実だ。

これも任務の一環と思ってやるか…

「構わないが…後日にしないか??」

「えっ??はい別にいいですけど。」

そろそろ、家に帰りたいしな。

「悪いが今日の所は帰ってもらっていいか?それともここに泊まるか??」

すると、フェイトはすぐに顔を真っ赤にして…

「えっと…泊まってもいいですか??」

はい??

「あ、あの…まだ、来たばかりで、あまり道分からなくて…

その、帰れないです。」

ま…迷子だ、この子!!

「か、構わないが…朝だからと言って帰れるのか??」

「あう…帰れないです…」

「分かった…なら、泊まるといい…君もそれでいいかいアルフ。」

後ろから眠そうに近寄るアルフ。

「別にいいんじゃないかい??あたしもわかんないし。」

こ、この二人は…

「やれやれ…なら泊まっていくといい。」

二人とも嬉しそうに笑った。

 

 

 

こうして、奇妙な共同生活が始まったのであった。

 

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