It is calm and it is a passionate magic boy.   作:桜井舞人

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ネタです。
気にせずに読んで下さい。


第00-1話 「女??いいえ男です。」

side ???

 

病院のとある個室で、一人の老人と青年、少年の三人がいる。

老人は床に伏せ、もう死んでしまうかのようである。

実際に今日が峠だと言われている。

老人…花菱 暁は少年…叶へと遺言を渡し、最期のひと時を過ごしていた。

 

「叶よ…ワシはもう死ぬ…

まさかワシが婆さんを追うことになろうとは思わなんだ…

なんかワシにして欲しいことは無いか??」

 

ん?言うてみいと言って叶に尋ねた。

 

「一つだけあります…

これはお父様にしかできません。」

 

きっぱりと言い切り、暁の目を睨み付けた。

はて…なんかしたかのぉ…

 

「なんじゃ…続けなさい。」

 

「僕の戸籍を女から男に変えて下さい!!

僕は股間に男性器がついてます!!

ですから…!!僕の戸籍を、男に変えて下さい………!!」

 

ついついほろほろと涙がこぼれてしまった。

 

暁はと言うと…

「あっ、そーかそーか!!忘れとったわい!!

はっはっはっはっは~♪

いやいや、とても可愛く育つもんじゃからツイツイ変えちまった!!

叶よ、爺の茶目っ気だと思って許してくれんかのぉ。」

 

と能天気に笑っている。

とんだ茶目っ気だ。

僕にとっては一大事である。

 

「はじめてバニングスさんから聞いたときはビックリしたんですからね!!」

 

 

 

「叶君…ちょっといいかな??」

 

と少し困った顔のデビッド・バニングスさん。

アリサのお父さんであり、大企業の主たる人だ。

今は僕のお父さん代理でもある。

 

「なぁにパパ!叶と一緒にお外に行こうと思ってたのに!!」

 

むくれるアリサ。

懐いてくれる事は嬉しいのだが、直ぐに手を出すのは頂けないと思う。

 

「直ぐに終わる話だから、先にお外に行ってなさい。」

 

?????

つまり…これはアリサに聞かせられない話なのか…

まさか!!父さん、母さんに何かあったんじゃ!!

まだ宣告日よりはだいぶ早い…

 

「いや!そんな深刻な話じゃないんだけど…場合によっては深刻だけど…」

 

なんだ??

デビットさんが言いよどむなんて…

なんか要領を得ないんだけど…

 

「コホン…叶君。君は“男”だよね??」

 

 

 

「は??」

 

な・ん・だ・っ・て??

 

「いやいやいや!そんな顔しないでよ…

私だってこんな事君に聞くなんておかしいと思ってるさ!!

でもね…戸籍上だと君は…“女”になってるんだ。」

 

 

 

「え゛!?

ぼ、ぼぼぼぼぼぼ僕が!?おおおおおおおおおおお女に!?」

 

ついついどもってしまったが、当然だよね??

 

「う、うん。あの…顔が近いよ叶君。」

 

失礼しましたと言って引っ込める。

 

「僕は男ですよ。ちゃんと付いてますし。

あっ!そうか、だから髪を散々伸ばせ伸ばせと言ってきた訳だ!!」

 

ふと考え込んでいると…

 

「ごめん、戸籍なんだけど…私じゃ治せないんだ。」

 

 

 

 

 

「え??」

 

何かおっしゃりましたか、デビッド・バニングスさん??

 

「なんかロックていうか、暁さんの許可が必要みたいでさ…」

 

おとぉさーーーーーーーーーーーーーん!!

僕がなにかしましたか??

今まで怒られたことの無いこの僕が!?

しくしくしてると…デビットさんが

「話は私がつけておくから、アリサと遊んでおいで…ね??」

 

デビットさん…今僕は猛烈に感動してる!!

逆に父さんをどうにかしなきゃ…

 

こうして僕はその後アリサと遊びに行ったわけです。

そして現在この瞬間に繋がる訳です。

 

「のぉ…叶よ。そんなに嫌かの。」

 

珍しくお父さんが真剣な顔をしている。

だが断る!!

僕はこのままアレがついたままで…

女子トイレ、更衣室、プールなどに参加しなくちゃいけなくなる。

アリサの鉄拳制裁が待っているのが目に見えている。

だからはっきり言ってあげるんだ。

「嫌です。」と…

 

「そうか…もう7年経っとるしのう…だいじょぶだろうて。」

 

何を言ってらっしゃるのか全く理解できません。

 

「わかった、わかった。

そう睨むでない。可愛い顔が台無しじゃぞ。

これこれ!!コブシを握るでないというに…

はぁ…確かにこの子に女の子は無理かもしれんの…相楽君。」

 

扉近くに控えていた青年…弁護士の相楽(さがら) 悠一(ゆういち)さんだ。

 

「お呼びですか??」

 

そう言ってスタスタと父さんの近くに来た。

 

「わかっちょる癖に意地悪だのぉ相楽君も。

戸籍の書類じゃ。貸してくれんか。」

「今回の件については暁様に悪い点が幾つかありますので…

息子様の言い分も最もかと存じます。」

 

そーだそーだ。

相楽さん、じゃんじゃん言っちゃって下さい!!

 

「やれやれ…ほいほいっと…これでいいじゃろ??」

 

書類を相楽さんに渡すと相楽さんが目を通す。

 

「確かに…これで今日から叶君は晴れて男になったわけです。

よかったですね。」

 

と軽く微笑む相楽さん。

女だったらいちころなんだろうな~と思いつつも、頷く。

 

 

 

こうして面会時間ぎりぎりまで喋っていたが、父さんの容態が急変した。

 

そして…

 

「叶よ…ワシの可愛い叶。

できればお前のウエディングドレスが見たかっ…た。」

 

ピーーーーーーーーーー

 

「ご臨終です。」

 

医者がつぶやいた。

 

「父さーーーーーーーーーーーーーん!!」

僕は泣いた。

なぜって??それはね。

 

「最期の言葉がそれでいいのーーーーーーーーーーーーーーーーー!?!?」

 

 

僕の前途多難な日々は続く。




次回からやっと魔法という単語が出る気がします。

気長に待ってやって下さい。

メール、感想待ってます。
皆様のメッセージで激しくやる気が出るので、どしどし下さい。
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