It is calm and it is a passionate magic boy.   作:桜井舞人

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第13話 「裏表のココロと優しさ。」

前回のあらすじ

はやてに唇を奪われました。

お仕置きとして、とても辛いグリーンカレーを食べさせました。

まぁ役得ですよね??

 

はやての家を後にする。

時刻は8時。しばらくは家には戻らない。

少なくとも管理局の人間がこの世界に来るまでは…だが。

「まぁ何はともあれ、行こうか月詠。」

「はい、マスター。」

研究室として利用してるマンションに行くと、下の出入り口にフェイトがいた。

なにやらオロオロとしている。一体どうしたのだろう。

 

「何をしているんだ??」

すると、ビクッゥとなって、チワワみたいにフルフルしながら振り向いた。

声をかけてきたのが僕と分かると、安心したのか、ほっとしてる。

「ペルソナさん。」

笑顔で、そして小走りでこっちに向ってきた。

「どうしたんだ、こんな所で…」

「その、明るくなったので一度家に戻ったんです。

それで、普段使っているメンテナンス道具一式持って来たんですけど…」

成る程な。

「オートロックで、鍵が無くては入れなかったと。」

はいと言ってしゅんとするフェイト。

うん、犬みたいでかわいいな。

こう頭を撫でてあげたい!

と言う訳で実行に移した。

頭に手が乗っかった瞬間ビクッっとしたが、その後はなされるがまま。

次第に笑顔になっていく。

あぁ、尻尾と犬耳が見えてくるようだ。

(それは病気ですマスター。)

うるさい子だな。いいじゃないか、かわいいんだし。

(猫耳と尻尾の方が、私的にはかわいいと思うのですが?)

それはそれで可!

(さいですか。)

 

「まぁ、上に行こうか。お茶入れるから一息つこう。」

こくんと頷いて僕に手を引かれて行くフェイト。

そして不満げなアルフ。

僕が一体何をしたんでしょうか…後で噛まれないようにしないとな…

 

研究室に帰って紅茶を入れる。

自分で作った苺のジャムをこしてシロップを加える。

それを紅茶に入れて完成だ。

今日の茶菓子は、甘さ控えめのハーブクッキーだ。

こちらには細かくきざんだハーブが入っている。

口に入れるとさわやかな香りが吹き抜け、甘い紅茶とマッチする。

 

「やぁお待たせ。夕飯は食べたのか?」

フェイトに声をかけた。

すると首を振って、「食べてないです。」と言った。

紅茶をお茶菓子を手渡し、夕飯を用意すると言ってキッチンに戻った。

散々待たせていたので、夕飯も少し手の込んだ物を作ることにする。

そうだな…ピラフとサラダ、ミネストローネでも作ろう。

大体20分あれば作れるな。

まずはバターライスを…と考えていたら、アルフがやって来た。

 

「おいペルソナ。」

やはり怒っているみたいだ。

「どうかしたか?」

噛み付く気はないようだけど…

「随分と遅かったじゃないか、一体何をしていたんだい?」

「知人に会っていた。」

そう答えながらも、調理をする。

「それはフェイトとの約束よりも大切なことだったのかい?」

顔にしわを寄せて威嚇するアルフ。美人が台無しだね。

「メンテの件か?それは教えると入ったが、今日とは言っていない。

あくまで後日と伝えたはずだが?

それに連絡が取れないのだから、予定の伝えようがない。

管理局の人間がいつ来るのかもわからないのだから、念話もほいほいできない。

電話をかけても出ない。なら一体どうすればいいんだ??」

するとアルフはヒートアップ…しなかった。

そして、苦虫を噛んだ顔をしながらこう言った。

 

「それは…それはそうだけど…でも、でもフェイトは悲しそうだった。

とても、寂しそうにしてたんだ…」

と、アルフ自身も寂しそうに言う。

おかしな話だ。まだ2、3日しか会っていない、しかも正体不明な男。

それを信頼をもう信頼しているということ。

うれしい話だが、それは危うい。

彼女は、フェイトは優しすぎる。

人としてならいい事だが、戦闘者や犯罪者としては三流だ。

今の僕達は犯罪者なのだから…

 

 

 

 

 

その日の料理はとてもおいしいと言われたのに…

僕には何も感じなかったんだ。

味も、笑顔も、これからのことも………

 

 

 

 

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