It is calm and it is a passionate magic boy.   作:桜井舞人

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第14話 「貴方は犬派?それとも猫派?」

前回のあらすじ

なんかウチに二匹犬がいるんだけど…

一匹の名前がフェイトで、もう一匹がアルフ。

あれ?なにか違ってる??

 

朝からフェイトと一通りバルディッシュのメンテをしていた。

教えながらだったので、随分と遅くなってしまった。

流石に基礎がしっかりしているだけあって、応用もすぐに飲み込んでいく。

後2、3回教えるだけで、良さそうだ。

そうしたらこの奇妙な共同生活が終わる。

何故なら、彼女には家がある、それは僕にも言えることだ。

彼女には彼女の生活サイクルがあり、僕にもある。

 

それにそろそろバニングス邸に戻らないとアリサがうるさい。

うるさいだけでなく、恐らく怪しんで後をつけて来るかもしれない。

いや、絶対に来る。

ここは僕の心の安らぎ、最後の砦。

ここをばれる訳にはいかないし、ここが戦場になることも考えられる。

 

それに、ここにはよくドクターも足を運ぶ。

とてもじゃないが、フェイト以外の人間は来てもらっては困る。

ここは、罠や物資が揃っている、本当に最後の砦なのだから…

 

でもなぁ…この件が落ち着いたらここ引っ越さなきゃなぁ…

ここが管理局にばれても困るし、フェイトにたびたび来られても困る。

というか、犯罪を犯しているフェイトは…来れないとは思う。

でも、恐らく管理局のことだ。

フェイトを引き抜いて、嘱託魔導師に仕立て上げることだろう。

それに、今回の担当はリンディさんだしな…

“恐らく”が“絶対”に変わると確信している。

 

闇の書の件があるからね、是非とも引っ越そう。

局員が犯罪を犯している訳だしね。

 

それにしても…

「アルフ…痛いんだけど。」

なんで足をかじられなきゃいけないんだろう…

「おっ、やっと反応したね。安心しな、甘噛みだ。」

「甘噛みてのは内出血するものなんですか?」

足に痣ができている。なかなかに痛い。

「それはアタシのサービス精神ってことさ。

それよりも、ご飯まだなのかい?あたしゃお腹がすいたよ。」

アルフのサービスには血がつき物らしい。

「だからさっきから作っている。もうしばらく待て。犬らしくな(ボソッ」

「さっきからそればっかりじゃないか!

それに犬らしくってのはどういう意味だい!?変な意味だったらガブッていくよ!」

あの…だから、足に何故噛み付くんだ。

 

「待て…と言うことさ。犬に命令する言葉の一つさ。

だから待っていろ、今回は手を加えているからうまいぞ。」

すると、僕に噛み付く力が弱まりつつ、尻尾をぶんぶん振っている。

が、いきなり噛み付く力が強まった。

嬉しかったからだと、僕はそう解釈した。

だがまだ血は出ていない。

それだけでも僥倖だ。

 

「いい加減離せアルフ。いつまでたっても進まん。」

「チッ!しょうがないね…ほらよ。」

あの噛み付きながら喋るとか、痛かったんですけど…

「後五分足らずでできる。フェイトにも言っておいてくれ。」

頷くとのしのしと、そして悠然と尻尾を振ってフェイトの元へと行った。

 

夕食後、今後の予定について話し合う。

明日はすずかちゃんに、家に来ないかと言われている。

ちなみに行かないとアリサ“達”の私刑が待っているのは言うまでもない。

まぁ、午前中はジェルシード探索。

午後からは月村邸に行こう。

とその方向に話を進めていたら…

 

がぶりっ♪

アルフよ…今度は何だ!?

 

とアルフに顔を向けると…って、寝てるし!!

なんで寝るときに僕を噛むの!?そしてチューチュー吸ってるし!

「すごい…アルフがリラックスして、甘えてる…」

な、成る程?これは犬の赤ちゃんが母親の乳を求める行動と類似している。

しかし…なぜ、僕の足なんだろう…

しかもフェイトは尊敬の眼差しで俺の事を見ているし…一体どうしたら…

 

結局アルフは離してくれなく、仕方なくリビングで雑魚寝することになった。

それとアルフがいるという理由で、僕の横にはフェイトが寝ている。

しかも寝息を静かに立てて、抱きついてくるし…

まぁ、使い魔のアルフがそうなのだから、予想はできたことだけどね…

はぁ…寝よう…

 

Side フェイト

 

あっ…ペルソナさん寝ちゃった…

寝息を立てながら私の頭を撫でる暖かい手。

でも…寝てるんだよね?すごい…

アルフも甘えてるし…私も…いい、よね?

えい!わ、すごい…筋肉あるんだ…でも肌はすべすべでもちもちだし…

顔には大きな傷がある。でも…とても優しい顔。

うん。なんかお兄ちゃんみたいな人だなぁ…

私ったら、何言ってるんだろう!?

……………お休み、お兄ちゃん♪

 

Side out

 

朝起きたらいつの間にかアルフが、僕とフェイトの枕になっていた。

なんでも僕に迷惑かけたから…らしい。

まぁ犬に甘えられるのは悪い気がしない。

いつもやられてるし。(言わなくてもわかると思いますが、アリサのことです。)

ん?なんか言ったか??

まぁいいや、とりあえず朝ご飯作ろーっと。

うーーーん…何作ろうかな…

オムライス、オニオンスープと海草サラダにしよう。

デザートはキウイフルーツとヨーグルト。うん決定。ちゃっちゃと作ろう。

 

ご馳走様とフェイトの声を聞いて話しかける。

「さて、この後はジュエルシードを探索しよう。」

うんと頷く二人。

現在あるジュエルシードは僕の渡した2個のみ。

正直お話になってないのだがね…

なのははもう4個…だったかな??

まぁいいけどね。

 

「とりあえず広域探索魔法はしないで、今日は町を歩く。」

するとアルフは?マークが浮いてるようで…

「何でだい?」と尋ねてきた。

「探索はするが、今回は町の地理を把握してもらう。」

「それなら大丈夫です。」とフェイトは言うが…

「迷った者が言っても信用ならん。

それに私が抜けた後も回収するのだろう?

ならば確認しとけ。逃走ルートはいつでも確保してから行動を起すべきだ。

管理局に捕まりたくはないだろう??」

しゅんとする二人。そんなに落ち込まんでも…

「では行くぞ。ついでだから買い物もする。」

すると現金なことにアルフは目を輝かせた。

いつまで経ってもフェイトの気分がはれないので、無理に引っ張って行った。

数分経つと、なぜかきょう一番元気になっていた。

やはりこの子には笑顔が良く似合う。

何とかして、管理局から見逃してあげたいと思った。

 

「ね、ねぇペルソナさん?」

ウインドウショッピングもとい地理の確認をしていると、フェイトが聞いてきた。

「ペルソナさんはこの世界出身なの?」

それ位なら指しあたりがないし答えてやるか…

「違う。あくまで拠点として利用してるだけだ。出身はミッドだ。」

するとビックリするフェイト。

「ミッドチルダ出身なんですか!?でも何でこんな辺境に…」

「仕方が無いだろう。親父が犯罪者なんだ。住んでられんよミッドなんかに…」

するとしまったという顔をするフェイト。

また落ち込んだ…やれやれ、世話がかかる子だ。

本当にどこかの犬みたいだ。

 

くしゅん。

「ん、誰か噂してるわね…この感じは叶ねっ!後でしばく。」

 

ゾクリ。

なんか嫌な感じがするが、慰めてやろう。

頭をくしゃくしゃと撫でながら、

「気にすることは無い。私もこの生活は気に入ってる。

それに、ここにいなければ、フェイトとも会えなかっただろうに…」

真っ赤に染まるフェイトの顔。

そしてまた笑顔になってうんと頷いた。

ずっと握っていた手に少し力を入れてきたフェイトに微笑を返して帰路についた。

 

 

 

「さて、フェイト。私はこれから出かけなくてはならない。

後は待たせて構わないか?」

するとフェイトが頷くとアルフが…

「フェイトのことは任せてよ…絶対にアタシが守ってみせるから…」

「任せたぞアルフ…では行ってくる。」

自作のクッキーを持って月村邸に足を進めるのであった。

 

 

 

変身魔法を解いてインターホンを押した。

「はい…叶様、今ロックを開けますのでお待ち下さい。」

しばらく待つとノエル・K・エーアリヒカイトさんが迎えに来た。

「お待たせしました。」

「いや、ロックだけ解除してくれれば良かったのに…」

「いえ…メイドとして当然のことをしてるのみです。

それに、叶様が久しぶりにこちらにいらっしゃったので。」

の…ノエルさん。

ノエルさんにそんな顔されちゃ困るな…ちょくちょく顔を出すとしよう。

 

すずかの元に案内されると、もう全員揃っていた。

「あっ、叶君来てくれたんだ。」

すずかちゃん。

「やっほー、叶君。」

なのは。

「来たわね…後で話があるから、逃げたらどうなるかわかってるわよね?」

アリサ。

「やれやれ…そうだ、ノエルさんに御菓子渡したから後で食べよう。」

「「「うん♪」」」

現金なものだ…

 

しばらく経つと…

やはりいづらいな…女の子の話にはついていけない。

とか思っていると…

(マスター魔(ペルソナさん!!))

(どうしたフェイト。)

(見つけた…ジェルシード…!!)

(何?)

(私もそれを言いたかったんですが…)

(今発動する!)

(了解した。近いのなら手伝おう…)

(マスター発動しました。これは…)

(近っ!!敷地内じゃないか!!フェイト!すぐ向う。)

(わかった。私も行くね。)

 

「すまない、電話だ…しばらく席を外す。」

するとアリサが…

「うん、待ってるから…待ってるからね?」

「そんな顔するな…ちゃんと戻る。」

そう言って建物の中に入り、転移した。

 

「ペルソナさん!」

「何処だ?」

「あ、アレです…」

合流し、目標を確認する。

するとそこには…

「猫…ですか??」

「猫だな…」

「猫だね。」

「猫ですね…(かわいい…。)」

大きな…とても大きな猫がいた…

 

 

 

 

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