It is calm and it is a passionate magic boy.   作:桜井舞人

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第02話 「手加減してよ月詠」

「ということで、補助つきで飛んでみましょう。」

 

デバイスとバリアジャケットを出したばかりの僕を急かす月詠。

 

「先程のイメージを忘れないで下さいね。

先程のイメージなら、ちゃんと飛べるはずですから。」

 

しかしながら…本当に魔法あったんだね。

さっきは飛んだことに喜びすぎて忘れてたけど。

 

「マスター。無視をしないで下さい。」

 

あっ、ついつい…忘れてたわけじゃないんだよ。

考え事をね…

 

「じゃぁ、やってみるよ。」

 

月詠に一言かけて飛ぶ準備を始める。

イメージイメージと…靴の裏からジェット噴射を想像した。

粘土をこねて、できたものに魔力を注ぐ…そんな感じだ。

さっきとは違い、結果はすぐに出た。

2mの位置は、すぐに達した。

秒数にして、一秒もかかっていない。

補助が付くだけで、これ程の差が出るんだ。

 

「すごい、飛んでる!もうこんな高くまできちゃった。」

 

大体30m位であろう。

そこまで一気に上がると、ジェットを止め、その場で停止する。

すごいこれが、魔法なんだ…

この風が突き抜ける感じ…夢じゃないんだ…

 

「マスターすごいです!

まさか、一時間足らずでここまでやるとは思いませんでした。

本当にすごい…」

 

そこまで言われると照れるよ月詠。

 

あっ、今思ったんだけど…月詠って可愛い性格してるな。

えっ??アリサだってそうだろうって??

毎日毎日痛いんですよ。

避けたり防いだりすると怒るし。

本当にもう少しお淑やかになって欲しいものです。

 

「嬉しい誤算ですね…

これはカリキュラムのレベルを多少あげる必要がありそうです。」

 

ん??月詠…今なんて言いました??

カリキュラムのレベルをあげる??

それってつまり…

 

「マスター。本日は飛ぶことに集中しましょう。

マスターには今日中にバレルロールできる様なって貰います。」

 

ばれるろーる??って!

 

「バレルロールって戦闘機とかがくるくる回る奴でしょ!

無理無理!!そんな事したらGがすごくかかるし!!

内臓とかいかれちゃうよ!!」

そう口答えしたら…

 

「大丈夫ですよマスター。

その為のバリアジャケットです。

それに…その、マスターには…私が付いてますから。」

 

月詠ーーーーーーーーー!!

その言葉は、別の機会に、別の場所で聞きたかった!!

ていうか、本当に可愛いなこのデバイス。

作成者の性格を疑うよ…

 

「では張り切っていきましょう♪」

 

ちょっ!!

機械的な声なのに、めっちゃ言葉が踊ってる!!

 

「イヤーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!」

僕の叫びは、森の木々に木霊しただけでした。

 

 

 

「疲れた…もう、駄目。」

 

家に帰って来ました。

現在ベットに倒れこんでいます。

それもこれも全部…全部…。

 

「マスター。」

 

この僕のデバイス…月詠のスパルタ訓練が原因です。

 

「マスターの魔導師ランクが判明しました。」

 

倒れている僕を軽く無視し、月詠は喋り続けた。

 

「マスターの魔導師ランクは、B++ランクです。

今日一日、魔法を使い続けて貰いましたよね。

魔力がきれるまでを計りました。

そこから計測された数値…すなわちB++ランクという訳です。

マスターに今日やってもらった魔法はどれも基本です。

すべてはあの基本から発展しますから、忘れないで下さいね。」

 

うん。忘れないよ。

とりあえず…すごっく気になるんだよね僕は…

 

「ねぇ…Bランクってすごいの??」

「はい。マスターの敵にあたる、管理局なんですが…

一般の武装局員はD~Cランクが最も多いです。

つまり、今のところは安心して下さい。

ただし、管理局にもAランク以上の方がいます。

例えば、ゼスト・グランガイツという方もいます。

彼なんかはオーバーSランクです。

あとは、ハラオウン家の息女、リンディ・ハラオウンもですね。

マスターなんかは、お話にもなりませんよ。」

 

現実を突きつけられました。

 

「マスターはこれからかなりの練習をして貰います。

そうする事により、魔力がまだ増える可能性があります。

第一、Bランクで飛べたんです。才能はありますよ。」

「えっ??普通は飛べないの??」

「飛べますが、バレルロールはできないでしょうね。

飛ぶのには才能が必要ですから。」

 

やった!!つまり僕は結構いけてるって事じゃん!!

 

「今日一日見ててわかったんですが…

マスターは魔力のコントロールがうまいです。

なので今回も比較的長く飛べましたし、その他にも割けました。

これは素晴しい才能です。こちらを伸ばしていきます。」

 

なんかすっごく、持ち上げられている感じがするよ。

 

「まぁ明日は早朝からトレーニングしましょう。

魔法を一般の人に見られたら大変ですからね。

いつ管理局が来てもいいように、ビシバシ行きますよ。

いいですね、マスター。」

「僕に拒否権は用意されてますか??」

「いいえありま…あります。

ですが、死にたいのですか?マスターの父親のように。」

 

それを言うのは卑怯だよ…月詠。

 

「やるよ…わざわざ管理局の連中に殺されてなんかやらない。

僕が僕であるために、平穏な生活を送るために…

大切な人たちを守るために、力が必要だから…

月詠…僕を鍛えて下さい…お願いします。」

 

こうして僕の魔法使い(仮)の特訓が始まりました。

これからの日々、いつ管理局が来るかビクビクものですが…

僕の平穏を守るためにも、頑張ります。

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