It is calm and it is a passionate magic boy. 作:桜井舞人
父さんとギン姉へ。
お元気ですか、スバルです。
あたしとティアがここ、機動六課の所属になってから、もう2週間になります。
本出動はまだなくて、同期の陸上FW4人は、朝から晩までず~っと訓練漬け。
しかもまだ一番最初の第一段階です。
部隊の戦技教官なのはさんと兄いの訓練はかなり厳しいですが、しっかりついて行けば もっともっと強くなれる気がします!
へへ、ギン姉羨ましいでしょ、兄いとおんなじ部隊で、ほとんど一緒だよっ!
当分の間は24時間勤務なので、前みたいにちょくちょく帰ったり出来ないんですが、母さんの命日にはお休みをもらって、帰ろうと思います。
じゃぁ、またメールしますね。
スバルより。
機動六課の招集から2週間。
今日も朝からデスクワークをこなしながらガキの面倒をみる。
「そら、整列しろ。」
『はいっ!』
全く軟弱だな。
この程度の訓練で息を切らすとは、お話にならん。
やはり、使えないかもしれんぞ。
とは思いつつも、やはり兄弟。
甘い事も同時に考える。
結構伸びてきてる。
これならいつアラートがあっても、ガジェット程度なら大丈夫だと。
「お前らまだやれるか?」
『はい!』
「ならラスト1っ本と見せかけて2本だ……1本目は高町のシュートイベーション。
2本目は俺に本気でかかってこい。一撃当てたらそこで終了だ。
ただしクリーンヒットに限る。
制限時間は20分。1本目終了と同時に開始。
どんな一撃でも構わない。
俺に全力で叩きこめ。以上だ。
1本目の説明は高町がする。」
「OK.じゃぁ説明するよ~。
私の攻撃を5分間回避しきるか、攻撃を私にクリーンヒットさせたら終了。
ただし、誰か1人でも被弾したら最初からやり直しだよ。
レイジングハート!」
(All right. Axel Shooter.)
11個の魔力弾を作り出す高町。
シューターを高速で動かす。
「このボロボロの状態で、なのはさんの攻撃を5分間……回避する自信、ある?」
「ないっ!」
「同じくです。」
「じゃあ、何とか一発入れよう。」
「はい。」
おいティアナ。
一発入れようなんて言葉俺は教えてないぞ。
一発当てように言い直しなさいっ!!
「よぉしっ!行くよエリオ!」
「はいっ!スバルさん!!」
そのやり取りを見てニヤリと笑う高町の悪党面。
やはりコイツは魔王という言葉がよく似合う。
「準備はOKだね。それじゃあLADY……GO!!」
降り注ぐシューター。
感想はというと……おっそ!
カトンボクラスにも程がある。
しかもこういう当てるのが目的の場合はアクセルよりファランクスだろ!
スピードも段違いだし。
手ぇを抜き過ぎだっつーの!
「全員、絶対回避。二分以内に決めるわよっ!」
『おうっ!』
途端避ける4人と1匹。
高町の後ろに展開されるウイングロード。
そして機会を狙うティアナ。
が、どう見てもそれは魔力体。
シルエットだな。
本丸はその後ろから迫る本体のスバル。
が、叫びながらの突撃は無謀。
当然プロテクションで弾かれ、シューターがスバルを襲う。
「はっ!?ふっ!う、うわっとうわぁ~~~っ!うっとっとっ!」
いい反応だが、本当にその間抜けな声どうにかならんのか?
というか、いつも口を酸っぱくして言ってるだろ。
最高の展開と最悪の展開をいつも頭の中でイメージしながら行動しろって。
しないから反応が遅れて回避しずらくなるんだ。
あとでもう一回注意してやろ。
「スバル馬鹿っ!」
そのとーり。
母と姉と父と違い、猪突猛進という言葉が似合う奴はそうはいないだろう。
「えぇ゛っ!?この肝心な時にっ!」
俺が与えてやった簡素なアンカーガンのデバイスが不調なようだ。
大事に大事に……いや、騙し騙し使っていたが、もう限界……か。
俺達の用意したデバイスの出番かな??
と思い耽っていると、キャロとエリオが高町の後ろでスタンバってる。
「我が乞うは、疾風の翼。若き槍(そう)騎士に、駆け抜ける力を……!!」
(Boost Up. Acceleration.)
「あの、かなりかそ「大丈夫っ!スピードだけが取り柄だから!」。」
「行くよっ、ストラーダッ!
いつでも、どこでも、どこまでもっ!いっっっけぇぇぇぇぇぇ!!」
(Speerangriff.)
○SUZUのトラックか貴様は!
言葉通りに一直線。
そのまま高町に突っ込んだ。
そして吹っ飛んだエリオと、その場で仁王立ちの高町(まおうさま)。
が―――
(Mission complete.)
「お見事っ。Mission complete.」
「ほん「ではそのまま2本目だ。気を抜くな。」っ!!」
今日は接近戦主体のデバイスにしとくか……
「ゲシュペンスト。SET UP.」
「yeah.」
黒と赤が主体のジャケットが展開される。
「どした。早く攻撃して来い。」
『は、はいっ!!』
とまたも後ろからスバルの突撃。
ゲシュペンストは籠手と具足のデバイスだ。
防御主体に思われるが、これは完全接近戦用だ。
ちなみにクイントと組み手をするためだけに作ったデバイスだが、案外役に立っている。
「はぁぁぁぁぁ!!」
「ふぅっ!」
スバルの一直線の攻撃を、円の動きで迎撃する。
化勁(かけい)でいなした右手を使い、そのまま胸元……心臓に肘を入れる。
ハートブレイク・ショット。
相手の心臓の動きを数秒止め、ショックでその間は動けなくする技術。
戦闘機人のスバルといえども有効な技だ。
動かなくなった所を逆エビ背負い投げ。
敵に対して背と背を向けた状態から腕を取って投げる技。
投げと極めが同時に為されるので、関節がはずれてもおかしくない。
これで1人。
「てやぁーっ!」
次に突撃してきたのはエリオ。
すでにキャロからのブーストは済んでるらしい。
が、甘いな。
前羽の構えで迎え撃つ。
「はぁぁぁっ!!」
上から最速の一振り。
着地して下から切り上げる。
が、数センチ後ろに避ける。
下からの斬り払いを柄をつかんで持ち上げる。
「わゎ!?」
そのまま地面に突き刺した後、寸勁を放ち吹き飛ばして壁に激突させた。
かふっと言う声と共に崩れ落ちた。
残り2人。
まずはキャロだな。
「リングバインド、エルキドゥ。」
「ふぇ!?きゃんっ!」
首に突如現れた、わっかのバインドとチェーンのバインド。
イメージは勿論“わんこ”だ。
鎖を引っ張り四つん這いにさせて一言。
「ワンと鳴け。」
「あんっ。」
その間わずか1秒にも満たない。
その場の空気が凍った気がした。
とりあえずご褒美として頭をなでると殺気がした。
振り向くと物欲しそうな顔をしながら目が本気のティアナがいた。
俺の流星の真似か、アクセルの真似かは知らないがシューターが8個。
追尾の術式だな。
俺を徐々に徐々に牽制していき、車線上に入った俺を……
「兄さんの……馬鹿ーーーーーっ!!」
「集束砲!?」
撃ち込んだ。
俺、お前に見せてないよね星光砲。
あぁーやばい。Bランクの俺じゃ受け止められん。
魔力吸収魔法陣発動は間に合わないし。
大人げなく神速で避けるか。
と避けて見せるが後ろからスバルが殴りかかってきている。
退歩掌破!
一歩引いた脚と、前に突き出した反対の腕を一直線にすることによって、向かってくる相手を返り討ちにするカウンター技。
師曰く、「地面に固定された柱に自ら突っ込んだ」状態になるらしい。
これでスバルは撃沈だが、後ろから魔力弾が迫って来る。
だが、それがどうした。
「全弾叩き落とすのみっ!!」
『え、えぇ~~~っ!?』
魔力弾を全弾寸分狂わずに拳と脚を用いて叩き落とした。
そろそろティアナの魔力もあるまいて。
「さて、ティアナ残り10分だ。どうする??」
「クッ!ここまで……なの?」
「無謀な選択をした兵士はどうなるか分かっているはずだ。」
「そう……ですね。降参です。」
「以上を持って今朝の訓練を終了する。一旦集合する。」
後は任せたと言って高町に譲った。
「さて、みんなもチーム戦に大分慣れてきたね。」
『ありがとうございます』
「ティアナの指揮も筋が通ってきたよ。指揮官訓練受けてみる??」
「い、いやあの、戦闘訓練だけで一杯一杯ですぅ。」
「そっか、折角マスケラ隊長直々に、2人きりで―――「是非やらせて下さいっ!!」そう。」
するとフリードが鳴き声を上げる。
何かに気が付いたようだ。
スバルのローラーブーツから煙が立ち込める。
「オーバーヒートだな。そら新しく作った方が早い。」
「そんなぁ~。」
「ティアナのアンカーもそろそろ天寿全うする頃だしな。」
「うん。もうきついかも。」
「高町もういいだろ。」
「はい。そろそろ実戦用の新デバイスに切り替えですね。」
「新、デバイス??」
「ポカンとしてないでさっさと着替えてこい。ロビーに集合しろ。話はその後だ。」
『はい』
む、あの車は……フェイトだな。
八神も一緒か。
7人で会話が弾んでいる。
まぁ喋る事あるまい。
そんな俺を見かねてか、フェイトが念話で俺に夜に食事はどう?と誘いをかけてきた。
特に用事もないし了解としておこう。
にこりと笑顔をこちらに向け、二人は6番ポートへと向かっていった。
さて、自室でシャワーを浴びてロビーに向かうか。
シャワーを浴びてロビーに向かうとエリオしかいない。
続々と他が集まったが弛んでるな。
まぁ今回は許してやろう。
デバイスの置いてある技術部に向かう。
それぞれの新デバイスを目を輝かせてみている4人。
「これが私達の新デバイス……ですか?」
「そうで~す♪設計主任は私……と師匠。協力者師匠、なのはさん、フェイトさん。
レイジングハートさんとリイン曹長。」
「ストラーダとケリュケイオンは変化無し……なのかな?」
「うん。そうなのかな。」
「ばーか。俺がお前達にそんな酷いことする訳がないだろ。
今までのは最低限のデバイスだ。
お前達は今までデバイスを使った事がなかったからな。慣れてもらうためにそうしたんだ。」
すると2人の顔がポカンとなって。
「あ、アレで最低限!?」
「本当に??」
「皆が扱うことになる四機は……
六課の前線メンバーとメカニックスタッフが技術と経験の推移を集めて完成させた最新型。
というかほぼマスケラ一佐の手でですけど(ボソッ
部隊隊の目的に合わせて、そしてエリオやキャロ、スバルにティア。
個性に合わせて作られた文句なしの最高の機体です。」
Ⅱがどんだけこのデバイスがすごいんだぞという事を説明している。
「この子達は皆生まれたばかりですが、いろんな人の願いや想いが込められててやっと完成したです。
ただの道具や武器と思わないで大切に、だけど性能の限界まで思いっきり全開で使ってあげて欲しいです。」
「うん、この子達もね、きっとそれを望んでいるから。」
タイミングを計ったかのように高町が現れた。
「ゴメンゴメン、お待たせー」
「なのはさんっ!」
「ナイスタイミングです、ちょうどこれから機能説明をしようかと。」
「そう、もうすぐに使える状態なんだよね。」
「当たり前だ。俺を誰だと思っている。」
すると高町とシャーリーと二人して。
「「ですよねー。」」
なんだお前ら二人して。
俺を何だと思ってるんだ。
「まず、その機たちみんな、何段階に分けて出力リミッターをかけてるのね。
一番最初の段階だと、そんなにびっくりする程のパワーが出るわけじゃないから。
まずはそれで扱いを覚えていって。」
「で、各自が今の出力扱いきれるようになったら私やフェイト隊長。
マスケラ一佐やリインやシャーリーの判断で解除していくから。」
「すぐに解除してもいいけどな。大分じゃじゃ馬だ。
ロデオしてる状態で訓練しても訓練にはならんからな。」
「ちょうど、一緒にレベルアップしていくような感じですね。」
その説明でふと質問したい事が出来たようだ。
「出力リミッターというと、兄さん達にもかかってますよね。」
「あぁ、俺らはデバイスだけでなく本人にもだな。」
驚いたのか、皆が「え?」と声を漏らす。
「能力限定って言ってな。
うちの隊長と副隊長はみんなだ。
俺とフェイト、高町、ヴィータ副隊長とシグナム副隊長。
んで、八神部隊長もそうだ。」
「えーっと?」
分からない人の為に説明してやるか。
「部隊ごとに保有できる魔導師ランクの総計規模って決まってる訳だ。
1つの部隊でたくさんの優秀な魔導師を保有したい場合は、そこうまくおさまるよう、魔力の出力リミッターをかける。」
「まぁ裏技っちゃあ、裏技なんだけどね。」
「うちの場合だと、はやて隊長が4ランクダウンで隊長たちは大体2ランクダウンかな。」
高町が指折り説明をしていく。
「4つ!? 八神部隊長ってSSランクのはずだから――」
「Aランクまで落としてるんですか?」
「はやてちゃんもいろいろ苦労してるですぅ……」
「兄ぃやなのはさんは?」
高町に首指し、お前から言えと態度で示す。
「私はもともとSクラスだったから、2.5ランクダウンでAA。
だからもうすぐ1人でみんなの相手をするのは辛くなってくるかなぁ。」
「兄さんは??」
「俺は6ランクダウンでBランクまで下げている。」
ピシッと空気の凍る音がした。
『えぇ~~~~~!?』
そんなの聞いてない!
詐欺じゃない!
Bランクであの出力!?
ありえない!
すごいです!
とか何とか。
「隊長さんたちははやてちゃんの。
はやてちゃんは直接の上司のカリムさんか、部隊の監査役クロノ提督の許可がないと、リミッター解除できないですし。
許可は滅多なことでは出せないそうです。」
「まぁ俺らの事はどうでもいい。今はお前らのデバイスの事だ。」
シャーリーが端末に触れて説明を始める。
しばらくボーっとしていたら、機能説明に入ってるようだ。
「ティアナのは俺のデバイスのデータも加えてある。
基本的にお互い射撃型だからな。よく学んでおけよ。」
またもやあれで!?
とか
やっぱり詐欺よ!
とか聞こえてくる。
「スバルもエリオも補助系入れといたし。
キャロの方にも補助以外のを入れといたから各自確認しとけよ。」
『はいっ!』
画面の表示が赤く表示されると同時にアラートが部屋に鳴り響く。
チッ!あの変態博士め。
まぁいい今回の出撃を調整に使わせてもらう。
「そら、ぶっつけ本番上等じゃねぇか。お前ら出動だ。
今回の任務は、初任務にしてはかなりハードが、お前たちならできる。
そういう風に訓練してきたんだ。
やれるな。」
『はいっ!』
「いい返事だ。よし、機動六課フォワード部隊、出動する。」
『了解っ!』
これで4話分終了。
書けるときは書きますが、あまり過度の期待をせずに待ってて下さい。
ではまた次回でお会いしましょう。
みなさんまた来世