It is calm and it is a passionate magic boy. 作:桜井舞人
「射撃型の神髄は、あらゆる相手に正確な弾丸をセレクトして命中させる。
判断速度と命中精度!」
ふむ、間違っちゃいない。
間違っちゃいないのだが……まぁ答えは人それぞれだ。
俺は狙わせず、狙いを定め、逃さない。
TN(トリプル・エヌ)が主体だ。
高町やティアナと違い常に動き、相手の動きを予測して狙い撃つ。
決して乱れ撃つ訳ではない。
話がそれたが、チームの中央に立ち、誰よりも早く中長距離を制す。
それが高町とティアナのポジション、センターガードの役目だ。
俺のポジションはリベロ。
全てのポジションをこなす事が出来る。
主につくポジションはフルバック以外。
それぞれのポジションを、それぞれデバイスを使い分け行動する。
俺がモニターで観察していると、いつの間にかシグナムとヴァイスがいた。
まぁ気付いていたが、何も言ってこないので無視してた。
「いやぁー、やってますなぁ。」
「初出動がいい刺激になったようだな。」
「……。」
俺が無言なのに焦るヴァイス。
「い、いいっすね、若い連中は。」
「若いだけあって成長もはやい……まだしばらくの間は危なっかしいだろうがな。」
「そっすね。」
俺を間に置いて二人でしゃべるな。
正直ここにいることが苦痛になってきたぞ。
「シグナム姉さん達は参加しないんで?」
「私は古い騎士だからな。
スバルやエリオのようにミッド式と混じった近代ベルカ式とかっても違うし、
剣を振るうしかない私が、バックス型のティアナやキャロに教えあげられる事もないしな。
まっ、それ以前に私は人にモノを教えるというガラでもない。
戦法など届く距離まで近づいて斬れ位しか言えん。
ここにいる誰かさんと違ってな。」
「……。」
「へへへ、すげえ奥義ではあるんですけど……まぁ確かに連中にはまだ早いっすね。
で、マスケラ隊長は??」
「見て分からないか。俺はそれぞれの癖、思考、パターンを解析している。
これによって、戦略を立て方、サポート、使える魔法をそれぞれのデバイスに入れる。
そしてそれの使い方、使い所をレクチャーする。
これが俺の今出来ることだ。
誰かさんと違って俺は人一倍やる事……いや、やれることがある。」
流石に罫線に触れたらしい。
シグナムの目つきが変わった。
「貴様、どういう意味だ。」
「こんな所で油売ってないで、デスクワークでもしてこい。
それとも俺と今から模擬戦でもするか??」
まさに売り言葉に買い言葉。
「いいだろう、前々から貴様とは戦ってみたいと思ってた所だ。
来いっ!シュミレーターで相手してやるっ!!」
「ふん、いいだろう。俺もたった今、今日の業務を終わらせた所だ。
誰にも文句を言わせねぇ。」
こうして俺とシグナムはシュミレーターに向かった。
Side ティアナ
ピーっとホイッスルがなって、午前の訓練が終了になった。
正直息が切れっぱなし、頭の中がぐちゃぐちゃで、今何も考えたくない。
個別スキルがこんなにきついとは思わなかった。
「じゃっ、お昼に―――」
なのは隊長にするといきなり通信が。
「どうしたのグリフィス君。」
「今シュミレーター使ってますか??」
「あたしらは今日使ってねーぞ。」
「シュミレーターの起動を確認。
それと同時にジャミングがかかって現在確認できない状態なんです。
申し訳ありませんが、確認して来てもらってもいいですか??」
「うん、分かったよ。」
「多分、そんなことできるのマスケラさんだと思うけど。
行こうか、なのは。」
「うん。それじゃ皆はお昼にして。
私とフェイト隊長と、ヴィータ隊長は今からシュミレーターに―――」
きっと犯人は兄さんだ。
いつもだったら解除コードはランダムの128ケタ何だろうけど。
さっきから試してみてるけど、この感じは3パターンの固定コード。
恐らく外から見て欲しいってことだと思う。
さぁあとちょっとで解除できる。
頑張って、ヴァイスリッター。
「解除できました。モニターに出します。」
「「え??」」
モニターに出した兄さん……とシグナム隊長。
「嘘……兄さんが剣型のデバイスを使ってる。」
「あっ、ティアナは知らない打っけ。
マスケラ隊長は昔から剣のデバイスを主流に使ってたんだよ。
射撃型になってきたのは執務官になってから。
相手を効率よく倒すのには射撃が一番楽だって言ってたよ。」
ふーん。
フェイトさんが言うんだから間違いないんだけど、なんか負けた気分。
「でも今回の相手はシグナム。射撃はあまり有効ではない。
だから剣を使ってるんじゃないかな??」
「でもなのは隊長、シグナム隊長は剣の名手ですよね。
それに対してマスケラ隊長が剣を扱うのは不利に思えるんですけど。」
するとなのは隊長とフェイト隊長は悪戯っ子の笑みをした。
「見てれば分かるよ。きっと。」
私達はモニターを黙って見続けた。
Side out
「はぁぁぁぁぁ!!紫電……一閃っ!!」
「ぬぅぅぅぁっ!デモン……ファルチェッ!!」
威力は互角。
お互いに訓練だというのにカートリッジをかなり消費している。
「陣風!」
「チッ!蒼刃衝!」
互いの魔法を相殺。
神速を使い一気に間合いを詰める。
が、そんなのシグナムだって同じ―――じゃないっ!?
「シュランゲバイセンッ!!」
連結刃が俺を飲み込もうと縦横無尽に斬りかかる。
「ちぃっ!エターナルコフィン!」
「攻撃対象特定が困難」「発動が遅い」「消費魔力が大きい」という欠点があった。
それを改良したもので発動が楽になった。
が、威力が落ちた。
が、これを止めるのには十分だ。
「なに!連結刃が凍っただと!?」
「行くぞ……雲耀の太刀!!この一撃に全てをかけるっ!!うぉぉぉぉぉ!!」
「クゥッ!レヴァンティン!カートリッジフルロード!飛竜一閃っ!!」
シグナムの飛竜一閃を切り裂いて進む。
だが、威力が拮抗してるのだろう。
進んで行くスピードが遅い。
魔力の出力を上げていく。
「負けられないんだ!例え模擬戦だとしても……あいつらに負ける姿は見せられんのだ!!」
「クゥゥゥッ!」
「砕けろぉぉぉ!!」
ピシッという音と共にレヴァンティンがかけた。
「レヴァン……ティン??」
「俺の勝ち……だ。」
久々に意識を失った。
Side out
Side ティアナ
「すごい……これがSランクの隊長達の戦い。」
スバルの声が聞こえた。
確かに兄さんは近接戦闘はすごい。
シューティングアーツ以外の戦闘を初めて見た。
「でもその前に何でエターナルコフィンをマスケラさんが??」
「うんアレってクロノ君の……」
「つーかシグナムの飛竜一閃破るのか……やべぇな、シグナム。
これであいつの今のランクがBランクだって知ったら―――」
「間違いなく、」
「うん、落ち込むね。」
隊長達の話がすごいことになってる。
それにエターナルコフィンはBランクの兄さんには扱いきれないんじゃ……
それに飛竜一閃破った雲耀の太刀。
アレは一体なんだったんだろう。
術式は??
魔力は??
どうすればあの魔力の奔流をはじき返すことができるんだろう。
分からないことだらけだ。
Side out
頭に柔らかい弾力、上からの光、そして頭を撫でる優しい手。
俺を目を開けた。
まぁ予想通りそこにはシグナムがいた。
「何を……」
「起きたのか……見ての通り膝枕だが。」
「クッ!迷惑をかけたな。もう「まだ寝ていろ。」。」
「まだ魔力ダメージが抜けていないのだろ。
さっき本日の業務は終了したって言っていただろう。
Bランクなのに無茶をするからこうなるんだ。
しかし驚いたぞ飛竜一閃をただの魔力でのブーストした一撃で破るとは。」
そう雲耀の太刀はただの魔力のブーストからの空竹割り。
敵に最速で最短で斬りかかる一撃。
「だが飛竜一閃のダメージを受けすぎたな。」
「あぁ、ついでに魔力切れだ。」
シグナムの手が気持ちよくてまた眠ってしまいそうだ。
「お前は働き過ぎだ。もう少し寝てろ。」
「あぁ……少し……寝る。」
こうして今日の業務が本当に終了してしまった。
結局起きたのは夜になってからだ。
皆が訓練が終了した後だ。
フェイトやティアナが口をとがらせてたの気のせいではなかったと思う。
―――で今何をしてるかというと、ヘリでホテルアグスタに移動中だ。
私(・)も例の件で動く必要がある。
「あの、シャマル先生。
さっきから気になってたんですけど、その箱って……。」
「んっ?あぁ、これ?隊長たちのお仕事着♪」
私も着る必要があるんだろうか……
アグスタに到着すると、ロビーでカードで顔パス。
機動六課として正面切って入った。
無論私もだ。
「会場内の警備は流石に厳重っと。」
「一般的なトラブルには十分対処できるだろうね。」
八神と高町が喋っていた。
「外は六課の子で固めてる。入口には防災用の非常シャッターもある。
ガジェットもココまで入ってはこないだろう。」
後ろの声に振り向き、ビックリする二人。
高町はすぐに私だと気づいたようだ。
遅れて八神も気がつく。
「油断は出来ないですけど、少し安心ですねマスケラ隊長。」
「しかしよう化けますね隊長。
本当、男か女かわからんようになってきた。」
「ふん、私達の出番は本当の非常事態のみだ。
出番がない事を祈り続けていろ。」
「そうですね。」
軽く流されたか。
少しは分かってきたな、八神。
さて、オークション開始まで後、3時間半どうするかな。
こんな所で区切ってすみません。
そしてお待たせしました。
またしばらく書いてられないかもしれません。
少々厄介事が……
それではみなさんまた来世。