It is calm and it is a passionate magic boy. 作:桜井舞人
IFシリーズ
1.クリスマス in StS
『メリークリスマス!』
町中がきらびやかな装飾で輝いている。
その中に俺は一人立ち、空を見上げた。
するとポツリポツリとしろい綿毛のようなもの―――雪が降ってきた。
「こんな日もあっていいよな。」
「なーに言ってるんだか。」
振り向くとそこには―――――
選択肢
1.クイント
2.フェイト
3.クロノ&ユーノ
1.クイント編
振り向くとそこにはクイントがいた。
「もうっ、探したよマスケラ君。」
頬っぺたをぷくっと膨らませて拗ねる姿を見て可愛いと思った。
が、探してもらう義理はないのだがと思った。
彼女はもう家庭に戻った。
ならば家族で過ごすのが普通だと思う。
俺のように家族もいなければ彼女がいない奴でもなければ。
「どうしたの?そんなびっくりした顔して。
あっ、また余計な事考えてるんでしょ??
クリスマス位家族で過ごせばいとか。絶対そうでしょ!」
「驚いたな。よくもまぁ、俺の考えてる事が分かったな。」
その言葉にニヤッとするクイント。
その姿はまるで悪戯っ子だ。
「だって、普段はそうでもないのに、こういう時の思考は単純だもんね、マスケラ君は。
いつも、自分は二の次。いつでも他の人の事を考えて行動してる。」
「そうでもない。今日は珍しく休暇を消費しようと思ってな。
これからバーでゆっくりと酒でも飲む算段だった。」
その答えにパァーっと明るくなるクイント。
しまったと思った。
「お酒!?もしかして隠れ家的存在の、バー、ノットゥルノ!?」
「ま、まぁそうだけど。」
「うふふ~♪もちろんエスコートしてくれるよねっ?マ・ス・ケ・ラ・君っ♪」
「はい、勿論ですよクイント。(藪蛇だった。言わなきゃよかった。)」
クイントは結構お酒好きでよくがばがば飲む。
しかもざる。
いや、表現間違えた。
ざるに近い。
がばがば飲んでも大抵酔わない。
ほろ酔いで気分が良くなって終わり。
が、仲のいい人にしか見せない姿がある。
それは―――
「んふふ~♪マスケラ君♪」
「はぁ……やっぱこうなったか。」
飲み始めてから30分。
初めは普通の世間話をしていた。
が、今はクイントさんが甘えて腕に絡まって頭を肩に身を預けていた。
そういえばあの二人もこの人と親子なんだなっと今実感した。
あの二人―――そうギンガとスバルだ。
あの二人の場合、ギンガはともかくスバルは5分も経たずにこうなる。
ギンガは恥ずかしがり屋だから結構……30分は我慢する。
んで、こうなったら梃子でも動かない。
それこそ本人が満足するまで。
まぁいいやと一人チビチビと酒を飲みながら端末片手に事務仕事をする。
「むーっ、今日は休暇って言ってなかった??」
「言ったが?」
「じゃぁ何で仕事してるのよ。」
「暇だから仕事でもしながら飲もうと思ってたからだけど??」
まだ不満があるらしい。
全くよく分からない。
「今私と二人で飲んでいるのに??」
「いつもと変わらないと思っているのだが。」
「違うわよっ!今日はクリスマス!愛する人と過ごす日でしょ!」
おいそこ。
そこのバーテン。
そこでよく言ってやったみたいな顔するな。
「で?」
「で?って、あなたねぇ……」
「いや、クイントさん。貴方の愛してる方はゲンヤさんでしょ。
俺は近所に住んでるお友達みたいなもの。
クリスマスは関係ないでしょ。」
小声でこのにぶちんと言ってたのを俺は聞こえてないふりをした。
だってそれは。
「確かにゲンちゃんは愛してるわ。
でも私は……ううん、それ以上に私は貴方を愛してる。
じゃなきゃ今日は、ゲンちゃんと過ごしてるもの。」
「いいんですか、そんなこと言って。不倫ですよ。
わざと聞こえないふりしてたのに。」
「いいの。もう私の心は貴方のモノなんだから。」
「やれやれ。貴方って人は―――」
不意に口をふさがれた。
勿論目の前にはどあっぷのクイント。
「不倫で結構。私はもう隠さない。ゲンちゃんにも言うわ。
私はもう貴方のことしか考えられない。」
「―――っ。今夜限りに「しない。」。」
「私は貴方に伝えたかった。だから今日貴方をずっと探してた。
今日という特別な日に貴方と過ごしたかったから。
貴方は??貴方はどう思っているの??」
「俺は―――俺も貴方の事を―――」
こうして俺とクイントは結ばれた。
初めて素直になった。
初めて愛し合った。
共犯者でも何でもなく。
本当に好きになってしまった。
「大好きです。今度は嘘じゃない。」
2.フェイト編
振り向くとそこにフェイトがいた。
「見つけたよ叶。」
「俺は仮面(マスケラ)だよ。」
「そっか。叶は仕事?」
「(だからマスケラだって)いや、休暇を消費しようと思ってな。」
「そっか。ねぇ、今夜一緒に過ごせるかな?」
上目遣いで俺を見つめる姿。本当に抱きつきたくなる。
そんな衝動を抑えながら俺は答える。
「あぁ。いいよ。」
「うん。ねぇ、叶の家に行ってもいい??」
「ん?外食とかにしないのか。」
「うん。二人きりで過ごしたいから。
バーテンも運転手も誰もいなくていい。二人きりで過ごしたい。」
「あぁ。」
思わず本当に抱きしめてしまいそうだった。
俺よく我慢したなと褒めてしまいそうだ。
とか考えていると俺の左腕にきゅっと優しく抱きつくフェイト。
思わずそちらを見た。
ニコッとほほ笑むフェイトを見て俺もついつい頬が緩んだ。
「飯はどうする?」
「いつも作ってもらってばかりだから、今日は私が用意するよ。」
「別に今日位はケータリングでもいいんだぞ。」
「ううん。今日は誰にも会いたくないの。貴方以外の誰にも。」
「まぁいいけどな。っと、そこのスーパーで買い物してこう。
自慢じゃないが冷蔵庫の中はあまり入ってない。買い足さないと朝も食えないしな。」
「ん、分かった。何食べたい??」
「なんでも。お前が食いたいものでいい。
特に嫌いなものもないしな。ゲテモノでなければ何でもいいさ。」
「分かった。」
かごを片手に頷くフェイト。
かご位俺が持ってやるか。
「そら、かご寄こせ。それ位持ってやる。」
「いいよ。今日位は何もしなくていいから。いつも人一番働いてるんだし。」
「それはお互い様だ。持たせないとケータリングにするぞ。」
「むーっ、分かった。」
はいっと優しく手渡されたかごにはもう結構な食材が入っていた。
恐ろしい雷神様じゃ。
入ってる食材は結構普通だ。
これだけの情報じゃ何を作ってくれるかは想像つかない。
結構楽しみにしている俺がいた。
買い物を終わらせて、ミッドチルダ西部の外れにやってきた。
俺の家はここにある。
もとはエルセア地方に住んでいたが、今はどちらかというと南部のアルトセイム寄りだ。
帰宅すると小ざっぱりしたというより生活感のない無機質な部屋が出迎えた。
ダイニングには温かみがない。
自室は端末と書類が多数ある。
ただそれだけ。
後はベットとソファーがある。
テレビもないし電話も置いていない。
この部屋にはたまに帰って来るだけなのでそれだけの機能で十分だった。
「相変わらずだね。」
「帰って来ることが少ないからな。」
「でも埃が余り積もってない。」
「それはどっかのお節介さんが掃除だけして帰るから……だろ?」
図星を突かれたからビクッとする。
じゃぁ自分で話を振らなければいいのにな。
ちなみに調理器具は一通りそろっている。
この家でケータリングなんて頼んだ事もないし、コンビニ弁当もない。
飯だけはちゃんと食べたかったからな。
「じゃぁ作っちゃうからちょっと待っててね。」
「いや、手伝おう。この部屋でやることなんてあまりない。
暇を持て余すだけだ。」
「じゃぁシャワーでも浴びてきなよ。」
「一緒に入るか??」
「喜んでって言いたい所だけどね。」
「そういうこった。一緒に作りたい。
お前と一緒に飯を作った事もないからな。
食材を切ったり皿並べたりくらいはさせてくれ。」
「わかったよ。じゃぁそこのセロリと人参を―――」
こうして共同作業が始まった。
こうして肩を並べて何か一緒の事をやる事は珍しい。
仕事でも俺は単独の方が多いからな。
今日作った料理は本格的だった。
そんなに本格的なモノを作るとは思ってなかった。
後は七面鳥が焼けるのを待つだけだ。
ワイングラスを片手につまみを軽くつまみながら喋っている。
「叶はこの後どうするつもりなの?」
「どうもしないさ。逃げも隠れもしない。」
それはつまり管理局に永遠と飼い殺される意味をする。
その意味をちゃんと理解しているフェイトは。
「一緒に逃げない?どこか遠くへ。」
「お前はそれでいいのか??」
「私は別に」
「お前は友人が多い。もう会えないかもしれない。それでもお前は―――」
「私は叶がいればいい。叶さえいればどうなってもいい。叶はいや??」
「お前がそれでいいならそれでいい。ただし俺は逃げない正式に除隊する。」
「そっか。うんわかった。一緒に除隊する。」
それは追手が来るという事。
それはとても過酷な事だと分かっている。
それでも構わない。
隣にフェイトがいるのなら―――
3.クロノ&ユーノ
振り向くとそこクロノとユーノがいた。
正直に言おう。
予想外だ。
「君を探していた。」
「ちなみに何故だ。」
「クロノの情報によると今日君がオフだっていう事を聞いてね。
急遽休みを合わせたんだよ。」
「休みなのだから家族と過ごせばいい。
折角のイヴ何だからな。」
その答えを予想していたかのようにくすりと笑うユーノ。
ニヤリと笑うクロノ。
正直クロノ、お前はうざい。
「知ってるか?慰撫って言葉があるらしいぞ。」
「知ってる。苦しさに耐えきれない人を慰めるって意味だろ。で?」
「ようこそ俺のクリスマス慰撫オールパーティーへ!」
「知ってるか……ここ公衆の面前なんだぜ。」
「うん、空の提督がこんな公衆の面前で叫んでるなんて知ったら―――」
『うっわー、あいつキモくない?』
『つーかあいつどっかで見たことな~い??』
『あーっ、分かった。管理局の~、やり手の提督さんじゃね~。』
『そ-だクロノ・ハラマセオンだっけ?』
『ハラマセオンwww』
『wwwww』
『きっも~~~い。』
『きゃーこっち見たー!孕まされる~!』
『きゃ~、にっげろ~』
『あっはははは~。』
あ~あ、言わんこっちゃねー。
「クロノ知ってるか?慰撫って言葉には苦しさに耐えきれない人を慰めるって意味があるんだぜ。」
「ほっといてくれ……!!」
全く世話が焼ける奴だ。
ユーノに顎指しで指示をする。
「そら、飲み行くぞ。俺んちにゃ何もねえからな。たまにはユーノん家で飲もう。」
「……おう。」
「ハッピーメリー苦しみますってな。」
こんな日も悪くねぇ。
悪くねぇよな。
メリークリスマス。
実はこれが一番気に入っている。
やっぱり男同士が絡むのはおもしry
いや僕はホモじゃないですよ。
美しければなにももんだry
違う違う。
とにかく違うんです。
クロノをいじるのが好きなだけです。
ただそれだけなんです。