It is calm and it is a passionate magic boy.   作:桜井舞人

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外伝「僕と時計とドクター」

今日僕は市営の図書館に来ていた。

やはり知識は本から…というのは基本だろう…

政治、経済、放送、音楽、工学、医学、etc...

ありとあらゆるものが本には書かれている。

今回はその仲でも伝説…つまり伝奇ものを読むことにした。

伝説の英雄とかね…

「ケルト…いやギリシャもはずせない…北欧もあるな…うーん…」

そうしているとキコキコと音を立てながらくる女の子…

車椅子に乗っている。

「やっぱり…アーサー王伝説がええなぁ…

う~ん…とどかへん…う~ん」

め…目の前でチョコチョコ動いてる…!か、カワイイ!!

そっか…車椅子だし、届かないんだ…

でも僕も身長低い(132cm)からな…

 

「キャッ!」って危ないっ!!

僕は急いで落ちそうになった彼女を抱き上げた。

そう…お姫様抱っこだ。

身長は足りないし、力は強化したり、鍛えてるから大丈夫だけど…

うん…ちょっとシュールな光景かもしれないね。

「大丈夫??」

彼女に声をかけた。

「ふえ!?だ、大丈夫ですっ!」

すると聞こえる関西風のイントネーション。

関西出身なのかな??

「そう…怪我は??」

「あ、ありません。大丈夫やから…」

「………やから??」

どうして欲しいと?

「その…あの…助けてもらったんのはありがたいんやけど…えっと…」

なんか煮え切らないな…

「うん…どうしたの??」

笑顔でいってた。

さっきぶっきら棒に聞いたのがいけないと思いまして…

 

「はぅっ!」

悲鳴にも似た、驚きの声…うん驚いているのもカワイイね。

とりあえず、何か言い出すまで笑顔でいよう。

すると恨めしそうにしていた。

「ぅ~~~~~~。その、恥ずかしいんで、降ろして欲しいんや!」

図書館だということを頭から抜けてるんじゃないかと思うぐらいの声。

きっと、相当恥ずかしかったな~と思いつつも、彼女を降ろすことにした。

「あぁ、ごめんね…気付かなかったよ。」

そう言って彼女を降ろした。

「ありがとうございます。」

そう言って彼女は頭を下げた。

「いやいや、いいよ。それで…どの本を取りたかったの??」

「あっ、その…アーサーと円卓の騎士っちゅう本が…」

というと、六段目か…無茶すれば届くな…せーのっ!!

「よっと…うん…コレでいいかな??

あと何か借りたい本があるのかな??」

「あっ、その…ありがとうございます。

えっと…じゃ、じゃあ…そこの北欧神話を…」

「へぇ…北欧神話…!女の子なのに珍しいね~。」

素直な感想を一つ。

「逆や。女の子やから読むんや。

女の子っちゅうのはね、お姫様や騎士に憧れるもんなんや。」

へー…そういうもんなんだ~。

「ベオウルフやジークフリート、ディルムッド・オディナなんかもええなぁ。」

「ディルムッド知ってるんだ~。すごいね、マイナーなのに。」

「本は時間をつぶせるからな~。よく読むんや。」

「成る程ね~。」

そううなずく僕。すると…

 

「な、なぁ…もしでよかったらでええんやけど…」

なんかもじもじしながらこっちに上目使いで聞いてくる。

「この暇やったら…その…ウチに来てくれへん?お礼がしたいんよ。」

なーんだそんなこと。

僕も暇だし、もっと聞いてみたい事もあるから気軽に…

「いいよ??でもお礼って言うほどの事をしてないと思うけど。」

「ほんま?来てくれるん??うれしいわー。

じゃぁ、コレ借りてくるわ!ちょっ、待っといてや~。」

そんなに急がんでも…僕も借りるんだし。

 

結局カウンターで一緒になって外にでた。

そんなに急がなくても、僕は逃げないよと言ったら、赤くなった。

なんでだろうね??

 

「着いた!ここや。」

彼女の車椅子を押しながら、着いたのは八神という家。

「ここがそうなんだいいお家だね。」

「ありがと…早速中に入ろ??」

「うん…じゃぁ、お邪魔します。」

「…いらっしゃいませや♪」

はははと言いながら、リビングへと向かう。

彼女…多分八神さんは、お茶を入れに行った。

「あの…八神さんでいいのかな??」

「あ、そっか…自己紹介してないな~。

ウチは八神はやてや。よろしくな~。」

「うん。よろしく。僕は花菱叶。こちらこそよろしくね。」

そんな感じで自己紹介が終わった。

 

お茶を持ってきたはやてちゃんに聞きづらい事を聞いてみた。

「あの…親御さんは??」

「ウチ…小さいときに両親亡くしてん…だから一人暮らしなんや。」

そう…なのか…

僕と同じ…いや僕にはバニングスさんやアリサがいる。

麻冬藍さんも…たくさんの犬たちも。

「じゃぁ、これからもここに来てもいい??」

「ぇ…うん!喜んでや!!」

すごく喜んでくれたらしい。

あ~癒されるわ~。

すずかちゃん以外にも、僕のオアシスがいる。素晴しいね。

 

「あ、もしかして叶君って、本に詳しい??」

「まぁ…それなりに…だけどね??」

「ウチ…昔から持ってる本があってな?ソレがなんなのか知りたいねん。」

待っててな~と言って、彼女は本を取り入った。

いや~まさかあんなもん持ってくるとは予想外だった。

「お待たせさんや♪コレなんやけど…分かる??」

「これは…」

でてきたのは、本の形をしたデバイスだった。

 

(月詠。コレ何か分かる??)

(マスター…コレは危険なものです。コレは闇の書…ロストロギアです。)

(ロストロギア??なんです、それ。)

(滅んでしまった世界で作られたもの…

つまり、これは使用方法がわからないんです。

ですが、闇の書はデバイスですので…わからなくはないんですが…)

(うん…それは想像がつく…)

(ただ…記録によると、持ち主は大体10年経たずに死んでいます。)

(なんだって!?)

(とにかく、何か対策を練らないと、彼女が危険ですっ!)

(あの…それには彼女に魔法の存在を教えなきゃいけないんだけど?)

(…なるべく濁して…いえ、言わないで下さい。)

(なんで!?)

(先に対策をとりましょう。)

(でもどうやって…)

(私の作成者と連絡を取りましょう。

性格は破綻していますが、とても頼りになります。)

(わかった…そうしよう。)

 

「はやてちゃん…

これは…僕には分からないけど、僕の知り合いが知ってるかもしれない。

分かったら、教えるよ…ごめんね、役に立たなくて。」

「そ…そんなことないっ!

知り合いさんが知ってるかも知れへんのやろ?

なら大丈夫…叶君が助けてくれたと同じや…だから、ありがとう。」

な…なんていい子なんだ…

アリサも、あの肉体言語(なのは)もコレ位いい子なら許せるのに…

「ありがとう…はやてちゃん…」

「いいってことよ。なぁ…ウチからもいい??」

「何??」

「あんなぁ、叶君…男の子だよ…ね??」

「うん。男だよ??あっ、髪の毛が長いから??」

「う、うんそうなんや。(ウチよりカワイイからなんて言えへん!)」

「僕は男だよ。」

「そっか…うん、そうだよね(よかった~、男の子で…)」

 

それから、約6時間喋っていた…

Piriririri!

「あれ??携帯がなってる…はやてちゃんちょっとごめんね!」

「うん。大丈夫やから早くでてあげな??」

「うん。はいもしもし…あっ、麻冬藍さん…はい…はい

あっ、すみません!本当だ…今帰ります。はい…はい…では…

ごめん、はやてちゃん!今日はもう帰らなくちゃ…また来るから。」

そんな残念そうな顔をしないでよ…

「じゃぁ…またな?絶対来てよ??約束やからな??」

うんと言って、僕を家を出た。

「それじゃ、また今度遊びに来るよ。」

そう言って僕は走り出した…。

 

 

 

 

 

 

 

そして、何度も何度もはやてちゃんの家に訪ねていった。

初めて会ってから、もう1ヶ月が経った…

「月詠…まだ見つからないのか?」

「はい…彼の研究所にしらみつぶしに探して…見つけました!!」

「本当か!つないでくれ!!」

「はい!」

 

「誰だね君は…

私の研究所を知ってると言うことは管理局の人間かい??」

管理局…僕の人生を女にしてくれた存在(プロローグを見てね)

「いえ…管理局ではありません。あなたの作った、T-2943の紹介です。」

「なんだって!?…T-2943…なら君の名前はキョウ…とか言わないかい!?」

「え…えぇ…よくご存知で…そうです。僕の名前は花菱叶。」

「ははははは!僕はこの瞬間を神様に感謝しよう!!信じてはいないけどね!」

こ…この人…危ない…

「で?君はどんな用事でかけてきたんだい??何かあるんだろう??」

「え…えぇ!助けて欲しい事があるんです!!

友人が…友人が闇の書のマスターなんです!!」

「闇の書…??あぁ!夜天の魔導書ね!

うん…そいつは大変なことだね…よし…じゃぁ君こっちに来てよ。

転送ポートが今から言う住所にあるから。

そこから僕の研究所に飛べる様にしとく。」

「ありがとうございます!!

あ、あのすみませんが、お名前聞いてもいいですか??」

「ん?T-2943から聞いてないのかい??

僕の名前はスカリエッティ…ジェイル・スカリエッティだ。

みんなからはドクターと呼ばれている。好きに呼んでくれたまえ。」

「よろしくお願いします。ドクタースカリエッティ。」

「うん。よろしくね。」

 

こうして僕は、ミッドチルダに行くことになった。

そして、一週間後…僕はドクターの下へ飛んだ。

はやてを助けるために…

 

 

 

 

無機質な研究所の中には、一人の若い白衣を着た男がいた。

彼は僕をみると来た来たと言わんばかりに笑顔でこう言った。

「やぁ、ようこそ!久しぶりになるかね…

キャラウェイ・リファイン君…

いや、ジョルジェット・G・スカリエッティ君…。」

な…何を言ってるんだろうこの人は…

「君には初めての自己紹介になるね…

僕の名前はジェイル・スカリエッティ…君の父親に当たる人物だ。」

「あなたは…あなたは一体何者なんですか??

まるで僕のことを知っているようですが…一体…。」

「へぇ、すごいものだね…

その歳で感情のコントロールができるなんて…

さすが私の最高傑作である、F50だ…いやいや…面白い…」

この人は…本当になんなんだろう…僕を知っている…まさか!

管理局の人間かも!?

 

「いやいやすまないね…ついつい考え込んでしまった。

まずは君自身のことを語ろうか…」

こくんとうなずく僕。とりあえず威嚇してみた。

「そんなに怖い顔をしないでおくれよ…ちゃんと説明するから。

君はクローンという言葉を知っているね??

その顔だと知ってるらしいね…まぁ簡単に言うと君もそうなんだ。」

な…なん…だって・・・??

 

「そして、君たちを作り出したのが私、スカリエッティという訳だ。

君はプロジェクトF.A.T.Eというもので生まれた人間…

そしてこの私もだがね…まぁそれはおいといてだ…

君はソレを超えた存在なのさ…

人造魔導師…人間に対し、外科的な処置・調整によって、

強力な魔力や魔法行使能力を持たせた人間のことを言う…

初めての完成体という訳なんだよ君はさ…ここまではいいかい?」

ちょ…ちょっと待ってよ…僕がクローン!?

そいつは…どういう訳っ!?

とにかく、先の話を聞かないと判断できないよ…続きを聞こう…

質問はありませんというと、“ドクター”は話を続けた。

 

「君は私のクローンなんだが…

私の遺伝子は度重なるクローニングで劣化してしまった。

だから君は私と髪の毛や目の色は違うし、顔も多少違う。

まぁそれはそうだよね…

君の遺伝子は私以外の遺伝子も使ってるから、

そちらに引っ張られたんだろうと思う

君が生まれて、調整を加えた…無論成功だよ。

それで私は、子供を育てられないから…

病院にしばらく置いとくことにしたんだ…

そしたら、君がお父さんと勘違いしてるセアト・リファインがね…」

何がおかしいんだか、ドクターは笑っている。

 

「勘違いして、君を連れて行っちゃったんだよっ!!

私の当時の最高傑作であるデバイスのT-2943と一緒にねぇっ!!

笑った笑った!ついつい殺してしまうほどにねぇ…!!

結局…息子とも呼べる君を見つけられずにいた訳だ…

そしたら、生きていて君から接触してきた訳だ…

もう嬉しくて、涙が出そうだよっ!」

成る程…その言葉が事実ならこの人が僕の父親というわけになる…。

だけど…今のままでは…

 

「僕があなたの息子であるという証拠がありません。」

信じる訳には行かない…

信じたら僕のアイデンティティーが崩壊する。

「証拠ならあるよ…

君がソレを…T-2943を保有し、使っていることがひとつ。

もうひとつが…君…右腕の魔力を集中させてみなよ…」

言われたように魔力を集中させた…すると…

「腕の内側が光るだろう??そういうにしてあるからね…

まぁ三つ目は君の血液サンプルを調べればいいだけの事だけどね。

さぁ…信じる気になったかい??」

一つ目の内容が気になる…

 

「月詠を持っているからといってソレが証拠になるんですか??」

「なるよ…ソレ、T-2943はね…

私か君にしか使えないようにロックしてあるからね。」

「その通りですマスター。」

「月詠!?」

今まで喋らなかった月詠が喋った!!

「私はドクターによって作られました…

そして、マスターのデバイスになるべく調整されたのです。

マスターやドクターの固有魔力によって、

反応する仕組みになっています。」

そ…そうなのか…この件については保留にしよう。

「とりあえず…保留にさせて下さい…

まだアナタの話は信じられない…

とりあえず本題の…闇の書の方をお願いします。」

「ふむ…まぁ仕方がないね…いいだろう…では本題に入ろう。

君は闇の書がどんな存在だったか知っているかい??」

それは月詠に聞いた。

 

「無限再生、転生機能を持った無限再生機能デバイス…」

「間違ってはいないね…だけどそれでは不十分だ…

本来の名は「夜天の魔導書」といって、主と共に旅をして、

各地の偉大な魔導師の技術を収集し、

研究するために作られた収集蓄積型の巨大ストレージなのさ。

それがどうして、ああなったのかというのとだね…

歴代の持ち主の何人かがプログラムを改変したためにだね…

破壊の力を使うデバイスに変化したと思われるのだよ…」

そうだったのか…

「真の持ち主以外によるシステムへのアクセスを認めない。

コレが厄介でね…ネックなんだよね…

無理に外部から操作をしようとすると…

持ち主を呑み込んで転生してしまうという念の入りようなんだよ。

それ故にプログラムの停止や改変ができないんだ…」

 

「ならどうやって直すんですか!?」

「そう熱くならないで…それは並の科学者や魔導師の話だ。僕は違う。

アルハザードの技術と知恵がある。

夜天の書自体はアルハザードでコピーが作ったしね。」

よ…よかった~。

はやてちゃんが死んじゃったらどうしようかと思ったよ…

「それに僕の専攻は古代ベルカ…それは僕の畑というわけさ。

ただね…大分賭けなんだよね…」

「どいうことですか??」

「うん…本人じゃないとアクセスできないからね…

まずは完成させないといけない…話はそこからだね…」

つまり、魔力の源であるリンカーコアを蒐集することが必要…。

それは…どうしたらいいだろうか…

「そしたら、防御プログラムの破損しているから…

これによってこの認証が正常になされず暴走する…

それで暴走部分である防衛プログラムの分離をする訳だ…

あとは防衛プログラムの破壊する…そしたら僕がハッキングする。」

「なるほど…」

「それにコピーがあるからね…そいつをコピー&ペーストすればいい。

もしくはソレをあげてもいいしね…

まぁどの道、闇の書をどうにかしないと死んじゃうよその子。」

 

はやてが…死ぬ??

本が好きで、あの優しくて可愛い彼女が??

いつでも笑顔で、僕に笑いかける彼女が??

いつもは強がりだけど、本当は寂しがりやの彼女が??

その彼女が死ぬ??

それは…僕は見逃せない…許せない…

「ドクター…僕はどうすればいいですか??」

「今は待つことね…闇の書が目覚めなければ話にならない訳だし…

とにかく、君には僕の知識を詰め込むことにするよ…」

なぜそのような必要があるのか…とても不思議だ。

「そうすれば、君が救うことが可能だろ??」

ど…ドクターーーーーーーーーーーッ!!

僕、間違ってました!!

アナタは僕の父親で間違いありません!!

ごめんなさい!!

大好きです!愛しています!!僕を弟子にして下さい!!

とは口に出さないが、感動したっ!!

「よろしくお願いします…。」

「うん。これからもよろしく頼むよ…叶君。」

 

こうして、僕とドクターとの奇妙な生活が始まった…。

はやて…待っててね!!

 

 

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