大きなおっぱい触りたい 作:ピノの星型が全く出ません
雨が音を立てて降り注ぐ。
雨は好きだ。にわか雨…中でも夕立は特に。だって運が良ければ濡れて透けるわけだろ?もう勝ちじゃん。
梅雨は、制服も薄着になっておっぱい観測しやすくなるけど湿気がうざいのとで結論は出せない。
「彼女欲しい〜」
アップルパイを飲み込んで甘くなった口の中をコーヒーでリセットしてからそんなことを呟く。
俺だってイチャイチャしたりキャッキャウフフってしたいしあわよくばおっぱい触らせて欲しい。
「抱き締めたいな、おっぱ…」
いや、これだとただおっぱい触りたいだけで彼女とか関係ないな。おっぱいを触るのに必要だからおっぱいを愛してるのではありません。おっぱいを愛しているから触ることが必要なのです。
「……」
「彰人、無言で帰ろうとするのやめない?」
目の前にはいつぞやのようにチーズケーキを頼んだ彰人がいる。つい先日彰人を連れてきたこの喫茶店なのだが、いつの間にか二人で話す時の定番みたいになってた。そんなにここのチーズケーキが好きになったのか、アキトラマン。
「で、今日はどうして誘われたんですか?」
「強いて言うなれば…進捗報告会?」
「なんで疑問形」という彰人のボヤキは華麗にスルーして話を始める。
「ほら、例の予備校の人の話したでしょ。あの人のことで少しだけ進展があったから」
進展…進展と言っていいのか?いや、進展か。前までは朝比奈さんの素なんか見た事なかったけど今は二人きりなら素でいてくれるし。望月さんとの様子を見た感じ誰彼構わず素を見せてるわけではなさそうだし。
さすがに名前なんかは伏せつつ大体の様子を話すと、彰人はチーズケーキの後にコーヒーを飲み込んでから口を開いた。ちなみに彰人のコーヒーは砂糖とミルク入りである。ブラックが飲めないなんてういやつよのう。
「なんですかその悪代官みたいな…………いや、それにしてもよくそれで成功しましたね」
「自分でもそう思ってる」
話は変わって今度は絵名の話題に移る。望月さんの話が出ないのは…望月さんとはOP粒子でイノベイターになって以降ほとんど何もないから致し方なし。
「この際だから真面目に聞きますけど絵名のことどう思ってんですか?」
「…絵名かぁ」
好きか嫌いかで問われれば『好き』。ただ、それが恋愛的なものかと問われれば確実に『No』と答えることになる。…なんというか、荒れてる時も荒れてない時も長く一緒にいすぎて恋愛対象として見れなくなってきたというか。昔は「こいつら付き合ってんだー!」とか言われたけど俺も絵名もあまりそういうの気にするタイプじゃなかったから、特に気にもとめずにいたらこうなってた。
「……そうですか」
そして絵名から更に話は広がり今度は愛莉の話へ。中学時代はよく絵名の家に三人で集まっていたので絵名の弟の彰人も俺達の関係は知っている。
「それなら桃井さんとかは?」
「愛莉はな…」
優しいし面倒見いいし料理もできて顔もよくて歌えて踊れて明るいとか流石にスペックが高すぎないか?あそこまで行くと、もはやアイドルであるということを抜きにしても恋愛的に見るのは恐れ多い領域になる。
「そういえば、この間愛莉と久しぶりに会ったけど元気そうにしてたよ。『絵名と彰人くんにもよろしく』って」
「桃井さんに?…今は新しいグループになったんでしたっけ」
「そうそう。ほらこれ」
スマホに表示したモモジャンの四人の写真を彰人に見せる。ちなみに誰にも言っていないが俺の推しは愛莉だ。身内贔屓してるみたいになるが努力してる姿も苦悩してる姿も見てるから純粋に『アイドルとして』頑張って欲しいというか。…ああ、でもひと目でわかるくらいおっぱい大きい娘がいたらたぶんそっちに引っ張られてたんだろうな…悲しいね、バナージ。
「最低だな」
「……知ってる」
久しぶりに彰人がタメ口になった。彰人が俺に対してタメ口になるのは相当本気な時しかない。
「…なんかすいません」
「撤回はしなくていい。所詮後輩の戯言、オレの心には響かない」
「その割には声震えてますけど」
実際、彰人が言ったことにはぐうの音も出ない。そこは自分でもよく理解しているつもりだ。望月さんや朝比奈さん相手に未だに余所行きの口調なのも、そこから来る申し訳なさとかが関係してくるわけなのだが。
「俺の方はこのくらいにしてさ…彰人の方こそどうなのさ。青柳くん達とは上手くいってる?」
「ええ、まあ…それなりには」
「じゃあ勉強は?」
「……あ、赤点を取らないくらいには」
青柳くんと白石さんと、あとは確か宮女の人って言ってたな。もしかしたら望月さんとかとも知り合いなのだろうか。
なんにせよ、彰人の方は大丈夫そうだ。
「それにしても雨やみませんね」
「朝は全く降ってなかったんだけどな…」
前置きはここまでにして、現在一番困っているのはそこなのだ。この喫茶店に来た時は晴れていたのに話していたらいきなり降ってきた。
「もういっそのこと絵名に頼…いや、今日土曜だからまだ起きてない確率の方が高いな」
「ここら辺だとコンビニは…マジか」
ここから家まで全力で走れば10分かかるかかからないか、対して傘を買えそうな場所は徒歩で10分程度。この距離を濡れずに行け…行け……無理だなこれ。濡れるの覚悟で走るしかないか。
ワンチャン、スタンド発現したら防いでくれないかな。スタープラ乳・
「こうなったらダメ元で絵名に聞いてみるしかないか」
「でも……」
「お前も男だろ?いい加減腹を括れ。お礼のいいとこのチーズケーキは半々で出すぞ」
彰人にも画面が見えるように机の中央にスマホを置き、絵名にメッセージを送る。起きていれば、作業中以外は基本的に自撮りなんかをしてスマホから手を離すことはないので気付く時はすぐに気付くだろう。逆に気付かない時はマジで気付かない。
感じたぞッ!『返信』が来るッ!
……うわ、本当に来た。もしかしたら俺にはニュータイプの素養があるのかもしれない。
オリ主→なんだかんだ言ってえななんと愛莉ちゃん先輩への好感度はクソ高い。
東雲彰人→奢りだしチーズケーキ美味しいし行くか的な思考。