おかげでめちゃくちゃモチベが伸びてます。評価してくれた方、並びにブクマしてくれた方々に感謝を。
こんな妄想を書き連ねただけの小説ですが、よければ最後までお付き合いいただけると幸いです。
11月29日
ストーリーに合わせてアッシュのプロフィールを一部修正
私はその立場上、フリーナに付き合って何度かマジックショーを見たことがある。
だがはっきり言ってどれも大した物ではなかった。 あるものはショーの最中に事故で自らマジックのタネを見せびらかし、あるものは神の目を使って堂々とマジックとは到底呼べない何かを使う始末。
故に個人的にはマジックはあまり好きなものではなかった。
だが、今目の前で行われているリネとリネットのマジックショーは私のマジックに対する印象を変えるほど素晴らしいものであった。
「これは……なるほど、君が彼らを贔屓するようになるわけだ」
「そうだろう! 彼らの技術は他とは比べ物にならないんだ!」
客から見える位置で神の目を外してから行われていく様々なマジック。
まず間違いなく種や仕掛けはあるのだろうが、いくら観察してもそれらしいものを見つけることはできない。
それでいてタネを見せびらかすような大きな失敗もなく、観客を楽しませるようなユーモアさえもある。
彼らのマジックショーは素人目に見てもわかるほど本当に素晴らしいものだった。
民衆もそのように考えているのだろう、彼らのマジックが進んでいくたびに拍手や叫び声が聞こえ、実に楽しんでいる様子だった。
もちろん、私の隣にいる少女も。
実に楽しそうにマジックショーを観覧している彼女に、私は思わず笑みをこぼしてしまう。
やはり彼女に似合うのは悲哀の表情ではなく、今のような純粋な顔だ。
そんなふうに考えているうちにマジックは進んでいき、やがて今回の目玉である人体入れ替わりマジックへと進んでいく。
「……ありがとうございます。 こちらのパフォーマンスにはご満足いただけたことでしょう。……しかし、この不思議な旅はまだまだ終わりませんよ。これよりも更に驚くような展開を用意しているのですから」
そう言ったリネが観客席の通路を指し示すと、そこにはいつの間にか人が一人はいる程度の箱が置かれていた。
「それは魔法の箱。今から行う転移と消失マジック、その目玉に使われるものです。……しかし、あの箱だけでは足りない。今の僕には、観客のうちのどなたかの助力が必要なんです。……勘の良い方は僕の言葉で気づいたかもしれませんね。 そう、次のマジックは、入れ替わりです!」
リネは舞台に置かれた箱を軽く触りつつ、その言葉を続ける。
「選ばれたラッキーなお客さんには、僕がこちらの箱に入ると同時にあちらの箱に入っていただきます。そして1分後、お互いの箱から姿を現して見せましょう。 ……ではみなさん、僕が細工できないよう、しっかりと箱を見張っていてくださいね?」
そしてリネは、彼が話している間に持ち込まれた機械へと近づく。
「このマジックを手伝ってくれるお客さんがだれになるかは、このナンバー抽選機で決めましょう。 この機械は完全にランダム。幸運がだれに訪れるかは、僕にだってわかりません。……それでは、始めましょう!」
そしてリネは、ナンバー抽選機の横についているボタンを押す。
それとともにナンバー抽選機の正面につけられた番号が書かれた紙が回りだし、そして抽選で選ばれた者を指し示した。
「どれどれ……ふむふむ、どうやら幸運なお客さんは、第7列目、三番目のチケットをお持ちの方のようです! おめでとう! 直々にこの不思議な1分間を体験できますよ! ……それじゃあ、彼女を箱の中へ」
そのチケットを持っていた女性が劇団員に連れられて箱に近づくと、箱がさし示されたかのように開かれる。
「ふむ、僕たちに合わせたせいか、箱の中の空間が狭いかもしれませんね……。 ですがその代わり、緊張がほぐれるように中には装飾品が入れてありますから。 あなたは何もしなくて大丈夫です。ただし、途中で不思議な感覚がしても、絶対に出てこないようにしてくださいね」
「わ、わかったわ……」
「……さて。僕が箱に入ってしまう前に、一つ皆さんにお願いがあります。 どうか、カウントダウンをしていだだけませんか? 60、59、58、と言った具合に。少しカウントダウンを早めたりしても大丈夫ですよ。何せ箱の中は暗いですから。みなさんの声だけが頼りなんです。……あ、いじわるは無しですよ? 60回を30秒で数え切られてしまったら、僕が困ってしまいますから」
そう言いつつ、リネは箱の扉を開け、その中へと入っていく。
「ではみなさん。60秒後にまたお会いしましょう!」
その言葉とともにリネは箱に入り、そしてカウントダウンが始まる。
順調にカウントダウンは進んでいく。観客たちもそのカウントダウンに夢中になり、途中で鳴った大きな音などだれも気にしたりはしない。
だが私は、その物音が少し気になった。
「20! 19! ……って、アッシュ? どうかしたかい?」
「……いや、なんでもないさ」
どうもきな臭い。このマジック……何かあるかもしれない。
懐の剣に手を添えつつ、周囲を見渡す。
だが特に何かあった様子はない。カウントダウンも順調に進んでいく。
そしてカウントダウンの終わりとともに、リネが客席側の箱から出てくる。
そして彼が指し示す方向……ステージへと視線が向けられる。
……だが、ステージの箱が開くことはなかった。
なぜなら、その箱の上に、入れ替えマジックの前に使われた、巨大な水槽が落ちてきたからだ。
「っ!?」
「なんだ!? 何が起こったんだ!?」
突然の出来事に、楽しげにカウントダウンをしていた人々も静まり返る。
リネもこの出来事は予想していなかったらしく、驚いている様子だった。
「公演中止だ! 医療スタッフは私についてこい。警察隊は現場を保護し、全ての出演者を抑えろ! 歌劇場も一時封鎖する!」
そのヌヴィレットの一言により、唖然としていた人々も状況を察することになった。
水神たる彼女も、その一人であった。
「そ、その通りだ! 事故なら原因を特定しなきゃいけないし、事件だったら……その犯人は、正義の審判を免れることはできない! 特定を急ぐべきだ!」
「……フリーナ。私も一度下に降りて彼らに協力しよう。 君はここにいるように」
私はフリーナに念押ししつつ、舞台の方へ降りるべく駆ける。
……どうやら、随分と面倒なことになってしまったらしい。
♢
アッシュ プロフィール
武器 法器以外全種類(大剣、直剣、槍、弓)
逾槭?逶ョ 炎
国 フォンテーヌ
所属 決闘代理人、フリーナの側近
フォンテーヌの水神、フリーナの側近かつ決闘代理人として有名な人物。
裁判での決闘代理人でもあり、その実力は折り紙つき。
多種多様な鎧を着ており、「鎧姿のアッシュ」と揶揄される程度には常に鎧を着ているが、時には鎧を外すこともある。
鎧を外した姿の彼女は非常に人気があり、彼女のどこか抜けている性格も相まってフォンテーヌでは水神とともに愛されている人物でもある。
しかし彼女らしい人物が数百年前のフォンテーヌの資料に載っていたりと、フォンテーヌの人々でさえ知らない秘密が、彼女にはあるようだ。
若干短くなった上に中途半端だったのでアッシュのプロフィールでお茶を濁す男。
次回で審判のシーンまで行けたらいいなと思っております(希望的観測)。
プロフィールも多分もう一回くらいは更新するタイミングあると思うので、お楽しみに。