勇者と魔王の瞬瞬必生   作:きゃぷてん

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Re:boot『The Rising of the Shield Hero』


ケンとヤリとユミとタテ2019

「————この本によれば」

 

暗闇の空間で、変わった服を着ている青年は、大時計をバックにハードカバーの本を開き読み始める。

 

「“普通の高校生”だった、常磐ソウゴ。彼には魔王にして時の王者、オーマジオウとなる未来が待っていた」

 

頁にはオーマジオウが映っていた。青年は、頁をめくる。

 

「そんな彼の前に現れたのは醜き平成を亡き者にしようとするもう1人のソウゴであった」

 

 頁には、歴史の管理者”クォーツァー“の首領、常磐SOUGOが映り、その後仮面ライダーバールクスも映り込む。

 

「常磐ソウゴは、この私、ウォズの裏切りすらも乗り越え、王として、この世に君臨するのであった……」

 

頁には、仮面ライダージオウ・オーマフォームが平成ライダーと共にキックを放つ姿が映っていた。ウォズは再び頁をめくる。

 

「即ちこれはその映画、そして最後の舞台(ファイナルステージ)の続きです。

 常磐ソウゴは今回、私達と共に突如異世界へと飛ばされ、四つの聖なる武器を持つ勇者達と邂逅する。果たして、どのような未来が待っているのか? ————それは、私にとっても、皆さんにとっても未来のお話、ですね」

 

◇◇◇◇

 

 ……………………。

 

 微睡の中で、常磐ソウゴは目を開いた。

 

 目を開けた先は、暗闇の世界だった。

 

「ここは…………」

 

 身を起こし立ち上がる。

 

 それと同時に、周囲にポツポツと光が瞬き始めた。

 

「これは……武器?」

 

 その光の正体は、武器であった。

 

 盾、剣、槍、弓。

 

 槌、爪、小手、斧、投擲具、杖、鞭、馬車。

 

「いや馬車。馬車って」

 

 明らかに武器じゃないものが混じっていることに思わずツッコむソウゴ。

 

 他にも武器はある。

 

 狩猟具、札、玉、鈍器。

 

 刀、扇、鎌、船、鏡、楽器、本、銛。

 

「……武器じゃないやつ意外と多いな……」

 

 やはり武器じゃないものにツッコむソウゴ。

 

「でもなんか……凄い力を感じる気がする」

 

 ソウゴはどの武器からも力を感じていた。

 

————させよ。

 

「…………ん?」

 

 何か声が聞こえた。周囲を見るが、誰もいない。

 

————覚醒させよ。

 

「え…………?」

 

 先程よりも、はっきりと声が聞こえた。だが周りに誰もいない。

 

————聖なる武器の勇者を集めよ。そして、

 

瞬間、ソウゴの脳内に幾つもの名前が走った。

 

仮面ライダーシールド

 

仮面ライダーソード

 

仮面ライダーアロー

 

仮面ライダースピア

 

仮面ライダーハンマー

 

仮面ライダークロー

 

仮面ライダーガントレット

 

仮面ライダーアックス

 

仮面ライダースロー

 

仮面ライダーワンド

 

仮面ライダーウィップ

 

仮面ライダーキャリッジ

 

仮面ライダーハンティングギア

 

仮面ライダーアミュレット

 

仮面ライダージュエル

 

仮面ライダーブラントウエポン

 

仮面ライダーカタナ 

 

仮面ライダーファン

 

仮面ライダーサイス 

 

仮面ライダーシップ

 

仮面ライダーミラー

 

仮面ライダーミュージカル

 

仮面ライダーブック

 

仮面ライダーハープーン

 

————仮面ライダーに、覚醒させよ。

 

 最後にその声を聞いて、ソウゴは夢から覚めた。

 

◇◇◇◇

 

「……っていう夢を、今日の朝見たんだよ」

 

 朝のクジゴジ堂の食卓。食事の最中、ソウゴは夢の話をしていた。

 

「勇者に仮面ライダー、か」

 

「その武器を持ってるかもしれない勇者が、仮面ライダーになるってことかしら?」

 

 赤いラインが走った黒い服の男、明光院ゲイツが呟き、白い服の女、ツクヨミが問いかけた。

 

「その可能性は高いね。問題は、その勇者とやらが誰で、何処にいるのかということだ。それに、その声の主も何者か気になる」

 

 彼女の疑問に答えたのは黒い服を纏う男、ウォズ。

 

「オーマジオウ……は、ないか。声の主が奴ならば、姿を現すなりする筈だ。となると、別の誰かだ」

 

 ゲイツはそう考えを述べる。

 

 その誰かは誰なのか、手がかりは無い。完全に謎が謎を呼んでいる状態だった。

 

「……勇者達を仮面ライダーにさせて、どうするんだろ」

 

 ソウゴにとってそれが一番の疑問だった。夢では仮面ライダーに覚醒させろ、とだけで、その理由までは分からなかったからだ。

 

「罠の可能性も十分にある。仮面ライダーを集めさせて力を根こそぎ奪う、という何者かの作戦かもしれない」

 

「その予想、貴方が言うと説得力が違うわね……」

 

「それは褒めてると捉えて良いのかな?」

 

 ツクヨミからの言葉にそう返すウォズ。

 

「…………何となくだけど、罠じゃない気がする。というか…………」

 

「何だ?」

 

「……むしろ、助けを求めてる……のかな……」

 

 ソウゴがそういった時、彼らの目の前にある物が出現した。

 

 それは、オーマジオウライドウォッチ。

 

 直後、そのオーマジオウォッチが、霧散した。

 

「「「「……………………」」」」

 

 ソウゴ達は、しばらくの間呆然とする。

 

「「「「ええええええええええ!?」」」」

 

 その後、クジゴジ堂に絶叫が響き渡った。

 

「お、オーマジオウウォッチが……!」

 

「消えただと……!?」

 

「一体どういうことだ、これは…………」

 

 ソウゴとゲイツとウォズが困惑を露わにしていた。

 

「ちょっと待ってあれ……!」

 

 ツクヨミが指差した方を見ると、灰色の幕が現れていた。

 

「オーロラカーテン……!」

 

 ウォズがその名を呟く。

 

 オーロラカーテンがソウゴ達の元へ迫り、彼らの身体を瞬く間に飲み込む。

 

 その瞬間、彼らは意識を失った。

 

◇◇◇◇

 

 俺の名前は岩谷尚文。普通の大学二年生だ。更にいえばオタクである。

 

 俺はいわゆるオタ活により軍資金を消費して懐が寂しくなっていたので、節約&暇つぶしの為に図書館へ来ていた。

 

 何の本を読もうかと棚を見ていた俺はとある本を見つけた。その本の題名は、『四聖武器書』。

 

 内容は大雑把に言うと、剣と槍と弓と盾の武具を持った勇者達が世界を救う物語だ。各勇者ごとに章が分かれていて、盾の勇者の章を読もうとした時、俺は意識を失った。

 

 そして覚醒し目を覚ました今、俺は謎の場所にいた。石造りの部屋で、立っている場所は魔法陣が描かれている祭壇のようだった。

 

 それに隣には自分と同じように状況を呑み込めていない様子の男が5人(・・)いた。

 

「これは…………盾?」

 

 何故か右手に盾が装備されていた。その上取り外すことができない。

 

「よし! 召喚に成功したぞ! ……ん?」

 

 その時だった、男の声が聞こえてきたのは。見てみると、そこには白いローブの男が。

 

2人(・・)多い……彼らは一体? 武器すら持っていないぞ?」

 

「ううむ……儀式に召喚されたから勇者かもしれないが……」

 

 ローブの男達がいきなり何かを話し込み始めた。何なんだ?

 

「……一先ずは出迎えの挨拶をしておこう。後々処遇は決めればいい」

 

 やがて色々話し終えたのか、こちらを見た。

 

「あんた達は……」

 

ローブの男に武器を持っていない男が問いかけた。

 

「ああ、勇者様方! どうかこの世界をお救いください!」

 

「はァ?」「えっ?」「はい?」「へえっ?」

 

 その突然な言葉に俺たちは素っ頓狂な声を上げた。

 

「いや世界を救えって……いきなり何だ? それに俺は……」

 

 質問を飛ばしたのは槍を持った男だった。失礼ながらチャラい雰囲気を持っているように思える。本人は何故か腹を押さえていた。

 

「……何なんですか? 事情を説明してください」

 

次に、弓を持った大人しそうな少年が同じく質問を飛ばした。冷静そうに見えるが、少し困惑してるようにも思える。

 

「……何だ? 殺人鬼の次は誘拐犯か? 勘弁してくれ」

 

 剣を持ったクールな雰囲気の少年が目の前にいるローブの男を睨みそう言った。

 

「……もしかしてドッキリか……?」

 

小声で俺はそう呟く。ならば意識を失ったのは仕掛け人が何かして気絶させ、拉致したということになるが、ドッキリのためにワザワザそんな犯罪紛いなことをするだろうか? 今は令和の世だし、過激なことも下手に出来ないと思う。

 

「ウォズ、これって……」

 

「…………確実にアレが原因だろうね」

 

 武器を持っていない二人の男は何かを話していた。その内容は聞こえなかったが。

 

「突然の事で混乱しているかもしれません。信じられないかもしれませんが、古の儀式で貴方がたを召喚させてもらったのです」

 

「召喚……」

 

 うーんドッキリ臭い。いやドッキリというか、ヤバい宗教団体に拉致られたように思えてきた。あれ、だとしたらとんでもないことに巻き込まれてないか?

 

「この世界は今、存亡の危機に立たされています。勇者様方、どうか力をお貸しください」

 

 ローブの男達が深々と頭を下げた。うーん、話だけ合わせてみるか……?

 

「ええっと……話だけだったら……」

 

「無理だ。人の了承なしで呼び込んだことにお前らは罪悪感がないのか?」

 

「同意ですね。仮に世界が平和になってポイっと戻されたらタダ働きですし。それはごめんです」

 

「元の世界に帰れるのか? まずはそれが先だ。聞くがこっちの意思もどれだけ汲まれるんだ? 話によっちゃ俺らが敵に回るんだからな」

 

 俺が喋ろうとした時、剣と弓と槍の男達が話を遮った。

 

 いやおいおい、気持ちは分かるが必死に頭を下げてる人になんて態度してるんだ。せめて話合わせるぐらいはしてやれよ。

 

 目を細めて三人をみるが、本人らは半笑いしている。嬉しそうなのが丸見えだ。

 

 しかも自分たちの立場の確認と報酬に対する権利の主張もしてる辺り、結構図太いというか、逞しい。

 

 しかし、武器を持っていない二人は冷静そうに見えた。なんというか、こういうトラブルに慣れてそう感がある。

 

「態度でか〜…………」

 

「内心、すごく喜んでいるねアレは」

 

 と、思ってたら二人が三人を見てこそこそ何か言い合ってた。大方彼らの態度についてかもしれない。

 

「ま、まずは王に謁見していただきたい。諸々の話はその場で行なってくれれば」

 

 ローブを着た男の代表が扉を開く。

 

「…………ふん、しょうがない」

 

「そうですね」

 

「誰を相手にしたとこで話は変わらないけどな」

 

 3人はそう言いながらついて行く。俺もついて行った。他二人も後から続いた。

 

「…………ウォズ、どう?」

 

「…………シノビ、クイズ、キカイ、ギンガの力が失われてしまっていた。少々面倒なことになったね」

 

「うん、まさか……ライダーの力が無くなるなんて(・・・・・・・・・・・・・・)————」




次回 4にんのユウシャ2019

ソウゴ:失われた力の詳細については次回
ウォズ:実はとあるイベントのためにすごいいる
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