勇者と魔王の瞬瞬必生   作:きゃぷてん

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今回は三人称視点です


防衛と終結と決闘2019

一同が村に着いた時、波から溢れ出た化け物達がまさに暴れ出そうとしていた。駐在していた騎士と冒険者達が辛うじて戦ってるが、このままではジリ貧であった。

 

「俺とウォズで敵を倒す。尚文とラフタリアは村の人の避難をお願い!」

 

「分かった!」「はい!」

 

ジオウからの指示を受け、尚文とラフタリアは頷いた。

 

『ベストマッチ! ビィールゥードォー!』

 

ビルドアーマーに変身したジオウ。ラビットの俊敏性により、次々と魔物達を切り裂いて撃破していく。

 

ウォズもそれに続くようにジカンデスピア・ヤリモードで魔物をいなし、貫いていく。

 

これまで様々な強敵と戦ったジオウとウォズにとっては、波の魔物は敵では無い。

 

「つえぇ……」「すごい……」

 

ジオウの力は城の一件で知ってはいたものの、魔物を難なく倒す姿に尚文とラフタリアは圧倒されていた。

 

「って、感心してる場合じゃないな。ラフタリア!」

 

「はい!」

 

尚文とラフタリアは魔物の死骸の側を通り抜け、村の人間達の元へ行く。

 

「た、盾の勇者様? 助けに……?」

 

「ああ。今は俺の仲間が魔物を倒してくれている。早く避難してくれ!」

 

「は、はい!」

 

そのまま声をかけられた村の人間は避難をしていった。

 

それからも尚文とラフタリアは他の住民に声をかけていって避難をさせる。

 

「ラフタリア! 他に人は居ないか?」

 

「はい! 確認した限りだと居ません」

 

「よし、俺達も加勢するぞ!」

 

「はい!」

 

それから尚文とラフタリアはジオウ達の元へ駆けていく。

 

「ソウゴ! 人の避難は終わったぞ! 俺達も加勢する!」

 

「ありがとう! それじゃあ頼むよ!」

 

「よし! ラフタリア、俺が魔物を引きつけてる間に攻撃を頼む!」

 

「分かりました!」

 

それから尚文はラフタリアと連携を行うことで戦闘。尚文が攻撃を受け止め、ラフタリアが剣で斬っていくスタイルだ。

 

このまま行けば余裕で……尚文がそう思った時

 

「ッ! "流星盾"!」

 

何かを察知し、前日に手に入れた隕鉄の盾に変えて流星盾を発動。

 

一同を囲むように障壁が発生した直後、火の雨が突如として降り注いだ。

 

全て障壁に当たるが、防ぐことは出来た様子。

 

「大丈夫か!?」

 

尚文が安否を確認する。

 

「大丈夫です、ナオフミ様が防いでくれましたし……それにしても一体……」

 

無事だということを伝えた後、ラフタリアは火の雨が飛んだ方を見た。

 

そこには鎧を纏った集団がいた。騎士団である。隊長格と思わしき男は一同を見るなり吐き捨てる。

 

「ふん……盾の勇者共か」

 

「お前らは……騎士団か。どういうつもりだ、俺達もいたんだぞ!?」

 

「どうも魔物が密集してるみたいだったのでな。掃討のチャンスだったから焼き払った……それだけだ」

 

(こいつら……!)

 

騎士団の男は顎をしゃくり、こちらを見下すような視線を送り、嘲笑いながら告げる。

 

騎士団までこっちのこと見下しているのか。いや、見下してるならまだマシだ。だがこちらを巻き込んで攻撃してくるのは流石に怒りを覚える。

 

「それだけって……それで大怪我でもしたらどうするつもりですか!」

 

男の言葉を聞いたラフタリアは怒りを露わにしながら吠える。

 

「ふん、五体満足なんだから良いじゃないか。何を騒ぐか」

 

「良くありません! 先程からなんて言い草を……!」

 

「言い草を指摘されるべきは貴様だろう亜人。貴様如きが我々にそのような口を……」

 

「……騎士団はお喋りでもしに来たのか?」

 

その時、尚文が会話に割って入る。

 

「あ?」

 

「お喋りしに来たならそれ程余裕があるんだろうな。なら、戦闘を俺達と交代してくれ。さっきから4人でやってたから疲れたもんでな」

 

そう言った直後、一体の魔物の首が尚文と騎士団の間に飛んできて地面を転がる。

 

それは既に魔物との戦いを再開してるジオウによるものだ。

 

足元に首が飛んできた隊長格の男は驚き、思わず後退りする。同時に、騎士達はジオウと魔物達の戦闘を見て青い顔をした。

 

「……敵は波から這いずる魔物達だ。履き違えるなよ。それでも邪魔するつもりなら……お前が肉盾にでもなってもらうぞ」

 

「ひ……!」

 

尚文は隊長格の男の胸ぐらを掴み、そう脅した。仲間まで巻き込まれそうになった故の怒りだ。

 

その脅しの言葉に鬼気迫るような表情により、隊長格の男怯んでしまっていた。

 

「ラフタリア、行こう」

 

「は、はい」

 

胸ぐらを離した後、尚文はラフタリアに声をかけて戦場へ向かう。ラフタリアは初めて見る尚文の強い怒りに少し驚いているようだった。

 

 

それから。

 

「こんな所か」

 

「ま、今回は楽勝だな」

 

「この具合なら次の波も余裕でしょうね」

 

錬と元康と樹が今回の波の大物であるキメラを見ながらそう話していた。元康も昨日は錬と樹と口論にはなったものの、波の戦いとなれば協力したようである。

 

キメラが倒されたことで波が終わり、空も亀裂が無くなって元通りになっていた。

 

「よくやった勇者諸君。今回の波を乗り越えた勇者一行に王様は宴の準備ができているとのことだ。報酬も用意されてますぞ」

 

騎士団の隊長が錬達に向けてそう説明していた。

 

「尚文とラフタリアは報酬受け取りに行っといてよ。俺は村の片付けとか手伝う。ウォズもご飯食べに行ってて良いよー」

 

「そうかい。ならお言葉に甘えてそうさせてもらうよ、我が魔王」

 

ソウゴからの言葉にウォズは嬉しそうにしていた。

 

「良いのか? 俺達も何か……」

 

「尚文達は休んでてよ。今日が初めての波だし、疲れたでしょ。俺はむしろまだ動けるくらいだし、気は使わなくて大丈夫。ほら、行ってきな」

 

「そう言うなら……行こうか、ラフタリア」

 

「そうですね……お気遣いありがとうございます、ソウゴ様」

 

「良いよ良いよ、気にしないでー」

 

それからソウゴと尚文達は別れた。

 

「……これで……私のような方が、少しでも減らせたでしょうか」

 

「……ああ。減らせたはずだ」

 

「……次も……頑張って戦います」

 

胸に手を当て、空を見上げるラフタリア。村の仲間や、両親のことを想いながら。

 

 

「いやぁ、流石勇者だ! 前回の被害とは雲泥の差にワシも驚きが隠せんぞ! 今宵は宴だ、存分に楽しむと良い!」

 

城で開かれた大規模な宴でオルトクレイが高らかに宣言する。

 

皆が食事をする中、尚文はステータスのヘルプを確認している。

 

『波での戦いについて』

 

『砂時計による召集時、事前に準備を行えば登録した人員を同時に転送することが可能です。』

 

(……これをしとけば騎士団も一緒に行けたかもしれないが……あの態度だしなぁ。素直に登録してくれるかどうか)

 

尚文は肩をすくめ息を吐く。

 

(錬や樹は使ってなかったが……知らなかったか大したことないと思ってたか、その辺りかな?)

 

「ま、今は飯を食うか」

 

考えていたがそれもやめて、尚文はテーブルに並べられたご飯に手をつけて食べ始める。

 

「すごい! ご馳走ですね!」

 

ラフタリアは目の前に並ぶ食事に目を輝かせていた。

 

「そうだな。豪華そうなやつばっかだし、遠慮なく食べよう。……うまっ」

 

「あ……でも食べたら太っちゃう……」

 

「まぁ明日からも戦闘するだろうし、大丈夫だと思うぞ? それに頑張ったわけだし」

 

「うーん……ナオフミ様は太った子は好きですか?」

 

「は? きゅ、急になんだよ」

 

「はいかいいえで答えてください」

 

「ええ……」

 

これは……どういう意図で聞いてきてるんだ!?

 

まさか……いやいや、勘違いをするな。特にそういう兆しとかなかったろ!?

 

落ち着け、岩谷尚文。変に調子ばって好きとか言うのは宜しくない。ここはこう、少し濁した感じで言うんだ!

 

そう考えた後、尚文は言葉を発する。

 

「……お、おれはー……よっぽど酷くないなら太ってる子も嫌いではないかなー……みたいな……あはは……」

 

「……なるほど」

 

少々納得のいってないような顔をしてるラフタリア。

 

「……ほ、ほら。他にも色んな料理あるぞ。食べてみよう」

 

尚文はちょっと気まずくなり、とりあえず他にも食べようと誘う。

 

そんな時、怒りの形相をした元康が人を掻き分けて尚文達の方へ向かってきた。

 

「おい! 尚文!」

 

「……なんだよ、元康」

 

すると、元康は手袋を外し投げつけた。

 

「決闘だ!」

 

「はぁ? いきなり何言ってるんだ?」

 

「聞いたぞ! 一緒にいるラフタリアちゃんは、奴隷なんだってな!?」

 

「…………!」

 

マインの差し金か。聞いたぞ、という言葉を聞いて、尚文はそう思った。

 

こんな調子だ、例え否定しても聞きはしない。だが言われっぱなしは癪に触る。そう思いながら口を開いた。

 

「……ラフタリアは俺達の仲間だ。……でも敢えて聞こう。奴隷だったとしたら何だよ?」

 

「何だよって……人は人を隷属させるものじゃないんだぞ! まして異世界人である俺達勇者にはそんな事許されないんだ!」

 

「許さない、か。だが今のこの国じゃ奴隷は認められてるんだよ。ここは異世界だし、普通の日本とは違う。それが嫌ならこの国に文句を言えば良いじゃないか」

 

「話にならないな……! もう一度言う! 決闘だ! 俺が勝ったらラフタリアちゃんを解放しろ!」

 

「こっちが勝ったらどうなる?」

 

「これまで通り、ラフタリアちゃんを好きにすれば良いさ!」

 

「俺達に何のメリットもないじゃないか。何の事だよ」

 

呆れと苛立ちが交じった表情を尚文はしていた。もういっそラフタリア達とこの場から去ろうかと、そう考えていた時、

 

「モトヤス殿の話は聞かせてもらった」

 

人混みが割れ、尚文達の前にオルトクレイが現れる。

 

「勇者ともあろう者が奴隷を使っているとは……噂でしか聞いてなかったが、まさか本当だったとはな。盾の勇者め、遂に本性を表したか」

 

オルトクレイは尚文達に蔑むような視線を向けていた。

 

「モトヤス殿が不服というならワシが命ずる。決闘せよ! この命に従わなければ、無理矢理にでも盾の勇者の奴隷を没収しよう」

 

そう言った直後、ラフタリアの元に兵士達が駆けつけ彼女を囲んでいる。

 

「け、決闘なんてする必要はありません! 私は……ふむっ!?」

 

「ラフタリア!」

 

ラフタリアの口に布が巻かれる光景を見て尚文は叫んだ。

 

「本人が主の肩を持たないと苦しむよう呪いを掛けている可能性がある。奴隷は黙らせてもらおう」

 

「くっ……!」

 

オルトクレイの言葉に尚文は歯を噛み締めるしかなかった。

 

「そして勝負はモトヤス殿一行と盾の勇者で行うことにしよう」

 

「王様、勝負なんて俺1人で十分だ。こんな卑劣なやつとの戦いに女の子を巻き込むわけにもいかないしな」

 

「むぅ……モトヤス殿がそう言うならば、勝負は盾の勇者との一騎打ちとしよう」

 

元康の宣言に少し顔を顰めながらも、オルトクレイは勝負の内容を変更することにした。

 

(私は仮面ライダーという未知の力で城での一件で元康くんと渡り合える実力は見せている……それなら娘伝いで実力を知ってるから、勝てる可能性が高い尚文くんと1対1でぶつけたいだろうね)

 

「そして権力を使えばそれも可能という訳だ」

 

一連の状況を傍観していたウォズはそう呟く。

 

相手がただの下郎ならさっさと倒してそれで終いにする所だが、今回はそうでなく一国の王。手を出したりなぞすれば、その場から逃れても指名手配になる可能性がある。だから現在、傍観に徹しているのだ。

 

「では、城の庭にて決闘を開催する!」

 

オルトクレイは決闘場所を高らかに宣言した。その後、元康やその場にいた貴族や冒険者達が庭の方に移動を始める。

 

「ちっ……!」

 

とんだ厄介事になってしまった。舌打ちをしながら尚文はそう思った。

 

 

「ん?」

 

村の片付け途中だったソウゴはファイズフォンXから着信音が鳴ってるのに気づいた。相手はウォズのようだ。

 

「ウォズー? どうかしたー?」

 

『ウォズじゃなくて俺だ……』

 

「あ、尚文じゃん。どうかした?」

 

『実はその……元康が……』

 

それからソウゴは尚文から説明を受け、経緯を知った。

 

「あちゃー、大変だね……」

 

『どうすりゃ良いんだコレ。俺わざわざ目の前で負けに行かなきゃいけねぇのか? 俺攻撃出来ないんだぞ?』

 

「……最悪負けても、ラフタリアが抜けるとかないだろうし大丈夫だろうけど……ま、折角なら勝ちに行きたいよね」

 

うーん、とソウゴは顎を撫で

 

「決闘までまだ時間はある?」

 

『まあ一応あるけど……』

 

「んじゃ、作戦会議だ。時間あるって言っても短いだろうし、ささっと立ててくよ」

 

決闘に向けての作戦会議が、電話越しで行われることになったのである。




NEXT 矛VS盾2019

どしたん元康? 話聞こか?(竿の勇者)

ムチムチしてるラフタリアとか癖に刺さるよ俺は。某ダブリエルとかすげぇ刺さったからな

ムチムチのラフタリアは好きか。好きなら君は俺の親友だ

  • うん、大好きSA⭐︎
  • 私は肉のない方が好みです
  • 筋肉女子を推せ
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