宿儺「どけ!!!俺は主人公の相棒だぞ!!!」 作:バケギツネ
鏖殺って読みづらいよね。
◇
受験を控えた俺、勉強終えて風呂でウトウトしていたら、半裸で深夜の学校にいた件。
え、どうなってんのこれ?
俺の服も辺りもボロボロだし、目の前には血まみれ黒づくめで頭とげとげのノッポ。
え、どうなってんのこれ!?
『人の体で何してんだよ。返せ』
うわ、なんだ今の...!?
頭の中に声が響いたと思ったら、急に身体の自由がきかなくなった。自分の意思とは無関係に身体が動いている。
ナニコレキモい!!!
『動くな。お前はもう人間じゃない』
目の前にいる頭トゲトゲが、意味不明なことを口走りながらこちらを睨んできた。
『呪術規定に基づき虎杖悠仁、お前を呪いとして祓う!』
この人、頭でもおかしいのか?
間違いなく関わり合いに成ってはいけないタイプの人間だろう。なんか人相悪いし、ワンチャン危ないクスリとかやってそう。
逃げよう。いや逃げれない!身体の自由はきかないんだった。
『いやなんともねぇって!それより俺も伏黒もボロボロじゃん。早く病院行こうぜ』
頭の中に、またあの声が響く。かと思ったら視界がブラックアウトして...
骨、骨、骨、骨、骨!!
骨がいっぱいの悪趣味な空間に俺はいた。
「どうなってるんだまったく。受験勉強のしすぎでイカれたか?」
頭を抱えてその場に座り込む。水面に自分の姿が映った。
「ん、誰!?」
短髪のピンク髪。
整った顔に浮かんだ紋様。
全身白い和服。
諏訪部順一似のイケボ...
「んんん?」
首を傾げれば、水面に映ったピンク髪も同じように動く。間違いなくこいつは俺だ。
っていうかこのキャラクター、どこかで見たことあるような...
「あ、あれだ!呪術廻戦!!」
俺は受験勉強中も、週刊少年ジャンプを読むことだけは欠かしていなかった。もちろん、看板漫画からマイナー寄りの漫画まで全てに目を通している。
今の俺のビジュアルは、『呪術廻戦』という新連載の漫画に登場した、両面宿儺とかいうキャラクターに酷似している。
夢...?それとも...
『転生』の2文字が頭に浮かぶのは、漫画の読みすぎだろうか。いやでも、夢にしてはリアルすぎるし...
「呪術廻戦」のストーリーを思い出してみる。
新連載だったため一話だけしか見れていないが、王道のバトル漫画という感じだった。
今の俺はそんな世界の主人公、えーーと虎杖悠仁!にひょんなことから封印された呪いの王。
そして俺、もとい宿儺のおかげで主人公の虎杖悠仁は力を手にする。しかしそれゆえに、自分が助けたトゲトゲ、もとい伏黒恵に命を狙われて...
俺が知っている第一話はそこで終わっているため、それ以上の情報はない。
だが、俺は長年少年漫画を読んできた経験から、この先の展開を予測することができる!
この俺、両面宿儺は、主人公の相棒枠になる!!
間違いない!!
突如俺の脳内には、存在しない記憶が溢れ出した。
人を助けようとする虎杖悠仁と、
人を傷つけることしか知らない呪い・両面宿儺。
呪術師から追われる身となった2人は、仕方なく共に逃げる道を選ぶ。
逃げた先でゲストとの交流や追っ手あるいは呪霊との戦闘を重ねていく中で、虎杖と宿儺の2人は、徐々に心を通わせていく。
そして、最終話近くで...
『おい、宿儺。いや、すっくん!しっかりしろ!すっくん!!』
『小僧....いや悠仁。もういい。伏黒恵に心臓を潰された...俺はもう、助からん...』
『すっくん....死ぬな、すっくん!!』
『俺は、これまで、数えきれないほどの命を奪ってきた...今さら、自分だけが助かろうなどとは思わん。それに俺だけが死ねば、悠仁の死刑もなかったことになるではないか』
『すっくん。俺は、お前がいないと...』
『悠仁、お前だけだ。俺と友達になってくれたのは...お前が俺に、愛を教えてくれたんだ....!』
『頼むっ、俺を1人にしないでくれ...!』
『お前はこれからも人を助けろ。お前なら、できる.......がんばれ......がんばれ......ガクッ』(絶命)
『すくっ.......すっくん!!!すっくーーーーーーーーーん!!!!』
うむ、こんな感じだな!!
俺は、NARUTOで言うところの九喇嘛みたいなポジションだろう。
間違いない!!