宿儺「どけ!!!俺は主人公の相棒だぞ!!!」 作:バケギツネ
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記録
2018年8月。
虎杖悠仁は、長野での自主訓練中、未確認の特級呪霊と遭遇。戦闘の末、これを祓う。
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虎杖悠仁とすっくんに祓われ、その身体を消滅させていく漏瑚。遠くからその姿を見つめる影が二つ。
一つは漏瑚と同じ特級呪霊・花御、
もう一つは、額に縫い目を持つ呪詛師・羂索である。
同じ景色を見つめる2人だが、その内心は実に対照的だった。
『意外だね、花御。君なら助けに行くと思ってたのに。』
『>_#%$€+_%#*_;$*#%』
花御はコミュニケーションにおいて独自の言語を介している。たとえ羂索であっても聞き取ることはできないが、その言葉の意味は理解することができる。
直接思考が流れ込んでくるその感覚は、彼もしくは彼女が人の身体を乗っ取った時によく似ていた。
『なるほど。他ならぬ漏瑚自身が受け入れた結果....か。』
『;;$€*%#;;$€\%#』
『ふふ、私が漏瑚を取り込もうとすれば、キミは邪魔をするだろう?計画の実行前に、目立つ戦いをするのはごめんだ。』
『“\$;€*%#^\;;$€*%#^*\$€』
『ああ、虎杖悠仁は放置でいい。さあ帰ろう。』
漏瑚の死を見届けた2人は、自分達のアジトを目指す。羂索の心は躍っていた。先程まで戦っていた両面宿儺。彼は明らかに、自分がよく知る平安の頃とは別人だった。
宿儺の演技.....?
受肉の不具合.....?
何かの縛り...?
はたまた、器・虎杖悠仁の影響......?
分からない。知りたい。面白い。
『ふふっ、産んでよかった♪』
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すっくんと悠仁 vs 漏瑚。
その戦いを見ていた人物が、もう1人。
その人物は羂索や花御よりもさらに近くの、いわば特等席から一部始終を見守っていた。
その特等席とは、虎杖悠仁の内部に潜むすっくんのさらに内部。そこに広がる血の池と骨だけの空間だった。
【魅せてくれたな。もう1人の俺よ。】
◇
お、おっす.......俺......すっくん..........
ああ......疲れた〜。このまま道路で寝ちゃおうかな.......
突如俺に襲いかかってきた千○繁こと赤犬バギー。強敵だった。きっと原作でも、最初の強敵キャラとして人気を博していたことだろう。
間違っても、誰かの噛ませに使っていいような、そんなレベルじゃなかった。
正直勝てたのは運が良かったのと、
『すっくん、大丈夫か!?救急車、いや、先生に連絡か!!』
「大丈夫だ、悠仁。そのうち、自力で治せる......」
相棒が、悠仁がいてくれたからだな。
ああ、悠仁の声聞いて安心したら、なんか眠くなってきたな。うん、やっぱ寝よう。おやすみ〜。
『すっくん!?死ぬなーー!!すっくんーーー!!!』
頼む、悠仁.....寝れないから....静かに......!!!
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ドアを開けると、
そこには常夏のビーチ!!
さて。
正確にはここはビーチではなく、とある特級呪霊の領域内。羂索は体よくアジトとして使っている。
『漏瑚はどうした?』
身体中にツギハギのある顔色の悪い細身の男、人間の特級呪霊・真人は手にした小説から目を離し、羂索と花御を出迎えた。
『漏瑚は死んだよ。』
『.........マジ?』
『漏瑚ぉぉぉぉ、漏瑚ぉぉぉぉぉ〜〜〜!!』
『...............................』
遺された特級呪霊たち。その反応はさまざまだったが、自身たち呪霊の中で最強格だった漏瑚の死。3人全員がその事実を重く受け止めていた。
『一応言っておこう。我々の最大の障壁である現代最強の術師・五条悟は、漏瑚を破った虎杖悠仁より遥かに強い。』
その場で唯一、漏瑚の死を悼んでいない羂索が話を切り出す。
『彼は然るべき時、然るべき場所、こちらのアドバンテージを確立した上で封印に臨む。』
すっくんの介入によって。この物語は少しだけ、原作の軸からずれ始めている。
それでも、
『決行は、10月31日渋谷。』
羂索のプランは、彼の進む道は変わらない。