宿儺「どけ!!!俺は主人公の相棒だぞ!!!」   作:バケギツネ

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技名って、考えるの楽しいよね。

 

 

 よお、俺両面宿儺!

 呪いの王だぜ!!

 

 呪術廻戦の主人公の相棒枠だ!!

 

 おっと、いけないいけない。もっと威厳のある喋り方の方がいいだろうか?

 

 俺は今、骨まみれのクッソ悪趣味な部屋(?)で、ってか何だここ?

 

 水と骨だけて。

 

 寝っ転がる場所ないじゃないか。骨の上で寝ろ?痛いじゃないか。

 

 この部屋デザインした奴アホだろ、不便すぎるぞ。この和服もそうだ。動きづらいったらない。

 

「やっぱ、ジャージの方が着心地いい....うぉ!?」

 

 ぼんやりと着慣れていたジャージをイメージした瞬間、俺はジャージ姿になっていた。

 

「ホワッツ!?」

 

 え、一体何が起きた?

 俺が、ジャージを望んだからか...?

 

 試してみる価値がありそうだ。

 

 俺は、自分の子供部屋をイメージする。

 

「まあ、流石にそこまではできな...何ということでしょう!?」

 

 畳だ!それに俺の机!クローゼット!

 隅に積まれた少年ジャンプ!!

 

「完璧だ...!」

 

 俺はジャージ姿のまま、床に寝そべる。

 

「強い!強すぎるぞ、両面宿儺!!貴様は逆に、何を持ち得ないのだ!?」

 

 しかし、いいのだろうか。現実改変能力?

 

《主人公は知る由もないが、生得領域が変化しただけである。》

 

 詳細はよく分からんが、チートでは?

 

 あ、これあれか?連載初期特有の後半に無かったことになる系能力か?

 

 たまにあるんだ。初登場時に演出盛りすぎて、後から整合性が取れなくなるやつが。

 

 おっとそうだ、物語の方はどうなっているのだろう?

 

 確か伏黒恵とかいうトゲトゲが、俺の悠仁を殺そうとしたところで、第一話は終わっていたな。意識を集中させて、部屋の外に目を向けるとしよう。

 

『今どういう状況?』

『なっ!五条先生どうしてここに?』

 

 お、新キャラか?目隠しツンツン白髪ノッポか。

 

 うん、それは雑魚のビジュアルだな。

 

 イロモノ枠は、あんまり強くないからな〜。あと、この人先生か。やっぱあんまり強くなくて、頼りにならなそう(偏見)

 

 俺と悠仁の前に立ちはだかる追っ手、せいぜい中ボスって感じか?まあ、仮にそこそこ強かったとしてもだ。

 

 ここからは、漫画でいう2話にあたる部分だろう。俺には未知の領域だが心配ない!俺は主人公の相棒枠。しかも、それなりに格が高いタイプとみた!

 

 2話で登場するような奴に、負けるわけなかろう!!

 

 俺を倒したければ、最強キャラでも連れてくるんだな!ラスボスとか!!ケヒヒッッ!!!

 

『さすがに特級呪物が行方不明となると上がうるさくてねぇ。観光がてらはせ参じたってわけ。で見つかった?』

 

『あの~、ごめんそれ俺食べちゃった』

 

『マジ?』

 

『マジ』

 

 お、俺の未来の相棒、虎杖悠仁だ〜!

 可愛いな〜、まさに太陽!

 

 きっと原作最終回までその光が翳ることはないんだろうな〜。それでこそ、この両面宿儺に愛を教える主人公に相応しい!

 

『本当だ混じってるよ。ウケる。体に異常は?』

 

『別に』

 

『宿儺と代われるかい?』

 

『すくな?』

 

『君が食った呪いだよ』

 

『あぁ。うん多分できるけど』

 

 んん!?俺の出番か!?ちょっと緊張するな....

 

 気合い入れよ、あ。第一声どうしよう...?

 

 ちなみに今の俺は、悠仁が身体を明け渡さない限り無理矢理それを乗っ取ることはできない。いいね、ナイスディフェンス!!さすがは主人公だ。

 

『じゃあ10秒だ。10秒たったら戻っておいで』

 

 ん、目隠し、俺と戦う気か?やめとけって。

 

 主人公の相棒とかいう超メインキャラの初戦闘だぞ?悪いことは言わん。やめとけ。

 

『でも…』

『大丈夫。僕最強だから』

 

 死にてえのかお前は!?やめとけっつってんだろ!?

 

 最強なやつは、あまり自分のことを最強って言わん。

 

 こいつ死んだわ。もしかしてあれか?死に方がやたらと有名になるタイプのかませ犬キャラか!?

  

 たしかに、ここで圧倒的な力を見せつけておくのはやぶさかではない。

 

 だが....

 

 いくらこうして少年マンガの世界に転生したとはいえ、俺だって人の心とかがある人間だ。人を殺して喜べるほど、終わっていない。

 

 それに俺が人を殺したら、悠仁はきっと自分を責める。彼とは短い付き合いだが、それくらいは分かる。たとえ手を下したのが俺でも、自分が全く悪くなくても、

 

『ああ、俺が殺した』

 

 きっと悠仁はそう言って、その罪を一生背負うだろう。大事な相棒にそんな十字架を背負わせるなんて、俺にはできない。

 

 決めた!自分ルールだ!!

 俺はこの世界で人を殺さない!!!

 

 これくらいの“縛り”プレイの方がちょうどいい。大丈夫、だって俺メインキャラだから。

 

『恵、これ持ってて』

 

『これは?』

 

『喜久水庵”喜久福”仙台名物。超うまい。僕のおすすめはずんだ生クリーム味』

 

 さあ覚悟しろ目隠し野郎!

 

 安心しなさい、軽傷で済ませてやるからな。次からは、戦う時くらい目隠し取れよ。

 

『喜久福”は他のお土産とはひと…』

 

 お、身体が動く。よっしゃいけ!

 目隠しとの距離を一気に詰めるぜ!!

 

 うぉ!?俺の身体、なんてスピードだ!!

 

 1人でディズニー行った時に乗ったビッグサンダーマウンテン、多分あれの3倍速い!!

 

 さすが呪いの王!!

 

「よっしゃ喰らえ!スクナックル!!」

 

 俺の拳は、喜久福に夢中な未来のネタキャラを捉え......

 

『そんでね、中の生クリームが絶品なのよ』

 

 .........は?

 

 あ、ありのまま今起こったことを話すぜ...

 

 俺はやつに殴りかかったと思ったら、やつの椅子にされていた...

 

 何を言ってるのか分からねーと思うが、俺も何をされたか分からなかった...

 

『生徒の前なんでね。カッコつけさせてもらうよ。』

 

 いや、目隠し強くね!?

 

 恐ろしく速い!!!!いや、違うのか?分かんねー!恐ろしく速い!!恐ろしく速いぞ!!??(大混乱)

 

 ごめんよ、モノホンの両面宿儺!

 

 俺がお前の力をうまく扱えないせいで、こんな痴態を....クッソ、いきなり原作崩壊じゃないか!!

 

 原作なら、俺があの目隠しをボッコボコにして悠仁を逃す。そして、そこから俺たち2人の物語が始まる....そうだったに違いない!!

 

 あ、存在しない記憶が溢れ出してきた。

 

 

『バカな!?シルバーランク呪術士の五条さんが一撃で真っ二つに!?』

『おい、両面宿儺!!何なんだアイツらは!?』

「さあな、○にたくなければ逃げろ、小僧。」

 

 

 そうそう、きっとこんな感じ。

 

 悠仁と宿儺。最初はいがみあっていて....って、現実逃避をしている場合ではない!!

 

 俺がここで負ければ、悠仁は処刑される!

 それだけはダメ絶対!!

 

 もちろんやつを殺すのは論外だが、軽傷で済ませてやれるほど余裕はなさそうだ。

 

「うおおおおおおお!!スクナックル!!」

 

 渾身の力で再び殴りかかる。

 

 いい感じに叫んだからからだろうか?さっきのスクナックルよりも、ちょっと強そうなスクナックルが出た。

 

 なんか、黒い稲妻みたいなエフェクト出てたし。

 

『黒閃!?』

 

 しかし、俺のブラックサンダー・スクナックル(仮)は、目隠しには届かない。まるで見えない壁に阻まれているような...

 

 なんだよお前!?能力盛りすぎでは!?

 

 だが、なんかいける気がしてきたぞ。ブラックサンダー・スクナックル(仮)を撃ってから、なんか体の調子がいい!!

 

 おまけに気分もいいぞ!!

 最高にハイッッッッてやつだ!!

 

 普通の攻撃じゃあのバリアもどきに防がれてしまうので、別の手で行こう!思いつきだが、試してみるか。

 

 握った拳を開いて、あのバリアを破るための最適解を模索する。

 

 俺の手は手刀を形作っていた。そこに氣(仮)を集中させる。あ、氣じゃなくて呪力だったか?

 

「スクナマス斬り!!」

 

 呪力を薄く伸ばして、研磨し、放つ。

 いわゆる、飛ぶ斬撃という奴だ。

 

 しかしそれすらも、やつには届かない。

 

 頑張れ頑張れ、俺!

 もっと、奴に攻撃が届くところを鮮明にイメージするんだ!!

 

「百烈・スクナマス斬り!!」

 

 無我夢中で、ひたすら奴を倒すことだけを考えて、俺は無数の斬撃を飛ばした。

 

『7,8、そろそろかな』

 

 相変わらず、目隠しの方は余裕そうだ。

 クッソ、これだけやってもダメなのか....?

 

 いや、諦めたらそこで試合終了だって、安西先生も言ってた!!

 

 主人公の相棒ポジとして、こんな凡夫に負けるわけにはいかない!!!

 

「うおおおおおおおお!!!!」

 

 斬撃の量、質が徐々に上がっていく。だが、タイムリミットが、悠仁が身体を取り戻す時間が、刻一刻と近づいてくる。

 

 俺たちが戦い始めてから、10秒が経過しようとしていたのだ。

 

 はいそこ!絶対10秒とっくに過ぎてるとか言わない!!バトル漫画において、1秒は無限大なんだよ!!!

 

 クッソ、目隠しと頭トゲトゲ、こんなろくでもなさそうな奴に俺の相棒を渡すわけにはいかないのに!!

 

 いや、マジで俺はこの2人に対していい印象が全くない!

 

 目隠しの方は、100%性格終わってる。きっとどこかのボンボンで、甘やかされて育ったんだろう。先生とか言ってるが、多分女子生徒にセクハラしてる。なんかこう、制服盗むとか。

 

 トゲトゲの方は言わずもがな。なんせコイツは人相が悪いからな。ワンチャン、コイツがラスボスになるんじゃないかとも思ってる。今はむすっとしてるけど、力に目覚めでもしたら豹変するんだろうな。『ヒャハハハハハハハハ!!』 とか言いそう。

 

 

 って、やべえ。意識がだんだんと遠のいていく。時間がない、俺は....悠仁を守らなくては.....

 

 

 

 

 

『大丈夫だった?』

『驚いた。ほんとに制御できてるよ』

 

 五条は虎杖の額をこづき、彼の意識を奪う。

 

『何したんですか?』

『気絶させたの。これで目覚めたとき宿儺に体を奪われていなかったら彼には器の可能性がある。』

 

 五条悟は自らの生徒、伏黒恵に向かって問いかける。

 

『さてここでクエスチョン。彼をどうすべきかな?』

『仮に器だとしても呪術規定にのっとれば虎杖は死刑対象です。でも死なせたくありません』

『私情?』

『私情です。なんとかしてください。』

『ふふふっ。』

 

 五条悟は満足げに笑うと、虎杖悠仁を抱え上げた。

 

『可愛い生徒の頼みだ。任せなさい!!』

 

 

 

 

 

 

 伏黒恵は気づいていなかった。

 

 五条悟が、先の宿儺との戦闘で反転術式を使っていたことを。

 

 

 主人公は知らなかった。偶然か、必然か。

 

 無下限バリアの突破を狙って彼が放った斬撃のうちの一発は、そこにあったものを空間世界ごと分断し、現代最強にかすり傷を負わせていたことを。

 

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