宿儺「どけ!!!俺は主人公の相棒だぞ!!!」   作:バケギツネ

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お年寄りって、凄いよね。

 

 

 おっす、俺すっくん!!

 

 ガワはロボット、中身は気弱系ドジっ子ロリ巨乳(推定)のメカ丸ちゃんと仲良くなれたぜ!!

 

 この調子で交流戦も頑張るぞ〜!およ?

 

 控室に向かう途中で、顎髭がめちゃめちゃ長いおじいちゃんとすれ違う。なんかオーラが凄いなこの人。

 

 あれ、なんかすれ違いざまにすげえ睨まれた。なぜ!?

 

 あ、ちゃんと挨拶してないからか!確かにそれは失礼した。

 

 悠仁、おじいちゃんに挨拶!!

 

『ああ、おう!.......えっと、おはようございます。」

 

『.................』

 

 あれ、悠仁がちゃんと挨拶したのに反応がないな...

 

 もしもし〜、おじいちゃん?耳が遠いのかな?それとも、まだまだ配慮が足りていない?

 

 いいだろう。俺の気遣い力、見せてやる!!!

 

「悠仁、あのおじいちゃんをおぶってあげよう!!」

『え、ああ!分かった!!』

 

『待て悠仁!お前何しようとしてる!?やめろ!!』

『相手は京都校学長、楽巌寺嘉伸だぞ!!!』

『すじこ!!』

 

 なぜか先輩方から、必死で止められる。

 

 なぜだ!?

 ええい、どけ!俺はおじいちゃんっ子だぞ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『宿儺の器、虎杖悠仁は殺せ。』

 

 京都校学長、楽巌寺嘉伸は京都校の控室にて。自身の生徒たちにそう告げる。

 

『事故として処理する。遠慮も躊躇もいらんぞ。』

 

 その命令に、禪院真依が異議を唱えた。

 

『でも、彼の秘匿死刑。あれは撤回されたはずでは?』

 

『...事情が変わったのだ.......』

 

 上層部のみが知ることなのだが。虎杖悠仁の死刑撤回は、すっくんが1日2個生産していた仙豆によるところが大きい。

 

 しかし里桜高校の一件以来、仙豆の提供はすでに二週間に渡って途絶えていた。

 

『ええっと〜、なんか悠仁の話では〜、おじいちゃん達の息が臭くてぇ〜、仙豆を作るモチベーションが萎えたとかなんとか.....』

 

 五条悟、懸命の誤魔化しも虚しく。

 

 楽巌寺は確信していた。

 

 虎杖悠仁は反転術式のアウトプットが、仙豆を作ることが、もうできないのだと。だとするならば、彼のやるべきことは一つ。

 

 金の卵を産まなくなった鶏は、殺すに限る。

 

『あ、あの............』

 

 遠慮がちに手を挙げたのは、三輪霞。

 

『虎杖悠仁くんって.....大地の力を操る未確認の特級呪霊、亜禍狗・碆戯威(あかいぬ・ばぎー)を、単身で祓ったんでしたよね.....私たち...返り討ちになるんじゃ...』

 

『安心せい。』

 

 楽巌寺は虎杖悠仁に関して、独自に調査を進めていた。

 

『里桜高校の一件以降、奴の呪力が格段に落ちたという報告を受けておる。殺すなら、今しかあるまい。』

 

 楽巌寺とて、虎杖悠仁の才能は評価している。先ほどすれ違ったとき、その人となりも理解した。

 

 あれは善人、だったのだろう。

 

『抜かるなよ。しっかり首を刎ねるのだぞ。』

 

 だからこそ、彼は残念でならなかった。宿儺の指を取り込んだ以上、虎杖悠仁はもう人ではない。

 

『うまくやれば、呪いの王・両面宿儺の2割を消せる。その利に比べれば、どんな犠牲も安いものだ....』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『高専に、呪詛師・呪霊と通じてる奴がいる。』

 

『え!?』

 

 高専内のモニター室。五条悟は、一応は先輩である庵歌姫にとある相談を持ちかけていた。

 

 虎杖悠仁と宿儺が祓ったという火山頭に、人を改造するというツギハギ。そのどちらも、意思疎通ができるほどの知性を持った特級呪霊だったという。

 

 五条悟は感じ取っていた。こちらの動きがどうも奴らに筒抜けになっていると。

 

『京都側の調査を歌姫に頼みたい。』

 

『.....私が内通者だったら、どうすんの?』

 

『ないない。歌姫弱いしそんな度胸もないでしょ?』

 

うたひめ の ねっとう

 

ごじょう の ふしぎなまもり

 

ごじょう には こうかがないようだ

 

『こわっ、ヒスはモテないよ?』

 

『私の方が、先輩なんだよ!!!』

 

 歌姫は、生意気すぎる自身の後輩を怒鳴りつける。

 

『...にしても内通者って、本当なの?』

 

『うん。間違いないと思う。』

 

 身内に裏切り者がいるかもしれない。歌姫はその可能性を考えたくはなかった。

 

『あんたんとこの宿儺から、情報が漏れてるって可能性は.....?』

 

『........それはない。多分、ね。』

 

『随分、肩入れするのね.....分かってるの?相手は呪いの王...』

 

『分かってるよ.........』

 

 五条悟のいつになく大人しい返しに、歌姫も戸惑う。

 

『どうしたのよ...?らしくないじゃない。』

 

『はは、あー、やっぱり?』

 

 五条は目隠し越しにどこか遠くを見つめる。

 

『なんか宿儺がアイツに似てる気がしてさ〜。疑う気になれないんだよね〜。』

 

『誰よ、アイツって......』

 

 五条悟のいう、両面宿儺に似た人物。歌姫には心当たりがなかった。

 

『ああ、そっか。あの任務に歌姫は呼ばれて無いもんね〜。ぷぷっ、歌姫弱かったもんな〜。あ、弱いのは今もか〜』

 

うたひめ の なげつける

 

うたひめ は 湯呑み をなげつけた

 

ごじょう の ふしぎなまもり

 

ごじょう には こうかがないようだ

 

湯呑み は なくなってしまった。

 

『心配して損したわ!!』

 

 歌姫の怒号は部屋中に響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 こちらはすっくん!!

 

 さあ、まもなく始まります!交流会1日目、団体戦!!

 

『チキチキ呪霊討伐猛レース』

 

 参加者兼自主解説のすっくんです。ドンドンパフパフ!

 

 ルールは簡単!

 

 エリア内の二級呪霊とかいうクソ雑魚を、先に祓ったチームの勝ち!

 

 3級以下の呪霊とかいう超クソ雑魚もいっぱいいるから、日没までに決着しない場合は討伐数の多いチームが勝ちとなる!!

 

 いやさ、最高が二級呪霊ってちょっと弱すぎない!?俺たち学生を舐めてるのか!

 

 そんなのに負ける学生いる?いねえよなああああああ!!

 

 まあ、ここまで楽勝ゲーなのを見ると、レクリエーションとしての側面が強いのだろう。

 

 命をかけて競い合う!!...っていうんじゃなく、姉妹校の同学年同士が、キャッキャウフフとお互いの仲を深めながらゆるーく競い合う、的な。

 

 死人も怪我人も出ないような、そんなイベントなんだろう。名前自体も「交流会」だったしな。

 

 なるほど、めちゃめちゃ良い企画じゃないか!!

 

 でもこれって、わざわざ呪霊捕まえてきたのかな?この日のためだけに!?手間じゃない!?

 

 まあ、それはさておき。

 

 いかに緩い競技とはいえ、勝負は勝負だ。無論、全力で楽しんで全力で勝ちに行く。それが相手への礼儀というものだろう。

 

 この競技をきっかけに、京都校の人と仲良くなれたりするかもだしな。

 

「そんじゃまあ、勝つぞ!!!悠仁!」

『おう!!』

「そんで、友達もいっぱい作るぞ!!!」

『え、あ、おう!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それは、交流会の数日前。

 

 海の特級呪霊・陀艮の領域内で、呪詛師・夏油傑、森の呪霊・花御と人間の呪霊・真人は、計画を詰めていた。

 

 高専を襲撃するための計画を。

 

 

 ちなみに、夏油もとい羂索はなぜかアロハシャツ姿。

 

 .....なぜ?

 

『帳が下りたら、花御はできるだけ高専連中の注意を引いてくれ。ああ、出来るだけ生徒は殺さないように。本来の宿儺を刺激する.....可能性があるからね。』

 

『分かりました。』

 

『まあ、あくまで 出来るだけ、さ。必要とあらば、殺しても構わない。むしろ虎杖悠仁に関しては、可能な限り追い詰めてくれ。』

 

『それは、計画に必要なこと、なのですか?』

 

『もちろんさ。』

 

 嘘である。

 

 羂索の計画としては、宿儺を刺激するのは余り得策ではない。

 

 だが、彼は興味があった。追い詰められた虎杖悠仁とイレギュラーな宿儺が、今度はどんな進化を遂げるのか。

 

 続いて羂索は、隣で寝そべっている真人に視線を向ける。

 

 真人はなぜか海パン姿だ。

 

 ...だからなぜ?陀艮の領域、暑いんだろうか...?

 

『以前、高専に回収させた指、覚えているかい?』

 

『ああ、俺が仕込んだアレね。』

 

 羂索が加茂家の術師に回収させた、宿儺の指。その指には一層の封印の内側に、真人の呪力で作った札が貼ってある。

 

『それを辿って高専の忌庫に侵入し、持ち帰ってきて欲しい。』

 

『特級呪物・呪胎九相図の、1〜3番だね。』

 

 それは羂索が150年前に、「加茂憲倫」として作ったもの。

 

 母は呪霊の子を孕む娘、父は呪霊であり、九度の懐妊・堕胎で出来た9人の胎児のうち3人が、死後呪物へと転じたものだ。

 

 そして、とある実証実験を行うために、羂索が今一番求めているものでもある。

 

『あと宿儺の指、計6本も忘れずにね。』

 

『はいはい。っていうか忌庫の位置くらい、内通者に聞けばよかったんじゃない?』

 

 真人の疑問に、羂索は答える。

 

『そうもいかない。忌庫へ通じる扉の配置は、日々変わっているからね。天元の結界術によって。』

 

『天元って、誰?』

 

 羂索の口から出た知らない名前に、真人は反応する。

 

『ああ、不死の術式を持つ呪術師さ。』

 

『不死?俺の術式、効くのかな〜?っていうかソイツ、五条悟とどっちが強いの〜?』

 

 真人から溢れた純粋な疑問に、天元とは浅からぬ因縁を持つ羂索は答えた。

 

『不死であっても不老ではないんだ。ただの木のようなものさ。それに彼女は結界の運用以外基本現に干渉しない.....

 

 

 

......本来ならね。』

 

 

 

 

 

 この物語は、原作『呪術廻戦』とは違った道筋を辿っている。その原因は、両面宿儺に転生した少年ジャンプ愛好家、すっくん

 

 

 ....ではない。

 

 

 

 運命の歯車が最初に狂い出したのは、すっくんが転生する、ずっと前。

 

 五条悟や夏油傑がまだ学生だった頃。

 

 

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