宿儺「どけ!!!俺は主人公の相棒だぞ!!!」   作:バケギツネ

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パワーアップ回、熱いよね。

 

 

 前回までのあらすじ!

 

 俺と悠仁と東堂は三兄弟だった!!

 

 そして今回のネタバレ!!

 

 俺と悠仁は、今よりさらに進化する!!

 

 

 

 

「悠仁、さっきと同じように、檻を緩めてくれるか?」

 

『おう!!よくわかんないけど、任せろ!!』

 

 先ほど反転術式だけを顕現させたように。悠仁の作った檻の隙間から、俺の呪力の一部を顕現させる。

 

 

「受け取れ!!悠仁!!」

 

『すっくん、ありがとな。これでまだ、戦える!!』

 

 

《呪力を使い切ったはずの、虎杖悠仁。その変容に花御は警戒を強める。》

 

 

「ここからは、俺と悠仁の二人がかりだ。雑草よ。」

 

 

《虎杖悠仁の身体は、両面宿儺の禍々しい呪力で満ちていった。》

 

 

『いくぞ、すっくん!!!』

「ケヒヒッッ!!」

 

 

《その溢れ出るほどの呪力は、虎杖の身体を包んで淡い輝きを放ち、顔の右半分にだけ、歪な紋様を浮かび上がらせた。》

 

《現在のすっくんの呪力量は、指4本+もろもろの縛りバフ(だいたい指6本分)。彼はその三割前後までを、虎杖に上乗せしている。》

 

 

「名付けて、宿儺呪力モード。」

 

 

 

《『いや、名前ダサくない?』というツッコミを、虎杖は飲み込んだ。》

 

 

 

 

 

 

『流石だ!!!!』

 

 虎杖悠仁とすっくんのみせた進化に、東堂葵は感動していた。

 

『流石は、俺のブラザーズだ!!』

 

 彼は近くの小石を拾い、呪力をこめる。

 

『俺の術式は知っているな。』

 

「ああ。」

『おう!』

 

『作戦会議...は、必要ないな。俺たち親友に、言葉は要らない。』

 

「いや、一応打ち合わせしといた方が.....」

 

『いくぞ、ブラザーズ!!』

 

『「え、あ、おう!!」』

 

 虎杖は、なんとかアドリブで東堂に合わせることを決意する。

 

『せいっ!!』

 

 東堂は握った石ころを、花御に向かって投げつける。

 

『投石...?いや、あの石と入れ替わるつもりですか...』

 

 花御は、東堂の動きを警戒する。

 

『入れ替えのタイミングは、あのチョンマゲの拍手。それにさえ意識を向けておけば.....』

 

 突如、虎杖悠仁の姿が花御の視界から消える。

 

『入れ替え!?しかし奴は手を叩いていない...これは!?』

 

 虎杖は花御の背後に回り込んでいた。特級呪霊である彼女ですら消えたと見紛うほどのスピードで。

 

『黒閃!!!』

 

 先程とは比べものにならない衝撃が、花御の背中に伝わる。凄まじいパワーで打ち込まれた虎杖の拳。花御の身体は、その運動エネルギーを殺しきれず宙を舞う。

 

 

 パンッ

 

 

 東堂の術式により、吹っ飛ばした虎杖、吹っ飛ばされた花御、

 

 二人の位置が入れ替わる。

 

 つまりはこうだ。花御の吹っ飛んだ先に待ち受ける事になる、拳を構えた虎杖。

 

『黒閃!!!』

 

 

パンッ

 

 

『黒閃!!!』

 

 

パンッ

 

 

『黒閃!!!!!』

 

 吹っ飛ばされた先に常に回り込まれ、また吹っ飛ばされる。それは抜け出すことのできない、黒閃地獄だった。

 

 だが花御はそれを喰らい続けるなかで、東堂の術式に反応できるようになってくる。

 

『黒せ....うぉ!?』

 

 花御のカウンターの蹴りがついに虎杖を捉える。

 

 しかしすっくんの呪力強化によって、ただでさえ頑丈な虎杖の身体は、さらに強固になっていた。花御の渾身の打撃を受けても怯むことのないほどに。

 

『黒閃!!』

 

 虎杖のダメ押しの一発。

 

一方花御は、その一撃を喰らいつつも掌印を組み終えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

『花御はさ、もっと正直になりなよ。』

 

 花御の脳裏をよぎるのは、同胞である真人の言葉。

 

『戦いという今現在をもっと楽しむべきだ。それが俺たち、呪いの本能なんだからさ。』

 

 花御の動機は、ただ一つ。人間を淘汰し、この星を救う。それだけ。

 

 その結果こそが追い求める全て。その過程などどうでもよいと、そう思っていた。

 

『なるほど。私が、こんな気持ちになろうとは...!!』

 

 覚醒した虎杖を相手に、花御は自分の為の戦いを始める。羂索からの忠告などもはや彼女の頭にはなかった。

 

『楽しいものですね。戦いというのは。』

 

 澄み渡った青空の下、色とりどりの花畑が広がり、そこに点々と螺旋状に伸びた木がそびえ立つ。

 

『領域展開、朶頤光海』

 

 それは彼女が本編では一度も披露できなかった、奥の手。

 

 そして原作との違いがもう一つ。彼女は原作よりも少し早く領域を展開していた。

 

 五条が帳を破壊し救援に駆けつけるまで、3分ほどの猶予が花御には残されていたのだ。

 

 

 

 

 

 

 クッソ!!

 

 やっぱフシギバナ擬きも使えんのか、領域展開...!

 

 真人の時はなんかよく分かんないまま凌げたが、今回はそうも行かないだろう。

 

「悠仁、領域展開いけそう?」

 

『ええ!?無理だって!!』

 

 流石に俺も、完全顕現せずに領域展開は無理ぽよだ。ならせめて、出来るだけそれに近い形で。

 

 悠仁の身体を呪力で守る!!

 

 

 

 

 

 危機的状況において、すっくんと東堂のとった行動は一致した。

 

『簡易領域!!!』

「なんちゃって領域!!」

 

 それは領域から身を守るために生み出された弱者の領域。虎杖と東堂はほぼ同時にそれを成功させ、花御の必中効果を防ぐ。

 

 だが簡易領域で防げるのは、あくまで領域の必中効果のみ。術式による通常攻撃はその適用外だ。

 

 二人の足元に広がる花畑。領域によってさらに強力になった催眠効果が、二人を襲う。

 

『まずは、厄介なチョンマゲを。』

 

 東堂の足元から呪いの種子が伸びる。

 

『しっかりして!!』

『ハッ、ありがとう、高田ちゃん!!』

 

高田ちゃんのラブコールによって正気に戻った東堂だったが、不義遊戯の発動前に両腕の手首を絡め取られてしまう。

 

『マズイ、呪力で防御を...!!!』

 

『本当にそれでいいの!?』

『ハッ、ありがとう高田ちゃん!!』

 

 高田ちゃんアドバイスによって、彼は咄嗟に呪力の防御を解いていた。

 

 そのため大事には至らなかったが、東堂は両腕を封じられ、不義遊戯の使用が出来なくなる。

 

『クッ...!!』

 

 動けなくなった東堂にトドメを刺そうと、花御が術式を発動する...

 

『らあああっ!!!』

 

 その前に。少し遅れて正気に戻った虎杖が花御を叩いた。

 

 

 

 

 

 

 

「東堂!!!呪力を練るな!!その根は呪力で成長する!!」

 

 フシギバナに悠仁がインファイトしてる間に、俺は根の性質を、ジャイアンに教えてあげる。

 

 クッソ、まずった!

 

 花畑で、俺も悠仁も一瞬意識が。そのせいでジャイアンの動きは封じられてしまった。

 

「悠仁、攻撃の手を緩めるなよ!!」

『分かってる!!』

 

 奴の術式を、俺と悠仁だけに集中させる!ジャイアンにトドメはささせない!!

 

『黒閃!!!』

 

 喰らえ!!悠仁の渾身の一撃!!

 

 しかしフシギバナは、自身を樹木で覆って防御の体制に入る。領域効果で、当然その樹木もめっちゃ硬くなってるのだろう。

 

 だが、めっちゃ強くなってるのは俺と悠仁だって同じ!!

 

『「はあああああ!!!!」』

 

 俺たちの拳は、樹木のバリケードを打ち砕いて、そのままフシギバナの身体に突き刺さる!!

 

『かはっっっ........!!』

 

 やっぱコイツ、タフすぎる...!こんだけやったのに、領域を解除する気配がない。

 

 だがな、俺と悠仁の攻撃はまだ終わっていないぞ!ようやく奴の体内に手を突っ込めた。

 

 ちょっと感触気持ち悪いと思うけど、我慢してくれよ、悠仁!!

 

 

 

 

 

『まさか........』

 

 花御は感づく。すっくんの狙いに。

 

『反転っ、術式!!!』

 

 今のすっくんは反転術式のアウトプットが再び可能になっている。

 

 だが通常の呪力とは異なり、反転術式の顕現には、少し時間がかかってしまうのだ。

 

 動けない仲間を治癒するだけならいざ知らず、“戦闘中の相手に、瞬時に反転術式を流し込む”、このような早業はまだできない。

 

 だから彼は待っていた。

 

 ”反転術式の流し込み“

 

 敵の想定からそれが消え、じっくりと致死性の毒を流し込めるだけの隙。

 

 それが生まれるこの瞬間を!!

 

「爆ぜろおおおお!!!」

 

 花御に突き刺さった虎杖の腕。そこから、正の呪力が流れ込む。

 

 

 

ボチュンッッッ!!!

 

 

 

「...あれ?」

 

 自身の生得領域内で、すっくんが感じた違和感。

 

「悠仁が、離れてく...!!」

 

 すっくんの反転術式が中断される。

 

 花御の身体に流れ込んでいた猛毒。それが消し飛ばしたのは彼女の身体の一部に留まり、祓うには至らない。

 

「クッソ、なんでだ...!?」

 

 のちに判明したことだが。

 

 宿儺呪力モードの虎杖は、自身の檻を常にこじ開けながら戦闘を行なっている。そのマルチタスクは、想像以上の負担を身体に強いていた。

 

『はあ、はあ、はあ.....』

「悠仁、大丈夫か?」

 

 彼の身体に一時的な限界が訪れ、宿儺呪力モードが中断される。

 

『はああああ!!!』

 

 呪力の自己補完で体を再生させた花御は、その蹴りを虎杖悠仁にお見舞いする。

 

 宿儺の呪力強化が解け、耐久力の落ちていた(当社比)彼の身体は、その一撃で地面を転がった。

 

『惜しかったですね。』

 

 花御は領域内の花畑から生命力を吸い上げ、呪力を練り上げていく。

 

 すっくんが『ソーラービーム』と称した高密度の呪力の塊、それが5つ。

 

『クッ、俺は仲間外れか?呪霊よ!!』

 

 東堂葵は、一か八かの賭けに出る。彼は術式発動のために左右の掌に呪力を集中させた。

 

 東堂の狙いは、種子が成長しきる前に不義遊戯を発動すること。だが領域によって強化された種子は、東堂の術式より早く彼の手首を食いちぎる。

 

 東堂の両手が、宙を舞った。

 

『さあ、この星の土に還りなさい!!』

 

 花御の生成した、5つの呪力。それは一斉に解放され、虎杖悠仁を飲み込んだ。

 

 

 

パンッッッ

 

 

 

 否。

 

 その呪力に飲み込まれたのは花御自身。

 

 彼女と虎杖悠仁の位置が、いつの間にか入れ替わっていた。自身の最大火力によって、花御はその場に膝をつく。

 

『バカな!あのチョンマゲの術式は、完全に封じて...』

 

 花御の疑問に答えるように東堂は語り出す。

 

『確かに、俺は両手を失い、術式は死んだ。だがな、消えゆく一瞬にこそ最大の輝きを放つ、命とはそういうものだ。術式とて、同じこと。』

 

 東堂の両手がもげたあの瞬間、彼は辛うじて形の残っていた自身の右手を、虎杖に向けて蹴り飛ばしていた。

 

『ブラザーズ!!』

 

 その一声で、三兄弟は通じ合った。

 

 原作において、東堂は自身の片手と他人の片手でも術式を成立させている。

 

 本人から離れたとはいえ、まだ辛うじて“東堂自身の片手”であったそれに、虎杖の片手が重なる。

 

 

パンッッッ!!

 

 

 最期の不義遊戯は成立した。

 

 それは東堂にとって命よりも大切な兄弟たちを助け、花御に決定的な隙を生じさせる。

 

『仕上げは任せたぞ。ブラザーズ!!』

 

『「ああ!!兄弟!!」』

 

 虎杖とすっくんの声が重なる。

 

 虎杖は残り少ない力を振り絞り、たった5秒だけ、宿儺呪力モードを再誕させる。

 

『「うおおおおおおおおお!!!」』

 

 先程のダメージが癒えない花御に接近し、

 

『「黒閃!!!!!」』

 

 彼女の顔面に最後の鉄拳を叩き込む。

 

 

 

 その打撃の0.0000000000104秒後、虎杖悠仁の呪力が衝突。

 

 空間は歪み黒い火花が散る。

 

 さらに...!!

 

 そこから0.00000000000000397秒後、今度は両面宿儺の呪力が衝突。

 

 再び空間は歪み、黒い火花はそれを祝福する。

 

 打撃との誤差、0.000001秒以内に呪力が二度衝突するという前代未聞の事態。

 

 2.5乗のさらに2.5乗。

 

 一度の打撃で生まれる二度の衝撃。

 

 花御への決め手となったそれは、虎杖悠仁の本来の得意技・逕庭拳に酷似していた。これはいわば、その黒閃バージョン。

 

 その名も、

 

 

「『黒庭拳!!!!』」

 

 

 空前絶後の一撃が花御の頭を吹き飛ばしていた。

 

 彼女の絶命と同時にその領域も解除され、偽物の青空と花畑は消えていく。

 

『ヤッベ...真人の.......居場所、聞き......忘れ、た......』

 

 虎杖もまた体力の限界を迎えて、その場に倒れ込む。

 

 その身体を支えたのは、東堂

 

その身体を支えたのは、彼らの魂の親友であり、同時に兄弟でもある、この俺、東堂葵だった。

 

『最高だよ、ブラザーズ。』

 

 東堂は失った手ではなく自身の魂で、愛する兄弟達に拍手を喝采するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『宿儺はどうだった?花御。』

 

『敗れこそしましたが、楽しかった。あなたの気持ちが分かりましたよ、漏瑚。』

 

 

 

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