宿儺「どけ!!!俺は主人公の相棒だぞ!!!」 作:バケギツネ
不良への無双って、憧れるよね。
◆
『じょうごぉぉぉぉぉぉ〜、はなみぃぃぃぃぃぃぃ〜。う、うううっ、うう....................』
うみのトッキュウ呪霊・だごんは、ないていた。
つよくて、かっこよくて、じぶんたちのリーダーだった、だいちのトッキュウ呪霊・じょうご。
あったかくてやさしくて、いつも仲間思いだった、もりのトッキュウ呪霊・はなみ。
『う、ううううう、うううううううううう!!!』
だいすきだったのに.....
『ゆるせない.......』
なのに殺された。
誰に?
奴だ。
『許さん...!!』
呪いの王・両面宿儺の器たる虎杖悠仁、奴に殺されたのだ。
『許さん、許さんぞ!!!!!!!!!』
その日、とある港で数百人単位の失踪者が出る。現場には、強い残穢と受胎の抜け殻が残されていた。
◇
あ、どうもすっくんでございます。
マーーーーージでお久しぶり!!
さてさて。激戦だった交流会、その怪我も治った一年トリオ。だが、俺たちに休暇はない。3人まとめてすぐに任務に駆り出される。
いやマジで、ほんとブラックだな呪術師。その分給料がいいとはいえ。
え、すっくんは働かないのかって?
うっ、痛いところを...
はい!
悠仁の体内警備員、すっくんです!!
だが、待ってほしい。これでもちゃんと修行してるんだ。新しい師匠の元でな!
伊地知師匠、ごめんなさい...俺、浮気しちゃいます。
でも、伊地知師匠へのリスペクトを、捨てたわけじゃありませんからね!
俺の初めての師匠は、伊地知さんだけですから!!
おっと、話が逸れてしまった。さて、俺の新しい師匠になってくれたのは、なんとなんと!
東京校の学長であらせられる夜蛾正道その人だ!
おそらくあの人は、京都校の学長と並んで、現代最強の術師と言っていいだろう。
だって、学長だぞ?一番偉いんだぞ?
だったら、一番強いに決まっておろう。前にも言った気がするが、強さ以外の序列はつまらんからな。特に、少年マンガにおいて!
それに夜蛾第二師匠は、透明バリアを使えるはずの五条さん相手に、パンチや関節技をかましているのをたまに見かける。
きっと、持っているんだ。あの絶対防御を、突破する術をな!!
“世界を殴るパンチ“とか、”世界にキメるサブミッション“みたいなすごい技を!
まあ、それもいつかは習いたいと思っているが、弟子入りを志願した理由は、別にある。
彼の術式が、俺の目指すところに通じるものがあったのだ。
『”これ“にはコツがある。大事なのは、“形”をイメージすることだ。』
夜蛾第二師匠からは”宿題”を頂いた。それは日々、他人の魂を意識し感知するという修行。
パンダ先輩や、ナナミンなんかにも、付き合ってもらったりしてな。この修行を始めてから、朧げながらも自分や他人の魂が目に見えるようになってきた。
ここでちょっとした発見なのだが、転生者である俺の魂は、この世界に生きる悠仁達とは少し違う。上手くは言えないが形が何か違うんだ。
そういえば。俺が転生者であることは、悠仁にもまだ伝えてないな。というか、伝える意味がない。俺の知識、第一話で止まってるし。
まあ、最近はマジで修業しかしていない、という話だ。
任務がない時は、大抵夜蛾師匠のところか、霊安室に行っている。俺に付き合ってくれる悠仁には、感謝しなきゃな。
あとは、ちょっとしたお勉強かな。伊地知師匠から正式に、領域展開について教えてもらった。
なんか、ルールがいっぱいあって難しかったけど、大体分かった!
おかげで今は、試してみたいことが山のようにある。ただ、どうも完全顕現しない限り、領域展開はできないっぽいんだよなぁ〜。
悔しいです!
フシギバナとの戦い以来、実戦で宿儺呪力モードを使うこともないし、フラストレーションが溜まる....!
まあ、あれを使わないと勝てないような相手なんて、ポンポンと出てきても困るんだけど。
あのモードを使うのって、生産を再開した、仙豆を作る時くらいだもんな〜。
あれから色々試行錯誤してみて分かったのだが、宿儺呪力モードの持続時間は、99秒ってところ。
まあジャンプ漫画だし、その気になればリアル4週間くらいは持続すると思うのだが、ともかく。
それ以上あのモードでいると、悠仁の身体はポップコーンみたいに弾けて死ぬ。もちろん実際にやったわけじゃないけど、感覚的に分かった。
あの形態は大事な奥の手として、計画的に運用していかなくては。
◇
『6月盛岡、金田太一。』
『8月横浜、島田治。』
『9月名古屋、大和広。』
『3人とも、同じ状況で死んでるんすよ。』
........ふむふむ。さっぱり分からん。
新たな補助監督・新田ちゃんが今回の任務について、説明してくれている。全然分かんなかったけど.....
被害者に、共通点でもあるのかな〜。全員悪人ヅラの男!!!ってことくらいしか分かんないぞ。
『どうやら被害者3人は、同じ中学に在籍していたらしいんすよ。』
ほお、中学とな。その中学、怪しいな!きっと学校全体で、生徒を呪霊の生贄にしてる的なあれだろう。
校長だ!じゃなきゃ理事長!その辺りが怪しい!よし、早速その中学に行って聞き込みだ!
『...................』
あれ、なんか伏恵くん、浮かない顔してる?
《向かっていた中学は、伏黒の母校だった。そのため、彼は渋い顔をしていたのだが、》
《すっくんはそれを知る由もない。》
まさか、これは。恵くん闇堕ちの兆し!?
そんな、嘘だろ恵くん!?交流会の後だって、悠仁を追い越すんだって息巻いて....
ハッ!!!!!!!!
まさか、急速に成長した悠仁に対して焦りを感じて...そうだ、そうに違いない!きっとこの章では、恵くんに付け入る悪い奴が出てくるんだ!!
初めはその誘いを突っぱねる恵くん。だが、急に生えてきた生き別れの兄、通称:アニ黒と再会!!!
アニ黒との力の差に、悪魔の囁きに耳を傾けてしまうのだ。
『伏黒恵。僕と式神契約を結ぶマコ。僕を召喚さえすれば、どんな敵でも倒せるマコよ。まあ、その後のキミの身体は、僕の自由にさせてもらうマコけどね〜。』
『それでもいい。真面目で仕事一筋で優しい人だった俺の父さん。その仇が討てるなら、俺は....!!』
そして始まる、“恵くん奪還編”。
「嫌だあああああああああああああああああああ!!!!」
『おわっ、どった?すっくん。』
「恵くん〜!!!行かないでええええええ!!!!!」
『すっくん...?』
伏黒は訳のわからないまま、すっくんをよしよしするのだった。
◇
いけない。つい、取り乱してしまった。
さあ、例の中学にも着いたことだし、聞き込みだ聞き込み!
うわ、タバコ吸ってる奴いるじゃん。ヤンキーかよ。こわっ、近寄らんとこ。
《一応言っておくと、彼は呪いの王である。》
『あ、分かりやすいのがいるわね。ぶん殴って更生させましょ。』
野薔薇ちゃん、何言ってんの!?
ヒロインの発言じゃない!
いやでも、これが野薔薇ちゃんの良さだしな。やっぱそのままで!
『ひっ!!』
『お、お疲れ様です!!』
うわ、なんだ?不良たちが急にペコペコし出したぞ!?
あー、そういうことね。完全に理解したわ。
伝わっちゃったか〜。俺の圧倒的強者オーラが。いや〜、まあ一応、俺も呪いの王なんで?平安時代じゃ、負け知らずだったらしいんで?
『卒業ぶりですね!!伏黒さん!!』
ん?今この不良たち。伏黒さんって...
『俺、中学、ここ。』
恵くん!?
聞いたところによると、この辺りの不良は一通り、恵くんにぶちのめされているんだとか....
「す、すごいな〜。恵...さん。」
『すっくん?』
◇
その後、なんやかんやで聞き込みは進み、ベテラン用務員の武田さんから、気になる話を聞けた。
なんでも、八十八橋という自殺の名所で深夜にバンジージャンプをするのが流行っていたという。
?????????????
まるで意味がわからんぞ!?
頭おかしいのかソイツら!呪霊よりソイツらが怖いわ.....
んで、今回の被害者たちももれなくlet'sバンジーしてたとのこと。間違いない。
今回の敵は、人がバンジージャンプを恐れ、憎んだ腹から生まれた呪霊だ!!!
バンジージャンプの特級呪霊、割と強そうだな。まあ、平気だろう。すっくん、絶叫系は得意だからな。俺は奴の天敵と言っていい。
よっしゃあ!早速その八十八橋に乗り込むぞー!おー!!
『そうだ、津美紀くんは元気か?』
あれ、武田さんと恵くんが何か話してる?
つみき?
どうやら、伏黒のお姉さんらしい。
『...はい。元気です。』
◆
ここは、いつものビーチではない。
羂索が用意した新たなアジトである。そこにいるのは羂索と、新たな力を手に入れたばかりの真人だけ。
『こういう呪物ってさ、何で壊さないの?』
真人は虎杖悠仁の顔で、羂索に問いかける。彼の足元には、三つの小さなカプセル、呪胎九相図1ー3番が並べられていた。
『壊せないんだよ。特級ともなるとね。』
羂索の示した答えは、シンプルなものだった。
『生命を止め、他に害をなさないという縛りで存在を保障するんだ。』
九相図の製作者であり、呪物への造詣も深い羂索はその性質をレクチャーする。
『ちなみに、宿儺の指だけは例外さ。20に分割してもなお、呪いを呼び寄せる化け物だよ。それ故に、器を選ぶ。』
『この身体みたいに...?』
今の真人の身体は、虎杖悠仁の器としての機能を完全に再現し、指6本分の拒否反応を克服していた。
『いや、少し違う。今のキミは宿儺の力だけを制御しているに過ぎない。』
そう。今の真人には宿儺が“受肉”しているわけではない。それでは、実験の意味がないのだ。
『さあ、始めようか。』
適当に連れてきた非術師たち。羂索は彼らに、九相図を受肉させる。宿儺とは違って、九相図は器を選ばないのだ。
『その九相図って奴ら、夏油がずっと欲しがってたやつだよね?そんなに強いの?』
真人からの問いに、羂索は顔を綻ばせながら答える。
『いいや。こうして“受肉”させること、そのものに意味があるんだよ。私はね、“再現”がしたいんだ。』