宿儺「どけ!!!俺は主人公の相棒だぞ!!!」   作:バケギツネ

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渋谷駅って絶対迷うよね。

 

 

 おっす、俺すっくん!冥冥さん、憂憂くんと共に、明治神宮前駅に到着!

 

 どうやら、術師を入れないとかいうクソ帳が下りているらしい。それを下ろした奴をギッタンギッタンにするのが、今回の任務ってわけだな!

 

 それと、補助監督の子(結構可愛い)に聞いたんだが....

 

 この駅の地下に、改造された人間がいるらしい。“アイツ”が、ここに来てるんだ!

 

「悠仁。」

『ああ。絶対に祓おう、すっくん。』

 

 

『......うん、なるほどね。大体わかった。』

 

 冥冥さんが、カラスを使った偵察を終えたらしい。

 

 俺、ちょっとカラス苦手なんだよね。何かさ、怖くない?いやでも近くで見てみたら意外と...あ、やっぱ無理そう。

 

『虎杖くん。弱い改造人間をたくさんと、強い呪霊を一体、キミはどっちを相手にしたい?まあ、キミの場合、当然後者だろう?』

 

「『はい!!!!!』」

 

 その“強い呪霊”とやらは、真人である可能性が高い。俺たちが戦わなくちゃだ。

 

「行くぞ、悠仁!!!」

『おうっ!!!!」

 

 俺と悠仁は全速力で、地下2階へと向かうのだった。

 

 

 

 

 地下2階に降り立った俺たちが見たのは、逃げ惑う補助監督2人を襲うバッタのような呪霊だった。

 

「いや、誰だよてめえは!?」

 

 真人じゃない?いや、真人の最終形態がこのバッタっていう線も、ないな。

 

 まあ、そんなの関係ない!あの補助監督さん達を助けるぞ!

 

『黒閃!!!』

 

 悠仁の跳び膝蹴りが、バッタ呪霊を吹っ飛ばして壁に叩きつける。その間に俺は、補助監督さん達を紳士的に誘導していった。

 

「お二人とも、大丈夫ですか?ここは危険です!地上に避難してください!!」

 

『....はい!ありがとうございます!』

『助かりま、え、両面宿儺?』

 

 補助監督さん達は、大した怪我じゃなさそうだ。自力で地上へと撤退していく。さて、これであのバッタ呪霊に専念できるぞ。

 

『あ、ああ....』

 

 バッタ呪霊は、悠仁の一撃を食らってもなお、戦意を喪失していない。こいつ、意外とタフだな。

 

『全く、出会い頭に暴力とは。文明人らしさが微塵も感じられない。これだから、頭に脳の詰まっていない呪術師は嫌いなんだ。』

 

 “眼鏡をかけた”バッタ呪霊が、口を開いた。なんだコイツ!?

 

『キミは、虎杖悠仁くんだね。僕のデータに名前がある。初めまして。僕の名は蝗GUY。見ての通り、バッタへの恐れから生まれた呪霊さ。いや正確にいうと、バッタへの恐れというよりは、そのバッタの引き起こす蝗害への恐れと言い換えた方が、適切かもしれないね。ああ、知っているかい?蝗害というのは、生物災害として、大陸ではかなり恐れられ.....』

 

「よく喋る!!!!!!!」

 

 マジでなんだコイツ。

 

『ふふっ、失礼。僕は見ての通り、賢いんでね。ついつい知性が溢れ出してしまったようだ。せっかくなので、説明してあげよう。元々の僕はね、ここまで賢くはなかったんだ。だが、真人が僕を“改造”してくれた。』

 

 真人!?呪霊を改造だと!?

 

『さながら今の僕は、“改造呪霊”ってところかな。今地下4階にいるのも全部、その改造呪霊さ。人間よりも素体が強力な分、改造人間を遥かに凌ぐ強さを誇っている。僕が知性を獲得したように、特異な進化を遂げる奴だっているのさ。』

 

 なるほどな、大体わかった。こいつ、“ちょうどいい”かもしれないぞ。

 

「悠仁、コイツに“あれ”を試してもいいか?」

『ああ、分かった。』

 

 バッタ呪霊には、実験台になってもらおう。

 

『残念だが、虎杖悠仁。キミの戦闘データは、全て僕の頭に入っている。キミに勝ち目はない!!』

 

 あーもう、うるせえなぁこのバッタ!“俺の術式”には集中力がいるんだよ!黙ってろ!!

 

 心を落ち着かせて、夜蛾第二師匠からのアドバイスを思い出す。

 

『宿儺。余計なことは考えるな。ただひたすらに対象を観察し、宿儺ぁ!もっと丁寧に観察しろ!そうすれば、形、重さ、色が鮮明になって、宿儺ぁぁ!!乱暴に扱うなと教えたろ!!もう一回だ!!』

 

 それはもう、スパルタな指導だった。でも、嬉しかったな。彼は本気で、呪いである俺に期待してくれていたから。

 

 さあ今こそ、あの厳しい修行の成果を見せる時!!

 

 集中、集中、集中、集中、集中、晩飯、集中、集中、集中!よし、今ならいける!!

 

「『宿儺呪力モード!!』」

 

 この形態になることで、悠仁の身体には一時的に俺の術式が刻まれる。

 

『宿儺呪力モードか。全ては僕の想定内!その力は僕のデータに入っている!!!!』

 

 俺たちは一瞬で、バッタ呪霊との距離を詰める。

 

『なっ、想定よりも速くなっているだと!?バカな、こんなの僕のデータにない!!!』

 

 そして俺の術式を、悠仁越しに出力する!

 

「うおおおお!!!!」

 

 悠仁の拳が、バッタ呪霊に触れた。

 

『..........................』

『..........................』

「..........................」

 

 しかし、何も起こらない。

 

「...........失敗☆」

『黒閃!!!!』

 

『ふぎゃああっっ!!バカなっ、最高の頭脳を持つ、この僕がああああああああああ!!!!』

 

 悠仁の通常パンチが、バッタ呪霊を打ち砕いた。最期まで、よく喋る奴だった。にしても俺の術式、上手くいかないなかったな。

 

 いまだに“過程”が掴めないっていうか。実戦で使うのはまだむずそう。“悠仁に使う”なんてもってのほかだ。

 

「あ、悠仁、あのオブジェが怪しいぞ!壊しちゃえ!!」

『黒閃!!!(オーバーキル)』

 

 悠仁が粉微塵に粉砕した、あのアイテム。恐らくアレが帳の発生源だったのだろう。よし。これで、地下5階に行けるぞ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『蝗GUYがやられたか。腕のいい術師が来てるね。』

 

 都心メトロ明治神宮前駅・地下5階新都心線ホームにて。真人は自身が改造した同胞の死を感じ取る。

 

『残念。俺も闘りたかったなぁ〜。でも仕方ないよね、仕事だもん。』

 

 そう1人ごち、改造呪霊がパンパンに詰まった満員電車に乗り込もうとした真人の前に.....

 

「真人おおおおおおお!!!!」

 

 虎杖悠仁とすっくんが、今の真人と同じ顔をした彼の宿敵が現れる。

 

『ははっ、会いたかったよ!!宿儺ああああ!!!』

 

 

 

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