宿儺「どけ!!!俺は主人公の相棒だぞ!!!」   作:バケギツネ

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人混みっていやだよね。

 

 

『五条悟が一番力を発揮するのは、どんな時か。みんなは分かるかい?それはね、1人の時だよ。だから彼の周囲を、非術師で固める。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 都心メトロ渋谷駅地下5階新都心線ホーム。

 

 ハロウィンの渋谷を訪れていた人間たちが様々な仮装でたむろするその場所で、一際存在感を放っていたのは、全身黒ずくめに目隠しといった奇抜な格好(本人にとっては普段着)の、長身白髪の男だった。

 

『そんなことしなくたって、逃げないよ。』

 

 真人曰く、“いつも乳首から下が脚かよってスタイルを見せびらかしている“彼は、辺りを見回しながらそう呟く。ホームの出口は、不透明な帳によって塞がれていた。

 

『僕が逃げたらお前ら、ここの人間全員殺すだろ?ま、だから来てやったんですけど?』

 

 不敵な態度を崩さないまま、目隠しを外した五条。それに対し、相対する特級呪霊カルテットのうちの一体、悪路王が口火を切る。

 

『少し違う。“逃げたら殺す”ではのうて、“逃げずとも殺す”じゃ。』

 

 それと同時に、駅の稼働式ホームドアが開いた。

 

『うわっ、やめろよ!』

『きゃああ!!』

『ちょ、押すなって!!』

 

 五条達のいる線路は、たちまち大量の非術師によって埋め尽くされる。

 

『.....なるほどね。』

 

 

 

 

 

 

 

『蒼も赫も、領域展開も、非術師を巻き込まずに使うのは不可能だ。この状況では、五条悟は守りに徹するしかない。』

 

 

 

 

 

 

 

『あーはいはい、みんな下がって。死ぬよ。』

(出口の帳ぶっ壊して、この人達を避難させたいけど...帳の向こうに人がいたら大変だしな〜。)

 

 出口を塞いでいる不透明な帳は、ブラインドとしての役割も果たしていた。

 

『.........墓石。』

『お前声小さいのう。』

 

 疱瘡婆の術式で生み出された、ウィルス付きの岩石が五条に放たれる。

 

『なるほどね。特定疾病呪霊か。』

 

 しかし疱瘡婆の岩石は、五条の無下限に阻まれてその寸前で静止した。今の五条のニュートラルな無限は、術式対象の自動選択によって、ウィルスすらも防ぐことができる。

 

『白髪のおじさん、助けて!!怖いよお!!』

 

 五条に近づく5歳くらいの少年。五条はその子を“一瞥”するや否や、その首を素手でへし折った。その少年は絶命し、醜い本来の姿へと戻っていく。

 

『分身と変身か。そんなの僕には通用しないよ、えっと、特級叛霊...だったっけ?まだ、分身潜ませてんだろ?』

 

『やはりその目、六眼か。懐かしいのお。』

 

 六眼は呪力を視覚情報として詳細に認識し、術式の構成や条件を把握できる。よって悪路王は、口から吐き出した黒雲で五条悟の視覚情報を断った。

 

『へぇ〜。』

 

『『『『『『これならどうじゃ!!!』』』』』』

 

 悪路王の分身6体は一斉に攻撃を仕掛ける。念力、暴風、雷電、火炎、水流、氷塊。悪路王の分身は、一体ごとに異なる呪力性質を宿していた。

 

 しかしそれも、五条の無限に阻まれて届かない。

 

『無駄だよ。僕の無下限はオートで発動する。不意打ちだろうと関係ない。』

 

『チッ、おい、虫!!次はお前の出番ぞ!!』

 

 悪路王は、すぐさま黒沐死に指示を出す。彼は、呪霊チームの司令塔的役割を担っていた。

 

『指図スルナ!!!』

 

 黒沐死は出現させた大量のGを五条に差し向けるが、当然無下限に阻まれる。Gを素通りさせるほど、そのオートガードはガバガバでは無い。

 

『無駄だっつってんだろ。そんなんじゃ、僕の防御は貫けない。』

(向こうもそれは分かってるはずだろ。何が狙いだ?)

 

『おい、ゾウ!!まだかぁ!!』

 

『もう少しだからぁ〜、ちょっと待っててぇ〜。』

 

 悪路王に叱責され、アジアのとある神に似た特級呪霊・ガネーシャ(仮)は、ようやくその術式を発動する。

 

 ガネーシャ(仮)の術式は、“あらゆる障害を取り除く”という対象に概念が絡むもの。スロースターターであるという弱点さえ除けば、彼は最強クラスの呪霊だった。

 

『それ〜!!』

 

 そんなガネーシャ(仮)の術式効果によって、五条悟の無限に阻まれていたG達は“無下限という障害“を取り除くための力を得る。

 

『さア、喰ライツクセ!!』

 

 G達はガネーシャ(仮)から授かった力で、五条の無下限を少しずつ中和していた。

 

『へぇ〜、正直驚いたよ。』

 

 周辺に多数の非術師がいる以上、蒼や赫、領域展開は使うべきではない。そう判断した五条は、自ら無下限の防御を解いた。

 

『諦メタカ!!!』

 

 G達は一斉に五条に纏わり付き、その肉に喰らいついた。

 

 

『ホントに驚きだよ。この程度で、僕に勝てると思ってる脳みそにね。』

 

 

 五条の身体を食い破っていたG。その身体が、一斉に爆散した。五条が負っていた傷も、みるみるうちに回復していく。

 

『反転術式を使ウカ.....ナラバ、その首をオトす!!』

『おい虫、よさんか!!!』

 

 黒沐死は悪路王の静止を振り切って、自身の武器である爛生刀を手に、五条に迫る。

 

『はっ!』

 

 それを見た五条は、獰猛な笑みを浮かべる。

 

 五条が放ったのは術式ですらない、呪力で強化しただけのただのパンチ。しかしそれでも、特級呪霊である黒沐死の身体を貫くだけの威力があった。

 

『ナメ.....るな!!!!』

 

 爛生刀からとびだした卵が、五条に植え付けられる。しかしそれも、五条が”外部に放出した“反転術式によって、すぐさま爆散していった。

 

 黒沐死の操るGの体組織は、殆ど呪霊のようなもの。故に、反転術式の正のエネルギーは天敵になり得る。

 

 そしてこの世界の五条悟は、”誰かさん“の影響からか、反転術式のアウトプットを会得していた。

 

『まずは一匹。』

 

 体内に反転術式を流し込まれて、黒沐死は弾け飛ぶ。

 

 残念ながら、口移しではない。 五条×黒漆のキスシーンをお待ちだった、異常性癖者の皆様には誠に申し訳ない。

 

『さあ、次はどいつだ?』

 

 原作よりも少し強くなっていた現代最強は、次の獲物を見定めていた。

 

 

 

 

 

 

 

『獄門疆に封印できないものはない。ただ、当然封印条件はある。獄門疆開門後、封印有効範囲半径約四メートル以内に”脳内時間“で1分間、五条悟を留めなければならない。呪霊どもは五条悟を削るための囮さ。本命は、“私たち”だよ。』

 

 

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