宿儺「どけ!!!俺は主人公の相棒だぞ!!!」   作:バケギツネ

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再登場って良いよね。

 

 

『さーてと。最初に来るのはやっぱ虎杖悠仁かな〜。ま、他の奴らが来てもいいんだけど。目の前で改造された仲間を差し向けられたら、アイツどんな顔するかな〜。』

 

 渋谷駅構内。

 

 その地下3階では、遍殺即霊体へと進化を遂げた真人が1人、来客を待ち侘びていた。

 

 どうすれば憎き相手の心をより凄惨に踏み躙れるのか、そればかりを考えて。

 

 

 

 

 

 

 

 

『伊地知くん、無事で何よりです。』

 

『それが、不思議と誰にも襲われなくて.....』

 

 すっくん達と別れ、単独行動をとっていた七海建人は、無事に補助監督・伊地知潔高との合流を果たしていた。

 

『それより、七海さんすみません。貴方の手を煩わせてしまって....』

 

『お気になさらず。高専にとって、貴方を失うのは大きな損失ですから。』

 

『きょ、恐縮です.....』

 

 伊地知を夜蛾学長の元に送り届け、フリーとなった七海は単身で渋谷駅へと向かう。気が付けば、術師を入れない帳も既に解除されていた。

 

『皆さん、上出来です...!』

 

 すっくん達に心の中で称賛を送る七海。そんな彼の携帯が鳴った。

 

『........お前か。ああ、丁度いい。』

 

 少しだけ砕けた口調で、七海はそれに応対する。

 

『前に、少し話したろ。宿儺の器の、ああ、虎杖悠仁とすっく...宿儺だ。2人の救援を頼みたい。』

 

 

 

 おっすぅ.....俺、すっくん.........

 

 パパ黒との戦いで、バッテバテです.....

 

 あ、ああ、まだ電撃の名残で、頭がピリピリする。死ぬかと思った。呪いの王に転生しようが、どんなに覚悟を決めてようが、痛いものは痛いからな。普通にキツかったぜ。

 

『伏黒..!伏黒!!あ、良かった!寝てるだけだ。』

 

 伏黒恵、入眠!!!

 

 いやほんとに、助かったぞ恵くん!パパ黒を直接追い詰めた領域もそうだが、決め手になったあのパンチが特に良かった!

 

 あと、最後に少しお父さんと話せたようで良かった。会話の内容までは聞こえなかったが、きっと感動的なやり取りをしていたんだろうな。

 

 この経験をバネに、この先彼はもっともっと成長するはずだ!

 

「悠仁は、平気か?」

『お、おお。何とか.......』

 

 反転で傷を治せても、疲労はどんどん身体に蓄積されていくからな。その持ち主である悠仁には、とんでも負担がかかっている事だろう。

 

 だが、こんなところで休んでいる場合じゃない!

 

『おっし、いくぞすっくん!!』

 

 悠仁は自らを奮い立たせるように、勢いよく立ち上がった。せめて俺が顕現できれば、悠仁の負担も少しはマシになるんだろうがな。

 

 すまん悠仁!もうちょっとだけ、辛抱してくれ!!

 

『まずは、伏黒と猪野さんを安全なところに連れてかねえとだよな....』

「ああ。だな.....」

 

 家入さん、確か渋谷に来てるんだったよな?残り15秒の宿儺呪力モードを節約する都合上、反転術式のアウトプットができる彼女の手を借りるのがいいだろう。

 

 って、この感じ....

 

『ア、あああ、ぼ』

『じゃ、ド、おお、そ』

『よ、キャ、し、しし』

 

 周囲を埋め尽くす、気色の悪い魂の気配...!いつの間にか俺たちの周りに、大量の改造呪霊が集まってきていた。

 

 タイミング悪いな。こいつらの相手をしてる暇なんてないのに。

 

『すっくん、こいつら全員、倒してからいくぞ!!』

「すまん、悠仁!!頼むぞ!!」

 

 悠仁は疲れの溜まった身体を動かして、改造呪霊達を蹴散らしていく。一体一体は問題ない!相手は、こちらの通常攻撃(黒閃)でワンパンできる程度の耐久しかないわけだしな。だが、

 

『は、ロロロロ、うぃ、』

『と、ころ、マ、うう』

『か、う、キレ、あ』

 

『はあ、はあ、はあ...』

 

 どれだけ祓っても、改造呪霊は次から次へと湧いてくる。これじゃあ、キリがない。

 

 

 

『お待たせ!!!遅くなった!!!!!』

 

 俺たちの前に、黒いジャージを羽織った短髪の男が現れる。

 

『キミ、虎杖悠仁くんだよね?七海から、話は聞いてるよ!!』

 

 味方の呪術師?新キャラ?なんか、すっげえ爽やかなお兄さんだ。

 

『猪野くんと伏黒くんは、僕に任せて!キミは先に行ってくれ!!』

 

 呪力を纏った拳で周囲の改造呪霊達を蹴散らしながら、爽やかお兄さんはそう叫ぶ。彼は恵くんと猪野さんを抱え上げ両腕が塞がった状態で、なおも改造呪霊の群れを圧倒している。

 

『っ、あざっす!!!』

「誰だか知らんが、感謝する!!」

 

『おお、キミが宿儺か。うん!七海の言う通り、悪い奴じゃなさそうだ!!』

 

 爽やかお兄さんは右手でグーサインを作って、俺の方を見つめてくる。ナナミンの知り合いっぽい感じか?まあ何にせよ、改造呪霊たちの相手と恵くん、猪野さんの搬送を一気に引き受けてくれるのはありがたい!

 

この場は彼に任せて、俺と悠仁は先を急ぐとしよう!

 

『りあ、バク、ろおおおおお!!!!』

 

『おっと、やらせない!!!!!』

 

 俺たちの背後に迫っていた一際大きい改造呪霊を、爽やかお兄さんが蹴り出す、呪力の砲弾が撃墜する。

 

 あの爽やかお兄さん、なかなかやるじゃないか!

 

『頑張ってきてね!!虎杖くん、すっくん!!』

 

「ああ、俺たちに任せてくれ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 虎杖悠仁とすっくんは、七海建人からの要請を受けて急遽渋谷に現着した準一級術師・灰原雄の支援を受けて、改造呪霊の包囲を突破するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『あー、黒いスーツの女の子だー、ラッキー♪』

 

 真希、直毘人と別れ、新田明と共に行動していた釘崎。

 

 彼女は、改造呪詛師となった重面春太(読者からは、サイドテールとか、ラッキーマンとか、汚い虹夏ちゃんとか言われているアイツ)に遭遇していた。

 

『よかったー、初めての獲物が女の子で。男相手だと、気分乗らないもんねー。』

 

『新田ちゃんは、ここから離れてて。』

『っす。釘崎さん、お気をつけて!!』

 

 釘崎は新田明を逃すと、不気味な姿で刀を構える重面と向かい合う。

 

『あーあ。金髪の子は行っちゃったー。代わりに、茶髪のキミが遊んでくれるー?』

『ナンパか?鏡見てから出直してこい。』

 

 釘崎は罵倒と共に金槌と釘を構え、重面の動きを警戒していた。

 

『ひどいなぁー、なんでそういうこと言うのっ!!』

 

『っ!!』

 

 重面は改造呪詛師となって強化された筋力を活かし、自らの刀を勢いよく投げつける。釘崎は呪力で強化した金槌で、なんとかそれをいなすのだった。

 

 弾かれた刀は火花を散らせながら、渋谷のアスファルトを滑る。

 

『丸腰になるとか、舐めプかよ!!』

 

 お返しとばかりに、呪力を込めた釘を発射する釘崎。しかし、改造呪詛師となった自身の耐久力に自信のある重面は、それを避けようともしない。

 

『釘とばすなんて危ないなー、でもそんなんじゃ...』

『簪!!!』

 

 ヘラヘラと笑う重面の目の前で、着弾直前の釘に溜められていた呪力が、一気に解放される。しかし“運悪く”、その攻撃が相手を貫く事は無かった。

 

 それと同時に、重面の顔のラインが一つ消える。

 

『はは、ラッキー。』

 

『術式..?妙なの使いやがって...!』

 

 再度釘を打とうとする釘崎だが、嫌な気配を感じて咄嗟に身を翻す。その直後、重面の投げつけたはずの刀がさっきまで彼女のいた場所を通過した。

 

 皆さんは覚えているだろうか。組屋鞣造とかいう、イカれた裸エプロンの事を。そう、重面の使う刀は組屋鞣造の特別製であり、ある程度の自立行動を可能としている。

 

 しかし、呪力探知に長けた本作の釘崎は、その接近を事前に察知していた。

 

『すごい、よく今の避けたね!!』

 

 重面は飛んできた刀を再び手中に収めると、一気に釘崎に近づき、その刀を振り下ろす。

 

『てめえのキショい呪力が、篭ってたんでなぁ!!』

 

 金槌でその斬撃を再度受け止める釘崎だったが、改造呪詛師のパワーを殺しきれず、大きく吹っ飛ばされてしまう。

 

『っ!!!』

 

 その先にあったガラスのショーケースを、全身で突き破る釘崎。彼女は呪力で防御を固める事で、なんとかそのダメージを最小限に抑えるのだった。

 

『キミさあ、結構強いよねー。でもさー、ただ強いだけで勝てる世界じゃないんだよー。特に俺の術式が絡むとね。』

 

 自身の有利を感じ取った重面は、倒れたままの釘崎を挑発していく。

 

『そうだ、キミも真人に触ってもらいなよー。多分、もっと美人さんになれるよー。今のキミ、正直あんまり可愛くないし。』

 

『はっ、私の魅力が分からねーとか。センスねえだろ?てめえ。』

 

 服にまとわりついたガラス片を振り払って立ち上がった釘崎は、懐から何かを取り出す。それは、彼女が自身の術式のために用意した、新たな武器。

 

『.....え、カメラ?』

 

 釘崎が取り出したのは、チェキ。

 

 1998年に登場したインスタントカメラで、撮ったその場でプリントが楽しめるという優れものだった。

 

『はい、チーズ。』

 

 唖然としている重面の顔を、釘崎はチェキで撮影する。すぐさま、その写真が現像された。

 

『ほら、よく撮れてるわよ。あんたの間抜けヅラ。』

 

『キミ、おかしくなっちゃったの?可哀想〜。できるだけ優しく殺してあげ....』

 

 釘崎の奇行に呆れ果てていた重面に、突如激痛が走る。

 

 釘崎は、現像されたばかりの写真を藁人形に貼り付けると、そこに釘を打ち込んでいた。

 

『新・共鳴り!!!!』

 

 印画紙に焼き付いた陽画・写真。それ自体には、重面との繋がりはない。

 

 しかし鄒霊呪法、その基となった呪い・丑の刻参りにおいて、“呪う相手の写真”は大きな意味合いを持っている。それは共鳴りの媒介として、十分な効果を発揮するのだ。

 

『うっっっっ!!!』

 

 攻撃箇所を絞り込める新・共鳴りで、釘崎は重面の眼を狙っていた。しかしその狙いは僅かにそれ、彼の頬をほんの少し爆ぜさせる程度に留まる。

 

 重面の顔のラインがまた一つ減って、残り4本となっていた。

 

『もっ発!!』

 

 今度は、重面の耳の辺りが爆ぜる。先ほどから致命傷だけは避けている重面だったが、顔のラインは残り3本にまで減っていた。

 

『それ、やめろよおおお!!!』

 

 得体の知れない攻撃に動揺した重面は、強化された身体能力で釘崎に突進する。

 

 だが、

 

『はっ、うちの同期と先輩より断然おせえよ!!』

 

 冷静さを失った単純な突進など、虎杖や真希の動きを近くで散々見てきた釘崎には通じない。重面の攻撃を軽々回避した釘崎は、その身体に直接釘を打ち込んだ。

 

『簪!!!!』

『うわあああああああ!!』

 

 そこから0.000001秒以内に釘崎の呪力が衝突し、漆黒の輝きを放つ。

 

『っ!!へぇ〜、悪くないわね。』

 

 彼女は偶然ながらも、呪力の核心を掴むのだった。運良く急所を回避した重面のラインは残り2本。

 

『殺す...クソ女!!お前は絶対殺....』

『釘崎さん、遅くなって申し訳ない。』

 

 背後から響く声に、ゆっくりと振り返った重面の目の前には、一級術師・七海建人が立っていた。その威圧感に、彼は思わず震え上がる。

 

『一応聞いておきましょう。仲間の数と配置は?』

『知らな..ああああああああっ!!!!!』

 

 次の瞬間、十劃呪法を用いた斬撃が振り下ろされ、重面の刀に握られたその右手が斬り落とされる。

 

『ちょっとま.....ぶっっっっっっ!!!!!』

 

 何かを言いかけた重面の顔面に、7:3の線分に従った、七海の放った打撃がめり込んだ。

 

『仲間の数と配置は?』

『だから知らな.....うっっっっ!!!!!!』

 

 運良く絶命を免れた重面を、再び七海の打撃が抉る。

 

『仲間の数と配置は?』

『っ!!!...あ、ああ.....クッソ!!クソクソクソクソクッソ!!!』

 

 床に這いつくばって逃げ惑う重面。彼の顔のラインは、既に全て消えていた。

 

『死ねっ!!!!クソじゅつし.....

『簪!!!!』

 

 奇襲を仕掛けようとしていた彼の愛刀も、釘崎の手によって完全に破壊される。

 

『仲間の数と配置は?』

『ご、ごめんなさ.....んっ!!!!!!!!』

 

 七海の渾身の一撃を食らった重面は、壁を二つほどぶち破って、外へと投げ出される。命”運“尽きた彼は、その場で絶命していた。

 

 

 

 

 

 

 おっす、またまたすっくんだぜ!ただいま絶賛、悠仁と一緒に爆走中だ!!

 

 お、渋谷駅の入口が見えてき....

 

『助けて!!』

『お願い、誰かきてください!!』

 

 今の感じ、声的に女の子2人?逃げ遅れた人がこんなところにもいるのか!?

 

『すっくん、今...』

「ああ、誰かの声が聞こえた!!そっちを優先する!!」

 

 俺たちは、声の聞こえた方へ走る。

 

「いた!!あっちだ!!!」

 

 近くの路地裏で、制服姿の女の子2人が改造呪霊達に襲われていた。

 

『おらっ!!』

 

 女の子に今にも飛びかかろうとしていた改造呪霊を手早く片付けた悠仁は、すぐさま助けた彼女らに駆け寄る。

 

『ここは危ないから、早く逃げ...って、キミら....』

 

 改造呪霊達に襲われていたのは、いつぞやディ○ニーランドで出会ったJKコンビだった。

 

 一回きりの登場の割には凝ったキャラデザだと思っていたが、まさか再登場するとはな〜。

 

『とにかく、早く逃げ.....っ!!』

 

七五三縄(しめなわ)。』

 

 ちょ、ええ!?

 

 いつの間にか悠仁の全身には、呪力の篭った縄が巻き付いていた。それは凄まじい圧力で、悠仁の気道を圧迫していく。

 

 これ、ちょ、どうしよ!?窒息じゃあ、俺の反転術式で治しようがない!!

 

『なんだ、この縄.......』

 

 縄の強度は凄まじく、疲労しているとはいえ怪力を持つ悠仁でも、引きちぎることができない程だった。そしてその先端は、黒髪のJ Kの子の手に握られている。

 

 この子達、術師だったのか!?しかも、そこそこの使い手だぞ!

 

 だが、不思議と俺たちへの殺意は感じない。一体何者なんだ!?

 

『っ....!ああ..........』

 

 窒息で意識を失った悠仁がその場に倒れ込む。それと同時に気道の圧迫は中断された。

 

『時間がない、早く始めよう。』

『.....うん。』

 

 彼女らは、呪力のこもった小さな包みを取り出すとその封印を解いていく。

 

 その中身は俺の指!?間違いない!本物だ!!

 

 この世界に合計20本存在し、現在は俺が5本、真人が6本取り込んでいる、両面宿儺の指!!

 

 どういうわけかその1本をJ Kコンビが持っている!彼女らの目的は、俺....?

 

「ガキども、貴様らの目的は何だ?」

 

俺は悠仁の顔に生やした口から、J Kコンビに語りかけた。

 

『っ!』

『宿儺....!』

 

 なんだか知らんが俺、めちゃくちゃ怖がられてる?そういや俺、呪いの王として有名人なんだっけ?それならこっちは、強気で話を進めるだけだ!!

 

 久しぶりに、ちょっと威厳のある喋り方でもしてみるか!

 

「聞いているか?ガキども。目的があるなら話せ。この俺が、聞いていると言っているんだ。」

 

『『.............』』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『宿儺.......今この場で、縛りを結んで。貴方には私たちに協力して、額に縫い目のある男を殺してもらう。』

『傑さんを、解放するために!』

 

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