宿儺「どけ!!!俺は主人公の相棒だぞ!!!」 作:バケギツネ
◇
おーーーーーーーす、俺すっくん!
前回までのあらすじ!!
「約束する。貴様らの大切な人を、これ以上弄せはしない!死者を冒涜するとは、万死に値する..!死体に乗り移るなんて、そのニセモノ野郎、とんでもない呪霊だな!!ぜってえ許さねえ!!!」
紆余曲折の末、悲しい秘密を抱えていたJ Kコンビと、夏油さんの身体を取り戻す事を約束!!
『お待たせいたしました。宿儺様、いかかでしょうか?』
「ふむ、悪くない。」
次いでに、金髪の方の女の子・菜々子ちゃんの術式で、身体も呪力も全回復してもらったぜ!これにより、宿儺呪力モードの制限時間も、MAX値の99秒まで完全回復!
「ケヒヒッ!最高だ、お前たち。」
正直、彼女の回復が無かったら、マジでヤバかったと思う。進化した真人に、パパ黒と、強敵との連戦続きだったからな〜。いくらタフな悠仁でも、いつ限界が来てもおかしくは無かった。
「本当に感謝する、菜々子ちゃん。それで、美々子ちゃん。あの、別に怒っているわけじゃないんだが...」
『あの、俺らって、いつまでこうしてればいい...?』
そう。何だか感動的な雰囲気だったので、中々言い出せなかったのだが、悠仁の身体は未だ頑丈な縄で縛られたままだ。
「....ガキども、今は泣け。泣いていいんだ。」
みたいな感じで、前回は珍しくシリアスなセリフを吐いたりもしていたのだが、その間も悠仁はずっと手足を縛られて地面に転がっていたわけだ。
うん、カッコがつかない。
『も、申し訳ありません!一度縛ると、私自身にも解くのが難しく...!』
『あと数分だけお待ちください!』
『お、おっす.......』
俺が声をかけると、黒髪の方の女の子・美々子ちゃんが申し訳なさそうに事情を説明する。菜々子ちゃんも、彼女に続いて頭を下げた。
「気にするな、2人とも。そういう事なら仕方ない。悠仁、今のうちに身体を休めておけ。」
『お、おう...!(ちょっと、体勢キツイけど...)』
完全回復した今の悠仁なら、頑張ってこの縄を引きちぎれるかもしれないが、余計な体力を使わないに越した事はないからな。
このまま、大人しく待たせてもらおう。
「ん、どうした?」
美々子ちゃんと菜々子ちゃんは、俺と悠仁のやり取りを不思議そうに見つめている。
『いえ、その...虎杖さんと宿儺様が、まるで兄弟のようだな、と。』
『お二人とも、本当に仲がよろしいので...』
ほぉほぉ。2人とも、よく分かってるじゃないか!
だが惜しい!
「正確には、“相棒”だな!俺にとっての悠仁は。」
やはり、悠仁と俺の関係性は“相棒”が一番しっくり来る。兄弟っていう括りなら、どっちかって言うとヒカリかな?
『相棒、』
『ですか...』
「ああ!心から信頼できる、一心同体(文字通り)かつ最高のパートナーだ!」
時間さえあれば、このまま悠仁の良いところを小一時間ほど語り始めているところだが、流石に空気を読もう。それは、またの機会だな!
悠仁の身体に巻き付いていた縄が緩み始めた事だし、そろそろこの拘束ともオサラバして、出発しなくては!
それにしても、彼女らと接触したのが俺の単独行動している時でよかったな〜。
冷静になったら、路地裏でJ K2人の足元に転がる縛られた男って、なんかもう、少年誌的にあんまりよろしくない絵面だ。
それにこんな所、誰かに見られたら間違いなく勘違いされるもんな〜。あっぶねえ〜!
いや〜、よかった、よかった!誰にも見られてなくて!!
「お兄ちゃん、ナニしてるの...?」
◆
皆さんは、覚えているだろうか?
漫画・呪術廻戦のキャラクター、脹相に転生した現代の少女・賀茂ヒカリ。彼女は、同じく転生者であるすっくんに思いを寄せている、思い込みの激しい狂人である。
ザックリ言うと、彼女の言葉の信用度はあの東堂葵と同じくらいだと思ってもらっていいだろう。
さて、時は少しだけ遡る。
◇
ご機嫌麗しゅう、僕は賀茂ヒカリ。
最強無敵のディ○ニープリンセスにして、この世界に転生したヒロインだよ!
今日は10月31日。そう、ハロウィンの日だ!イエーーーーイ!
でもこの世界の王子様にして、僕の婚約者である宿儺様は、任務で今日は遊びに来れないとのこと。寂しい。っていうか、ほんとに任務なんだよね?任務っていうのは口実で、本当は別の女の子とハロウィンを楽しんでるんじゃ...
ああ、ダメだ。very very notプリンセスな、ネガティヴな思考になってしまう。遊園地で、J K2人と楽しそうに遊ぶ宿儺様を見て以来、ずっとこんな感じだ。
今の僕が憑依している身体は、まあ、男の人だ。パーツは整ってるけど、プリンセスって感じでは絶対にない。だからどうしても、劣等感を覚えてしまう。
いや、だ、大丈夫!宿儺様はそんな僕を受け入れて、結婚を約束してくれたじゃないか!それに彼は、人を見た目で判断したりはしない!ちゃんと内面を見てくれるはずだ!
そう、僕は宿儺様を信じてる。信じてるからこそ、直接確かめに行くんだ!!
僕は、僕のガワである、えっと、脹相が眠りにつくのをジッと待つことにした。
『こら、血塗!もう寝る時間だぞ!!』
『えー、兄者ぁ〜!あと30分だけ!もっと起きてるぅ!!!』
『夜ふかしは、美容の敵ですよ。ほら、このゲームは明日早起きしてやりましょう。』
脹相とは、まだ一度もお喋りできてないんだよね〜。というかしたくても、そのやり方が分からない。今度、置き手紙でも残してみようかな?
最初はただの怖い人だと思ってたけど、家族思いの良い奴なんだよね、脹相。同じ身体に宿った存在を大切に想うもの同士、いつかちゃんとお話ししたいな。
彼の弟である壊相と血塗も、どっかのタイミングでご挨拶したい。最近は、外見と内面のギャップで、何だか彼らが可愛く見えてきた事だし。
『『『Zzzzzzzzzzz』』』
お、脹相が寝た!身体ゲット!待っててね。宿儺様!!
《九相図三兄弟は、高専側と様々な縛りを結んでおり、当然、許可なく外出することも禁じられている。》
《しかし、その縛りを結んだのは“脹相”であって、“賀茂ヒカリ”ではない。縛りにおいて、転生者とその身体の持ち主は別人として扱われていた。》
なんかこういうの、お城を抜け出すお姫様みたいでワクワクする〜。やってて良かった、お姫さま修行!
さあ、早速宿儺様のところにレリゴー!!
待ち合わせなんてのは必要なし!彼がどこにいても、僕にはその居場所がバッチリ分かるからね!
え、GPS?そんなのつけるわけないじゃん〜。じゃあ、何で居場所が分かるのかって?だって僕、ディ○ニーのプリンセスだよ?大好きな王子様の居場所くらい、自力で分かって当然でしょ?
お、宿儺様、渋谷駅周辺にいるっぽいな〜。
「邪素明(ジャスミン)!」
僕は魔法の絨毯に乗って、空を飛ぶ。ホントは“ホ○ル・ニュー・ワールド”を熱唱したいところだけど、近所迷惑になるので自粛しよう。
お、あっという間に渋谷に到着!!
身体を動かせない間、生得領域?の中で修行し続けていたおかげで、力の使い方にもだいぶ慣れてきたみたい。
ってかなにこれ?渋谷に化け物がいっぱいいる!やっぱり、ちゃんと任務だったんだね!!
「衛瑠裟(エルサ)!!」
僕は襲われている黒いスーツの人を助けるべく、氷の力を発動する。なんだかんだ、これが一番使い勝手がいい。
「皆さん!ここは僕に任せて、逃げてください!!」
『はい!ありがとうございます!』
『助かりま、え、九相図?』
黒スーツを助けたり、化け物を蹴散らしたりしながら、僕は宿儺様の元へ向かう。あ、こっちの路地裏から、宿儺様の気配と匂いが!任務にかこつけて浮気してるかもだなんて、ちょっとでも疑ってごめんなさい!
あ、そうだ!実際に宿儺様を呼ぶ時は、“お兄ちゃん”呼びにしなきゃ!宿儺様は、公開兄妹プレイが性癖だからね!ちゃんと応えてあげないと!
「お待たせ〜、来ちゃった♡一緒に戦おう、お兄ちゃ....」
僕が路地裏で見たのは、例のJ K2人と、その足元に転がっている手足を縛られた宿儺様だった。
『お待たせいたしました。宿儺様、いかかでしょうか?』
「ふむ、悪くない。」
「お兄ちゃん、ナニしてるの...............?」
そう声に出したいが、言葉がつかえて出てこない。
ナ、ナニこれ。どう見ても、SMプレイ。い、いや、もしかしたらあのJ Kコンビは敵だったのかもしれない!きっと今は戦闘中とかなんだろう。
なーんだ、そういうことか。そうと決まれば、早速助けに、
「ケヒヒッ!最高だ、お前たち。」
いや戦闘中じゃないな、これ。宿儺様、すっごく悦んでるし。そんな、宿儺様。僕との約束は・・・
「・・・許せない。」