宿儺「どけ!!!俺は主人公の相棒だぞ!!!」   作:バケギツネ

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開門

 

 

『くっ、こんなに強いとは、聞いとらんぞ!!』

 

悪路王は非術師達に紛れながら、分身をつかったヒットアンドアウェイに徹し始めた。疱瘡婆も歩く公害(某パンダ談)である五条に近づくのは危険だと判断し、術式を使った遠距離攻撃に専念する。

 

『つかず離れず。でも、それも限界でしょ。』

 

非術師達が五条を避け始めていた。

 

(このまま人が減り続ければ、いずれはアイツらを確実に祓えるようになる。)

 

『.........墓石。』

 

疱瘡婆の放った岩石を、五条は素手で打ち砕く。ウィルスの方は、再度発現させたニュートラルな無限でガードしていた。

 

(さっきみたいに術式を解いて誘うのはナシだな。人ごみ越しに大技を出されても面倒だし。)

 

五条は無下限と素手での防御を併用し悪路王達の攻撃を防ぎながら、一歩ずつガネーシャ(仮)の方へ近づいていく。

 

(ごめん、全員は助けられない。その代わり、コイツらは絶対祓ってやる...!)

 

『ねえねえ〜、援軍まだ〜?もう20分経ったでしょ〜。』

 

(ゾウの呪霊が何か言ってる?援軍....?)

 

ガネーシャ(仮)がボヤいたその直後、駅のホームに電車が到着した。

 

『おお、来おった!!!』

 

悪路王の声と同時に電車のドアが開き、その中にギッシリ詰められていた数千体の改造呪霊が解き放たれる。改造呪霊は、その姿を目視できない非術師達へと襲い掛かった。

 

人が突然、見えない何かに殺されるという異常事態に、ホームの人々はたちまちパニックに陥る。

 

『いや〜、空気が美味しいね。恐怖が満ちてる!』

 

最後に電車から出てきたのは、五条から見ても異質な雰囲気を纏った特級呪霊・真人。

 

『お前が真人か....!』

『そういうアンタが五条悟か。初めましてだよね。』

 

真人は、五条悟をじっくりと観察する。その上で、こう判断した。“今の自分”では、例え天地がランダバを踊ろうとも、到底敵わないと。

 

『逃げまーーーーーーーす!!』

 

真人は迷いなく逃亡を選ぶ。その驚異的なスピードで、五条の攻撃範囲外まで走り去っていった。

 

(何だったんだアイツは..それより、どうするこの状況!?)

 

数千体の改造呪霊によって、こうしている今も被害者が増え続けている。五条は選択を迫られていた。

 

彼が選んだのは....

 

 

領域展開・無量空処

 

 

五条悟が選んだ手段は、原作と同じ0.2秒の領域展開。

 

地下5階のホームにいる生物全てが、五条の領域に包まれる。彼らの脳内には、とてつもない量の情報が流し込まれ、全員が立ったまま気を失った。

 

0.2秒は五条が勘で設定した。非術師が廃人にならず、後遺症も残らないギリギリの滞在時間。

 

実際この場にいた非術師達は数ヶ月後に、社会復帰を果たせるまでに回復している。(復帰するための社会が無事だとは言っていない。)

 

『まずは、アイツらを片付ける....!』

 

特級呪霊達は、いつ目覚めるか分からない。カウンターを警戒した五条は、改造呪霊達の殲滅を最優先事項とする。

 

無量空処解除後、現代最強は地下に放たれた改造呪霊1000体を原作よりも39秒早く鏖殺した。

 

『はい次。』

 

五条はそのまま、カウンターを喰らう覚悟で、特級呪霊達に狙いを定める。

 

『まずはお前。』

 

五条は反転術式を流し込んで、疱瘡婆を祓う。

 

『んで次。』

 

数体の分身を出現させていた、悪路王。その本体を六眼が見抜く。

 

『舐めるでないぞ、若造が!!!』

 

無量空処のショックから目覚めた悪路王は、領域展開解除直後で術式の焼き切れた五条を狙い、その分身達と共に一斉に攻撃を仕掛ける。

 

しかし五条は、呪力強化と反転術式の運用だけでその攻撃を凌ぎ切った。

 

『やっぱキミ、弱いよね〜。(五条基準)』

 

『本当に人間か....?主は......』

 

悪路王本体の巨体に反転術式を流し込んで爆散させる五条。これにより、悪路王の分身は全て消え去る。

 

『お前がラスト。ってか起きてんだろ?』

 

『あ〜、バレちゃってる〜?』

 

自身の特異な術式で、無量空処による気絶から脱していたガネーシャ(仮)はとうとう自ら動き出す。

 

『さあ〜、本気出しちゃうぞ〜。』

 

ガネーシャ(仮)は自ら牙をへし折り、それを用いて空中に文字を描いていく。

 

『[शुकुना: "रास्ते से हट जाओ!!! मैं मुख्य पात्र का साथी हूँ!!!"] के लिए आपके निरंतर समर्थन के लिए धन्यवाद।......

『させねえよ。』

 

ガネーシャ(仮)が術式を発動させるより早く、五条の拳はその身体を貫いていた。

 

『ちょ、ま.....』

 

反転術式が流し込まれ、ガネーシャ(仮)もまた粉々に砕け散る。

 

『はあ、はあ、はあ.......流石にしんどいな.....』

 

五条悟は、少しだけ消耗していた。

 

『さて、あとはツギハギを追いかけ.....』

 

その瞬間、ホームを覆っていた不透明の帳が解除される。天井に開いた穴から、4階にいたであろう数十人の人間が落ちてきた。彼らの呪力量や術式の有無を、六眼は瞬時に看破する。

 

『全員、一般人!?』

 

5階に落ちてきた一般人達は、五条の姿を一瞥するや否や彼に殺到してくる。

 

『おい、助けてくれよ!!』

『あんた、五条悟だろ!?』

『あんたの近くにいないと、俺達殺されるんだよ!!!!』

 

領域直後で未だオートガードが解除されていた五条は、彼らに揉みくちゃにされていた。

 

『はいはい、みんな落ち着いて〜。危険は全部取り除いたから、安心していいよ〜。多分、駅からもすぐに出られるさ〜。』

 

人々を落ち着かせながら、五条は考える。

 

(そういえば、帳を下ろしてたのは誰だ?呪霊..?いや、多分呪詛師が絡んで...)

 

『ねえ、みんな〜。聞きたいことがあるんだけど〜。』

 

五条は、自分の周りにいる人々に問いかける。

 

『僕のこと、誰から聞いた?』

 

 

 

 

『『『『『『『『『『お前の親友だった夏油傑さんからだ。』』』』』』』』』』

 

 

 

 

 

五条の周りを取り囲んでいた数十人の非術師。彼らは全員、羂索の選んだ天星教の信者だった。

 

彼らの選抜条件は、3つ。

 

1、術式を持たないこと。

2、呪力量が人並みであること。

3、夏油傑に心酔する、

  頭の悪い人間であること。

 

 

 

 

 

 

 

(こいつら、傑のところの...!?なんでここに....!?それに、傑から聞いた.....!?どうなってる!?)

 

信者達は、迷い、考え、混乱する五条を掴んで離さない。

 

『答えろ!!なぜ傑さんを裏切った!!』

『傑さんはいつも、お前のことを誇らしそうに話していた!!』

『親友に殺されかけたあの人の気持ちが、お前に分かるか!!』

 

『はぁ.........?お前ら....一体何の話をしてる!?』

 

半ばパニックに陥った五条は、感じ取る。背後に突如出現した、異様な気配を。

 

『獄門疆、開門。』

 

生きた結界・源信の成れの果て、あらゆるものを封印する忌み物が、開放される。

 

(あれは、何かの呪物...!?何にせよマズイ....)

 

このタイミングで、五条の術式は回復した。彼は混乱しつつも、“親友の教え子達”を傷つけないよう無下限で押し退けながら、その場を離れようとする。

 

『やあ、悟。』

 

そんな彼の耳に、忘れもしない声が響いた。思わず足を止め、振り返った五条が見たのは、ずっと帰りを待ち続けていた、たった1人の親友......

 

『久しいね。』

 

瞬間、五条の脳内には3年間の青い春、そしてそれからの、共に理想を目指した10年が、一気に溢れ出す。

 

(傑......?本物....!?)

 

六眼に映る情報は、目の前の人物を夏油傑だと言っていた。しかし、五条の魂はそれを否定する。さらに目の前の男には、すっくんが警戒するように言っていた額の縫い目があった。

 

『お前は誰だ!!』

 

術式を発動する五条だが、獄門疆に縛られその呪力を封じられる。

 

『キッショ。何で分かるんだよ。』

 

それを見届けた夏油傑の姿をしたナニカは、自らの頭を持ち上げた。計画の成功を確信した羂索は、ようやくその正体を五条の前に晒す。

 

『こういう術式でね。脳を入れ替えれば肉体を転々とできるんだ。彼の呪霊操術とこの状況が欲しくてね。夏油傑は、私が殺した。』

 

『.....そうか、死ね。』

 

現代最強から放たれる本気の殺意。それは、圧倒的に有利なはずの羂索が、気圧されるほどのものだった。

 

『...っ!はは、怖い怖い。キミ、強すぎるんだよ。いや、ホントに。私の目的には邪魔なんだ。ああ、心配しなくても封印はそのうち解くさ。100年、いや1000年後かな。』

 

羂索はわざわざ夏油傑の頭を自ら縫い付けながら、動けない五条に語りかける。

 

『おやすみ五条悟。新しい世界でまた会お.......』

 

羂索は、そこで違和感に気付いた。五条の周りを固めていた天星教の信者達が、やけに静かなのだ.....

 

『彼ら、立ったまま気絶して.........っ!!!』

 

羂索はその場に膝をつく。その目鼻からは、大量の血が流れ出していた。

 

『良かったよ。しっかり効いてるみたいで。』

『...........なんて奴っ...!』

 

五条は獄門疆に縛られ、呪力を封じられる0.2秒前に再度無量空処を発動していた。それは信者達を気絶させ、羂索の脳に膨大な情報を流し込む。

 

さらに...!

 

『はあ、はあ、初めての技を、土壇場で出すか....?普通......』

 

五条は封印される寸前、自らの領域を進化させていた。

 

羂索や信者達が無量空処を食らった時間は、0.2秒にも満たない。しかし、進化した五条の領域は羂索にのみ、無量空処およそ5秒分の情報を流し込んでいた。

 

Q、何でそんなことできたの?

 

A、五条悟だから。

 

『.......マジで、どうなってるんだよ、キミは....』

 

これ以上野放しにしていたら、

何をされるか分からない...

 

『閉門!』

 

そう判断した羂索は、

すぐさま封印を完了させる。

 

『はあ、はあ、少し......まずいかもね......』

 

無量空処を食らった羂索は大きなダメージを負っていた。彼は以降13時間、自身の領域・胎蔵遍野を展開することができなくなる。

 

『早いところ退散........』

 

羂索が撤退を決めた次の瞬間、獄門疆はその場に落下し地面にめり込んだ。

 

『...........は?』

 

封印は完了している。しかし獄門疆は、五条悟という情報を処理しきれていなかった。しばらくは、動かすこともできない...

 

『はは....はははは.........参ったね........』

 

ホームには、羂索の乾いた笑いが響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『まずったよな。色々やばいよなー。.......みんな、ごめん....ま、何とかなるか。頼んだよ!』

 

五条悟は暗い部屋の中で、自身の生徒達に謝罪とエールを送る。

 

『“すっくん”も、頑張ってね〜。』

 

彼が思い浮かべる生徒たちの中には、どこぞの呪いの王も含まれていた。

 


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