宿儺「どけ!!!俺は主人公の相棒だぞ!!!」   作:バケギツネ

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急襲

 

 

 押忍!俺すっくん。

 

 いきなり悠仁のiPhoneを消し炭にしてきたCV 千○繁の呪霊。俺はすぐに「HEY 悠仁!」で肉体の支配権を預かっていた。

 

『顔に紋様.....?なるほど。器として優秀なのは本当らしいな。宿儺の力を部分的に使えるといったところか?虎杖悠仁。』

 

 ここは長野。

 

 スマホも壊された以上、仲間の加勢には期待できない。俺1人で戦うしかないか。

 

 だが、CV千葉○にこの見た目。

 間違いない、こいつギャグキャラだ!ONEPIECEのバギーみたいな!

 

 きっとアニメでは、アドリブを連発しているに違いない。多分、そんなに強くな...

 

「ぎゃああああああああああ!!!!」

 

 目の前に突然生えた火山から溶岩が噴き出し、俺の身体を焼いた。

 

「反転術式!!」

 

 仙豆を作ってから食べるんじゃ、二度手間だからな。今回は普通の反転術式を使う。

 

 焼かれた箇所に正の呪力を流して、傷を回復させた。

 

 あぶねええええええ!!

 反転術式なかったら、間違いなく死んでいた!!!

 

 なんだよあれ!?いきなり即死攻撃ブッパ!?ギャグキャラの技じゃねえ!

 

 コイツまさか、シリアスな○葉繁か!?

 

『ふん、やはり大したことはない。回復が厄介なだけの雑魚か。』

 

 

 

 

 

 現在のすっくんの強さについて。

 

 今の彼には、自身の命を懸けていた対魔虚羅戦、あの時ほどの力はない。

 

1、人を殺さない

2、悠仁の関係者を守るよう行動する

 

 この2つの縛りによる底上げで、呪力総量は漏瑚とほぼ互角といったところだ。とはいえ、すっくんにはいくつか弱点がある。それは呪術的知識の圧倒的な不足。

 

 加えて......

 

 ともかく。この戦いにおいてチャレンジャーなのは両面宿儺の方だった。

 

 

 

 

『火礫蟲!!』

 

 うわ、なんだあれ、蜂!!??

 

 一斉にこっちへ飛んできやがった!

 俺蜂苦手なのっっ!!死ねっ!!

 

「スクナマス斬り!!!!」

 

 近づきたくはないんでな。千○繁の出した蜂は、遠くから飛ぶ斬撃で殲滅する。

 

 うわ、なんだあの蜂....斬られたら音量で爆発しやがった。

 

『ほう。火礫蟲がどういう技か、見抜いたか。おまけに今の斬撃。術式ですらないな。』

 

 え、そうなの?

 

 すっくん、その辺よく分かんない。

 これ直感で出してっから。

 

『ただ呪力を飛ばしただけか。クククッッ、なるほど。思ったよりは楽しめそうだ。』

 

 千葉○は両手にマグマを纏わせる。おいおい、マグマグの実を食ったバギーって無茶苦茶だな。

 

『たああっっ!!!』

 

 放たれるマグマの二連撃。俺はなんとか回避する。

 

 クッソ、○葉繁め!ずっと遠距離から攻撃しやがって!

 

 動きも素早いな。飛ぶ斬撃も当てられなさそう。

 相性悪いかもだ。

 

 

 

 

 漏瑚は、虎杖悠仁が反転術式を使えることを知っている。反転術式を直接流し込まれることを警戒し、遠距離戦に徹していた。

 

 しかし宿儺は、反転術式が呪霊に特効となることを知らない。彼にとって、反転術式及びそこから作る仙豆はただの回復アイテム。

 

 

孫悟空

『そいつが仙豆だ。食え!』

 

セル

『バカめ、その甘さが命取りになるのが分からんらしいな。

 (仙豆パク)』

 

セルの身体が

ズアッッッッッッ!!!!!!

 

セル

『ぎええええええ...!!!

 そ、そんな....!!!

 バ、バカな.....この...わた....し...が....』

 

悟空

『バカやろおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!

(嘲笑)』

 

ーセル編、完ー

 

 

 こんなドラゴンボール、嫌だろう?

 

 ともかく宿儺にとって、仙豆はあくまで回復用。今回ばかりは彼の漫画脳が裏目に出ていた。おまけに今は仙豆のストックがあるわけでもない。

 

 

 

 

 

 

『たああっっ!!!』

「ぎゃあっ!!」

 

 あっつ!!マグマが腹にかすった.....!

 

 マズイな.、さっきからちょいちょい、千○繁の攻撃を喰らっている。奴のスピードについていけなくなってきた。

 

『ふん、無様だな。この程度も避けられんとは...』

 

「はぁはぁ、敗北者?」

 

『言ってないが?恐怖で頭がイカれたか、虎杖悠仁。』

 

 クッソ、エースを笑えねえ...

 

 チートすぎるだろマグマグ!

 こんなんどうやって勝つんだよ!!

 

 っていうか...

 

「さっきから、何か勘違いをしていないか?俺は虎杖悠仁ではない。」

 

『ふん、何を今更.....』

 

「俺は呪いの王両面宿儺にして、悠仁の相棒だ。」

 

 あれ、なんかしらけたぞ。

 

 もしかして千葉○、人違いしたのを恥ずかしがってんのか?

 

『貴様、今なんと言った...........?』

 

 なんか、肩を震わせてプルプルしてるぞ。そんなに恥ずかしかったの?人違いしたこと。

 

『貴様が、貴様のような偽物が...両面宿儺?呪いの王だと.....?』

 

「正確には、宿儺じゃない。すっくんだ。」

 

『つまらん嘘も大概にしろぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!』

 

 え、人違いの上に逆ギレ!?

 

 最低だな、千葉繁.....

 いや、ここからは赤犬バギーとでも呼ぶか。

 

 これ以上やってたら流石に怒られそう......

 

『呪いの王たる両面宿儺への侮辱は、呪い全てへの侮辱に他ならん!!!!覚悟しろ、虎杖悠仁ぃぃぃぃ!!!貴様には死すら生ぬるい地獄を見せてやる!!!!』

 

 あれ、なんか赤犬バギーがブチ切れてる!?ってか、ここどこだ!?辺り一面が.....火山の火口みたいになっている....!

 

『領域展開。蓋棺鉄囲山。』

 

 なんだこれ、あっち!!!

 

 常に回復してないと、死んじゃうぞ、この場所!!!

 

 ってかこの感じ、俺が普段過ごしている畳部屋、生得領域ってやつに似てるな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 領域展開。  

 

 術式を付与した生得領域を周囲に構築する技である。

 

 特に漏瑚の領域展開、蓋棺鉄囲山には並の術師なら入った時点で焼き切れる、それほどの殺傷力があった。おまけにここでは、彼の技は全て威力が上昇し必中となる。

 

 この状況下で、宿儺が取れる選択肢は自ずと限られてくる。

 

1、呪術で受ける。

 

2、領域外へ逃げる。

 

 そして.....

 

 

「闇より出でて闇より黒く その穢れを禊ぎ祓え.....伊地知師匠!!!あなたの技を使います!!!」

 

 両面宿儺、師・伊地知潔高から授かった帳の知識をベースに、一か八か。見よう見真似の

 

 

「領域ッ、展開ィィッ!!!!」

 

 

 漏瑚の領域・蓋棺鉄囲山の内部にて、呪いの王・両面宿儺ことすっくん、その領域が展開された。

 

 今の宿儺に術式はない。黒閃の打撃に、呪力の斬撃、反転術式、帳。彼は技の殆どを、単純な呪力操作によってなし得ている。

 

 そのため、今回宿儺の展開する領域にも術式は付与されない。加えて、必中効果も術式バフもない。

 

 否、必要ない。

 

「領域ッ、展開ィィッ!!!!引きこもり部屋!!!」

 

 結界術とは条件の足し引きによって、その性能を調整できるもの。すっくんは領域におけるいくつものメリットをかなぐり捨て、領域そのものの強度を最大限まで上げていた。その内部に、彼は自分1人で引きこもる。

 

 

『簡易領域?いや、違う!これは紛れもない領域展開!?バカめ!!』

 

 

 元来、領域は内側からの攻撃に強く、外側からの攻撃に脆い。宿儺の引きこもり部屋は、その外壁という弱点を蓋棺鉄囲山の前に晒しているのだ。

 

『貴様の領域なんぞ、破壊してくれる!!!』

 

 漏瑚は領域の押し合いを仕掛けた。自身の領域でもって、宿儺の引きこもり部屋を外側から破りにかかる。が.....

 

『なんだ、この領域は.....外壁が、異様に硬い.....!!』

 

 今回宿儺は領域の性質を反転させていた。即ち、内側からの攻撃に脆く外側からの攻撃に強い領域。相手の領域を押さない代わりに絶対に押し負けない、自身の身を守るためだけに作った超防御特化の領域。

 

「俺の引きこもり部屋には、踏み込ません。何人たりともな。」

 

『おのれぇぇ!!虎杖悠仁!!!』

 

 漏瑚が選んだのは領域の出力を上げ、引きこもり部屋を強行突破するという手段。

 

『認めん、認めんぞ!!このワシが、真の人間がぁぁ!!貴様のような偽物ごときに領域の押し合いで勝てないなど!!!!』

 

 退くなどという選択肢は、彼のプライドが許さなかった。呪力総量ならほぼ互角の2人が領域を展開し続ける。

 

 本来なら反転術式を数回使用しており、呪力の消耗が激しいすっくんの方が先に力尽きていただろう。

 

 だが、蓋棺鉄囲山という必中必殺の領域に対し、引きこもり部屋という防御のみの領域。その燃費の差は大きかった。

 

「はあはあ、危ねえ.......」

『まさか、粘り切るとはな.....』

 

 結局2人はほぼ同時に呪力切れを迎え、互いの領域は解除される。

 

 両者共に呪力は殆どゼロ。領域展開後のため、術式もしばらく使用できない。

 

『認めてやろう、虎杖悠仁。お前は強い。だが!!!』

 

 漏瑚は残り少ない呪力を拳に集め、この戦いが始まって以来、初の接近戦を仕掛ける。

 

『今の貴様の呪力量では、反転術式は使えまい!!勝つのはワシだ!!』

 

 漏瑚の読みは正しかった。今のすっくんの呪力では、反転術式を出力することも、自身に使うこともできない。

 

 ならばと。

 

「うおおおおおおお!!」

 

 すっくんもまた、最後の力を振り絞る。なけなしの呪力を拳に集めて放つのは、黒い火花を確定で発生させるあの一撃。

 

「ブラックサンダー・スクナックル!!」

 

 その威力は、漏瑚を一撃で祓うほどのものだった。

 

 

 

 

 

 だがそれは、当たればの話。

 

 すっくんの弱点。それは呪術的知識の圧倒的な不足。

 加えて......

 

 格闘センスの無さ。

 

 元々すっくんは、現代に生きる高校生。殴り合いの技能など備わっているわけがない。

 

 今までの彼は、圧倒的な呪力量による力押しで敵を薙ぎ倒してきたために、そのことを自覚してはいなかった。

 

 そんな弱点は同格同士の殴り合いで、初めて露見する。

 

『甘いわ!ワシには、そんな攻撃擦りもせんぞぉぉ!!』

 

 それまでの戦いですっくんの単純な動きに慣れていた漏瑚は、その最後の一撃を回避する。

 

 呪いの王の拳は空をきった。

  

『たああああ!!!』

「かはっ!!!」

 

 カウンターとして放った漏瑚のアッパーがすっくんの顎を捉え、その意識を揺らす。その隙はすっくんにとって、あまりにも致命的なものだった。

 

「死ねええええええ!!」

 

漏瑚はすっくんの心臓に狙いを定め、渾身の一撃を放つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ならば、ルールを詰めよう。身体の支配権が俺にある時のな。

 

1、俺は人を殺さない。

 

2、お前が[HEY すっくん]といえば、

  身体の支配権をすぐに取り返せる。

 

こんなところでどうだ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 それは、漏瑚の拳がすっくんに届ききる寸前でのこと。

 

『HEY すっくん!!!!!!』

 

 すっくんの相棒・悠仁の声が轟いた。縛りのルールに基づき、彼は身体の支配権を取り戻す。

 

 虎杖は意識の朦朧としていたすっくんに替わり、漏瑚の一撃を回避した。

 

『コヤツ、急に意識が戻った!?それより動きが、呪力が、変わっている...!』

 

 すっくんの呪力は現在空っぽだ。だが虎杖は、戦いが始まってからずっと呪力を温存していた。

 

 おまけに、こと格闘戦に関して。

 

 悠仁のセンスはすっくんのそれをはるかに上回っている。

 

『黒閃っ!!!!』

 

 全ての呪力を込めた悠仁の一撃が漏瑚を沈める。黒い火花もそれを祝福した。

 

 

 

 

 

 

「悪いな、赤犬バギーよ。」

 

 虎杖悠仁の一撃で倒れ伏した漏瑚は薄れゆく意識の中で、自らに打ち勝った1人の男を見上げていた。

 

『そうか。お前は.....本当に両面宿儺.....だったのだな...』

 

 漏瑚の見上げる男の顔に、口が生えて喋り出す。

 

「両面宿儺じゃない。すっくんだ。」

 

『はは.....そうだったな......ワシは死ぬのか......まあ、よい....呪いの王とのサシの勝負で負けたのだ.....悔いはない....』

 

「何を言っている...?貴様に勝ったのは俺じゃない。俺たちだ。そうだろう、悠仁?」

 

『お....おう!!!』

 

「俺1人ならば、結果は逆だった筈だ。サシだと?勘違いするなよ、1対1じゃない...2対1だ。」

 

 虎杖悠仁の顔に生えた口が、晴れやかな笑顔を浮かべる。少なくとも漏瑚にはそう見えた。

 

「誇れ、お前は強い。」

 

 漏瑚の一つ目から、何かがこぼれ落ちる。

 

『なんだこれは。』

 

 呪いの王の偽物は本物とは違い、それが何かをよく知っていた。

 

「それは涙だ。人間がよく流す。」

 

『..........そう.........か.................』

 

 

 その日。

 

 1人の男が穏やかな微笑みを浮かべたまま夏の夜空に溶けて消えた。

 

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