水星の魔法使い   作:shousetu29

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正反対の水星の2人

ヴー、ヴー

生徒手帳のアラームが鳴った。

「朝...か...」

と呟きながら体を起こすと、枕全体が湿っていることに気づく。

「え...どうして...?」

「ケミスト、ようやく起きたか」

アフロヘアーがさらに爆発したオジェロが言った。

「お前、相当うなされてたぜ?」

うなされてた...?

「まあいいや、ほかのみんなは飯食いに行ってるから、一緒に行こうぜ」

うん...

声にならない、小さい声で答えた。

寝室への階段をおりて、みんなが朝食を作っている台所に行った。

「おはよ...」

「ちょっとケミスト、大丈夫?」

目の下に泣いたあとが残っていたので、全員すぐに気づいた。

「ケミスト、ちゃんと寝れたか?」

ケミスト!

おいケミスト!

なぜかは分からないが、ぶわっと涙が溢れてきた。

「ケミストさん!?大丈夫ですか?」

少し慌て気味に、台所に入ってきたスレッタが言った。

「風邪でも引いたんじゃないか?」

奥で冷蔵庫を見ていたエピが考察する。

「体全体が疲れてるから、心が参っちゃったのかもな」

言われてみればそうだ。

体が熱いし、頭も痛い。何より、起きた時には、布団は2段ベッドの上からずり落ちていた。

「風邪、引いちゃったかな」

「きっとそうだ、今日は部屋で安静にしてたほうがいいんじゃないか」

「でも、学校が」

「周りの人に移したら大変だろ?」

「僕が今日は面倒見るよ、副寮長だし」

「ありがと...」

 

部屋に戻ったケミストは、特に食欲もないので持ち込んだ本を読むことにした。

地球差別が始まる前の、科学の本だ。

 

時間はあっという間に過ぎた。

気付いたら寝落ちしていたからだ。

放課時間の30分前に目を覚ましたケミストは、隣の椅子に座り、生徒手帳をいじっているマルタンを見た。

「起きた?」

「うん、おかげでだいぶ良くなったよ」

「水星とは環境が違うだろうし、時差ボケみたいなものかもね」

ケミストは頷き、みんなの帰宅を昼食を取りながら待った。

 

 

「はぁ?」

「で、ですから、ホルダー...?になりました...」

「えぇ...話に追いつけないよォ...」

「ホルダーって、何...?」

「「「「「「「知らないの!?」」」」」」」

え、うん

 

アスティカシアには、決闘で物事を解決するという決まりがあるらしい。

決闘を行う場合、モビルスーツがある場合だれでも参加可能だ。

しかし、ケミストやスレッタのように、パイロット科に所属する人の方が圧倒的に有利らしい。

「で、今のホルダーさんに勝ってホルダーになっちゃったと...」

「はい、しかもホルダーは総裁の娘である、ミオリネさんの花婿になるらしいです...」

 

え?

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