安易にアイ生存ルートであり、元アクアのカミキもいい感じにクズなので
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都内にあるマンション。
脇腹に刺し込まれたナイフは、激痛と共に熱い何かが流れ出す感覚を伝えてくる。にもかかわらず、頭はまるで他人事のように刺されたという事実を受け止めていた。
「あれだけ俺たちに愛してるっていったのに、裏切りやがって!」
いかにもな黒づくめの男が叫んでいる。
よほど憎いのだろう。怨嗟が言霊となって彼の背を押したのだろうか、突き刺されたナイフには躊躇の一切が無かった。しかしその罵声に答えることはできそうになかった。
「こんなやつと子供を!」
「・・・・・・」
声が聞こえる。
男がわめいているが、それよりも見てしまったのだろうか? 隣の家から悲鳴が聞こえてくる。
ああ、申し訳ない。
無関係な隣人たちよ。君達を驚かせ怖がらせるのは本意ではないんだ。
脇腹から広がった赤いシミは、ズボンを経由して床に血だまりを作り出す。ただただ赤く染まっていく世界を眺めながら、漠然とした謝罪の念が浮かぶ。
「・・・・・・」
やがて男は自己弁明らしき言葉を吐き捨てながら走り去っていく。もちろん許してやってほしいなんて言わない。
なにより君の殺意という一点にだけ、その輝きを認めている。
現代日本において、それは稀有なものであり、時計の針を早めるために後腐れなく活用させてもらうには都合がよかったし、よくやってくれた。
だが、もう用済みだ。
「・・・・・・」
声が聞こえる。
気が付けば扉に寄りかかっていた体からは力が抜け、血だまりに倒れこんでしまったのだろう。隣人が意を決して出てきてしまったのか・・・・・・人影が覆いかぶさってくる。そして小さな手で必死に傷口を抑えているが、その愛くるしい手も真っ赤に血濡れてしまった。
ポツリ。 ポツリと頬に何かが落ちてくる。
ああ涙か。
その温かさに気が付いた時、少しだけ目を開けることができた。
小学生ぐらいの女の子が泣きながら必死に傷口をタオルか何かで押さえている。近くには幼稚園児ぐらいの男の子たちがいるのだろうか?
「ああ、こんなクズのために泣いてくれてありがとう」
「・・・・・・」
言葉が聞こえてくるが、すでにこの体には意味を理解するほどの力は残っていなかった。
呼吸が荒くなる。
ナイフは胃に到達していたのだろうか? せりあがってくる吐き気に我慢できず首を横に向けると大きな血の塊が吐き出された。
呼吸をするのが限界で、もう口も動かなくなってきた。
気が付けば甲高い音が聞こえる。隣人の家族が救急車でも呼んだのだろうか。隣人も、何かを言っている。
「ごめ・・・・・・んな・・・・・・」
それがカミキヒカルの最後の言葉であった。
***
「若き俳優を刺傷。怨恨か」
警視庁によりますと、きょう夕方〇時〇〇分ごろ、東京都内マンションの玄関先で、
十代から二十代と思われる男性に俳優のカミキヒカルさん(本名:神木晃)がナイフ
のようなもので刺されたということです。
被害者のカミキヒカルさんは病院に搬送され、一時意識と取り戻しましたがその後
容体が悪化。未明に死亡が確認されました。
男性について近くの公園で血を流し倒れているところを捜査員が発見。
搬送先の病院で死亡が確認されました。現在身元について捜査がすすめられて
いるとのことです。
警視庁は・・・・・・