戦国の時代には珍しく人里から離れたのどかな自然豊かな場所,戦場から離れ運命を乗り越えた1人の少女”うちはナナシ”……否,どこから来たのかもよく分からない謎の少年”うずまきボルト”から伝えられた本当の名前”うちはヒカリ”は1つため息をついた。
「はぁ……」
今からしばらく前,ボルトと名乗る少年によってヒカリは救われ兵器としてではなく人間として生きていた。今まで人として見られてこなかったヒカリにはこの自由が嬉しくて,幸せで……寂しかった。
あの一晩で自分を救い出してくれた忍が,朝を迎えた時に姿を消してしまったからだ。彼がどこから来たのか,そもそも何者なのかもヒカリは知らない。だけど,闇の中の自分を救い出してくれた彼にヒカリは胸が燻るような想いを抱いていた。
「ボルト……会いたい」
自分のことを初めて”友達”と言ってくれた男の子。本当なら……今すぐにでも彼に会いたいけれども彼がどこにいるのか分からなくて……彼が暮れたこの平温を過ごしていた。
「……そろそろ行こう」
過去の事に思いを馳せていたヒカリは,夕暮れを迎える前に今日の夕ご飯の為に食料を手に入れようと思い悶々とする気持ちを抱いたまま住んでいる小屋から外に出た。
ボルトに助けられる前までは自分を兵器と言っていたうちはの奴らがそこらへんのネズミに食わせるようなゴミみたいな食事を牢屋に置いて行った。
それを食べなければ頭を押さえつけられて無理やり食べさせられて生きながらえさせられた。あの時は死んだ方がマシだと思っていた。けれどこうして自由になって自分で食料を集めて作る事はヒカリにとって初めての事で,最近ではこの時間が楽しみになりつつあった。
これもボルトがもたらしてくれたものだ。
「この前あったきのこ,そろそろ取り時かな?」
以前来た時には小さくて取らずに時を待ったきのこの事を思い,その場所へと行くと……きのこではなく何故か亀がいた。
「か……亀?」
いきなり現れた亀にヒカリは戸惑いの声をあげた。というのも山の奥であるこんな場所で亀がいる事なんて今まで知らなかったし,その亀もヒカリは今まで見たことが無かった。
本来なら怪しいと思って近づかないのが吉だが……ヒカリはどうしても気になってしまった。
「な……なんだろう?」
ちゃんとみてみてもやはり知らない亀で……やっぱり離れようかと思った瞬間,亀の甲羅から顔が飛び出てきてヒカリはビクッと身体を震わした。それだけならばともかく,次の瞬間の事はヒカリですら驚愕した
「ふわぁ……よく寝ました」
「しゃ……喋った!?」
喋る動物はいるにはいるが,この山の中にいると思わなかったヒカリは少しだけ臨戦態勢をとる。これが誰かの口寄せの獣なら術者が近くにいるかもしれなかったからだ。
そんなヒカリを亀は不思議そうに見ていたが,彼女が臨戦態勢を取った理由を悟ったのか無機質な声で言った
「わたくしは口寄せの獣ではございません」
「え……違うの?」
「はい。私は現在うずまきボルトさんに言われたように私のやりたい事をする為に様々な時代を──」
亀が続きの言葉を言う事は無かった。何故なら亀の事をヒカリが凄まじい勢いで抱き上げて問い詰めたからだ
「今ボルトって言った?! 言ったよね?!」
「はい,確かに私は言いました」
唐突に聞くことになったその名前にヒカリは興奮が隠せなかった。だから先の事なんて考えず無我夢中に亀に言った
「私を……うずまきボルトの所に連れて行って!!」
ずっと探していた恩人の名を叫ぶと,亀は考えるそぶりも見せることなく返事をした
「承知いたしました」
「——っ!!」
次の瞬間,ヒカリは亀から放たれる光に包まれて……この時代から姿を消した。そうしてヒカリが次に目にしたのは……金髪の少年がスカーフを巻いた大人の忍に捕らえられている所で……金髪の少年もスカーフを巻いている忍も驚いたようにヒカリを見ていたが,ヒカリは金髪の少年が忍に捕まっている所だと思ってしまい
「ボルトっ!!」
「「え……?」」
金髪の少年……うずまきボルトとスカーフを巻いている忍の猿飛木ノ葉丸は揃って呆気にとられた声を出して……木ノ葉丸は次の瞬間に目を見開いた。
ヒカリがいきなり襲ってきた事もそうだが,そのヒカリの瞳が本来ならあり得ない眼をしていたからだ。
(これは……写輪眼だと!?)
写輪眼……今はうちはサスケとその娘であるサラダにしか開眼できる可能性がない筈の眼を……いきなり現れた少女が使ってこちらに突撃してきた。
木ノ葉丸は直感で加減して戦える相手じゃないと察して捕まえたままのボルトを,下でこちらの様子を見ていたかつての班員であるウドンにぶん投げながら言った
「ウドン! ボルトを頼む!!」
「うわぁ!!」
いきなり投げ飛ばされたボルトは宙を舞っていき,下で待機していたウドンも彼を受け止める為に準備をした。そうしてヒカリとの激突に備えようとした木ノ葉丸だったが,直ぐに眼を見開くことになった。
「ボルト!」
なんと彼女は木ノ葉丸ではなく,投げ飛ばされたボルトへ方向転換をして彼の手を掴んでそのまま抱き寄せた
「えっ?! な,なんだってばさ?!」
何が何だか分からない事の連続にボルトは戸惑いの方が大きくなるが……不思議と抱きしめてくれる少女の事を不快に思わなかった。
それどころか何故だか懐かしい気持ちになってしまう。……さて,この2人は現在不安定な体勢で宙を舞っている状態,ヒカリはこのままでは地面に激突する事になるのでボルトを守る事を優先して自分が下になるように彼と位置を入れ替えた。
「それじゃあお前が!」
ボルトもその事に気が付いてヒカリとの位置を入れ替えようとするが,ヒカリの力の方が遥かに強く全く動かなった。
ヒカリにとってはボルトの事の方が大切なので絶対に譲らなかった。
それは彼女も元とは言え忍であることに変わりはない為,この程度では死なないと自分に思っている事もあるというのも一因だった。
「ボルト!」
木ノ葉丸が元居た場所から2人を助けるために動こうとするが間に合わない,他の忍もいきなりのこと過ぎて反応が出来なかった。
そうして2人が地面に激突してしまう寸前……2人と地面の間に当代最強の片割れ,ボルトの父親が2人を纏めてキャッチした。
「っと!」
ドシッと重たい音が響いたが,ボルトの父親……七代目火影のうずまきナルトは2人を完璧にキャッチして見せた。ヒカリは自分に襲い掛かって来るはずの衝撃がない事にようやく気が付いて,自分を後ろからキャッチしてくれた人を見上げると彼は眩しい笑顔でヒカリの事を見ていた。
「……っ」
その自分が抱えている少年に似ている彼の正体を何となく悟ったら,次に自分が助けるために動いた少年の方を急いで確認した。
「ボルト大丈夫?! けがはない?」
「うぅ……,大丈夫だってばさ」
少し衝撃で頭がグラグラしているようだが,意識に問題は何もないようである。その事に安堵したヒカリ,今度はボルトに会えたことの嬉しさが身体を満たして……彼の身体をそのまま力強く抱擁した。
「会えた……やっと会えた……ボルト……ボルト!!」
余りの嬉しさに輝かしい笑顔を浮かべたヒカリは……ボルトの父親の前だというのに彼の名前を何度も呼び抱きしめる。その事にナルトは戸惑い,ボルトも何が何だか分からなくなっていた。
彼にしてみれば……名前も知らない少女が何故か自分の名前を知っていて,何故か自分に会えて喜んでいるというそんな光景だったからだ。
(でも……何だか,懐かしいってばさ)
しかし,彼女から感じる温もりに自分が安堵をしていた事も事実で……ボルトの腕もいつの間にか彼女に回されていたのだった。
お疲れさまです!
この先書くのかはちょっと保留ですが,需要ありそうならまた書こうかなと思います。
因みにヒカリが出てきた場所はBORUTO第一話の電車が顔岩に突撃してボルトが木ノ葉丸に捕まったシーンの所ですね。
では!
話の進み方どーしましょう
-
アニメ1話1話じっくりやって行こうぜ
-
1章ごと2,3話のダイジェスト
-
漫画の章だけやる