ナナシがボルトを助けるだけの話   作:レオ2

5 / 6
おはようございます。それからお久しぶりです。
他の小説を書いていたらすっかり遅くなってしまいました。今回はヒカリの初陣,アニメ第3話の改変でございます。

では!


ヒカリ,初陣

 うちはヒカリにとって,アカデミーでの学校生活は楽しいものである。

 最初こそは監視の意味合いが強かったし今も監視はされているが,別にヒカリが反逆を企てている訳でもないので……寧ろボルトと一緒にいたいだけなのでほぼ監視の意味をなしていなかった。

 初めて出来た同年代の友達,チョウチョウ,スミレ,そして同じ名字を持つサラダとの仲は順風満帆と言っても差し支えない程楽しい関係というのは間違いない。

 

「す,スミレちゃん,ここって──」

「それはね──」

 

 そして勉強というのも,ヒカリにとっては物珍しいものだった。

 幽閉され,兵器としての日々を過ごしていた時は必要最低限の教育……それこそ文字とその発音位しか学ばされずそれ以外は人としての生き方を出来ていなかったヒカリにとってこの世界のアカデミーで学ぶことは沢山あった。

 算術と言われる数字や物理法則を扱った授業だったり,里の成り立ちからなる歴史の授業だったり……ヒカリが知らなかったことを沢山教えてくれるアカデミーという場所は,ヒカリにとっても心地の良い場所になりつつある。

 

「そっか,ありがとう」

「ううん。ヒカリちゃんって凄い飲み込みが速いんだね」

 

 今その勉強で分からなかったところを,隣の席にいるスミレに教えてもらっていた所である。スミレの成績は忍術や運動能力は下から数えた方が速いが,学業に関しては上位にいる程の生徒であり,その物腰の柔らかさからヒカリもよく彼女に勉強を教えてもらっている。

 

「それはスミレちゃんの教え方が上手いからだよ」

 

 そうやって微笑を漏らすと,スミレも嬉しそうに頬をかく

 

「そ,そうかな……ありがとう」

 

 ヒカリは未だに第三者に関しては警戒心が強いが,このクラスに関しては徐々に打ち解け始めていた。理由としては色々あるけれど,一番大きな理由としてはボルトだろう。

 彼がヒカリと平然と話すさまを見て,少なくとも女子メンバーからは既に気に入れられている。

 

 お昼休みに勉強していたら,唐突に教室の扉が開かれそこから担任であるシノが顔をのぞかせた

 

「お前達,次の授業は演習場で手裏剣の授業だ。準備が出来次第来るように」

 

「「はーい」」

 

 生徒達は返事をすると,移動の準備を始める。ヒカリもスミレや帰って来たサラダたちと一緒に演習場へ向かう。その最中ボルトの姿を探したのだが……

 

(あれ……いない)

 

 さっきまでは教室にいたボルトの姿が見えなくなっていたのだ。

 

「ヒカリ行くよ」

「あ,うん」

 

 サラダに呼ばれたヒカリはいなくなったボルトの事が気になりながらも,彼女達と一緒に演習場へ向かった。

 既に演習場にはシノがいて,手裏剣の授業の説明をするが……そこは好奇心旺盛のアカデミーの生徒達,シノのいう事は全く聞かず各々手裏剣を投げ始めてしまった。

 

「手裏剣……」

 

 ヒカリは手裏剣を微妙な顔で見た後,他の生徒達に習って投げてみる。しかし,真っすぐ飛んだ手裏剣は的の端に突き刺さってしまった。

 

「難しいな」

 

 実はヒカリ,戦乱の世から兵器として過ごしていた為忍術のスペック自体は高く,それこそ他のアカデミー生では相手にならないほどの強さを持つ。

 というよりも,今の木ノ葉でヒカリに殺し合いを挑んで勝てる人間は数える程しかいない。しかしヒカリの強さはその写輪眼から放たれる規模のでかい忍術と戦術……つまり,こう言った手裏剣と言った細々とした武器の扱いは結構苦手だったりする。

 昔は手裏剣を投げるよりもその写輪眼で相手を殲滅する事が主だったので尚更だ。

 

「どけどけどけ~!!」

 

 そこでふと,アカデミー側からよく知っている声が聞こえたので思わず見てみると……

 

「え,ボルト?!」

 

 ボルトの手には彼の半分ほどの大きさを誇る手裏剣……風魔手裏剣が握られていて,それを的目掛けて投げたのだ。当然その延長線上にいたシカダイたちは避けるが,メタルという少年は寧ろ手裏剣を蹴り飛ばそうとして……

 

「メタル君!」

 

 クラスメイト達からの心配気な表情からの注目を浴びる事でメタルの悪い癖,緊張が身体を強張らせることになり……

 

「こ……木ノ葉旋風うぅぅ」

 

 どこか情けない声をあげながらメタルの蹴りは手裏剣中心部分の取っ手の所にスポッとハマりメタルはそのまま遠心力によって手裏剣に引っ張られながら的に激突してしまった。

 ……因みに,この手裏剣はイワベエのものであり授業に関係のない物は持ってこないというアカデミーのルールが存在する。つまり……罰則である。

 

 ★

 

 放課後,サラダはヒカリを連れて里を歩いていた。

 

「あの……やっぱり私もボルトの手伝いに行こうかな……」

 

 ボルト達は授業妨害の罰則として,課外でのボランティア活動を行うように言い渡された。面子はボルト,シカダイ,いのじん,イワベエ,メタル,そしてお目付け役としてスミレの6人。

 ボランティア活動の内容としては以前ボルトとデンキが壊したナルトの火影岩の修繕作業である。

 サラダはヒカリに振り返りながらどこかむかむかとした様子で返した。

 

「ヒカリが行く必要はないよ。あんの馬鹿が勝手にやっただけなんだから」

 

 寧ろサラダとしては巻き込まれたスミレが可哀そうでならない。

 辛辣なサラダにヒカリはどこか苦笑しながら火影岩の所を見ると,6つの人影を確認できる。今頃頑張って修繕しているのだろうなぁとヒカリは思いながらサラダについて行く。

 

「そ,それでサラダは私に用事ってなに?」

 

 ヒカリがサラダと共にいる理由,それはサラダがヒカリと話したい事があるという理由で一緒にいるのである。

 

「ここじゃ道の真ん中だし……あ,そこ行こ」

 

 そう言ってサラダが指さしたのは甘味処

 

「え,でも私お金持ってないから……」

 

 そもそもヒカリが元居た時代には”お金”というシステムがそもそもなく,大体は物々交換が主流だった。だからヒカリは自由になった後でも食料を探し,それで生活していた。

 だからこっちの時代に来た時,初めて見る里だけではなくこういった物と引き換える為のシステムが確立されていて驚いたのも記憶に新しい。

 ボルトの母親であるヒナタから幾らかお金をあげようとしていたのだが,ヒカリはその重要性を何となく理解していた為遠慮していた。サラダはヒカリのその反応を不思議そうに見た。

 

「その位私が出すよ。引き止めたのは私なんだし」

 

 そう言って案外強引にサラダはヒカリを連れて甘味処に入って行く。ここは友人である秋道チョウチョウと一緒によく行くところで,里の人達も落ち着ける場所の1つとして,憩いの場として親しまれている場所だ。

 2人が入ると既にサラダとは顔見知りの店員がやってきて,サラダはいつもの団子を,ヒカリはなにがなんだかわからないのでサラダと同じものにして店員さんが持ってきてくれるのを待つ間サラダは話し始めた。

 

「ヒカリに聞きたいのは”うちは一族”のことなんだ」

 

 今この世界で確認できているうちは一族はサラダ,そのサラダの父であるうちはサスケ,そしてヒカリの3人。名字こそ一緒ではあるがこの2人に直接的な血縁はない。

 だけどサラダにとって大人以外で初めて自分の一族について聞けるかもしれない存在,それがヒカリなのだ。

 

「私のパパがうちは一族……みたいなんだけど,ママはパパの事を余り教えてくれなくて」

 

 それに木ノ葉の図書館でもうちは一族についての情報はシークレット扱いとなっていて,簡単にデータベースを参照など出来ない。出来るのはただうちは一族には血継限界と呼ばれる写輪眼があるということくらい。

 サラダが知りたいのは何故……

 

「うちは一族は私とパパ……それからヒカリしかいないのかって」

「……」

 

 正直……ヒカリは自分の事を兵器としてしか見てこなかった戦国時代のうちは一族の事なんて今でも大嫌いだし,ナルトからうちは一族は既に目の前のサラダとサスケを除いて全滅していると聞いた時どこか安心したのはまだ記憶に新しい。

 だけども目の前にサラダにとっては,いきなりその真実を知っているかもしれないヒカリが目の前に現れて聞きたいと思うのは仕方がないのかと思った。

 

「サラダ,ごめん。私もうちは一族の事はそんなに知らないんだ。私の両親も……私が産まれた時に死んじゃったから」

 

 過去ボルトに聞いたヒカリという名前,何故彼がその事を知っていたのかもう定かではない。今この時代にいるボルトはヒカリの知っているボルトではないからだ。

 それにうちは一族の事を知っていないのも本音だったりする。ただ兵器として扱われ,万華鏡写輪眼の能力を移植される苦しみを味わせられただけ。

 ”なぜ”と聞かれても,そんなうちは一族の内情なんて今更ヒカリに推し量ることも出来ない。殺す対象しか教えてもらえなかったのだから。

 

「そう……なんだ」

 

 知りたい事を知れなかったからか,それとも思ったよりも重く感じたヒカリの言葉にサラダは申し訳なさそうに目を伏せる。

 

「でも……少しだけなら」

 

 そんな様子を見たヒカリはそう言ってサラダに顔を上げさせ……彼女にだけ見えるようにその瞳を紅く染め,次第にその瞳孔に模様が現れた。勾玉のような形をした模様が3つ……3つ巴の写輪眼だった。

 もちろん幻術とかかけたしない,本当に見せるだけのものだった

 

「それ……」

 

 サラダが見たのを確認したヒカリは一旦目を閉じると,元の黒眼に戻った。彼女はどこか困ったように微笑んだ。

 

「私がサラダに教えられるのは……多分これくらい」

 

 ヒカリは自分の写輪眼について7代目火影であるナルトに話してある。息子によく似た眩い笑顔と,人のサビついた心を解く陽だまりのような彼の性格はヒカリから見ても安心出来た。

 そんな彼に,自分の写輪眼について教えるのに抵抗はそれほどなかった。昔なら情報漏れ出る云々で秘匿されていただろうが,今そんな必要はなかった。

 

「良いの……? それ私に見せちゃって」

「うん。サラダもきっと……いつかこれで悩むときがくる。その時には私がきっと力になれるから……その,”友達”だから」

 

 恥ずかしいのか頬を紅くし,俯いてしまったけれどサラダは胸が嬉しさでざわついたのを感じた。

 

「ありがとう……ヒカリ」

「うん!」

 

「お待たせしました~」

 

 2人が話していると,店員さんが団子を持ってきた事で2人はその後楽しくミニ女子会をしていましたとさ

 

 

 ★

 

 

 翌日,ヒカリはボルトと途中で合流したシカダイといのじんと一緒にアカデミーに登校していた。なにやらシカダイの様子が可笑しいように見えたが,ヒカリにとってボルト>シカダイなのでそれほど気にせず登校していた所……背後から感じる異様な雰囲気にサッと背後を見た。

 

「メタル……?」

 

 そこにいたのは昨日色んな意味で失態を起こしたメタルだった。彼はどこか今にも消えゆく炎のように,少し身体が可笑しいようにヒカリには感じた。

 シカダイもメタルに気が付くと,彼に近寄る。

 

「……?」

「ボルト? ……ッ?」

 

 その時,隣で不審な様子を見せていたボルトが気になったヒカリが彼を見ると……驚愕で眼を大きく見開いた。

 

(これ……なに?)

 

 ボルトの右眼が,普段の蒼ではなく白目のように変色していたのである。ヒカリも知らない謎の瞳……だがボルトが瞬きをすると消えていた。そんな事を思っている間にメタルは何故か校舎裏に飛んでいて,シカダイもそれを追って飛んだ。

 

「いのじん,ヒカリ,俺達も行こうぜ」

「うん!」

 

 3人が飛び上がった先には……何故か回避行動を取っているシカダイと,メタルの蹴りによって抉られたであろうアカデミーの壁があった。3人はシカダイを庇うように着地した。

 

「君達も邪魔をするのなら容赦はしませんよ」

 

 敵意をビンビンに感じさせる台詞に,何故こうなっているのか一同は分かったものではない。ヒカリなんてもってのほかだ。

 

「やっぱり……」

「ボルト,何か見えるの?」

「え……お前らあれが見えないのか?」

 

 その言葉に,ヒカリはボルトにだけ見える何かがあるのだと感じ取った。しかし,それを問いかける前にメタルが投げた手裏剣が4人に襲い掛かって来る。

 それを跳躍する事で躱すが,まるで分かっていたかのようにノールックでメタルは空に手裏剣を放つ。シカダイとボルトはそれをクナイを咄嗟に出してぶつける事で相殺した。

 

(メタル,緊張していなかったらこんな事出来るんだ)

 

 そんな謎の分析をしながら4人は着地し,普段アカデミーでは見る事が出来なかったメタルの真の力に少しばかり戦慄していた。

 

「おいシカダイ,こいつ強いってばさ! なんか作戦ないのかよ」

「待て,作戦なら今考えた。取り合えず……逃げろ!」

「「ええっ?!」」

 

 戸惑った声を出しながらも,ボルトといのじんは脱兎のごとく駆け出して……残ったのは凄い敵意ありまくりなメタルと思いっきり戦うつもりでいたヒカリで……

 

「……えっ?! ボルト待って!!」

 

 置いていかれたことに数秒後に気が付いたヒカリは彼らを追うように逃げ,メタルも4人の跡を追っていく。広大な校舎を持つアカデミーでの逃走中は,凄まじいスピードで行われていたが,元々心身を鍛えて来たメタルにとって4人に追いつくのは容易な事……4人はすぐさま昨日の演習場にまでやってきて隠れた。

 

「やっぱ逃げるだけじゃ埒があかねえな」

「お前が逃げろって言ったんだろ?!」

「今度こそ作戦を考えた。反撃返しだ」

 

 その言葉と共に,演習場に現れたメタルにボルト,シカダイの3人が迎え撃った。ヒカリの実力が分からない以上,彼女はサブとして待機してもらいいざとなった時に出てもらうようにし,知己の仲である3人がまず前線に出る事になったのだ。

 ヒカリは草陰から彼らの様子を見守る。

 

(……コンビネーション,凄い)

 

 3人はボルトの影分身を用いた陽動作戦を行っていた。ボルトがメタルをかく乱し,その間にシカダイの秘術,影縛りでメタルを拘束する作戦。

 流石にメタルは強かったけれど,3人の連携の方が確実にメタルを上回り……シカダイに変化したボルトと,いのじんの影に似せた蛇でメタルを拘束する事に成功した。

 ……しかし,騙されたことを知ったメタルのチャクラが荒々しく波立っていく

 

「僕を騙すなんて……許しませんッ!!」

「……ッ!?」

 

 それに伴ってメタルの力が上昇し,凄まじい怪力で影を打ち破らんとする。

 シカダイは踏ん張るが,未熟である影縛りでは直ぐに限界が来ることを悟ったシカダイはボルトに叫んだ

 

「ボルト! メタルを気絶させろ!!」

「気絶ってどうやって?!」

「殴るでも何でもいいから早やくやれ!!」

 

 メタルの力が影縛りを上回りいよいよ解けてしまいそうになり,ボルトが殴る事を決意した時……

 

「ウアアアアッ!!」

 

 想像絶する咆哮を叫びながら,メタルは影縛りを打ち破り,凄まじい殺気を放ちながら殴りかかろうとしているボルトを見た。その明らかに様子が可笑しいメタルに背筋が凍るものを感じたシカダイは咄嗟に叫んだ

 

「ボルト逃げろ!!」

 

 そう叫んだ瞬間,メタルが一瞬消えたかと思うスピードでボルトの眼前に踏み込んだ。

 

(はやッ?!)

 

 逃げるべきなのは分かっているが,その前に常人には計り知れないスピードを出したメタルに対して一瞬反応が遅れたボルトに対してメタルの剛拳が骨を砕かんとボルトの心臓目掛け……

 

「ボルト!!」

 

 ていた拳を,横からヒカリがボルト事倒れる事で躱す事に成功して2人して地面へ倒れる。

 

「ボルト,大丈夫?」

「いたた,助かったってばさヒカリ」

 

 絶体絶命に陥った所を間一髪のところで助けたヒカリはホッとしたようにボルトを見てから……戦場に出ていた時のような剣呑な雰囲気でメタルに振り返った。

 

「あなたも邪魔するというのですね。編入生だろうと邪魔はしませんよ?」

 

 そう言って先程のボルトも反応出来なかったほどのスピードでヒカリに接近したメタル。

 

「ヒカリ逃げ……!」

 

 逃げろ,そういう前に彼女はボルトへ少し顔を向け口だけを動かした

 

 ──大丈夫

 

 そう言って……瞬間,彼女の両眼が写輪眼に変わりメタルの第一撃を難なく躱し彼の身体に手を付け自分のチャクラを流してみる。

 

「——ッ!!」

 

 しかしメタルは強引にその腕を振りぬき,自分からヒカリに付けられた手を振りほどく。ヒカリはそのままバックステップで躱しつつ,メタルとボルトを引きはがす。メタルはそんなヒカリの思惑通りに彼女を追いかける。

 

(幻術じゃない……他の何かがメタルに取り憑いてる?)

 

 先ずは幻術にかけられているのかを知る為に,幻術を解除するようにしてみたが何も反応が無かったことと,ボルトが言った「見えている」という言葉からメタルに何かが取り憑いていると考えた方が妥当だと考えた。

 

(それに,メタルの身体がチャクラに反してやせ細ってるように見える。……早く決着をつけないと不味い)

 

 直感的に悟り,ヒカリは一気に決着をつけるべく凄まじいスピードで……それも今のメタルかそれ以上のスピードで接近した。

 

「その程度!」

「ヒカリ!!」

 

 心配気な3人の表情が見えたが,ヒカリにとって嬉しいのはボルトが心配してくれているという事。別に本来ならヒカリにメタルを助ける義理はない。

 サラダやスミレたちと違ってメタルは別にクラスメイトというだけだ。だから危なくなろうが,ボルトよりも優先する理由にはならない。それでもこうして戦っているのはボルトを守る為というのと……

 

(あなたは優しいから……きっと後で後悔する)

 

 このメタルの暴走の原因をきっとボルトは知っている。そんなボルトがメタルに何かあったと思った時,きっとボルトは後悔する。そう考えたのならメタルを穏便に倒す事がこの場を収めるのに1番いい方法だ。

 2人の距離が縮んだ瞬間……ヒカリはメタルの眼を見合わせた。

 

「——ッ?!」

 

 瞬間,凄まじいスピードで迫っていたメタルの動きが驚くほどピタリと止まったのだ。

 

「なにが……起きたんだ」

 

 何故かいきなり止まったメタルに,外野の3人は唖然としながら呟いた。

 

「あ……」

 

 そしてボルトにはメタルに取り憑いていた影が,メタルから露散するのを感じた。

 

「ふぅ……終わったよ,ボルト」

 

 既に写輪眼を黒目に戻したヒカリが,どこか清々しい笑顔でボルトに向いた。

 

「ヒカリ,メタルに何した……って」

 

 そこまで言ってからヒカリが何をしていたのか悟った。

 

「うん。幻術だよ。メタルに幻術をかけた」

 

 写輪眼にはいくつかの能力が存在するが,その中でも強力な幻術を使える事でも有名である。メタルを強引じゃない方法で落ち着かせるには,幻術をかけるのが手っ取り早いとヒカリは考えたのだ。

 

「ん……うう」

 

 ボルト達がヒカリの周囲に集まってきた所,幻術にかけられていたメタルが眼を開けた。ボルト達は内心まだ暴走していたらどうしようとか思いながらも観察していると……

 

「あれ,みなさんどうしたんですかこんな所で」

「どうしたって……ヒカリ,記憶消したのか?」

 

 少し警戒心強めにシカダイが問いかけると彼女は困惑したように首を振る。

 

「ううん,私はただ彼が落ち着かせる幻術をかけただけ。だから直ぐに彼も目覚めたでしょ?」

 

 私を疑うのは論外だとでも言いたげに見返す。一応の納得をしたシカダイは難しい顔をし始めたのだった。

 

 その後,メタルが教室に向かって行ってしまったのでシカダイといのじんはその後を走って追いかけて行ってしまった。それを見送ったボルトとヒカリは授業まで時間が少ないと分かっているが,そのまま隣に並んで歩き出した。

 

「ヒカリ,さっきはありがとな」

「ううん,ボルトが無事でよかった」

 

 さらっとそんなセリフを言うヒカリにボルトは少し照れてしまったが,直ぐにその顔を暗くして己の顔を右手で覆った。

 

「……ボルト,さっき見えたって言っていたの,なに?」

「実は……」

 

 そう言ってボルトは,入学式の日から見えるようになった謎の黒い影の事をヒカリに話したのだった




お疲れさまでした!

友達NEW!→サラダ

同じ一族としてゲームでももし最初に会ったのがサラダだったら割と仲良く出来たと思う筆者の個人的な感想で友達になりました。
という訳で,サラダが本気で火影を目指すとなった時にサスケ以外でカカシ以外で唯一写輪眼について教えられるのがヒカリだけということでこの2人はその内師弟関係になります。なんならヒカリ,人工的とはいえ月読と天照持ってるのでね。

そしてメタル,アニメじゃ自爆の強い衝撃で元に戻りましたが本作では少し弄りましてヒカリによって落ち着けさせられる事で収束しました。
因みにヒカリは多分同期で一番強いです(ミツキ仙人で勝てるか?)

という訳で,今回は以上です!!
ではでは

話の進み方どーしましょう

  • アニメ1話1話じっくりやって行こうぜ
  • 1章ごと2,3話のダイジェスト
  • 漫画の章だけやる
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。