〈R〉【祝・追放100回記念】自分を追放した奴らのスキルを全部使えるようになりました! ~失われたギフト~   作:高見南純平

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第21話

 名前  ララク・ストリーン

 種族  人間

 レベル 52

 

 アクションスキル 一覧

【ヒーリング(Ⅰ)】【エアスラッシュ(Ⅶ)】【フィジカルアップ(Ⅸ)】【スピードアップ(Ⅶ)】【スラッシュムーブ(Ⅱ)】【クイックカウンター(Ⅱ)】【挑発(Ⅴ)】【ディフェンスアップ(Ⅶ)】【カウンターブレイク(Ⅳ)】【ギガクエイク(Ⅳ)】【シールドアタック(Ⅳ)】【ウェイトアップ(Ⅳ)】【サーチング(Ⅵ)】【ウィンドブレイク(Ⅴ)】【スピントルネード(Ⅳ)】【空中浮遊(Ⅳ)】【嗅覚強化(Ⅱ)】【ウィンドカッター(Ⅵ)】【ウィンドスラッシュ(Ⅸ)】……NEXT

 

 パッシブスキル 一覧

【追放エナジー】【剣適性(Ⅹ)】【盾適性(Ⅸ)】【魔力上昇(Ⅹ)】【身体能力上昇(Ⅹ)】【防御力上昇(Ⅹ)】【俊敏性上昇(Ⅹ)】【体力上昇(Ⅶ)】……NEXT

 

 

「……な、なんだよ、っこれっ!」

 

 必死に声を抑えるも、我慢できずに声が漏れてしまうハライノス。

 

「ほう、これは予想以上でいいね」

 

 規格外のスキル画面を持つその少年に俄然興味が湧いてくるマベラ。

 

「ほ、本当に人間……??」

 

 画面の内容を飲み込めず、少年の存在そのものを疑いだすシットニン。

 

 優れた能力を持つ冒険者をスカウトする、という彼ら「ニールダウン」にとっては、これ以上ない人材である。

 だが、かなり規格外ではあるが。

 

「レベル50で持ってていいスキルの数じゃねえよ。しかもスキル構成めちゃくちゃだし」

 

 ハライノスの言った構成というのは、所持しているスキルの傾向のことである。基本的には、似たような効果を持つスキルで統一されることがほとんどである。シットニンであれば闇系統、マベラであれば斬撃系統、などである。

 それが少年ララクの場合は、様々な系統のスキルを所持しているので、めちゃくちゃなのである。しかも、NEXTという文字に触れれば、2ページ目に切り替わり、まだまだスキルが出てくる仕様だ。

 

「きっと、これじゃない?」

 

 スキル画面が大きいので、マベラはそこまで近づかなくともスキルを見ることが出来た。そこで彼女が引っ掛かったのが、パッシブスキルの一番最初に記されているものだった。

 

「なんだ? これ」

 

 魔人ハライノスは、マベラが指をさしたそのスキルをタッチする。すると、詳細画面が小窓のような形で新たに現れる。

 

【追放エナジー】詳細

 

 獲得条件……パーティー契約を100回解除される。故意に自分から解除されにいった場合はノーカウント(通算100回)。

 

 効果……パーティー契約を解除してきた相手、並びにそのパーティーメンバーのスキルを獲得できる。

 同じスキルがある場合、その数だけ効果が上昇する。

 

 

「追放、100回? なーに書いてんのかよく分かんねぇな」

 

 魔人ハライノスがすぐに理解できないのも無理はなかった。そもそも彼は少年ララクが、追放を繰り返された事を知らない。元の仲間ですら、超常的過ぎる効果についていけないのに、何も知らないハライノスたちが理解に苦しむのは当然なのだ。

 

「うーん、色々書いてはいるけど、要するに色んな冒険者たちのスキルを持っている、ってことだろ? 

 それなら、スキル画面の異様さも納得は出来る」

 

 女戦士マベラは何とか、目の前の内容を飲み込んで要約した。彼女もまだ、その性能を100%理解できたわけではない。

 

「そんなパッシブスキルがあるなんて……。希少スキル、というか幻のスキル、ってところかな」

 

 闇使いシットニンは、未知のスキルに驚愕していた。

 

「ん? てことは、これを使えなくすれば、一気に弱体化すんじゃねぇのか?」

 

 ハライノスは【追放エナジー】の破格の効果に戸惑いつつも、すぐに自分の【ディスキル】がより有効的なのではないかと考え始めた。

 彼の【ディスキル】は、発動型のアクションスキルと常時型のパッシブスキル、どちらも使用不可にすることが可能なのだ。

 

「やってみるしかないね」

 

 女戦士マベラはその場で軽く準備運動をする。長双剣を扱うので、両腕を入念に伸ばし始める。

 彼女は交渉が上手くいってもいかなくてもどちらでもいいのだろう。この時点で、交渉が決裂して戦闘になった時のことを想定している。

 

「行動あるのみか。うっし、【ディスキル】っ!」

 

 金髪の少年ララクに狙いを定めて、魔人ハライノスはデバフスキルを発動する。

 

 すると、ハライノスにとって初めての事態が訪れた。

 

 通常はスキルを発動すると、体内の魔力が体外に放出されて何らかの効果を発動する。しかし、今回はハライノスの魔力が、彼の周りでバチバチと音を鳴らしながら停滞している。そしてそれはすぐに、ハライノスのもとへと帰っていく。

 

「なんだ、これ??」

 

 魔人ハライノスは即座に分析することは出来なかった。が、似たような経験は何度かしたことがあるのを思い出す。

 

「効果が通じなかったの?」

 

 マベラが不思議そうにしている。そしてそれ自体も楽しんでいるような楽観的な顔をしている。

 

「……いや、魔力切れに近い。けど、まだ今日は【ディスキル】を数回しか使ってねぇ。

 てことはつまり、この【追放エナジー】っつうスキルが、今の俺の魔力量じゃ封印できないってことか……」

 

 魔人ハライノスは、効果が発動したのにもかかわらず封印できなかったのではなく、そもそもスキルを発動できなかったのではないか、という結論に至った。

 

「……とてつもない力には、それ相応のリスクや経緯、そして魔力が必要。基礎的な問題だったわけだ」

 

 闇使いシットニンは、※何か考えて※している。彼は、武器を使わず魔力のみで発動するいわゆる魔法系統のスキルを扱う。そのため、戦士よりも魔力消費が激しい。先程、雷心デュペル率いるチームAを足止めするために、大量の闇スキルを発動した。まだまだ魔力の余裕はあるが、何も考えず無限に出せるわけではないのだ。

 

「っち、んじゃあちまちまと……!?」

 

 魔人ハライノスが作戦を変更しようとした時だった。標的である少年ララクを上から眺めていると、急に彼の首が方向を変えて、顔の正面がこちらを向いてきたのだ。

 

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