〈R〉【祝・追放100回記念】自分を追放した奴らのスキルを全部使えるようになりました! ~失われたギフト~   作:高見南純平

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第8話

「待たせたぜ! 俺たちが元気いっぱい光焔万丈だぁっ!」

 

 大声をあげながらギルドに入ってきたのは、真っ赤な髪をした元気溌剌の青年だった。腰に手をあて、どこかを指さしながらポージングしている。

 

「っお、お前たちが一緒にクエストする奴らだな! 

 ならば自己紹介だっ! 

 俺がリーダーのゲッキ! 見た通り、激熱の男だぜっ!」

 

 力強いガッツポーズをとるのは、炎使いのゲッキだった。彼は人間ではない。魔力に優れた魔人である。赤髪から2つの角が左右から生えている。これが魔人の特徴である。

 

 彼が他の者たちの言葉を聞かずにすぐに喋り始めた後、続いて他パーティーメンバーも自己紹介を始めた。

 彼ら光焔万丈は、三人構成のパーティーメンバーである。

 

「わらはその幼馴染、水虎使いのシヲヌ。よろしく、ガオーーーー」

 

 水虎使いのシヲヌは、ゲッキと同い年ぐらいの若い女性魔人だった。濃い青髪と、かなり細身な体をしており、少し垂れたじっとりとした目をしているので、見た目からは大人しそうな印象を受ける。

 が、その話し方から、彼女も炎使いゲッキと同様、アグレッシブな人だということが分かる。

 

 彼女もポージングをとっており、右手を上、左手を下にて、全ての指の関節を軽く曲げている。これは、トラの口と牙を表現しているのである。初対面でこれをやるので、もちろん他のメンバーは、引いた目で見ていた。

 水虎使いのシヲヌはこれを真顔でやるので、余計どういったリアクションをとるのが正解なのか分からなくなる。

 

「最後が私~、リマンロって言いますぅ~。得意なことは~、蹴り、逃走、家事、勉強、貯金……っと、あと色々で~す。

 雑用ならお任せを~」

 

 笑顔で両手を振りながらそう言ったのは、黄色い髪をした狸人の女性だった。丸い獣耳がかわいらしい。年齢は20代半ばで、仲間のゲッキ、シヲヌよりは年上に見えた。

 

 土蹴りのリマンロの紹介が終わると、僅かだが沈黙が流れた。

 光焔万丈のペースに飲まれて、風心雷心とハンドレッドは、言葉をつっかえていた。

 

 だが、その中でも1人だけ、新しくやってきた光焔万丈の独特なノリに耐性があるものがいた。

 彼は一歩前に出て、再開の挨拶をしはじめる。

 

「相変わらず弾けていますね、皆さんは。覚えていますかね? 半年ほど前に加入していたララクです」

 

 そう、ララクは以前、冒険者パーティー「光焔万丈」の一員だったのである。だが、風心雷心同様、力不足が理由で追放宣言を受けている。

 

「ん? っあ、ララクじゃん! 元気? いや、元気だからここにいんのか」

 

 炎使いゲッキはすぐにララクの事を思い出した。これは、光焔万丈に入った他の冒険者がララクしかいなかったからである。決してゲッキの記憶力がいいからというわけではない。

 

 ゲッキはララクに気がつくと、ズカヅカと歩いて彼に近づく。

 そして背の低いララクの頬を両手でわしづかみにする。

 

「お前のほっぺは、相変わらず可愛いなっ!」

 

 パンの生地をこねるかのように、ララクの丸みのある頬を揉み始める。

 これは、過去にララクが加入していた時に、よく行われていた光景である。

 ララクとゲッキの年齢差は、少しだけゲッキが上なだけである。しかし、身長差が20㎝以上ある事、ララクが童顔な事、などが理由で、ゲッキは彼の事を完全に子ども扱いしている。

 

「げ、ゲッギじゃんも、あいがわらじゅ、ですね」

 

 両頬をこねくり回されているので、ララクは上手く喋ることが出来なかった。

 ララクは大人しくやられっぱなしだが、嫌がっていないわけではなかった。けれど、以前はパーティーにいさせてもらっている、という感覚だったので、出来るだけ仲間の言うことは聞くようにしていたのである。その癖が今も抜けないのだ。

 

「ちょっと、あんた、一応私のリーダーなんだから、あんま雑に扱わないで貰える?」

 

 一連のやり取りに介入したのは、ララクの新しい仲間ゼマだった。

 

 

「リーダー?? ララクが、あなたの?? 

 おー、そっかそっか。

 ララク、出世したな!」

 

 かつての仲間の近況を知れてさらに嬉しそうにするゲッキ。ゼマに注意されたので、ゲッキはララクから手を離し一歩下がった。

 

 すると、今度はゼマがララクの方を見つめだした。

 そして、彼女もララクの頬を片手で摘まんだ。

 

「確かに、触り心地最高」

 

「っと、とれちゃいます」

 

 かなり強く引っ張られたので、慌てるララク。痛みはパッシブスキルの【防御力上昇】やレベルアップによる身体能力向上により、ほとんど感じてはいなかった。

 

 ゼマは「っあ、つい」と言ってすぐに手を離した。

 

 ゲッキ率いる光焔万丈の勢いが一時中断されると、ようやく風心雷心が喋れる状況となった。

 リーダーである女性戦士クインクウィが、ゲッキたちに話しかける。

 

「私たちが合同クエストに参加するパーティー風心雷心だ。

 リーダーのクインクウィだ。よろしく」

 

 クインクウィは代表してゲッキの方へと手を伸ばす。

 

「おぉ、よろしく! 

 一緒にカエル、掃除しちゃおうな!」

 

 ゲッキは人見知りという概念がなく、もうクインクウィと仲良くなった、という認識を持っていた。なので、彼女の手を掴むと、上下に激しく振り始めた。

 

 合同クエスト「カエル掃討作戦」に参加するパーティーが2つ揃ったわけだが、ここでララクが提案をしはじめた。

 

「あの、もしよかったら、ボクたちも参加してもいいですか??」

 

 ララクが質問を終えたとたん、周囲の者たちが同じタイミングで彼の方を向いた。

 

 

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