ポケットモンスター 遥かなるチャンピオンロード   作:メンマ46号

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明けましておめでとうございます。今年も色々頑張ります。

ハブネークのくだりはカットです。カットした話では大体ロケット団の名乗りとピカ様捕縛はいつものように主人公に邪魔されたと思って下さい。


最強目指すなら厨ポケは欲しい

 sideミテキ

 

 俺とサトシがそれぞれキモリをゲットした後、アチャモがハブネークに襲われてサトシのキモリが助けに入るもぶっ飛ばされて大怪我するという事件があった。

 ハブネーク自体はガブリアスが瞬殺して空に輝くお星様にしたのだが、ポイズンテールを受けたキモリはポケモンセンターに入院することになってしまった。

 サトシのキモリはハブネークへのリベンジの為にポケモンセンターを抜け出して滝から飛び降りて、はたくを鍛えるという理屈は分かるがあんまし効率良くない特訓の末、いつの間にかロケット団のポケモンになってたハブネークへのリベンジを果たした。あのハブネークがアニメで観たムサシのハブネークだったんだな。そういえばコジロウもサボネアを手持ちに加えてたな。

 

 それはそうとポケモン図鑑で確認した所、俺のキモリは順当にこのはやメガドレインを覚えていたのだが、サトシのキモリはくさタイプの技を一つも覚えていない事が発覚した。カナズミジムはいわタイプのジムなのに大丈夫かそれ。

 同じレベル技でも後から習得するみきり覚えてる癖になんで基本のくさ技使えないんだよと思いつつ、サトシはキモリにくさ技の特訓をさせる事にした。俺はキモリをマリルリに追い付かせる為のレベリングだ。丁度良い特訓相手としてイーブイ兄妹がいるしな。

 

 そんな感じで俺達はカナズミシティへの道の途中にある街、リンシンタウンまで辿り着いた。

 丘の上から街を見下ろしてその空気を目一杯吸ったハルカは良い笑顔でその空気を堪能する。

 

「はぁ〜良い匂い」

 

「匂い?なんか食べ物の匂いでもすんの?」

 

「違うわよ!都会の匂いがするって言ってるの!」

 

「そうだな。ここんとこずっと森ばっかり旅してたからな」

 

「その割に捕まえられたくさポケモンはキモリだけかぁ。どっかにキノココとかいねぇかな」

 

 ゲームじゃ103番道路とトウカの森を抜けて割と早い段階でカナズミシティに辿り着けるけど、リアルに考えればそんなすぐ辿り着ける訳もない。トウカの森ならキノココくらいいそうだけど、そのトウカの森では食べ物を求めていたスバメの群れのせいで他のポケモン達が身を隠してしまっていたらしいし、今んとこホウエンに来てゲットしたポケモンがマリルリとキモリだけなのはなんだかなぁ……。

 

 街中に入り、周囲の店を物色しながら俺達はこの街で何をするかを話し合う。カナズミシティに行くまでの補給もあるしな。

 

「やっぱり都会育ちの私としては、偶にこういう空気を吸わないと駄目なのよねぇ。さーてと、何から始めようかな〜?ウィンドウショッピングして、レストラン行って、それから〜」

 

「俺、久しぶりにハンバーガー食べたいなぁ!」

 

「ピカピカー!」

 

「薬とか、食料とかも仕入れておかないとな」

 

「あ!それ俺も付き合うよタケシ」

 

 物資の補給なんかはシンオウで一人旅をしていた経験からある程度の知識はあるが、やはり完全なものではないので是非タケシから色々と学びたい。

 タケシと俺はタウンマップを取り出してこの街の薬局などの場所を調べる事にする。店なんかの情報はポケナビよりこっちの方が詳しく記されているからな。

 

「わぁ!二人共良いもの持ってるのね!早く行きましょ!」

 

「僕はポケモン探したい!街には街のポケモンがいるからね!」

 

「マサト、その前にちょっと腹拵えしないか?」

 

「しょうがないな。ま、付き合ってやるよ」

 

 補給の為の買い物組として俺とタケシ、タウンマップでの情報目当てのハルカ。街の散策組としてサトシとマサトという流れになる。サトシはこのままではマサトのポケモン探しに付き合わされる事が分かったのか、先に腹拵えを提案している。

 

「じゃあタケシ、ミテキ。ここからは自由行動にしようぜ」

 

「ああ。待ち合わせはポケモンセンターで良いか」

 

『OK!』

 

 サトシとマサトと別れて俺とハルカとタケシで買い出しを始める。まずはポケモン達の為の傷薬の類だな。……と思っていたのだが、ハルカがまずは服を見たいと言い張って近くの洋服店を見て回る事になった。

 

「わぁ〜!この洋服見て!可愛い!」

 

「ああ、そうだね……」

 

「確かにハルカに似合いそうだけどさ……」

 

「ねぇねぇ、あのブローチなんか素敵じゃない?」

 

「うんまぁ、これもハルカに似合うとは思うんですが……」

 

「まず食糧品とか薬とかを買いに行ったりしたいと思うんですけど……」

 

「次はどのお店を見に行こうかな〜」

 

 俺とタケシの控えめな主張は鼻歌混じりに聞き流されてしまう。うぅむ……買い物の優先順位は俺もタケシに全面的に同意なんだけど、ハルカはそんなの気にしない。こりゃあしばらく振り回されるかな。

 

 その予想は見事に当たり、ハルカが飽きるまで洋服屋やアクセサリーを見て回る事になり、それからようやく補給品の買い出しを始められた。

 

「……なんかドッと疲れた」

 

「でもこれだけあれば当分はなんとかなるかな」

 

「だな。しっかしタケシは買い物上手でもあるんだな。これだけの量をあんなに安く買えるなんて」

 

「これでも家族の面倒を見る為に節約なんかも頑張ってたからな」

 

 複数の店を見て周り、一番安く買える店を割り出したり、纏めて買う事で割引して貰えたりと上手くお金を節約して見せたタケシの買い物の上手さには脱帽である。俺もなるべく節約は心掛けているが、タケシのそれは頭一つ抜けてる。

 買い物に同行はしても、俺達が何を購入していたかはあまり把握していなかったハルカは首を傾げて買い物袋を覗き込んで来る。

 

「二人共、そんなにいっぱい何を買ったの?」

 

「非常食糧にポケモンフーズ用の材料。それに傷薬とかだよ。旅の途中、何があっても大丈夫なようにね」

 

 この世界はゲームと違って人間である俺達の為の用品だって必要だからな。必要とする物やお金もゲームとは段違いである。

 その辺のやりくりを覚えるまでシンオウでの旅も苦労したもんだ。そこを考えれば序盤からタケシが同行してくれているサトシやハルカが如何に恵まれているかが分かる。

 

「へぇー。タケシもミテキも本当に頼りになるかも!」

 

「旅の事ならどーんと任しとけ!」

 

「そうだタケシ、ポケモンフーズの作り方も教えてくれよ。ゴウカザル達にはこれまで市販品しか食べさせてやれなかったからさ」

 

「勿論!俺もゴウカザル達の好みは知っておきたいしな」

 

 マジでタケシは頼りになるし、色々と学べる。トップクラスのポケモントレーナーを目指すからにはタケシから多くの事を学べば確実にプラスになる。サトシもタケシに任せっきりにするんじゃなくて、色々と教われば良いのにな。ポケモンの育成方法なんかに関してもポケモンブリーダーの上、元ジムリーダーなんだから効率良い育て方も聞けるぞ。特にいわタイプ。

 今度ラムパルド見せてやったら喜ぶかな。

 

「呪われてる?」

 

「貴方知らないの?最近街中の噂よ?」

 

 商店街を歩いてポケモンセンターに向かっていたら、そんな話し声が聞こえて好奇心旺盛なハルカはすぐ様食い付いた。

 

「あの!呪われてるってなんの事ですか?」

 

「お、おいハルカ!」

 

 勝手に会話に割り込むハルカを止めようとするタケシだが、話していた人達は特段気にする事もなく、親切にその噂について教えてくれる。

 

「それが、この先に緑の館っていう古い屋敷があってね、今、敷地の森ごと屋敷を壊す作業をしているんだけど、そこが呪われてるっていうのよ。誰も住んでいないはずなのに中で何かが動く気配がしたり、廊下につい最近できたらしい足跡があったり!あと屋敷に入った作業員達が突然苦しみ出して寝込んだって話もあるわ」

 

「イヤァァァァーー!!」

 

 話を聞いて何故か、奇声を上げるタケシ。もしかしてオカルト苦手か?

 

「だからあの屋敷には近寄らない方が良いわよ」

 

「なるほどなるほど〜。呪いの屋敷かぁ」

 

「お?ハルカ興味津々?」

 

「うん!面白そうじゃない!」

 

 教えてくれた人の忠告もなんのその。ハルカは目をキラキラさせてその噂に興味を示す。顔を青くするタケシとは対照的に実は俺もその話に興味が湧いてきた。

 

「ゴーストタイプのポケモンがいるのかもな」

 

 この世界、その手のホラー話は大概ゴーストタイプのポケモンが関わっているのだ。むしろ何故真っ先にそれを疑わないのかと言いたい程に。

 ホウエンでゴーストタイプといえばカゲボウズとかヨマワルとかか。ヨマワルだったらゲットしたいかな。丁度れいかいのぬのを持ってるから、ヨノワールまで進化させられるし。

 

「よーし、じゃあその屋敷に行ってみるか!」

 

「さんせーい!面白くなってきたかも!」

 

「ちょ……えええぇぇぇっ!?」

 

 トントン拍子に緑の屋敷に行く事が決定し、タケシは絶叫。どうやらマジでオカルトは苦手らしい。ポケモンの仕業だって考えれば別に怖くも何ともないというのに。別にタケシはゴーストタイプのポケモンが苦手なんて事もないだろう。

 

「ちょっと待てって!ミテキもハルカも!不味いって!」

 

「つべこべ言ってないで早く早く!」

 

「そうそう!きっとゴーストタイプのポケモンがいるんだって!」

 

 ポケモンセンターの宿泊室に買い出しした荷物を置き、ハルカと二人でタケシの両腕をガッチリとホールドして件の屋敷に連行する。悪いがタケシ、こうして共に旅をする以上は俺達は運命共同体なのさ。本音を言えばリアクションが面白そうだから強制参加だ。

 

「でも屋敷には近付くなって言われただろう!?」

 

「呪われた屋敷なんて面白そうじゃない!見逃す手は無いわ!」

 

「どんなゴーストポケモンがいるんだろうなぁ〜?俺ゴーストタイプは三体持ってるけどやっぱりどんなタイプも増えると嬉しいよな!」

 

 タイプ関係なく研究所に預けたポケモン達も仲間が増えると喜ぶ事に違いはない。それにここまでの噂になるのなら既に実力だって備わっているかもしれないな。

 そうしてタケシを無理矢理連れて到着。その屋敷の外観は至る所の窓ガラスが割れていて、塗装も剥げ、屋根も壊れているという如何にもな幽霊屋敷って感じだ。

 

「へぇ〜ちょっと()()()じゃないの!」

 

「ゴーストポケモンを期待して良さそうだな」

 

「ああ…そだね」

 

「さぁ〜て、何が出るかな〜?」

 

「カゲボウズ、ヨマワル、ヤミラミ〜♪」

 

「お、おい!?二人共ホントに入るのかぁ!?」

 

 意気揚々と屋敷に入ろうと敷地内に足を踏み入れる俺とハルカにタケシは怖がりながらもなんだかんだ着いてきてくれる。

 そうして突き進む事数分。あっさりと屋敷まで辿り着いたが、そこにあるのは皹割れた壁と窓。庭の噴水は当然停止していて、水はカラッカラ。放置してマジで10年以上は経っているようだ。

 

「お屋敷も庭も荒れ放題だわ!何が出てきてもおかしくないって感じ!」

 

「どんなポケモンが棲み着いてんのか……」

 

 どうにか屋敷の中を見れないかと窓を覗き込もうとすると、後ろからある鳴き声が聞こえて来た。

 

「キノッコ、キノッコ!」

 

「ん?」

 

 やって来たのは一匹のポケモン。小さく、茶色と緑色で構成された体色のキノコみたいな可愛らしいポケモン。

 

「うおおお〜!!キノココだぁーーー!!」

 

 キノココ。ホウエンで欲しいとずっと思ってたポケモンだ。先日までロズレイドしかいなかったくさタイプであり、厨ポケのキノガッサに進化できるポケモン。頂点を目指すならば必須のポケモンだ。

 もしかして噂の正体はキノココか?ゴーストタイプではなくてもずっと欲しかったポケモンならばお釣りが来るレベルだ。

 

「良し、早速ゲット……」

 

「キノッコ!キノッコ!」

 

 しかしこのキノココ。頭に妙な白いバンダナみたいなのが結び付けられている。ゲットしようと思ってキモリを出そうとしたものの、モンスターボールを取り出す前にキノココは割れた窓から屋敷の中へ飛び込んでしまった。

 

「しまった!追わないと!あぁ、でも屋敷の前ならともかく、中に許可なく入れねー!」

 

「今のポケモンって……」

 

「今ミテキが言った通り、キノココだな」

 

 くそぅ、折角キノココが現れたんだ。絶対ゲットしてやる。キモリと一緒にロズレイドの負担をカバーできるくらい強いくさタイプに育て上げる。

 

「キノココー!待ってよー!」

 

「何処へ行くんだー!?」

 

「サトシ!?」

 

「マサト!」

 

 そんなタイミングでキノココが現れたのと同じ方向からサトシとマサトが走って来た。口振りからしてあのキノココと一緒に来たらしい。

 

「あれ?三人共どうしてここにいるんだ?」

 

 サトシの質問に答えようとすればまた別の方向から声をかけられる。

 

「おーい、君達。ここに入って来ちゃ駄目じゃないか。今庭の木を切り出している所だから危ないよ?」

 

 どうやらこの土地の管理をしている人らしい。この人はアズマさんというらしい。

 キノココがここに入って行ったのを追いかけた事を説明すると、この街にはもうキノココはいないはずだと言う。

 詳しい話を聞くとこの屋敷はアズマさんのお爺さんの家らしく、子供の頃良くここに来ては一日中キノココ達と遊んでいたそうだ。だが、街にどんどんビルが増えて、反対に森が減って行き、お爺さんも亡くなってしまい、キノココも自然に姿を消してしまったんだそうな。

 

「結局ここも取り壊して、ビルを建てる事になった。ところが、工事が始まったら不思議な事が起こるようになったって聞いてね、こうして様子を見に来たんだ」

 

「そうだったんですか……」

 

「その不思議な事って、謎の気配や足跡の事ですよね!?」

 

「あくまで噂だけどね。それで、キノココは本当に屋敷の中へ入って行ったのかい?そうだとするとそれも含めて屋敷を調べる必要があるな……」

 

「じゃあ、俺達も一緒に行って良いですか?」

 

 俺は屋敷の調査への同行を頼み込む。何としてもキノココが欲しいからな。調査を手伝うついでにキノココをゲットできるのなら、手伝いくらい安いもんだ。

 アズマさんの了承を得た俺達はアズマさんに玄関を開けて貰い、屋敷に入れて貰う。因みにマサトに聞けばあのキノココが頭に白いバンダナを付けていたのはマサトが友好の証としてハンカチをプレゼントしたそうな。

 

 うぅむ、ならばあのキノココじゃなくて別のキノココを狙うべきか?

 

「キノココー!出ておいでよー!」

 

「おーいキノココー!何処行ったんだー?」

 

「ピカピカー!」

 

 マサトとサトシ、ピカチュウがキノココに呼びかけるが返答はない。この辺にはいないのかもしれないな。アズマさんも同じ意見のようでもっと奥の部屋を散策する。屋敷の不気味な雰囲気に辟易としているタケシが嫌がっているが、それでも進む。

 

 そうして奥の部屋に行くとマサトがプレゼントしたハンカチを巻いたキノココを発見する。

 

「いた!」

 

「キノココ……本当にいたのか」

 

 キノココの姿を確認したアズマさんは嬉しそうだ。この人もやっぱりキノココ大好きなんだな。

 

「この子、なんだか震えてるわよ?」

 

 ハルカの指摘通り、例のキノココは暖炉のそばで身を潜めて震えている。何か怖がっているようにも見えるな。すると何処にいたのか更に二匹、キノココが出て来てそのキノココに寄り添う。けどやっぱりこのキノココ達も震えてるな。

 

「キノココの仲間だ!」

 

「みんな、何に怯えてるんだ?」

 

「ピィカ!」

 

 サトシの肩から飛び降りたピカチュウがキノココ達に話を聞いているが、やっぱり言葉が分からないので俺達はキノココがここにいる理由について思い付くものとして情報を整理する。

 

「キノココは普通森の中に住んでいるんだ」

 

「しかし、森が無くなって、仕方なくこの屋敷に住むようになったのか……」

 

「ビルが増えた事で森が減ったって言ってましたもんね」

 

「そして今、その屋敷すらも失くなろうとしている……」

 

「そっか。それで怯えてるのか……」

 

 度し難いもんだ……。人間が街を発展させようとするエゴがポケモン達の住む場所を奪ってしまっている。けど俺達人間だってより住みやすい街を作る為にやっている事だから、一概に何が間違っているとも言えない。

 

 こんなに可愛いポケモン達を酷い目に遭わせてしまっている。少しでも何かキノココ達にしてやれる事はないかと思案しているとアズマさんは暖炉の上にある写真を手に取った。

 

「これは……」

 

「もしかして、小さい時のアズマさんとお爺さん?」

 

 マサトが言う通り、それはキノココ達に囲まれて遊ぶ幼い頃のアズマさんとそのお爺さんの写真だった。

 やっぱりアズマさんもお爺さんもキノココ達を大切に思っているようだ。ならばこの屋敷は壊さずにキノココ達の棲み家として残して貰えないだろうか。

 

 それを提案しようとした瞬間、背後で瓦礫を崩すような轟音が響いた。

 

「な、なんだ!?」

 

「なんだかんだと聞かれたら!」

 

「答えてあげるが世の情け!」

 

 誰が何をしに来たのかすぐに分かったので、アホ共が名乗っている間に窓を開いて外に出すルートを確保して、モンスターボールを取り出す。

 

「ガブリアス!ここからロケット団を投げ飛ばせ!」

 

「ガァブ!!」

 

 口上を言い終わる前に猛スピードでガブリアスにその手の爪で服を引っ掛けさせ、ロケット団を纏めて空の彼方に投げ飛ばさせる。

 

「ゴウカザル!かえんほうしゃ!!」

 

「ウキャア!!」

 

 そして窓から放ったゴウカザルのかえんほうしゃで黒焦げにして空高く打ち上げた。

 

「「「やなかんじ〜!!」」」

 

「ソォーナンスッ!!」

 

 じゃあなロケット団。どうせお前らが一悶着起こすのなんて目に見えてるから、今日はここで退場な。キノココ達に危害は加えさせん。

 ロケット団を排除して、話を戻す為にキノココ達に他に仲間がいるのなら呼んで欲しいと頼むと屋敷を覆い尽くしてしまうのではないかという程のキノココの大群が出て来た。

 

 どうやら呪いの噂の正体はキノココで間違いなさそうだ。気配や物音、足跡は勿論、作業員が具合を悪くしてしまったのも棲む場所を失う事を恐れたキノココ達がしびれごなを使ったんだろう。

 

「まさか、キノココ達がこんなに屋敷にいたなんて……」

 

 マサトは友達になったキノココを抱き上げてアズマさんに直談判する。

 

「アズマさん、キノココ達には怯えてるんじゃない!悲しんでるんだよ!」

 

「え?どうしてそう思うんだい?」

 

「だって僕、キノココと友達だもん!アズマさんと同じだもん!キノココ達はきっとまたアズマさんと遊びたいんだよ!ここで昔みたいに楽しく暮らしたいんだよ!」

 

「キノッコォ……」

 

「キノココ……」

 

 マサトの主張を聞いて昔の日々を思い出したのか、アズマさんもまた悲しそうに表情を変える。ここで当初の予定通りにビルの建設の為に屋敷を壊してしまえば本当にキノココ達は行き場を失くしてしまう。もうこれはゲットとか言ってる場合じゃないな。

 

 アズマさんはマサトが抱き上げていたキノココを受け取り、キノココ達に話しかける。

 

「キノココ、長い間お前達を放っておいてすまなかったな……」

 

「アズマさんお願い!工事をやめさせてよ!」

 

「俺達からもお願いします!」

 

「キノココ達にお屋敷とお庭を残してあげて下さい!」

 

「この屋敷が、庭が、キノココ達の生きる場所なんです!」

 

「お願いします!」

 

「ピカピカ!」

 

 俺達は全員で頭を下げて頼み込む。勿論、ビルの建設を予定している以上はアズマさんの一存だけで決められる話じゃないのかもしれない。それでもキノココ達にはこの土地が必要なんだ。

 アズマさんも難しそうな顔をしていたが、暫く考え込んで口を開く。

 

「……屋敷は取り壊す事にする」

 

「っ!」

 

「そしてビルを建てたりもしない」

 

「え?」

 

「もっともっと木を植える。この敷地を全部、キノココの森にするんだ。このキノココ達が安心して暮らせる森を作る。関係者も全員納得させてみせるよ」

 

 熟考の末の結論だった。口で言うほど簡単な話ではないのは容易に理解できる。契約だとか、そのビルが何の為に建てられるのかとか、難しい話が山程あるだろう。

 それでもアズマさんはこの敷地をキノココ達の為に残し、使う事を選んでくれた。

 

「ありがとうアズマさん!」

 

「「「「ありがとうございます!!」」」」

 

『『『キノッコォーーー!!!』』』

 

 幼い日のようにまたキノココ達と遊びたい。これから育つ子供達にもキノココ達と遊んで欲しい。そんな願いも込めての決断だそうだ。

 キノココ達の棲み家の問題が解決した事で、嬉しくなった俺達はみんなで外に出てキノココ達と遊び始める。この日はハルカもサトシもタケシも俺もポケモン達を出して思いっきり遊んだ。

 

 暫く遊んで、俺は群れの中の一匹のキノココと仲良くなったのでこれからの旅に駄目元で勧誘してみる。

 

「なぁ、キノココ。お前俺と来ないか?」

 

 棲み家の問題が解決して喜んだそばから言う事じゃないかもしれないが、それはそれとしてキノココが欲しい事に変わりはないからな。

 でも今回は無理矢理ゲットする気は無い。キノココが変わらずこの土地で暮らしたいのであれば引き下がるつもりだ。

 

「キノッコォ!」

 

 でも得られた答えは了承。アズマさんにもそのキノココを大事にして欲しいと頼まれ、キノココの一匹が俺の仲間に加わる事が決まった。

 

「キノココ、ゲットだぜ!」

 

 キノココが手持ちに加わった事でガブリアスを研究所に送ってゴウカザル以外はまだレベルの低い育成メンバーとなる。

 

 その後、普段ならやらないが、ポケモンセンターでゴウカザルをナナカマド研究所に送った。キモリとキノココの育成の為に先生役としてロズレイドを呼ぶ為だ。ゴウカザルを研究所に送るなんてフルバトルの為に入れ替えをしたスズラン大会以外では初めてだ。

 とゆー訳で今の俺の手持ちはロズレイド、マリルリ、キモリ、キノココ、イーブイ兄妹だ。随分と偏った構成だが仕方あるまい。カナズミジムの挑戦が終わったらイーブイ兄妹以外は一旦研究所に送ってゴウカザルを呼び戻す事にする。

 悪いなゴウカザル。研究所ではお前が中心になって仲間達みんなでトレーニングに励んでくれ。

 

 それとは別に俺はキノココにかわらずのいしを持たせる。悪いがキノコのほうしを覚えるまでは進化はさせられない。まぁこの世界はレベル技も訓練次第ではレベルが届いてなくても覚えられるから。まずは粉技をベースにした修練をしてくれ。

 

 つーわけで、お前キノコのほうしを覚えるまで進化禁止な。




28.キノココ(♂)
特性:はやあし
備考:AG編9話に出たキノココ達の中の一匹。キモリの時以上に適当に捕まえたら夢特性だった。

余談ですが、ロケット団のハブネークゲットのくだりは肝心のハブネークが既にガブリアスにボコボコにされていた上、ムサシ達の手持ちが原作と比べて充実していた為、正面から楽々ゲットされています。
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