ポケットモンスター 遥かなるチャンピオンロード   作:メンマ46号

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先日レジェンズZAが発表されましたね。散々BWリメイクもしくはBW3と噂されていましたが、まさかの第五世代のイッシュすっ飛ばして第六世代のカロスに行くとは……。

でもメガシンカが復活するなら大歓迎。サトシゲッコウガの扱いどうなるんだろ?復活すんのかな?

個人的にはやっぱりメガシンカポケモン増やしてほしい。具体的にはシンオウ御三家にメガシンカをくれ……!!


カナズミジム!ミテキvsツツジ!

 side三人称

 

 サトシのジム戦から少し時間を置いて、ツツジの休憩が終了し、今度はミテキのジム戦が始まろうとしていた。

 フィールドでツツジと向かい合いつつもミテキは今回のジム戦で選出したポケモン達のモンスターボールとは別にイーブイ兄妹のボールを取り出し、二体を出した。

 

「「ブイ?」」

 

「タケシの所に行ってろ。今回のジム戦を良く見ておけ」

 

 次点でハルカとサトシ。間違ってもマサトの所には行かないようにと念を押す。昨日の今日でマサトに対してその手の信頼は皆無に等しかった。

 ミテキはトウカジムでも同様にイーブイ兄妹にはジム戦を見学させていたのをハルカは朧気ながら思い出す。ミテキの指示に従って兄イーブイはタケシの隣にちょこんと座るが、妹イーブイはハルカの膝の上に乗ってゆったりし始めた。

 ミテキは数秒ハルカに甘える妹イーブイに視線を向けたが、すぐに切り替えてツツジに向き直る。

 

「それではこれよりジムリーダーツツジとチャレンジャー、フタバタウンのミテキのジム戦を始めます。使用ポケモンは三体!交代はチャレンジャーのみが認められます!」

 

「さて、ホウエンで捕まえたポケモンって意味じゃ初のジム戦だ。全力出して行くぞ!」

 

「それではとくと見せて貰いましょうか!シンオウの英雄のバトルを!!」

 

 心なしかツツジの表情はサトシとバトルした時よりもやや好戦的に見える。その理由をミテキ本人とタケシは何となく察していた。というか今ツツジが口走った。

 

「「シンオウの英雄?」」

 

 ツツジの放った言葉にサトシもハルカも首を傾げる。何の事だかよく分からないが、ミテキの事を指しているのだけは分かった。

 

(余計な事を……)

 

 ミテキとしてはそこら辺のゴタゴタを気にせずにハルカ達との旅を楽しみたかった為、ツツジにその異名をここで出されるのは有難迷惑だった。まぁその内アクア団かマグマ団辺りに暴露されそうな気もするが。

 

****

 

 sideミテキ

 

 ポロッと余計な事を口走ったツツジさんにムカッとしつつも俺はモンスターボールを構える。先にポケモンを出すのはツツジさんの方だが、俺は既に一番手は決めている。

 

「出番ですわよ、アノプス!」

 

「アノプスか……とにかくまずはお前だ!頼むぞキモリ!」

 

 いわ・むしタイプのアノプスならマリルリを出さないのかと思われるだろうが、ちからもちマリルリのはらだいこ、アクアジェットコンボは一度出したら簡単には交代できないからな。なんせはらだいこは最大HPの半分と引き換えに攻撃を最大まで上げる技だ。

 つまり体力を回復しない限り二回目は使えない。一度交代したらそのバフが消えてしまうんだから。バトンタッチでも使えれば話は別なんだけど。だからマリルリを一番手にはしない。

 

 それにただ有利なポケモンを出しても成長にならないしな。もう少し先を見据えて育成するつもりだ。

 

「アノプス…?」

 

「むしポケモンみたいかも」

 

「実際にいわ・むしの複合タイプだしな」

 

「ラムパルドみたいな化石ポケモンだよ!」

 

 ポケモン図鑑でアノプスをサトシとハルカが検索するが、反応している暇はない。

 睨み合うキモリとアノプス。先に動いたのは俺達だ。

 

「キモリ、まずはかげぶんしんだ!!」

 

「いやなおと!」

 

 俺はまずキモリにかげぶんしんを指示して回避率を上げる。対してツツジさんとアノプスはいやなおとでキモリの防御力を下げようとしてくる。

 

「タネマシンガン!!」

 

 ならばちまちまと攻撃して集中を乱して、技を失敗させてやる。防御力を二段階下げられるのはキツいからな。だが一歩遅かったようで、いやなおとは発動し、キモリはその音に顔を歪めながらタネマシンガンを発射。全弾当てる事はできたが、いやなおとの中断は無理だったか。

 

 防御力が二段階下げられた以上、技の回避は絶対だ。更にかげぶんしんを使って回避率を上げる。

 

「防御力を下げられたら回避率を上げる……手堅い策で来ましたわね。ならば、れんぞくぎり!」

 

 ツツジさんはアノプスにれんぞくぎりを使わせてかげぶんしんを片っ端から消しにかかってきた。当てずっぽうとも言えるが、向こうからすれば増えて鬱陶しいかげぶんしんを一掃して、その中で当たれば儲け物程度だろう。

 

「タネマシンガンで牽制しろ!その隙にかげぶんしんを増やせ!!」

 

 だが防御力が二段階下がっている状態でかげぶんしんを一掃されてはこちらも不都合だ。しかもれんぞくぎりだから、当たれば次の威力が増幅する。タイプ一致の効果抜群でこっちの防御力が下がっていて向こうは強化される……二発目でやられるわ。

 消したそばからかげぶんしんを増やして撹乱しつつ、タネマシンガンで削り続けてやる。泥沼化上等。キモリのスピードを活かすには攻撃の回避は必須だ。

 

「げんしのちから!!」

 

 物理技のタネマシンガンで牽制しながら削るやり方を鬱陶しく思ったのか、げんしのちからで岩を飛ばしてくる。これでタネマシンガンを防ぎつつ、かげんぶんしんを纏めて複数消してしまおうという腹か。

 だが、流石はジムリーダーのポケモン。アノプスのげんしのちからは岩の量がかなり多く、面攻撃としてはかなり広い。前後左右に逃げ場がない。

 

「キモリ、飛び上がって躱せ!」

 

「今です!れんぞくぎり!」

 

 げんしのちからを躱したその瞬間にアノプスが距離を詰めてくる。流石にここまで大きく動けばかげぶんしんが残っていようとも分かるか。そもそもこれは誘い込まれた。キモリはアノプスのれんぞくぎりの一発目をまともに喰らってしまう。効果は抜群だ。

 

「アノプス、トドメにもう一発れんぞくぎりを!」

 

「キモリ、こらえるだ!!」

 

 れんぞくぎりを喰らえば二発目で確実にキモリはやられる。それが分かっていたから俺はかけぶんしんとタネマシンガンで徹底して牽制していた。こらえるで二発目を耐え、次のこちらの一撃に繋げる為。

 

「カウンター!!」

 

 ここで文字通りのカウンター。この世界はゲームじゃないから、カウンターの仕様もゲームとは違い、連続したものだろうとそれが物理技なら受けた倍のダメージを相手に与えられる。ターン制じゃないから、こらえるで耐えるという一行程を挟んで仕返しができる。

 張り手でアノプスをぶっ飛ばし、壁に直撃させた。だが今ので力を使い果たしたのか、受けていたダメージもあってキモリは倒れた。

 

「キモリ、アノプス、両者戦闘不能!」

 

「良くやったキモリ。まずは上出来だ。しっかり休んでくれ」

 

 デビュー戦でデバフ状態で相性不利な技を喰らい、引き分けに持ち込めたのは本当に上出来。キモリにとっても今回は良い経験になっただろう。ジュカインに進化する時が待ち遠しいぜ。

 

 とはいえ、まだお互いに不慣れでキモリの力を活かし切れなかった。敢えて不利なアノプスとぶつけたとはいえ、このバトルはほぼツツジさんのペースだった。

 

「タネマシンガンで少しずつ体力を削られていたとはいえ、まさかこらえるとカウンターで一気に巻き返すとはお見事です」

 

「ギリギリ引き分けに漕ぎ着けただけですよ。バトルの内容としては俺達はかなり遅れを取っていた」

 

 キモリの事は褒めるが、トレーナー同士だけで言えば俺の負けと言っても良い。それくらいスムーズに追い詰められていた。

 

 互いに戦闘不能になったポケモンをモンスターボールに戻す。ダブルノックアウトだが、この場合は当然ジムリーダーから次のポケモンを出す規定になっている。

 ツツジさんはスムーズに二番手のポケモンを繰り出す。

 

「行きなさいリリーラ!」

 

「また化石ポケモン!?」

 

「次はお前だ、マリルリ!」

 

 いわ・くさタイプのリリーラに対して俺はマリルリ。またも攻撃面ではタイプ一致技が等倍になり、防御面も不利になる組み合わせだ。

 

「またも敢えて僅かに不利な相性のポケモンですか」

 

「ただ有利なポケモンをぶつけて勝つだけの初心者期間はもう終わったんで」

 

 ポケモンリーグを意識すれば分かると思うが、入れ替えも容易なああいう場では相性の有利なポケモンで戦えるケースの方が少ない。さっきも言ったがもうちょっと先を見据えないとな。まぁキモリでのバトルであんなザマ晒した俺が偉そうに言える事でもないけど。

 

 この先のジム戦で完全にやらない訳ではないが、成長の場であるジム戦だからこそ、あらゆる相手を想定したバトルの経験が積めるのだ。失敗という経験も深く学べる形で得られる。

 

 相性の良いタイプで勝つバトルなんて野良バトルでもできる。

 

「その心意気や良し!行きます!げんしのちから!!」

 

「アクアジェットで躱せ!!」

 

 先程のアノプスと同じげんしのちからをリリーラで撃って来た。

 岩石を大量に浮かせて物量で押してくるなら、こっちは先制技を回避に使う。アクアジェットで水を纏って簡易的な鎧にしつつ、放り投げられた岩石を躱す。

 

 だが次の瞬間、アクアジェットで水を纏ったマリルリの軌道がジャックされたかのように曲がり、リリーラに向かっていく。

 リリーラの目の前にまで来たらアクアジェットの水がマリルリから剥がれてリリーラに吸い込まれてしまった。心なしか力が漲っているように見える。

 

「リリーラ、ようかいえき!!」

 

「ひかりのかべ!!」

 

 まだまもるを覚えさせていない為、咄嗟にひかりのかべを張ってようかいえきのダメージを半減させる。マリルリもアクアジェットで引き寄せられてテンパっただろうに、よく対応してくれた。

 

「マリルリ、焦って攻撃しちゃったのかしら……」

 

「でもなんで攻撃の直前で水を纏うのをやめちゃったんだろ?」

 

「いや、アレはリリーラにアクアジェットが引き寄せられ、纏っていた水を奪われたんだ」

 

 アクアジェットが引き寄せられた一連のこの流れ……あのリリーラ、特性はよびみずだな。さっきのようかいえきも特攻が上がっていたからひかりのかべが間に合わなかったら危なかったな。しかしこの世界割とポンポン夢特性出てきやがる。

 まぁそれを確かめる為にアクアジェットを使った面もあるんだが。違うなら違うで普通に使い続けるだけだし、こうしてよびみずだったなら考えた策が活きる。

 

 マリルリに距離を取らせつつ、ひかりのかべの効果時間も頭に入れておかないと。こうなったらどくタイプに限らず特殊技の威力は削るべきだ。効果が切れると同時にもう一度ひかりのかべを張らないと。

 

「げんしのちから!!」

 

「いわくだき!!」

 

 今度はげんしのちからを文字通りのいわくだきで次々と砕いていく。これでマリルリが使った技は三つ。とはいえ、マリルリに関しちゃひかりのかべ以外の技三つはほぼほぼ最初から決まっていたようなもんだから、使う気はなかったとはいえ、はらだいこは使えない。向こうにどく技があるなら尚更だ。

 

 最初にキモリを出した時にマリルリを一番手にしなかった理由を説明したが、実際はこのバトルでマリルリにはらだいこを使わせる気は最初から無い。こんな序盤から厨ポケコンボによる一撃で決める流れを覚えさせてしまったらマリルリの成長にならないからな。味を占めてそれにばっか頼ろうとする。

 はらだいこで体力を半分に削るリスクもあるしな。まだそのやり方はロケット団に猛威を振るうだけで良いだろう。本格的に公式戦で使うのはアクアリングを覚えてからだ。

 

「もう一度、げんしのちから!!」

 

「いわくだきで迎撃しながら潜り抜けろ!接近してれいとうパンチ!!」

 

 ここで四つ目の技、れいとうパンチを発動する。こおりタイプの物理技ならばリリーラには効果抜群だ。もうリリーラを見た時にはアクアジェット、いわくだき、れいとうパンチの三つは使用を決めていた。

 

 接近してれいとうパンチをお見舞いして、リリーラは震えながら、マリルリを睨む。

 

「いわなだれ!!」

 

 ツツジさんもげんしのちからじゃ物量で押し切れないと判断したのか、単純に岩の量を増やして攻撃を仕掛けてくる。だが俺もいつまでも一々文字通り岩を砕いて凌ぎ続ける気はない。

 

「両手でれいとうパンチ!それからアクアジェットだ!!」

 

 最後の枠の技、れいとうパンチを発動し、マリルリの両手に十分な冷気が宿ったのを見て追加でアクアジェットを指示。

 

「あのいわなだれの中じゃ、上手く狙いが定まらないぞ!?」

 

「いや、狙わなくても当たる!あのリリーラの特性はよびみず!!みずタイプの技を自ら引き寄せる!!」

 

「でもアクアジェットは吸収されちゃうかも!」

 

 タケシの読み通り、よびみずの特性を逆に利用していわなだれを回避しつつ、リリーラに向かっていく。だがハルカの言う通り、このままではアクアジェットの水はリリーラに吸われて無力化される。

 

 ここで活きるのが先のれいとうパンチだ。冷気が両手に宿ったままアクアジェットが発動した事でリリーラに向かっていく最中、アクアジェットは内側から凍り付いて、巨大な氷の塊、弾丸となってすっ飛んでいく。

 

「嘘!?」

 

「あれって……」

 

「氷のアクアジェット!?」

 

 ダイパ編でサトシがブイゼルとやる技だ。盗んだようであまり良い気分ではないが、使える物は使うべきなので、使わせて貰う。

 因みにこの氷のアクアジェット、使うのは初めてではない。シンオウ地方を旅した時に既に他のみずポケモンで何度も使っている。ハクタイジムだってこれを隠し玉にして制した。

 それに他人のれいとうビームを当てにして外から氷漬けにするのではなく、自分の技で内側から凍り付かせている。問題ない。多分。

 

 とにかくこれでこのアクアジェットは擬似的なこおりタイプの物理技だ。よびみずも効果を成さず、ようかいえきも氷でガード。そしてちからもちの特性で威力が倍増した氷の弾丸としてリリーラに直撃。効果は抜群だ。そして氷が砕けると同時に追撃でいわくだきをお見舞いしてリリーラをノックアウトした。

 

「リリーラ、戦闘不能!マリルリの勝ち!」

 

 まさかのやり方にツツジさんもしばらく呆然としていた。開いた口が塞がらないとは正にこの事だな。ハッとしてからリリーラをボールに戻してこっちに視線を向け直す。

 

「自分だけでなく、相手の特性をも利用するのもバトルの内……という訳ですか」

 

「そ。こっちの工夫次第で相手の特性をデメリットにも変えられるのがバトルの面白い所って訳」

 

 アニポケならではのやり方でもあるけどな。ゲームじゃ技と技を組み合わせるとかできないからアクアジェットを無効化されて、ステータス上げられて終わりだ。

 

「ミテキってやっぱり凄いかも!」

 

「氷のアクアジェットか……!凄いぜミテキ!」

 

 サトシ、手放しに賞賛すんのはやめてくれ。お前に言われると罪悪感が沸く。

 だがこれでキモリでの失態は挽回したと言える。俺の残りポケモンは二体。マリルリはまだ余裕がある。

 ツツジさんは最後の一体のモンスターボールを取り出す。最後に繰り出してきたのはココドラだ。

 

「ココドラか……マリルリ、まだいけるな?」

 

「ルリ!」

 

 特性ががんじょうであろうとなかろうと、ちからもちマリルリと言えど今の段階じゃはらだいこの有無関係なく、一撃じゃ仕留められないだろう。

 

「アクアジェット!!」

 

「ココドラ、まもる!」

 

 だからまずはアクアジェットで削ってからキノココと交代させるつもりだったが、流石に開幕アクアジェットは読まれていたのか、まもるで防がれる。

 ならばいわくだき……と思ったその時、俺の目論見はぶち壊された。

 

「ココドラ!いばる!」

 

 ここでいばるを使ってマリルリを混乱させてきた。しかもいばるはこちらの攻撃のステータスを二段階上昇させる技だ。混乱している以上、訳も分からず自分で自分を殴ったりするのはちからもちの特性があるマリルリにはリスクがあまりにも痛過ぎる。今の体力的にもその自分への攻撃を一回引いただけで自滅必至だ。

 

 マリルリは下げる他ない。

 

「戻れマリルリ。ありがとな、休んでてくれ。行けっ、キノココ!」

 

「キノッコォー!!」

 

 ここで俺はマリルリを下げてキノココに交代させる。……最後の奥の手としてマリルリとアクアジェットが残っていると考えよう。再度いばるを使われる前に仕留める事を考慮しないといけないが。

 

「キノココはマリルリやキモリと比べてもまだまだ経験が浅い……どう戦う」

 

「ココドラ相手じゃくさ技も効果抜群にはならないし……」

 

 だからこそ、マリルリに少しココドラの体力を削って貰いたかった。いや、どの道途中でマリルリは下げるつもりだったんだ。それが予定より早まっただけだ。キノココにもバトルをさせなきゃ意味がないからな。

 

「ココドラ、メタルクロー!」

 

「キノココ、しびれごなで鈍らせて躱せ!!」

 

 接近してきたココドラを引き付けて、目の前に来た所でしびれごなを被せてから身を捻らせる。麻痺させてしまえば途端に動きは鈍くなるからな。大振りの技なら中断させられなくてもどうにか躱せる。

 

「上手い!技を振りかぶるタイミングでしびれごなをかけて、相手をまひ状態にした上で躱すとは!」

 

「やどりぎのタネ!!」

 

 続いて動きが遅くなったココドラにやどりぎのタネを仕込む。これでジワジワと体力を削れる上に戦いながら回復できる。キノココの経験が浅い事は分かってるんだ。ゆっくりと長期戦で構わない。

 

 くさ技は等倍だが、唯一のタイプ一致技。攻めの基点はこの技だ。

 

「マジカルリーフ!」

 

「まもる!」

 

 ツツジさんはいばるを使って来ない。使えば即座にマリルリに交代して今度こそアクアジェットでやられるのが分かっているからだ。まひ状態のココドラではマリルリの攻撃を凌げるか分からないだろう。やどりぎを付けた以上、特性ががんじょうだったとしても意味は無いしな。

 

 初っ端からマリルリを下げさせられたのは予想外だったが、これは逆にキノココの成長の為にじっくり戦える。

 

「キノココ、マジカルリーフ!!」

 

「キノッコォーーー!!」

 

 まもるは連続して出せば失敗の確率が高い技だ。こっちが必中技のマジカルリーフを連発すれば防ぎ切る事はできない。おまけにまひ状態による痺れと素早さ低下もある。

 

「パパとのバトルの時とはなんか違うかも……」

 

「うん。ミテキ、今回はジワジワと攻めてるね……」

 

「ああ。キモリのバトルの反省点を活かしてくさタイプでの立ち回りがもう上手くなったようだ」

 

「うう、ああいうやり方でやられたら俺も苦戦しそうだなぁ」

 

 やどりぎのタネで体力を吸いつつ、マジカルリーフで削り続ける。それを繰り返してココドラの体力はもう四分の一前後と言った所だろう。

 いばるで混乱を狙ってもマリルリに交代するだけ。メタルクローはそもそもマジカルリーフで近付かせない。ならば今はまもるで凌ぐしかない。向こうの逆転の一手になるのはココドラに残された最後の技枠だろう。

 

「もう一度マジカルリーフだ!!」

 

「もろはのずつき!!」

 

 ここでツツジさんは賭けに出た。もろはのずつきを発動し、マジカルリーフを正面突破してキノココに向かって突っ込んで来た。

 後が無い上にやどりぎのタネで体力も奪われるこの状況でもろはのずつき……つまりあのココドラの特性はいしあたまか!

 

「躱せ!!」

 

 まひ状態の影響で動きが遅くなっていたココドラはマジカルリーフで牽制していた事もあって、キノココは少し余裕を持ってもろはのずつきを躱せた。だが、今のは少し危なかった。タイプ一致のもろはのずつきを喰らえば未だノーダメージでもキノココでは耐えられなかっただろう。

 

 キノココを速攻で倒して後を失くせばいばるでマリルリを混乱させる手が活きてくる。状況は五分どころか向こうの有利になるだろう。

 だがいしあたまの特性に甘えて勝負を焦ったな。まひ状態では素早さが下がるから動き出しは勿論、動きそのものも遅くなる。

 

 キノココを仕留める意味でもマリルリに先手を取る意味でも悪手だ。

 

「なやみのタネ!!」

 

 ここで俺も最後の技を使ってココドラの特性をふみんに変えてやる。これでいしあたまは失われた。もろはのずつきなんて使えばキノココを倒せても奪われた体力と蓄積したダメージもあってココドラは戦闘不能になるぞ。マリルリを残してる俺の勝ちが確定する。

 

 いばるを使っても交代して速攻でアクアジェットを使えば良い。もろはのずつきは特性がふみんになった事で実質自滅技と化した。四つの技の内、二枠が死に技と化した。残りはまもるとメタルクローのみ。

 

 当然俺はマジカルリーフを連発してメタルクローを当てられる距離まで近付かせないし、まひ状態でスピードが低下している上に不意に身体が痺れるココドラにキノココとの距離を詰める事は無理。まもるでマジカルリーフを凌いでも連続でやれば失敗する。

 

 最終的にマジカルリーフを喰らい続けたココドラが戦闘不能になった。

 

「ココドラ、戦闘不能!キノココの勝ち!よって勝者、チャレンジャー、フタバタウンのミテキ!」

 

「よっし!!」

 

「やったぜ!ミテキも勝った!!」

 

「まるで詰め将棋のようだったな……バトルの組み立てが良かったぞ、ミテキ」

 

「やっぱりミテキって凄いかも!」

 

「うん!僕感激しちゃったよ!」

 

 審判の判定が下されると同時に観客席からサトシ達が駆け寄って来て、祝福してくれる。真っ先にイーブイ兄妹が俺の顔に張り付いてくる。やめろ、前が見えない。

 

 イーブイ兄妹を引っぺがすと少し悔しそうな顔をしたツツジさんが俺の前に来る。

 

「お見事です。キモリのカウンター、マリルリの氷のアクアジェット、何よりキノココの技選びによる試合運び……お見事でした。まひ状態とやどりぎのタネによって勝負を焦ってキノココを一撃で倒そうと、もろはのずつきを使ってしまった。それが私の敗因ですね」

 

「はい。あの状況でもろはのずつきをチョイスしたって事はココドラの特性はいしあたま以外にあり得ないと思いました。だからなやみのタネで特性をふみんにしてしまえば、状況的にもろはのずつきは使えなくなる。キノココを倒せても、残りの体力的にココドラも自滅する事になりますから」

 

 攻撃にはメタルクローがあったんだから、もろはのずつきよりロックカットを三回使われてまひ状態で下がった素早さの補填どころかアップをされてた方が危なかっただろうな。経験の浅いキノココだと攻撃種族値の高いココドラ相手に距離を詰められてたら確実にやられてただろうし、そこから上がった素早さでマリルリに先制いばるをされたら、俺が負けていたかもしれない。

 

 キノココのしびれごなでココドラを麻痺させた時点で詰み状態は作れてたと思ったけど、ロックカットがあった以上、この考えは甘いな。どう転ぼうとココドラがいばるを使う前にマリルリがアクアジェットを決められると思ってたが、動き出しで遅れたらいばるをやられて終わりだった。

 

 それを説明するとツツジさんはさっきのサトシのジム戦で自分で言った事なのに…と頭を押さえていた。やっぱ焦ってキノココを一撃で倒そうと躍起になってしまっていたのが大きいな。

 

「ではミテキさん、これがカナズミジムを突破した証、ストーンバッジです」

 

「はい!」

 

 気を取り直して俺もツツジさんからストーンバッジを受け取る。これでホウエンでのバッジは二個目だ。また一歩、ホウエンリーグ出場に近付いた。

 サトシに続いて俺もストーンバッジを手に入れてカナズミジムでのジム戦は終わった。

 

 さて、次は何処のジムに挑戦しようか。




ジムリーダーもミスる時はミスります。サトシに言った事が自分に返って来ました。

レジェンズZA…マジでゴウカザルにメガシンカくれないかな。
この小説でもゴウカザルをどうするかちょっと悩んでんだ……!!ガブリアスとの差が……!!
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