ポケットモンスター 遥かなるチャンピオンロード   作:メンマ46号

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さて、今回はいよいよ……?


特性と進化

 sideミテキ

 

「「「やなかんじ〜!!!」」」

 

 キラーンと空の向こうに飛んで行くロケット団。このムロ島で特訓をする事になって早数日。いつものようにピカチュウを始めとするポケモン達を奪いに来たロケット団を返り討ちにしてやった。

 

 今日は初老に成りすまして釣りスポットを紹介する名目で接触して来たがどう見てもコジロウだったので、その場でぶちのめしてムサシとニャースも引き摺り出してやなかんじーという流れだ。

 

「全く毎度毎度鬱陶しい……」

 

「全然懲りないよね。いっつも負けてるのに」

 

「しかしどうしてミテキはそんなにすぐロケット団の変装が分かるんだ?」

 

「え、バレバレじゃん」

 

「そうかなぁ。俺達全然分かんないぜ?」

 

 人を識別する機能死んでんのかお前ら。

 

 ロケット団の変装なんて実際本当に隠す気あんのかと問い詰めたくなるくらいの低クオリティなのになんで誰も分からないのか本当に不思議だ。

 

「ケムケム」

 

 ケムッソもマサトの足元で呑気に鳴いているが、お前ももうちょい危機感持たなきゃ駄目だぞ。ロケット団はピカチュウに限らずポケモンならなんでも狙うんだから。

 

「ん?お姉ちゃん、ケムッソをほったらかしにしちゃ駄目だよ」

 

「私のケムッソはここにいるわよ?」

 

 そう言うハルカは確かにケムッソを抱っこしている。じゃあマサトが抱き上げたケムッソは何なの?……なんて考えるまでもなく結論は出た。

 

「って事は……ロケット団のケムッソか?」

 

 どうやらロケット団をやなかんじーにした際に溢れてしまったらしい。いくらロケット団のポケモンと言えど、奴らの指示を受けてもいないのにぶっ飛ばす気にはなれん。ニャースなら躊躇なくぶちのめしていたんだが。

 

「どうする?このままほっとく訳にもいかないよな?」

 

「でもロケット団に届けに行くの?結局またピカチュウを奪おうとするんじゃない?」

 

 全くだ。恩を仇で返すのがデフォだからなあの三馬鹿。態々あいつらを探すとか勘弁。どうせまたピカチュウ狙って現れるんだから、それまで面倒見ときゃ良いよ。

 

「今日はダイゴさんに会いに行こうと思ったのに……ロケット団のケムッソが一緒じゃ行けないよ……」

 

「ロケット団に会わせるなんて失礼にも程があるからな」

 

 元々コジロウが現れる前はマサトの言う通り、この島に滞在しているダイゴさんに会いに行く予定だったのだ。この島の自然環境での効率的なトレーニングを聞いたり、あわよくばバトルして貰えないかとも思ってるしな。

 

 だがホウエンチャンピオンであるダイゴさんを見ればあのアホ共はできもしない癖にダイゴさんのポケモンを奪おうとするだろう。あれだけ倒したがっているレッドと同じマスターズエイトだ。ダイゴさんのポケモンは喉から手が出る程欲しいはずだ。

 どうせ返り討ちに遭うとしてもそれが分かってて厄介事を抱えて会いに行くのは普通にアウト。

 

「じゃあ今日は自主トレだな。それでロケット団がケムッソを迎えに来たら返してもう一度ぶっ飛ばそう」

 

「そうだな。トウキさんに勝つ為にも、1秒だって無駄にしてられない!特訓だ!」

 

 先日の敗北から強さを求めているサトシの気の入りようは凄まじい。バトルに負けたスバメとマリルも気合い十分なようで、リベンジに燃えている。

 

「さて、特訓するは良いけど俺もそろそろジム戦に挑むポケモンを決めねーと」

 

 ホウエンに来て捕まえたマリルリ、キモリ、キノココは今ナナカマド研究所で他のポケモン達と一緒に鍛えている。あの中だとキノココは将来キノガッサに進化する事を考えるとジム戦の観戦くらいはさせたい。かくとうタイプの戦い方を学ばせたいし。

 

「やっぱりエスパータイプのサーナイトやメタングを使うの?それともひこうタイプのムクホークとか?」

 

「いや、メタングとサーナイト達には結構レベル差があるからまだ一緒にジム戦には出せねぇな……」

 

 とにかく模擬戦……と言うにはお互いに挑むタイプが違うが新人組のレベリングの為にイーブイ兄妹と先日ボロ負けしたマリル・スバメコンビとでバトルをする事にした。まずはスバメ対妹イーブイだ。

 

「スバメ、つばさでうつ攻撃!」

 

「かげぶんしん!」

 

 真正面からぶつかろうとしてきたのでかげぶんしんで翻弄する。これはあまり変化技を使わないサトシでも割と使う頻度の多いやり方だ。だが、誰でもやるような方法だからこそ、対処するにはかげぶんしんと本体を瞬時に見極める観察眼を要求される。それは相手の動きを見切って受け流すトウキさんのスタイルにも通じるものがある。

 

「びりびりエレキ!」

 

 かげぶんしんを攻撃して空振ったスバメの隙を突いて効果抜群のでんき技をお見舞いする。タイプ不一致とはいえ、スバメにはキツいだろう。それにびりびりエレキは追加効果で確定で相手をまひ状態にできる。

 

「スバァー!!」

 

 だが、それによってスバメは更に気合を入れて妹イーブイに向かってきた。

 

「でんき技を受けたのに元気になってる!?」

 

「びりびりエレキは追加効果で必ず相手をまひ状態にする事ができる。だが、スバメは状態異常になればこんじょうの特性が発動するんだ」

 

 驚くハルカにタケシが解説を入れる。俺も技のチョイスの意図をサトシに説明してやる。

 

「まひ状態にして敢えて特性のこんじょうを発動させてやったんだ。ポケモンの力を引き出すなら、特性も使いこなさないとな」

 

「特性……」

 

 スバメの特性こんじょうは状態異常の時、物理攻撃力が上がる。数値にして1.5倍だがそこんとこは個体差もあるだろう。サトシがダイパ編でゲットするヒコザルの異常なもうかみたいにな。

 今のスバメがこんじょう発動時にどの程度パワーアップするのかをサトシは把握しておくべきだ。

 

「だったらこんじょうで引き出したパワーを見せてやるぜ!スバメ、つばさでうつ!」

 

「スバァー!」

 

 サトシはトウキさんとのバトルのようにスバメに攻めまくるように指示を出すものの、俺はでんこうせっかを駆使して妹イーブイに攻撃を避けさせ続ける。

 

「甘いぞサトシ!トウキさんとのバトルを忘れたか!?()()()()()()()()()を工夫しろ!」

 

「こんじょうの特性でパワーアップしてるのに……」

 

「パワーが上がってもまひ状態で素早さは落ちているからな。強いパワーも当たらなければ意味がない。トウキさんとのバトルも受け流された事でひこう技が決定打にはならなかった」

 

 はやあしやふしぎなうろこといい、状態異常でパワーアップする特性は中々ピーキーだからな。個人的にはポイズンヒールなんか良いとは思うが、あれだって先に他の状態異常にされたら意味がない。この世界ではかえんだまやどくどくだまなんかの道具は基本持たせられないからな。できるんなら特性パッチを使うなりしてキノココをテクニシャン型の他にもポイズンヒール型のキノガッサに育成する事も考えたが。

 

 回避を続けているとびりびりエレキで大ダメージを受けていた上、まひ状態で痺れていた所を無理に動き続けてスバメも体力を大幅に消耗している。潮時だな。

 

「トドメのブイブイブレイク!!」

 

「ブイー!!」

 

「スバメ、戦闘不能!イーブイの勝ち!」

 

 この模擬バトルは俺と妹イーブイの勝ちだ。このバトルを観てタケシがサトシにアドバイスを送っている。後で俺もタケシからの講評を聞いてみよ。

 

「相手に攻撃を上手くクリーンヒットさせる事がムロジム攻略の為の課題の一つだな。トウキさんは技を受け流してくるし、ミテキのようにこちらの素早さを下げる事で当て辛くしてくる相手もいる」

 

「ああ……それにミテキの言うようにポケモンの特性を上手くバトルに組み込めないと駄目って事だよな」

 

「状態異常前提の特性は頼り過ぎるのも危険だけどな」

 

 他にもピカチュウのせいでんきみたいに発動すればラッキー程度のものもある。まぁそれこそ相手がこんじょうやはやあしだとデメリットになっちゃうけど。

 

「特性がバトルスタイルと合わないのなら、特性カプセルや特性パッチなんかで一番都合の良い特性に変えちまうのも一つの手だ。サトシのマリルの特性はそうしょくだけど、俺としてはやっぱりちからもちが一番強いと思うしな」

 

 特性を変えるアイテムの入手自体かなり困難ではあるが。

 

「……難しいなぁ。今までのバトルはとにかくガンガン攻めるってのが俺のやり方だったし」

 

「変化技や特性と組み合わせないとチャンピオンリーグどころか地方リーグ優勝だって無理って事だね」

 

 フルバトル込みで考えたら、味方のポケモンの交代を利用した連携も必要になってくるしな。サトシはそこんとこただ最高戦力をぶつけるやり方しかしてないだろうし。シロガネ大会でもそうだった。

 

「大変なのねポケモンバトルって」

 

「お姉ちゃんも他人事じゃないんだよ。ポケモンコンテストの二次審査はコンテストバトル。普通のバトルよりも難しかったりするんだよ」

 

 呑気にバトルの奥深さをあまり理解してなさそうなハルカにマサトが苦言を呈する。確かにただ相手をぶっ倒す普通のバトルと違い、ポケモンの魅力を引き出し、技やポケモン自身の美しさも求められる魅せるバトルがコンテストには着いて回る。このムロ島での特訓でハルカも多少はそれを身に付けなければコンテスト優勝なんて夢のまた夢だ。

 

 サトシのバトルについてみんなで話しているとようやくロケット団がケムッソを引き取りにズタボロの格好でやって来た。……こんなになっても構わず来る辺り、ポケモンへの愛情は本物なんだよなぁ。

 

「ケムッソちゃーん!」

 

「あ、ロケット団!」

 

「ああー!私のケムッソちゃん!やっぱりアンタ達の所にいたのね!私のケムッソちゃんを返しなさい!!」

 

「メタング、ラスターカノン」

 

 普段人のポケモンを強奪しようとする癖に被害者振った口振りをした事にムカついたので問答無用でその腹にラスターカノンをぶち込んだ。

 真後ろにいたニャース諸共ぶっ飛んで木に叩きつけられるムサシ。取り敢えず無事なコジロウにケムッソを手渡した。コジロウが妙にビクビクしているのは気のせいだろう。多分。

 

「よ、容赦しないなぁ……」

 

「でもミテキが迅速に対処してくれるから最近ピカチュウがあいつらに捕まる事もほとんどないんだよな……」

 

 マサトとタケシがなんか言ってるが、取り敢えず今はこのロケット団を追い払う事が先決だ。

 

「ケ、ケムッソちゃんは戻って来たし……気を取り直してピカチュウゲットよ……」

 

「そ、そうニャ……ついでにメタングも頂くのニャ……」

 

「しつこい上にしぶてー連中だなぁ。もういいやピカチュウ、バリバリっとやっちゃえバリバリっと」

 

「ピィカ!」

 

 俺の投げやりな言葉に対してピカチュウもほぼ同意見なのか、首を縦に振ると電気袋がビリビリと軽く放電する。おお、やる気だなピカチュウ。

 

「よーしピカチュウ!10まん……」

 

 サトシが満身創痍のロケット団に追い討ちを仕掛けようとした瞬間、俺の隣にいたハルカが抱き抱えるケムッソとムサシが抱き抱えるケムッソのそれぞれに変化が起きた。

 

「「え?」」

 

 ハルカとムサシ、それぞれのケムッソが光り輝き出して姿を変えていく。進化の光だ。

 アニメよりタイミングが早い気がするが、コンテストを目指すハルカには偶にバトルのレクチャーをしていたからその分ケムッソも経験値が溜まったんだろう。ムサシのは知らん。

 

「進化が始まったぞ!」

 

「確かケムッソはカラサリスとマユルドのどっちかに進化するんだよね!?」

 

「カラサリス!カラサリス!カラサリスー!!」

 

「マユルドマユルドマユルドォー!!」

 

 ケムッソの進化はカラサリスとマユルドの分岐進化だ。アゲハントの欲しいハルカはカラサリスを、ドクケイルの欲しいムサシはマユルドへの進化を望んで叫び続ける。叫んだ所で進化先は変わらないんだがな。

 

 そしてハルカのケムッソはカラサリスに。ムサシのケムッソはマユルドに進化した。ハルカはともかくムサシはこんなどうでも良いとこは運が良いんだな。

 

「「やったーー!」」

 

 互いに望んでいた進化を果たした事で大喜びするハルカとムサシ。しかし何を思ったのか、ムサシはハルカのカラサリスを見て鼻で笑う。

 

「ハンッ!貧相なカラサリスね!私のゴージャスなマユルドちゃんとは雲泥の差よ!」

 

「何よその言い方!私のカラサリスはマユルドなんかに負けないわよ!」

 

 その言い方も普通に良くないけどな。そもそもその二体でどう優劣決めろってんだ。

 

「私のカラサリスの方がずっと可愛いわよ!」

 

「何言ってんのよ!どう見たって私のマユルドちゃんの方が可愛いでしょ!!」

 

「私のカラサリスの方が品が良いし!」

 

「私のマユルドの方が全然デラックスなの!こうなったらバトルで決着付けようじゃない!」

 

 一触即発。睨み合うハルカとムサシ。そして二人は目の前の敵を倒すべく、ポケモンに技の指示を出した。

 

「カラサリス!かたくなるよ!」

 

「こっちもよマユルドちゃん!かたくなる!」

 

 かたくなる。さなぎポケモンには定番の物理防御を上げる積み技だ。

 

 お前らここに来てかたくなる合戦すんの?

 

 かたくなる合戦。無印4話にてサトシがトキワの森で出会ったサムライっぽいトレーナーとのトランセル対トランセルの対決で行った奇行である。互いにかたくなるしか使えなかった故に起きた惨劇とも言える。

 

 てゆーかなんで示し合わせているかのようにかたくなるしか使わないの?ケムッソから進化させたんだからいとをはくなり、たいあたりなり使えるだろうに。

 

「まだまだ!もっとかたくなるのよカラサリス!」

 

「こっちだってもっともっとかたくなりなさい!」

 

 カラサリスもマユルドもただひたすらに固くなり続ける。最早硬質化と言っても良い位だが、こいつらは進撃する巨人ではなくポケモンなのでかたくなるで防御力を上げるにも限度がある。

 それでもただひたすらにハルカもムサシもかたくなるを指示し続ける。

 

「もっともっとかたくなって!」

 

「もっともっともっとかたくなりなさい!」

 

 狙われているはずのピカチュウを筆頭に他のポケモン達は日光を浴びてうたた寝を始める始末である。メタングお前もかよ。

 

 そうこうしている内にカラサリスとマユルドにかたくなる合戦をさせていたハルカとムサシの方が身体を強張らせ、固くし過ぎて身動きできなくなり、カチンコチンになって倒れた。

 

「お前達が固くなってどうするんだ……どうしたサトシ?」

 

「いや……何でもない」

 

 呆れるタケシとかつての事を思い出して恥ずかしくなったのか帽子を深く被って目を逸らすサトシ。ここにカスミがいなくて良かったな。

 流石にこのままじゃ何も変わらないと思ったのかムサシは二体目のモンスターボールを投げた。

 

「ええい!もう埒があかないわ!ハブネーク!マユルドちゃんに加勢しなさい!」

 

 やっぱりこうなったか。因みにアーボック、パルシェン、マタドガス、ウツボットはさっきミロカロスとメタングで片付けたので今は出せないんだろう。

 俺は兄イーブイを出してハブネークを抑える事にする。

 

「ったく、正々堂々やれっての」

 

「ミテキ!」

 

 妹イーブイもやる気っぽかったが、スバメとのバトルもあったのでここは万全な兄イーブイで相手をする事にした。だがいらん事にコジロウがサボネアを出して加勢してくる。

 

「お前も行けサボネア!……だから俺にじゃないってーー!!」

 

「ハブネーク、ポイズンテール!!」

 

「サボネア、ミサイルばりだ!!」

 

「リフレクター!」

 

 まずはリフレクターで物理技のポイズンテールとミサイルばりを凌ぐ。わるわるゾーンの追加効果での発動じゃ壁を張るのが遅れるから、敢えてリフレクターを使う。

 

「ブイ!」

 

 すると今度は妹イーブイが俺の足元に来て自分もやると主張する。俺の影響なのかこいつも大概バトル好きだよな。

 まぁ危なくなったらゴウカザルでロケット団を一掃すれば良いので許可を出す。

 

「妹イーブイはスピードスターで牽制しろ!」

 

 とにかく今はハブネークとサボネアによる二対一の構図を変える必要があるのでスピードスターで二匹を攻撃して、兄イーブイが距離を取る時間を稼ぐ。

 並んでイーブイ兄妹とハブネーク&サボネアが睨み合う。

 

 そんな時だった。さっきのケムッソ二匹……カラサリスとマユルド同様にイーブイ兄妹が眩い光を放ち出したのは。

 

「「ブイーーー!!!」」

 

 ここに来てこいつらの進化が始まった……!

 

「また進化!?今度はイーブイ達が!」

 

 誰もがその進化に目を奪われ、兄イーブイの毛色は薄紫となり、尻尾は二又に別れ、妹イーブイはピンクをベースにしたリボンがチャームポイントの姿に変化した。

 

「エーフィとニンフィアだー!!」

 

 昼のなつき進化である事でフェアリー技……きらきらストームを敢えて覚えさせなかった兄イーブイがエーフィに、そしてきらきらストームを覚えさせた妹イーブイがニンフィアに進化した。

 

「遂に来たか……!無事に進化できたなエーフィ!ニンフィア!」

 

「フィー!」

 

「フィア!」

 

 ここまで積み重ねてきた育成とバトルが身を結んだ瞬間だな。特に妹イーブイ…いや、ニンフィアはさっきのサトシとスバメとのバトルの経験値が大きかったんだろう。

 

「えーと、カードによるとアレはニンフィアだな。カロス地方で発見されたイーブイの進化系らしいぞ」

 

「ニャアァァ……!ニャんて可愛いのニャ……!!」

 

「ちょっとニャース!デレデレしてる場合じゃないでしょ!マユルドちゃんのフォローしなさい!」

 

 ロケット団はアホだからサンドバッグにしやすい。エーフィとニンフィアの試運転には丁度良いかもしれないな。

 

「ニンフィア、サボネアにでんこうせっか!」

 

 ニンフィアのでんこうせっかを受けてサボネアは吹っ飛ぶ。ニンフィアは物理型ではないが、そもそもが個体値6Vだからな。それなりにパワーもあるんだ。

 

「な、なんてパワーだ!?進化してそこまでパワーが上がったのか!?」

 

 コジロウも流石に驚いているようだ。否定はしないが、本質はそこじゃない。

 俺のニンフィアのノーマル技はフェアリー技に変化してタイプ一致どころか、技の威力そのものに補正がかかる。通常のでんこうせっかより遥かに強力なんだよ。

 

「エーフィはどばどばオーラ!」

 

 続いてエスパー技でハブネークの弱点を突きつつ、追加効果のひかりのかべで特殊攻撃に対策しておく。進化して種族値が上がった上にタイプ一致で放てるからか、相当にパワーアップしているな。

 

「よーし、ニンフィアはようせいのかぜ!エーフィはねんりきだ!!」

 

 進化と同時に新たに覚えた技で一気に吹っ飛ばしてハブネークもサボネアと纏めて戦闘不能に持って行く。

 その間にピカチュウにわるだくみを三回使わせていたサトシがトドメを指示。

 

「よーしピカチュウ!10まんボルト!!」

 

「ピィカァ……ヂュウウウウッ!!」

 

 うんうん。こないだ教えた通り、積み技をちゃんと使ってピカチュウの火力を上げるのは感心感心。

 

「「「本日二度目のやなかんじ〜!!」」」

 

 こうして再び空に飛んでいくロケット団。ったく、なんで一日に二回もあいつらの相手をしなきゃいけないんだか。アニポケの視聴者としては見慣れた光景だが、当事者になるとただただ鬱陶しいだけだな。

 

 ……あとニャースがニンフィアに対して滅茶苦茶不穏な事言ってたな。あの野郎、まさかニンフィアに惚れたとか抜かすんじゃねぇだろうな。ぜってー認めねえからな。

 

「やっぱりニンフィア可愛いかも〜!」

 

 ハルカがニンフィアを抱き抱え、ニンフィアは自分からハルカに頬ずりしている。イーブイだった頃からハルカにも懐いていたもんな。正直ニンフィアが羨ましいです、ハイ。

 

「ミテキが狙っていた進化はエーフィとニンフィアだったのか」

 

「ああ。特性で決めた」

 

「特性……どんな特性なんだ?」

 

 スバメの事もあってかサトシがエーフィとニンフィアの特性について聞いてきたので掻い摘んで説明する。

 

 兄のエーフィの特性はマジックミラーで妹のニンフィアの特性はフェアリースキン。二匹とも夢特性だ。こいつらが夢特性と知った時点でこの組み合わせは決めていた。

 俺はガチのポケモン廃人じゃないから否定されるかもしれないが、ブイズの夢特性は正直この二匹が理想だと思う。どちらも強力な特性だ。

 

「マサトが勝手に進化させてたらエーフィにもニンフィアにもなれなかったわね」

 

「うっ」

 

 ハルカに痛い所を突かれて固まるマサト。もっと反省しろやボケ。

 

 ハルカはポケモン図鑑を見ながらエーフィとニンフィアをまじまじと見つめてる。いずれはグレイシアをゲットするけどやっぱり他のブイズにも興味があるようだ。

 

「エーフィはエスパータイプ、ニンフィアはフェアリータイプのポケモンなのよね?」

 

「どっちもかくとうタイプに有利なポケモンだね!」

 

 マサトの言う通り、かくとうタイプ相手にエスパータイプとフェアリータイプは有利だ。ムロジムは進化したこいつらか、ジム戦の経験のないメタングかで悩んでいたが、ここまで来たらほぼ決まりだ。

 

「よーし、エーフィ!ニンフィア!明日のトウキさんとのジム戦がお前達の公式デビュー戦だ!!」

 

「フィア!」

 

「フィー!」

 

「わぁ!ミテキもエーフィもニンフィアも頑張って!」

 

「僕も応援してるよ!カナズミジムでもバトルできなかった分、思いっきりやっちゃえ!」

 

 ハルカを筆頭にみんな応援してくれるんだ。これまでお預け喰らっていた分、大暴れしてやれ!

 そうして明日のジム戦に向けて気持ちを高めている中、真後ろからあるポケモンの鳴き声が聞こえてきた。

 

「マユ……」

 

 みんなで振り向けばそこにいたのはかたくなるを続けてずっとその場に放置されていたマユルドだった。

 ……コレはアレか。かたくなる合戦をしてた上、自分じゃ身動きできないからカラサリス共々放置されてた結果、また溢れてロケット団だけ吹っ飛んだのか。

 

 つまりこれはアレか。奴らが来ると分かっててポケモンセンターには戻れないから……

 

「またロケット団来るまで待つのかよ!!」

 

 ムカついたので次来た時にはマユルドを渡して即ブラストバーンで吹き飛ばしてやった。




さなぎポケモンのかたくなる合戦は前からやりかった。

23.イーブイ(♂)→エーフィ(♂)
特性:きけんよち→マジックミラー
備考:タマゴの時、ある人物から譲り受けてファイトエリアで孵った。シンオウリーグ・スズラン大会には不参加。ニンフィアは妹。
 
24.イーブイ(♀)→ニンフィア(♀)
特性:きけんよち→フェアリースキン
備考:タマゴの時、ある人物から譲り受けてファイトエリアで孵った。シンオウリーグ・スズラン大会には不参加。エーフィは兄。フェアリースキンの倍率は第六世代準拠で1.3倍。

フェアリースキンのように世代を跨ぐ事で弱体化を喰らった特性はナーフ前とナーフ後の両方が存在している設定です。それこそ、個体値と同じく個体差という事で。
他の例を挙げるとへんげんじざいのゲッコウガなどもナーフ前の何度でもタイプ切替可能なのとナーフ後の最初の一回だけの両方があります。
でもマスカーニャはナーフ後だけです。
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