ポケットモンスター 遥かなるチャンピオンロード   作:メンマ46号

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アニメとは違う内容になります。そろそろ触れておきたい事だったので。


ホウエン地方のチャンピオンとメガシンカ

 sideミテキ

 

「「「やなかんじぃ〜〜〜!!!」」」

 

「あー無駄な戦いだった」

 

「戦いっていうか……出会い頭に問答無用でギガインパクトって……」

 

 つるぎのまいを三回積む時間が無かった事が悔やまれる。

 俺がムロジムでのジム戦に勝利した翌日、俺達はマサトの提案でこのムロ島の石の洞窟にいるというツワブキ社長の息子、ダイゴさんを訪ねる為にその石の洞窟に向かう最中にまたもやロケット団と遭遇した。

 

 どうせ碌な事をしないのでバッタリ会ってすぐさまガブリアスのギガインパクトでやなかんじーにしてやった。

 

 まだ何もしてないだろって?まだって事はいずれなんかするだろ?どうせサトシのピカチュウを奪おうとするんだし、結果は変わらないよ。

 

「ピィカ」

 

 ほらピカチュウも満足気に頷いている。これまで散々しつこく狙われ続けてフラストレーションが溜まっていたんだろう。俺がロケット団を問答無用でぶっ飛ばす所は見ていて爽快なんだって。つまりこれもピカチュウの為だ。

 

「それにしてもガブリアスを出したのはちょっとビックリしたぞ。いつの間に手持ちを入れ替えたんだ?」

 

「今朝。今日はガチバトル仕様の面子だ」

 

 エーフィとニンフィア、キノココはナナカマド研究所に転送した。しばらくはサーナイトやロズレイドを中心とした他のポケモン達との訓練を指示しておいた。

 誤算があったとすれば、ニンフィアと特に仲の良かったハルカのアチャモが駄々をこねた事だろうか。

 

「で、マサト。ここにダイゴさんがいるのか?」

 

「うん!そのはずだよ!」

 

 駄弁りながら歩いているとツワブキ社長が教えてくれたダイゴさんのいるという石の洞窟に辿り着いた。

 

「ダイゴさんはここで珍しい石を探しているのね!」

 

「ツワブキ社長、言ってたよな。困った事があればダイゴを訪ねてみろって」

 

「ああ。ポケモントレーナーとしても相当な腕前らしいな」

 

「きっとポケモンの事についても詳しいんだろうね!」

 

「そりゃそうだろ。ホウエンチャンピオンなんだし」

 

 何気なく俺が言ったこの一言によってサトシ、ハルカ、マサトの三人が固まって俺を凝視してくる。「今こいつ何つった?」とでも言いたそうだ。

 

「だから、ツワブキ・ダイゴさんはこのホウエン地方のチャンピオンにしてマスターズエイトの一人だよ」

 

「「「ええっ!?ホウエンチャンピオン!?」」」

 

「なんでマサトまで驚いてんだ。お前は知ってたんじゃないのか」

 

 タケシは当然知っていたみたいだし、少々無知な所のあるサトシや完全に初心者のハルカはともかく、ジムリーダーを目標にしてポケモン研究者の本を読み漁っている蘊蓄メガネがそれを知らないのは問題じゃないか?お前ポケモンリーグとかも良く観てんだろ?

 

「そりゃ同じ名前とは思ってたけど、まさかチャンピオンだなんて思わなかったよ……」

 

「結構有名だぞ。ダイゴさんがデボンの御曹司って話は」

 

 この世界、前世での世代に関係なく色んな情報が出回っている。アドバンスジェネレーションは第三世代の物語だが、現時点で第四世代以降のポケモンも普通に知れ渡っているのが良い例だ。

 

「そ、そうだったんだ……」

 

「ミテキ、そうじゃないかとは思っていたがやはり手持ちを本気のバトル用に揃えて来たのは……」

 

「そ。ダイゴさんにバトルして貰う為。公式戦じゃない野良バトルだけど、得るものは沢山あるはずだ」

 

「そっか!だからガブリアスを連れて来てたのね」

 

 そんな理由があれば流石にまだ育成途中のエーフィとニンフィアを連れて来れないのはハルカにも分かるのか、納得の表情だ。

 すると今度はマサトが俺の服をグイグイ引っ張って駄々をこねてくる。やめろ鬱陶しい。俺におねだりが通用するのはハルカだけだ。

 

「ねぇねぇ、ゴウカザルとガブリアスの他にはどんなポケモンを連れて来たの!?見せてよー!ジバコイル?ルカリオ?それとも……」

 

「引っ張んなっつーの。それはアレだ。後のお楽しみって奴だ」

 

 一応お前の知らないポケモンもいるからきっと大興奮するだろうし、それで手を打て。

 

「とにかく入ってみようぜ!チャンピオンならきっとこの島でのトレーニングに良い場所や方法も知ってるはずさ!」

 

 とにかくまずはダイゴさんに会えなければ意味がないのでみんなで石の洞窟の中に入る。中は暗いのでこの間技マシンで覚えさせたフラッシュをピカチュウに使って貰う。

 

「すご〜い!洞窟って感じ!」

 

「お姉ちゃん、だから洞窟だって……」

 

「野暮な事言うもんじゃないぞマサト」

 

 そういう所が可愛いんじゃないか。

 

「ダイゴさーん!何処ですかー!?」

 

「ピカピッカー!」

 

 迷わない為の目印を(タケシが)つけながら石の洞窟内を探索していく。道中ココドラの群れを見つけたのでゲットしたかったのだが、俺の手持ちのレベルがココドラと比べて高過ぎてオーバーキルになってしまうのと、この手の群れはちょっかいかければ確実に集団で襲い掛かって来て騒ぎを起こす事になるので断念する。

 

 捕まえるなら一匹になった所を不意打ちのクイックボールで……って感じかな。なんか誘拐犯みたいなやり方だが。

 

 そうして洞窟内を進むと行き止まりの所で小型のツルハシを使って壁を掘る人がいた。というかTVでよく観たホウエンチャンピオンのダイゴさんだった。

 

「もしかしてダイゴさんですか!?」

 

「そうだけど……君達は?」

 

 いの一番に声を掛けたマサトに返答して尋ねてくるダイゴさん。まずはこっちが名乗らなきゃな。

 

「俺、マサラタウンのサトシです」

 

「タケシです。ポケモンブリーダーを目指しています」

 

「ハルカです!」

 

「僕マサト!」

 

「フタバタウンのミテキです」

 

「フタバタウンのミテキ……?そうか。君が!」

 

 なんかこの反応もお約束になってきたような気もするなぁ。どうやらダイゴさんも俺の事は知っていた模様。

 カナズミシティでの出来事やツワブキ社長の紹介で訪ねて来た事を説明し、ポケモン修行のスポットを教えて貰えないかとみんなで頼み込む。

 

「なるほど。そういう事だったか。分かった。確かに良い場所を知っているから、後で案内してあげよう」

 

「「ありがとうございます!!」」

 

 サトシとマサトが同時にお礼を言い、ハルカは辺りを見渡しながらダイゴさんに別の事を質問する。

 

「でもダイゴさん、なんでこんな所で石を探してるんですか?」

 

「ここにはちょっと特別な石を探しに来ているのさ。進化の石やポケモンの化石以上に特別な石をね」

 

「特別な石?」

 

「もしかして、メガシンカに関する石……メガストーンとキーストーンですか?」

 

 特別な石と聞いて真っ先に思い浮かんだのがそれだ。進化の石が欲しいのであればカントー地方のストンタウンにでも行けば良いし、化石ポケモンが欲しいのであれば各地方の発掘スポットに行くだろう。

 

「流石鋭いね。その通り。欲しいメガストーンがあってね。ここの洞窟なら発掘できるかもしれないと思って来たんだ」

 

 恐らく探しているのはメタグロスナイトだろう。

 確か以前のPWCSでのマスターズトーナメントで使っていたのはメガボスゴドラだったしな。

 

「ここでメガストーンが見つかるかもしれないんですか?」

 

「おや?興味あるかい?」

 

「俺もメガシンカさせたいポケモンが何体かいますから」

 

 少なくともガブリアスとサーナイトはメガシンカさせたい。他にもルカリオとまだ次の進化が控えているがメタング……あとはあいつか。俺のポケモンの中では五体がメガシンカが発見されている。

 個人的には御三家であり、俺の相棒であるゴウカザルにもメガシンカが欲しいんだが、公式が何も出さずに俺が先に死んじゃったからな。

 

「ねぇ、メガシンカって何なの?」

 

「メガシンカとは『進化を超えた進化』とも言われる一部のポケモンにのみ確認された現象さ。普通のポケモンの進化とは違い、バトル中にのみ一時的に姿形が変わるんだ」

 

 ハルカの質問にタケシが答える。カントー地方でもレッドやグリーンがメガシンカの使い手としても有名だからな。

 

「メガシンカを遂げたポケモンは、通常の進化ではありえないパワーを発揮することができるようになると言われている。パワーアップするのは勿論、中にはタイプや特性が変わるポケモンもいる。あらゆる意味で従来の進化やフォルムチェンジとは一線を画するものだ」

 

「発見されたのはカロス地方だが、このホウエン地方も関わりが深いとされている。なんせホウエン地方の伝説のポケモンこそがメガシンカの起源なんて学説もあるしな。俺がホウエン地方に来た理由の一つが、メガシンカの力を手に入れる為でもある」

 

「そっか。スズラン大会決勝でミテキが戦ったトレーナーもメガシンカを使ってきたもんね。でもメガシンカしたポケモンをやっつけたゴウカザルも凄かったよね!僕ビックリしちゃったもん!」

 

「その前にガブリアスがやられたけどな」

 

 でもガブリアスの献身が無かったらゴウカザルでも厳しかっただろう。

 

 それにメガシンカの後にはあんな隠し玉まで用意していたんだ。あの時点では……いや、今も尚、メガシンカを手に入れても埋め切れない差が存在している。

 だがあの女にはいずれ必ずリベンジする。チャンピオンリーグに進めば再戦の機会もあるだろう。そしてその先にこそ、俺がシロナさんを倒してシンオウチャンピオンになる道があるんだ。

 

「ハルカのポケモンなら、アチャモの最終進化系のバシャーモ、サトシのポケモンならリザードンやヘラクロスなんかがメガシンカが発見されているな」

 

 ハルカのポケモン図鑑を操作してメガバシャーモの画像を出す。サトシの図鑑にもメガリザードンのXとY両方を表示させた。つってもサトシはメガリザードンの方は知ってたようだけど。まぁグリーンやワタルが使う所とか見た事あるだろうからな。

 

「で、そのメガシンカに必要なのがそのポケモンに対応するメガストーンと人間側が持つキーストーン。そしてメガストーンとキーストーンを通じてポケモンをパワーアップさせる為のトレーナーとポケモンの強い絆。それらが全て揃って初めてメガシンカができるんだ」

 

「ただ石を持ってるだけじゃ駄目なのね……でもアチャモがバシャーモに進化して、その時メガシンカできたら素敵かも!」

 

「メガシンカかぁ……よーし、俺も!」

 

 話を聞いてサトシやハルカもメガシンカに興味を示したようだ。こうしてみんなで手分けして洞窟内を掘ってメガストーンを探す事にした。勿論ダイゴさんも快く一緒に探すのを了承してくれた。

 

 狙ったメガストーンが手に入るとは限らないが、それでも手に入れておきたい。なので俺はリュックから一つの機械を取り出した。

 

「それは?」

 

「メガストーンの探知機です」

 

「そんなものを持っていたのかい?」

 

「俺がお世話になってるナナカマド博士のお弟子さんにカロス地方でメガシンカの研究をしているプラターヌ博士って人がいるんで、ナナカマド博士のツテで貰いました。去年ヨスガシティの学会でそこそこ仲良くなったのもあって」

 

 ホウエンにはカロスにないメガストーンもあるだろうという事で見つけたら写真を始めとするデータを提供するという条件付きだったが、それくらいは安いもんだ。

 

 探知機が示す反応は一つ。少なくともこの場には一つだけだがメガストーンがあるようだ。

 

「ダイゴさんの読み通りだ。この辺に一つあるな」

 

「よーし、メガストーンゲットだぜ!」

 

「私もー!」

 

 そうして洞窟の中を慎重に掘る事三時間。ダイゴさんに借りた小型のツルハシで壁を掘っていたら、サトシが見事に掘り起こしたらしく、高々と丸い石をその手に掲げた。

 

「あったーーー!!」

 

「おっと。サトシに先を越されちゃったか」

 

 見れば確かにメガシンカ特有の二重螺旋構造の紋様が刻まれている。メガストーンに間違いなさそうだ。

 

「ねぇミテキ、これは何のメガストーンなの?」

 

 ハルカが俺に尋ねてきたが、正直俺も分からん。一度プラターヌ博士に連絡して調べて貰った方が良いかもな。

 だがダイゴさんには分かったようで、サトシの持つメガストーンを覗き込みながら答えてくれた。

 

「これは恐らくはピジョットナイトだね」

 

「っ!ピジョット!?ピジョットにもメガシンカがあるんですか!?」

 

 まさかの答えに食いつくサトシ。そういえばサトシはピジョットに迎えに行くと言って別れてそれっきりなんだっけ。

 再登場がまさかのシリーズ全体での最終回になるだなんて当時誰が思っただろうか。

 まぁ訳分からんトレーナーに預けて、再登場する事なく物語が終わってしまったオコリザルよりかはマシな扱いだけど。セキエイ大会で呼んでやれよ。オコリザルがいればもうちょい戦績良かったんじゃねーの。

 

「ピジョットか……」

 

 ピジョットナイトを握り締め、サトシは黙り込む。ふむ、もしかしたらピジョットの復帰はアニメよりも早まるかもな。

 

 結局サトシが見つけたピジョットナイト以外はメガシンカに関する石は見つからなかった。そもそも反応それだけだったしな。

 

 他に見つかったのは精々ほのおのいしとつきのいしくらいだ。ほのおのいしはダイゴさん、つきのいしは俺が見つけた。……ニドラン系統をゲットした時の為に取っておくか。ニドキングとニドクイン、どっちにしよう……。

 

 因みにピジョットナイトはサトシの物という事で落ち着いた。サトシが見つけたんだし、俺達誰もピジョット持ってないしな。

 

「メタグロスのメガストーンを探していたんだけど、そう都合良くはいかないか」

 

 やっぱりメタグロスナイト狙いだったか。

 

 メガストーンは進化の石やポケモンの化石以上に珍しいものだからな。そう簡単には狙ったものを手に入れる事はできない。そんな事はダイゴさんも分かっていたからかそこまで落胆した表情でもない。

 

「だけど助かったよミテキ君。君が探知機を持って来てくれていたお陰で思っていたよりもずっと早く終わった。これならすぐに次に行けそうだ」

 

「ええー!?ダイゴさんもう行っちゃうのー!?」

 

「ああ。次のPWCSやチャンピオン防衛戦の為にも、もっと強くならないといけないからね。勿論修行スポットの案内はするから」

 

 まだまだダイゴさんに聞きたい事が沢山あるであろうマサトの残念そうな声が洞窟内に響く。

 マサトはともかく、俺としてもここですんなりと、はいさようならという訳にはいかない。

 

「でも、予定ではもう少し時間がかるはずだった……。なら少し時間に余裕があるって事ですよね?」

 

「それはそうだけど……」

 

「だったら……」

 

 俺はポケモンの入ったモンスターボールを前に突き出す。今日はこの為にポケモン六体を対ダイゴさん用のガチ構成に揃えて来たんだ。

 

「ホウエンチャンピオンのダイゴさん、俺とポケモンバトルをお願いします」

 

 今の俺がチャンピオンクラス……マスターズエイトと比べてどれ位のものなのか、確かめる……!!




一応新無印のマスターズトーナメントまでに現状のマスターズエイト全員とバトル予定です。一人目はダイゴ。

Q.ホウエンチャンピオンがダイゴならミクリは?

A.ジムリーダー兼コンテストマスターなのは変わらないけど、詳細は物語が進んでから。一応ホウエン編に登場予定。
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