ポケットモンスター 遥かなるチャンピオンロード   作:メンマ46号

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アマプラ配信復活したので戻って来ました。

いっそ主人公のシンオウリーグの話でも書こうかなーと思ったタイミングで復活するとは。

アニメを見返すとやっぱりアニポケの歴代ヒロインの中じゃハルカが一番可愛いと改めて思いました。異論は認める。


挑め!ポケモンカラクリ屋敷!

 sideミテキ

 

 ハルカのコンテスト初挑戦が終わり、カイナシティを後にした俺達は次のジム戦の為、キンセツシティを目指して旅を再開した。

 

 カイナシティを出る直前にマグマ団が博物館を襲撃したのを纏めてとっ捕まえたり、街を出てからも仲間の治療目的でダーテングが森のポケモンセンターのジョーイさんを攫ったりと色々あった。

 

 中でも最近は一つ不愉快な出来事があった。

 

 次の街に向かう途中、山道で霧の中休んでいるとロケット団が襲って来た。ロケット団自体は瞬殺してやなかんじーにしてやったのだが、どうやらロケット団は俺達を襲う前に泥棒をしていたらしく、でんきタイプのポケモンが触れると光るという妙な石を落としていった。

 

 そこに遅れてやってきた妙な女がいきなりコイルをけしかけて10まんボルトを放って来て、俺に直撃した。躱す事もできたが、それだと位置的にハルカに当たっていたからな。どうもこの石を盗んだロケット団を追って来たようだが、肝心の犯人達の顔を知らないらしい。

 

 電撃を浴びせられた怒りでビキビキ血管が浮かび上がる音がしたけど、まずは冷静に弁明しようとした。が、あまりに人の話を聞かずに一方的に人を泥棒呼ばわり。ムカついたので俺達を泥棒呼ばわりしてきた女はジバコイルでロケット団同様やなかんじーにしてやった。やられたらやり返す。倍返しだ。

 少しタケシが物申したそうにしていたが、人の話を聞かずに一方的に濡れ衣を着せた上に不意打ちで電撃浴びせて来た輩に通すべき筋など無い。女だからって無条件でフェミニストになる必要はないんだよ。何ならお前が一番酷い事言われてたぞ。

 

 途中でまたロケット団が光る石を奪おうとやって来たが、あの女のように再びやなかんじーにしてやった。

 

 因みに女に同行していた弟がいたのだが、ロケット団相手の俺のバトルを見て感極まったらしく、弟子にしてくれと師匠呼びしてきたが、お前なんぞ弟子にする気はない。石なんぞ渡してやるからそれとどっかに飛んでった黒焦げの姉持ってとっとと帰れ。俺が丁寧に色々と教えてあげるのはハルカだけなんだよ。

 

****

 

「何だ?このポスター」

 

 そんなこんなで旅を続け、キンセツシティに行く途中の街に立ち寄った際にサトシが見つけたポスターがきっかけだった。

 

「カラクリ屋敷大会開催。優勝者にはポロック一年分…?」

 

「えー!?ポロック一年分!?凄いかも〜!」

 

「でもそれって全部市販品だろ?」

 

 市販品のポロックを駄目とは言わないが、コーディネーターはポケモンの毛艶や体調を整える為に細かく微調整をしてベストなポロックやポフィンを作る。だが市販品では一定の効果は見込めてもその辺の調整の融通が効かない。少なくともコンテスト優勝を目指すなら市販品のポロックはお勧めしないね。その辺手を抜いてちゃミツミやルチアには勝てないぞ。

 

 そもそも一年分のポロックなんて持ち運びどうすんのって話だし。俺ら旅の途中よ?

 

 カビゴンやマルノーム、ホシガリス、モルペコとかの大食いのポケモンがいるなら話は別だけども。

 

「でも参加してみる価値はあるんじゃないか?」

 

「でもカラクリ屋敷大会って何だろ?」

 

「迷路みたいなアトラクションか何かだろ?」

 

 内心ゴチャゴチャ言ったが取り敢えず試しに参加はする。こういうイベント自体は結構好きだし。

 そんな理由で参加を決めて会場に行けばかなりの人数でごった返している。中々人気のイベントではあるらしい。

 

「もしかしてカラクリ屋敷大会って、参加者にからくり屋敷を作らせて審査するのかな?」

 

「流石に無いんじゃないか?何日かかるんだって話だし」

 

 すると今度はいきなりマサトが後ろから走って来たポケモンに突き飛ばされてすっ転ぶ。マサトを突き飛ばしたポケモンを確認すればそこにいたのはゴニョニョだ。

 ゴニョニョか……センリさんのバクオングの凄さはよく覚えてる。やっぱりムロ島でドゴームを捕まえておくべきだったか……?くそ、やっぱ惜しい事したなぁ。

 

「可愛いかも!」

 

「ゴニョニョ〜!もう勝手に行っちゃうんだから!」

 

 すると今度はゴニョニョのトレーナーと思われる女の子がやって来た。この子の名前はアキナというらしい。丁度良かったのでこのカラクリ屋敷大会について尋ねてみると、今にこの大会名物の主催者、カラクリ大王が出て来て説明してくれるという。

 

「カラクリ大王?」

 

 言ってるそばから無駄に壮大な演奏と共に大きな建物の前に設置してあるステージから派手な格好をしたおっさんが迫り上がって来た。あのおっさんがカラクリ大王か。

 

『皆さんようこそいらはいました!』

 

 いらはいました?

 

『ワガハイがこのカラクリ屋敷大会の主催者、カラクリ大王であ〜る!どうぞヨロシク〜!』

 

 腹の立つニヤケ面でおちゃらけた感じで進行していく。そういうキャラで行くらしい。

 

『このカラクリ屋敷にはワガハイが作った色々な仕掛けがあるのである!皆さんの知恵と勇気でクリアするのである!全てのカラクリを潜り抜け、一番早くゴールした者が優勝者なのである!』

 

 キャラはともかく、やはりイベントは面白そうだ。俺こーゆーの好きよ。そして優勝賞品は告知通りのポロック一年分。でも市販品のポロックは貰っても正直持て余すからな。一位狙いでガチで行くのではなく、単純に楽しむスタンスで良いだろう。

 

『どの入り口から入るかは各々の自由!ではカラクリ屋敷大会、スタート!!カラクリカラクリでからくりきんとん!なんちって〜!!』

 

 スタートの合図の後、良く分からない事を口走って退場して行った。

 ……何だ?今の。ダジャレ?

 

「……ねえ、カラクリ大王って何者なの?」

 

「さあ?でも毎年こうなのよ」

 

「毎年スベり散らして尚あのキャラ保てるのか」

 

 ある意味凄いメンタルだ。俺だったら死にたくなるね。あの惨状。

 折角なので仲良くなったアキナと一緒に参加する事になったが、まずは複数ある入り口のどれから入るか。

 

「よーし、行こうぜ!」

 

「僕はこっちだー!」

 

「俺もこっちに行くかな」

 

 マサトは意気揚々と右の方の入り口に入って行き、付き添いでタケシもそれに着いていく。

 俺はハルカと一緒が良いのでサトシ、アキナ、ハルカと同じ入り口から入る。マサトとタケシが入った入り口とは別の入り口だ。

 

「私、今日はゴニョニョとのコンビネーションを良くしようと思って参加したの」

 

「へぇ〜上手く行くと良いわね!」

 

「なーる。一緒にこういう課題に挑む事でその辺を深める訳ね。俺達も丁度良いかもな、メタング!」

 

 アキナの参加理由を聞いた事で俺もモンスターボールからメタングを出して連れ歩く事にする。メタングは確か中々に頭の良いポケモンだからな。何か細かい事に気付くかもしれん。メタングとの仲を深める為にも今回は一緒にやる事にする。

 

 そして早速第一関門。目の前に広々と幾つもの壁が設置されており、迷路そのものとなっている。おお、かなり本格的!

 

「今年の第一エリアは迷路なのね」

 

「迷うかも〜!」

 

「良いね良いね!こーゆーのを期待してたんだ!」

 

「なぁに、こんなの楽勝だぜ!さぁ!黙って俺に着いてこーい!」

 

 そう言ったサトシが足を踏み入れた場所はいきなり行き止まりだった。綺麗なフラグ回収である。

 四人で迷路の中を色々回っては見るものの、予想以上にガチで作り込まれているらしく、中々先に進めない。というより今俺達がどの辺りにいるのかが分からない程だ。迷路の中に幾つものドアがあって全然違う場所に出られるからこそ、引き返そうにも何処が何処だか分からなくなる。

 

「また行き止まりだ〜!」

 

「はぁ…」

 

 頭を抱えるサトシと溜め息を吐くハルカ。溜め息を吐く様も可愛いが迷路の攻略もしなくてはならないのでどうしたもんかと思っているといきなり後ろのドアが開いてカラクリ大王が出て来た。

 

「うおっ!?ビックリした!!」

 

「カラクリ大王?」

 

「みんな〜!頑張っておるかな〜?実はここには迷路の他にも仕掛けがあるのであ〜る!例えばこのドアを開けると……」

 

 そう言って出て来たドアと別のドアを開けて飛び込む。……が、その先にはグッショリ濡れたスポンジが詰め込まれており、そこに減り込む。

 

「何とそこは濡れたスポンジの部屋であった!スポンジスポンジでスッポンポン人!なんちって!」

 

 変なダジャレを腹の立つニヤケ面で叫んで空気が死んだ。

 

「ぬぁ〜はっはっは〜!!」

 

 ムカつく笑い声と共に入って来たドアを通って退場した。

 ……ヒントをくれるのは良いけど、意味あったか?今の。ドアを開けてもそこに飛び込む奴なんてまずいないし、後グッショリ濡れたスポンジが一面に詰められてるのは気持ち悪い。あんなおっさんがダイブしたなら尚更だ。

 

「ねぇ、カラクリ大王って普段は何やってるの?」

 

「さあ?でも毎年こうなのよ!」

 

 主催者あんなんで良く人気保てるなこの大会。それだけクオリティが高いのか。なのに主催者はあれ程に残念な人とはな。

 

 カラクリ大王のせいで微妙な気持ちで迷路攻略を再開する事になったのだが、少しだけ離れて迷路の分かれ道がどうなっているのかみんなで確認する途中でアキナのゴニョニョがはぐれてしまった。

 

 そんな時だった。俺達の前に奴が現れたのは。

 

「プリッ!」

 

「プリン?」

 

「まぁ、プリンだわ!」

 

「可愛いかも!」

 

 何故かプリンが俺達の前に現れた。その手には野生のポケモンが持っているはずのないマイクが握られている。ちょっと待て。プリンにマイクって不味くね?

 するとサトシは困惑した様子でプリンを指差す。

 

「お前……もしかしてあのプリンか?」

 

 サトシはこのプリンと顔見知りの様子。もっかい待って。つまり無印で何度もサトシ達が遭遇した歌う度にみんなを眠らせて顔に落書きするあのプリンって事じゃ……

 

 固まっているとプリンは問答無用で歌い出す。サトシがやめろと言うがもう遅い。俺達は強烈な眠気に襲われて瞼が重くなる。

 

「何だか良い気持ち〜」

 

「もう立ってられないかも〜」

 

「ちょいまて……ふぁぁ…」

 

 プリンを止めようとして俺の意識は闇に沈んだ。

 

****

 

 side三人称

 

「ん……」

 

 プリンの歌を聞いて眠りについたハルカはぼんやりとした意識を徐々に覚醒させる。何やらハルカの身を包むような温かい感覚が心地良い。

 ゆっくりと目を開ければ視界に飛び込んでいる光景は共に旅をする少年の服そのもの。

 

「すぅ……かぁー…」

 

「……ふえっ!?」

 

 意識が完全に覚醒した時には抱き締められている事を自覚した。

 ハルカはミテキに軽くだが、抱き締められる形で寝そべっており、その状態は正に抱き枕。

 それを自覚した瞬間、嬉しさと恥ずかしさが同時に込み上げて、顔を真っ赤にしながら周囲の視線を真っ先に気にする。

 

 だがすぐに周りは誰一人起きてはいない事に気付く。サトシもピカチュウもメタングも、アキナも。寝息がしっかりと聞こえてくる。もう暫くは起きそうにない。

 ……ならば何もすぐに抜け出す必要なんてないのではなかろうか。

 

「ふふっ♪」

 

 ミテキの身に少し自分の身を寄せて、もうちょっとだけ、この状況を堪能する事にしたのだった。ゴニョニョの事を忘れて。

 

 ……尚、今の自分や他の面子の顔の惨状を知るのはもうちょっと後の事である。

 

****

 

 sideミテキ

 

 やられた。アニポケおなじみプリンの歌がこれ程強力な眠りの効果とは。大音量で聞いたからか?誰だよプリンにマイクなんか持たせた奴。

 

 ハルカとアキナはプリンに落書きされた顔を互いに見て爆笑してる。当然俺とメタングも落書きされていた。サトシとピカチュウも言わずもがな。

 しかし次期600族のメタング相手に落書きとは怖いもの知らずだなあのプリン。顔を拭いて落書きを消してやるのだが、未だにぐーすかぴーと寝こけているのでメタングをボールに戻す。

 

 ところで、爆笑とは別に妙にハルカがホクホク顔だが、そんなにプリンが気に入ったのか?流石にアレをゲットはやめて欲しい。毎日落書きされるとか勘弁。

 

「しゃーねぇ。エーフィ、出てこい」

 

 メタングの代わりにエーフィを出して仲を深める事にする。つってもなつき進化を果たしてるからぶっちゃけそこまで出す意味はないんだけども。

 

「あのプリンは歌の途中で寝ちゃうと怒って落書きをするんだよ」

 

「自分の歌を最後まで聴いて貰いたいのかしら?」

 

「無茶言ってくれる。プリンの歌そのものが眠らせる作用持ってんのに」

 

「でもこんな所で出会うとは思わなかったぜ」

 

「地続きのカントー・ジョウト間ならともかく、海を跨ぐホウエンに出没とかどういう事だよ」

 

 船か飛行機に密航でもしたんかね?ポケモンなのに。

 その後、同じく迷路で迷っていたタケシとマサトと合流し、アキナのゴニョニョ捜索を再開するも、一向に見つからない。

 

「もう外に出ちゃったのかな?」

 

「だったら出口を探した方が早いかもな」

 

「しかし、何処に出口があるんだ?」

 

 最早引き返して入り口に戻る事すら不可能な程度には迷っている。うーむ、ひこうタイプでも使って上から探してみるか?

 

「どうもさっきから行き止まりが多いんだよね……ってうわっ!?」

 

 壁にマサトが寄りかかった瞬間、その体重に押されて隠し扉が一回転。そのまま別のエリアにマサトがすっ転びながら突入した。

 

「仕掛け扉!?」

 

「なーる。ドアがいくつもあったからこその見落としだった訳か」

 

 マサトが偶然見つけた仕掛け扉から次のエリアに出る俺達。その瞬間、壁から身を乗り出したカラクリ大王が実況を始めた。

 

『おおーっと!今一つのグループが迷路を抜け出してきたぁーー!!迷路迷路でメイロウカイケイ!なんちゃって〜!ヌアハハハ!!』

 

 それだけ言って乗り出した壁からバランスを崩して向こう側へ落ちて行った。ごめん、今のダジャレは聞いてても意味が分からなかった。ガチで。

 

「ねえ、カラクリ大王っていつからこんな事してるの?」

 

「さあ?でも毎年こうなのよ」

 

 ハルカもドン引きだよ。

 

 すると今度は近くからマサトが仕掛け扉を偶然見つけたのと同じような音がして、思いっきり聞き覚えのある声が聞こえてきた。

 

「やっと迷路を抜けたニャ〜」

 

「さあ!行くわよ!」

 

「ポロック一年分を目指してGO!」

 

 物陰からゴール目指して少年探検クラブみたいな服装で出て来たのはロケット団。その手にはアキナのゴニョニョが抱えられている。成程。こいつらが拉致ってたのか。

 それにはすぐにアキナも気付いて接近する。

 

「私のゴニョニョ〜!貴方達が見つけてくれたんですか!?ありがとうございます〜!」

 

 困惑するロケット団が反応する暇もなく、ゴニョニョを手に取って抱き締めるアキナ。その様子を見てサトシ達は何も気付いておらず笑顔で近付く。

 

「良かったな、親切な人達に見つけて貰えて」

 

「違う!こいつらロケット団だ!」

 

「「「「なんだって!?」」」」

 

 だから何で気付かねえんだよ。そして俺に正体をバラされたロケット団はバレちゃ仕方ないとばかりにいつもの流れに入り出す。

 

「違う!こいつらロケット団だ!なんだって!?と言われたら!」

 

「答えてあげるが世の情け」

 

「エーフィ、ねんりきで全員縛り上げろ」

 

「「「ぐええええっ!!」」」

 

 またクソ長い口上を垂れようとしたので二人と一匹をねんりきで一纏めにする。

 

「ちょっと!アンタ本当良い加減にしなさいよ!?」

 

「毎度毎度俺達の大事な口上を何だと思ってるんだ!?」

 

「はいはいうるさいからサトシやっちゃって」

 

「ピカチュウ!10まんボルトだ!!」

 

 もうこの展開に慣れっこなサトシもまた、容赦なくロケット団へのトドメの10まんボルトをピカチュウに指示。ピカチュウもまた躊躇なく電撃をぶっ放した。

 

「「「やなかんじ〜!!」」」

 

「であ〜る!!」

 

 天井を突き破り、ロケット団をやなかんじーにしてやり、カラクリ大王と一緒に空の彼方へ飛んで行く。……ってカラクリ大王も!?多分ロケット団が次のエリアに来たのを実況しようと壁に乗り出した瞬間に巻き添えで一緒に吹っ飛ばされたか。

 やっべ、主催者ぶっ飛ばしちゃった……。ま、良いか。ウザかったし。

 

「ねぇ、カラクリ大王って本当は寂しいんじゃないの?」

 

「さぁ?でも毎年こうなのよ」

 

 お前はそれしか言えないNPCか何かか?

 

 主催者がロケット団共々退場という事態にはなったが、気を取り直して先に進み、丸太渡り、ロープ渡り、ロープ登り、落とし穴と色々と難題ながらも面白い課題をクリアしていく。

 

 そして俺達はゴールはしたが、既に優勝者は決まっており、キンセツシティ出身の男の子が不在のカラクリ大王に代わる他のスタッフから表彰される。

 

 ポロック一年分は逃したが、手に入れた所で持ち運びに困る上、ハルカがコンテストを勝ち抜く為にはそんな妥協策で行く訳にもいかないので結果オーライとする。

 

「あー面白かった!」

 

「さて、次はいよいよキンセツシティだな!」

 

「ここからもうすぐだよ!」

 

「よーし、次のバッジもゲットだぜ!」

 

 カラクリ屋敷大会も一区切り付いて、楽しんでリフレッシュを終えた俺達は心機一転、次のキンセツシティでのジム戦に向けて意識を切り替える。

 そんな時、ハルカが思い出したように口を開く。

 

「あれ?でもサトシの話だとプリンはこういう晴れの舞台が大好きなんじゃないの?」

 

「あ。そういえば……」

 

「え?プリン?」

 

 先程遭遇した際にはいなかったタケシが固まり、その瞬間にお呼びですかと言わんばかりにプリンが優勝者表彰のステージに現れた。

 

「うっそだろ……」

 

「最後の最後でこうなるのかよ〜」

 

 止める間もなくステージの上でプリンが歌い出した。当然、何も備えていなかった俺達に抗う術はなく、眠気に襲われた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん……」

 

 顔になんか暖かくて柔らかく、心地良いものが当たってる……?なんか、すっげえ良い匂い……。

 頭がぼんやりす中、後頭部に強い力が加わり、顔に当たる感触がよりハッキリと感じられる。俺の頭を更に抱き寄せる動きだ。

 

 目を開けると視界に入る景色は赤に僅かに黒のラインが入っているもの。

 

 ハルカの服装と同じ配色だ。

 

「!?」

 

 俺はハルカの胸に顔を埋めていた。寝ているハルカが俺の後頭部に手を回して抱き枕のように抱き寄せる形になっている。

 

 正直そのままでいたい気持ちもあったが、ハルカが起きた瞬間に変態扱いされかねないので急いでハルカを起こさないように拘束を抜けて離れる。

 他の誰かに見られちゃいないかと急いで周囲を見渡す。見られていたら何としても口封じをしなくては。

 

 だが意外な光景がステージの上にあった。

 

「なんでプリンが寝てんだ……?」

 

 プリンが他の参加者同様にぐっすりと眠っていた。

 

 そういえばハルカを筆頭に誰も顔に落書きをされていない。手鏡を取り出して俺も自分の顔を確認するが、落書きはない。落書きの犯人であるプリン本人が寝ているからだろうが、はてさて何故にプリンが寝るなんて事態が……。

 

 そう考え込んでいるとエーフィが俺の顔を舐めてきた。……こいつ起きてたのか。

 

「あ」

 

 エーフィの特性はマジックミラー。常時マジックコートを使っている状態になる特性で、相手の変化技を跳ね返す効果がある。つまりプリンの歌もエーフィの特性に技としてのうたうとして判定されて跳ね返された結果、プリンも眠り、エーフィだけ眠らなかったのか。いやよく見りゃアキナのゴニョニョもぼうおんの特性の恩恵で寝ていない。多分俺達が寝ていたからエーフィと遊んでいたんだろう。

 

 でも顔に落書きされずに済んだのはエーフィに助けられたな。

 

 あのプリン、確かこの後はサンムーン編まで出なかったんだよな。ならもう放っておいても実害はないだろう。……多分。俺はハルカ達を起こす事にする。が、その前にエーフィの頭を撫でる。

 

「まぁ落書きはされなかったし……お手柄だぞ、エーフィ」

 

「フィー♪」

 

 それはそれとして……ピカチュウにエレキフィールドでも覚えさせた方が良いかもなぁ。この先また出くわす可能性も0じゃないし。




カラクリ大王はアニメ観てる途中でウザくなってきたのでロケット団と一緒に退場させました。

再開一発目からこんな話でしたが、次回からはちゃんと真剣な内容です。……多分。
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