ポケットモンスター 遥かなるチャンピオンロード   作:メンマ46号

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サトシ(12)
ミテキ(11)
ハルカ(10)

とします。アニポケは大体1シーズンで一年という計算でいきます。

没タイトルは「まだ見ぬヘイガニへ」


古代ポケモンの謎

 sideミテキ

 

 コトキタウンのポケモンセンターを目指してハルカとサトシと一緒に101番道路を行く。しかしハルカはまだ旅に慣れてないからか、随分と足が遅く、サトシは歩くペースの遅いハルカに不満を抱いたらしい。

 

「遅いぞハルカ!ミテキもハルカに合わせてたらコトキタウンに着くの夜になっちゃうぞ!もうすぐなのに!」

 

「そう言うなよサトシ。女の子に合わせるのも大事だぞ」

 

「そうよ!サトシが速すぎるの!ミテキの方が紳士かも」

 

「全く……」

 

 俺はガブリアスが自転車を壊した事への負い目もあるからな訳だけども。でもハルカだってこれから旅の中で体力を付けていく事になるだろうし、最初くらいは甘めに対応しても良いだろう。

 するとハルカは今度はピカチュウがずっとサトシの肩に乗っている事が気になったらしく、首を傾げて尋ねる。

 

「ねぇ、ポケモンって普通はみんなモンスターボールの中に入ってるものなんじゃないの?」

 

「ああ、俺のピカチュウはモンスターボールの中に入るの嫌いなんだ」

 

「ピカピカ」

 

 うんうんと頷くピカチュウ。とっても可愛らしい。う〜む、俺もどこかでピカチュウ捕まえようかな。ホウエンだとどの辺にいるんだっけ?

 

「ふ〜ん。私のアチャモやミテキのポケモン達はちゃんとモンスターボールに入ってるけどなぁ」

 

「何事にも例外はあるさ。家で飼われてる形のポケモンなんかもモンスターボールで登録はされていても、ボールの外にいるのが基本だって例もある。俺だって気分でポケモンを外に出して一緒に歩く事もあるしな」

 

 ポケモンの懐き度を上げたり、メンタルケアの為に敢えてボールに入れずに触れ合うってやり方もある。ポケモンをボールに入れる入れないもトレーナーの考え次第。惜しみなく愛情を注げるのならサトシとピカチュウみたいなスタイルだって全然アリだ。

 

「お、見ろよ二人とも。ルリリだ」

 

 そんな話をしていたら、道のど真ん中に一匹のルリリが立っていた。ハルカは早速貰ったばかりのポケモン図鑑でルリリを調べて、空のモンスターボールを取り出す。

 

「可愛いかも!欲しいかも!」

 

「待てハルカ。いきなりモンスターボールを投げても捕まえるのは難しいぞ」

 

「そうなの?」

 

 ポケモン初心者のハルカはいきなりボールを投げて捕まえようとするので流石にアドバイスをする。ハルカも素直なのでそれを聞いて一度止まる。サトシも俺に続いてアドバイスを送る。

 

「ああ。だからまずはポケモンバトルである程度弱らせないと」

 

「そっか。じゃあアチャモ!出番よ!」

 

「チャモチャモ!」

 

 俺とサトシのアドバイスを元にポケモンバトルをすべくアチャモを繰り出すハルカ。でもハルカは多分、アチャモの覚えている技すらまだ把握してないだろうからな。ちょっと手伝ってやるか。

 

「ハルカ、アチャモの使える技はひっかくとなきごえ、ひのこ、そしてつつくだ。どれもルリリには普通に効くから、まずは色々と試してみると良い」

 

「よーし、アチャモ!つつく攻撃よ!」

 

「チャモー!」

 

 ここからは聞かれない限り口出しはしない。ハルカもアチャモもアドバイスは素直に聞いてくれるからな。あとはそれを元に本人達がどれだけやれるかだ。

 

 尻尾をバネにしてピョンピョン飛び跳ねて逃げ回るルリリを追い回すアチャモ。うーむ、アチャモはルリリを捉える事に気が回り過ぎてあんまり余裕がないな。しかも嘴でルリリをつつこうとしても目をギュッと瞑ってしまってるし。あれじゃあ躱すのも簡単だな。

 そう思ってるとアチャモは飛び跳ねるルリリに翻弄されながら突っ走り、岩に激突した。

 

「アチャモ大丈夫?」

 

「チャモ〜」

 

「ねぇミテキ、どうすればいいの?」

 

 アチャモを抱き上げてハルカはアドバイスを求めてくる。まぁ聞かれたら答えるつもりだし、今のハルカにアチャモとの二人三脚だけでやれというのは酷だな。

 

「まずはルリリの移動範囲を制限すれば良い。道を塞ぐんだ。それからアチャモ、攻撃する時はちゃんとルリリを見るんだ」

 

「道を塞ぐ?」

 

「ルリリの逃げるコースに先に特殊技を撃って足止めするんだ。アチャモはひのこを使えるからやってみ」

 

 俺のアドバイスを聞いてハルカは頷いてアチャモを再び突っ込ませる。先程同様にルリリは尻尾を使って跳ね回って逃げ回る。その瞬間、ハルカは早速俺のアドバイスを実行する。

 

 

「今よアチャモ!きのこ!」

 

 

 ……ここで技の名前間違える?これには俺もサトシも苦笑い。しかしアチャモは俺の説明を事前に聞いて作戦が頭に入っていたらしく、普通にひのこをルリリが逃げようとした先に放ち、地面に着弾。それに驚いたルリリは動きが止まる。

 

「きのこって……」

 

「ま、後で技の名前をしっかり覚えれば良いよ」

 

「ピィカ……」

 

 気を取り直して動きが硬直したルリリにアチャモがつつく攻撃をヒットさせた。ありゃあ急所に当たったか?

 

「ルリ〜!」

 

 アチャモのつつくが直撃して吹っ飛ばされたルリリは鳴き声を上げる。するとあのルリリの仲間と思われるマリルとマリルリが草むらから顔を出した。

 

「ルリ!ルリリ!」

 

「「リル〜?」」

 

 マリルとマリルリの姿を確認したルリリは二匹に呼びかけると、それだけで説明が完了したのか、マリルもマリルリもアチャモを睨む。

 

「うわ、援軍呼んだ。負けそうだからってそれは狡いよな」

 

 ルリリの行動に俺は前世でのゲームの「助けを呼ぶ」を思い出す。

 サンムーンであった助けを呼ぶあのシステムは正直クソだと思う。普通に捕まえたいのに援軍来たら追い詰めてもボール投げられないからな。それがループした時とかもう本当最悪。

 

「仕方ない。マリルとマリルリは俺達が相手しよう」

 

「ああ!ピカチュウ!キミに決めた!」

 

「いけっ!ロズレイド!」

 

 サトシもハルカのサポートに異論はないらしく、ピカチュウをマリルにけしかける。同様に俺もロズレイドを出してマリルリを足止めする。

 イーブイを出そうかとも思ったが、マリルリの進化レベルは18。つまりこのマリルリも最低でも18にはなってるはず。強い技があってもレベルがまだ10にも満たないイーブイ兄妹には荷が重いので俺はロズレイドを出した。オーバーキルである。それはサトシのピカチュウにも言えるが。

 

「ピカチュウ!でんきショックだ!」

 

「ピーカ…ヂュウゥゥッ!!」

 

 サトシも流石にレベルの低いポケモン相手に10まんボルトなんて使わない程度には弁えているようで、こうかばつぐんでも弱い技であるでんきショックでマリルを倒している。

 カントーやジョウトで鍛えまくったピカチュウが10まんボルトなんて使ったらあのマリルじゃ耐えられないからな。案の定、マリルは痺れて目を回している。

 

 俺も俺でロズレイドのミサイルばりでマリルリを一蹴する。タイプ不一致の弱い技で充分。

 

「いっけぇ!モンスターボール!!」

 

 そしてサトシはマリルにモンスターボールを投げた。

 

 モンスターボールを投げた。アニメで間違いなく捕まえていないであろうマリルに。

 ……ああ、そりゃサトシならこういう流れになったら捕まえるよね。

 マリルを捉えたモンスターボールは問題なく揺れて、ポンという音で捕獲を完了する。

 

「マリル、ゲットだぜ!」

 

「ピッピカチュウ!」

 

 サトシがマリルをゲットするとか原作崩壊もいいとこだな。しかもホウエン最初のゲットがジョウトのポケモンて。まだ見ぬヘイガニよ、みず枠取られたぞお前。

 そして肝心のハルカの方も俺達がマリルとマリルリを引き付けていたのでルリリとのバトルに集中できたらしく、ひのこで火傷してそこそこ弱ったルリリにボールを投げて捕獲が完了していた。

 

「ルリリ、ゲットかも!やったー!最初のポケモンゲットよ!」

 

 ボールを掲げてピョンピョン飛び跳ねるハルカがすっげー可愛い。

 さて問題は俺の前で目を回して倒れてるマリルリだ。

 ハルカがルリリ、サトシがマリルをゲットした事からこのままじゃひとりぼっちだよな……。正直マリルリを捕まえる考えはなかったが、それは流石に可哀想だし、俺がマリルリを捕まえる事にする。人間のエゴかもしれんが、最後まで面倒は見るぞ。

 それに前世のゲームでも中々活躍できるポケモンだったからある意味丁度良いかもな。

 

 モンスターボールを投げて捕獲する。レベル差の暴力でやられていたマリルリは抵抗できずに捕獲完了の音が鳴る。

 

「マリルリ、ゲット!」

 

 マリルリを捕まえてもボールは転送されない。何故なら俺の手持ちが今はゴウカザル、ガブリアス、ロズレイド、イーブイ兄妹と計五体だからだ。マリルリで六体目なのだ。

 

 図鑑でマリルリの技構成や特性を調べてみると肝心の特性、ちからもちじゃん。良し、物理アタッカーを基本方針として育てよう。じゃれつくで600族のドラゴンタイプをぶちのめすが目標だな。

 

 みず・フェアリーだしいわタイプかかくとうタイプのジム戦で使ってみるか。

 

****

 

 コトキタウンのポケモンセンターに着いてバトルで消耗したハルカのアチャモとルリリ、サトシのマリル、俺のマリルリを回復の為に預ける。ピカチュウとロズレイドは消耗する程戦ってないのでそのまま手元にいる。

 

 俺とサトシはジョーイさんに頼んでホウエンリーグへの登録手続きを済ませる。ハルカはあまり興味がなさそうだったが、俺達が登録しているのを見て一緒に登録していた。まぁその内コンテストの方に行くだろうけど。

 

「ねぇミテキ、サトシ。私ポケモンセンターに来たの初めてなの。案内してよ」

 

「そっか。昨日ポケモンを貰ったばかりならそうだよな」

 

「良いぜ。でもその前に連絡したい所があるんだ」

 

 そう言ってサトシはポケモンセンターのパソコンを使ってカントーのマサラタウンにあるオーキド研究所に連絡を取る。ホウエンに到着した報告か。俺も後でナナカマド研究所に連絡するか。ポケモンも入れ替えたいし。

 

「オーキド博士、今コトキタウンに着きました」

 

『おお、そうか!元気そうで何よりじゃ』

 

「ホウエンリーグへの出場登録も済ませたし、早速一つ目のジムへ向かいます」

 

『いよいよ新たな冒険の幕開けという訳じゃな』

 

 そんな中、サトシとオーキド博士の会話にハルカが割り込む。おお、思った以上に遠慮しないな。

 

「はい!頑張ります!あのっ!私、ハルカって言います!初めまして!」

 

『ん?おお、初めまして。儂はマサラタウンのオーキドじゃ』

 

「知ってます!弟がオーキド博士のラジオ講座を聞いているんです!オーキド博士と話したって言ったら弟が羨ましがるわ〜!あっ!まだポケモントレーナーとして旅立ったばかりなんですけど、よろしくお願いします!」

 

 ハルカはマシンガントークで困惑するオーキド博士に構わず喋り続けるので、流石に俺がオーキド博士に助け船を出す事にする。

 

「はいハルカストップ。いきなり過ぎてオーキド博士もちょっと困ってるだろ」

 

『ん?おお!ミテキ君ではないか!君もサトシと一緒だったのかね!?』

 

「はい。お久しぶりです、オーキド博士」

 

「えっ?ミテキってオーキド博士と知り合いだったのか?」

 

 ハルカを止めた俺がナチュラルにオーキド博士と話始め、その会話の内容からサトシも俺とオーキド博士が面識があると分かって驚く。そういえば言ってなかったな。

 

「去年、シンオウリーグを目指して旅してた頃、ヨスガシティって街でポケモン研究者達の学会があったんだ。そこに偶々出くわしてさ。オダマキ博士ともその時知り合ったんだ」

 

 あの学会は俺にとっても中々印象深いものだった。あの学会に偶然行ったからこそ、仲間にできたポケモンもいるしな。

 

『うむ。あれからの君の活躍は聞いているぞ。シンオウリーグも見事じゃった。優勝まであと一歩じゃったからの。サトシにも早速元気な友達が二人もできたようじゃな。三人共、頑張って旅を続けるんじゃぞ』

 

「「「はい!」」」

 

「ピカピカ!」

 

 そんな感じでオーキド博士との通信は終わった。しっかし最後にピカチュウが両手を振って元気にオーキド博士にバイバイしてたけど、初期からは考えられないよなぁ。ピカチュウが最初人間嫌いだった理由って結局なんだったんだろ。今じゃサトシどころかオーキド博士にも元気に挨拶してる程に改善されてるし。

 

 それから俺とサトシでハルカにポケモンセンターの中を案内する。まずはトレーナーの宿泊室。一応個室や団体で泊まる部屋もある。今回は三人で同じ部屋に泊まる。……男女同室が普通にまかり通るってヤバいな。

 

 次にロビー。宿泊するトレーナー同士の意見や情報交換の場でもある。ポケモンジムやコンテスト、ポケモンの生息域などの情報も大半はここら辺で集まる。だがハルカが気にするのはショッピングや温泉、グルメ情報とからしい。どうやらまだ旅行気分でいるらしい。

 

 トウカシティのジムに新しいジムリーダーが来たという話が聞けたが、ハルカが強引に打ち切ってその場を離れる。そういやハルカはジムリーダーの子供だっけ。ちょっと気まずいのかもな。

 

 それから最後にポケモンセンター内のレストラン。トレーナーなら格安で食べられる旅の味方だ。ハルカを筆頭に俺達も腹を空かせていた事もあって夕飯にする。

 サトシはオムライス、ハルカはカレー、俺はラーメンを頼んで、和気藹々と食べる。ピカチュウはサトシの隣でケチャップを舐めてる。本当にケチャラーなんだな。今度ケチャップベースのポフィンでも作ってあげようか。

 因みに俺の他のポケモン達はすぐ横でポケモンフーズを食べている。ピカチュウもケチャップを舐めつつ、そちらに混ざりに行く。

 

「んー!美味しい!もう至れり尽くせりって感じよね。ポケモンセンターって最高かも!」

 

「だけど、あくまでここは厳しい修行の合間に泊まる場所だからな」

 

「でもポケモントレーナーなら誰でも泊まれるんでしょ?」

 

「都合良くポケモンセンターが近くにあるとは限らないだろ?旅をしていれば野宿する事なんてザラにある。そうなったらポケモンの回復は傷薬なんかを自分で揃えなきゃいけないし、ご飯だって自分で街や自然の中から食料を調達しなきゃいけない。ポケモンセンターはそのサポートの意味合いが強いんだよ」

 

「そうなの?」

 

 ゲームと違ってポケモンセンターは街中にしかない訳じゃない。街から街へ移動する際の道中に点在してはいる。だからって毎日ポケモンセンターに辿り着けるかと言われたらそれは物理的な距離でも旅をするトレーナーの移動するスピードや方向でも変わってくる。来れたらラッキー程度の感覚でいた方が良い。

 

 そんな経験の話をしながらみんなでご飯を食べる。ハルカは中々に健啖家だった。カレーを三杯平らげて尚、余裕のある表情。どうやってそのスタイル維持してんだ?普段からそこまで運動はしてなさそうだけど。

 

「お待たせしました。ポケモン達はすっかり元気になりましたよ」

 

 食べ終わる頃にはジョーイさんからポケモンの治療の報せが来た。

 アチャモ、ルリリ、マリル、マリルリがラッキーの押す荷台に乗せられて運ばれてくる。

 今度はこの四匹のご飯だな。

 

****

 

「こ、こう?」

 

「そうそうそんな感じ。中々上手いじゃん」

 

「チャモチャ〜モ〜♪」

 

 アチャモ達の食事が終わり、入浴を済ませ、寝る少し前。俺とハルカは宿泊室でブラシ片手にアチャモをブラッシングしていた。サトシは俺とハルカのやってる事がよく分からないらしく、ピカチュウを頭に乗せながら聞いてくる。

 

「何やってるんだ?」

 

「ハルカにポケモンのブラッシングの仕方を教えてたんだよ。アチャモの毛並みはちゃんとケアしてやらないといけないだろ?」

 

「へぇ、気にした事なかったな」

 

「おいおい……。ほらピカチュウ、おいで。毛並み整えてあげるから」

 

「チャ〜」

 

 やはりと言うべきか。サトシはポケモンのブラッシングはほぼしないらしい。それはそれでどうなんだ。

 試しにピカチュウをブラッシングしてやるととても気持ち良さそうにしてくれる。こういう触れ合いもポケモンを伸び伸びと育てるには必要なんだよ。イーブイ兄妹もさっきブラッシングを済ませて、ゴロゴロしてる。その時にブラッシングに興味を持ったハルカに教える事になった。

 

「なんだかミテキの方がサトシより旅の先輩って感じかも」

 

「そ、そりゃないぜ〜!」

 

 明日はトウカシティを目指して出発するからな。リラックスする時はとことんリラックスしておかないと。

 そう考えていたタイミングで部屋の明かりが消えて真っ暗になる。

 

「え、何!?」

 

「停電か?サトシ、ピカチュウはフラッシュを使えるか?」

 

「いや、使えない」

 

「じゃあ俺のロズレイドで良いか。ロズレイド!フラッシュを頼む!」

 

「ローズ!」

 

 ロズレイドを出してフラッシュをして貰い、明かりを確保する。俺達は部屋を出て人を探しに行く。どうやら俺達の部屋だけじゃなくポケモンセンター全体の照明が点いていないらしい。本格的に停電ぽいな。

 

「おいおい、これポケモンの治療にも影響出るんじゃないの?」

 

「そうなの!?」

 

「そりゃポケモンの治療装置も電気がなきゃ動かないし、真っ暗な場所じゃ手当もできないからなぁ」

 

 ロズレイドに廊下を照らして貰って、ジョーイさんを探す。ブレーカーの位置なんて知らないし、勝手に点ける訳にもいかないからな。

 そんな感じで廊下を歩いていると妙な集団が向かい側からツナギの男性を拘束して歩いてきた。

 

「さっさと来て貰いましょうか」

 

「分かった。言う通りにする。だから他の人達に手出しはするな!」

 

 その連中が来ていたのは赤いフードが特徴的な装束。胸にはMの字がデフォルメされたマーク。

 

 こいつらマグマ団か。停電はこいつらの仕業か。

 

 マグマ団は俺達がロズレイドをフラッシュさせていた事ですぐに俺達に気付いて怒鳴ってくる。

 

「ん?なんだお前達は!」

 

「お前達こそなんなんだ!」

 

 なんかロケット団が出てきそうなやり取りだが、怪しさ満点のマグマ団にサトシも警戒心を剥き出しにする。この停電もこいつらが引き起こした事なのが何となく分かったんだろう。ハルカは状況が掴めずにオロオロして、無意識なのか俺の肩を掴んで後ろに隠れる。

 

「仕方ない。さっきのジョーイと同じ倉庫にぶち込むぞ!ヘルガー!」

 

 自分からジョーイさんを倉庫に閉じ込めたとゲロったマグマ団達は揃って全員ヘルガーを出してくる。全員が同じポケモン出すとかアホだろ。対応し難いようにバラバラのタイプを出さなきゃ集団戦の意味がまるでない。

 

「ゴウカザル!マッハパンチで全員仕留めろ!」

 

 俺は真っ先にゴウカザルを出してマッハパンチであくタイプのヘルガー達を次々ノックアウトさせる。

 こいつらのヘルガーがレベルが低いのはすぐに分かったからな。ゴウカザルのスピードなら何もさせずに全滅させるのは容易い。

 

「ゴウカザルだと!?シンオウ地方のポケモンがなぜ……」

 

「いや待て!こ、この小僧まさか!?シンオウ地方のあの組織を……」

 

「ピカチュウ!10まんボルト!」

 

 ヘルガー達がゴウカザルに全滅させられ、動揺するマグマ団の隙を突いてサトシがピカチュウに10まんボルトを指示して、拘束されてたツナギの人以外を感電させて、行動不能にする。

 

「うぐ……まさかこんなとんでもない奴がホウエンに来ているなんて……」

 

「ロズレイド、ねむりごな」

 

 マグマ団の下っ端達が喋っている途中でロズレイドのねむりごなを散布して眠らせる。後は全員縛り上げて一丁上がり。ポケナビの通話機能でジュンサーさんに通報っと。

 倉庫に閉じ込めたらしいジョーイさんを解放し、ポケモンセンターの停電や諸々も解決した。

 

 マグマ団に拉致されそうになっていたのはウメズさんという考古学者だった。どうもこの近くにあるコトキ遺跡の研究の為にこのポケモンセンターを拠点に調査をしていたらしい。なんでも古代ポケモンに関連する遺跡なんだとか。

 

 駆け付けたジュンサーさんのスリーパーで暗示をかけて情報を引き出したところ、遺跡の中に入り、古代ポケモンの詳細を知る為にこんな事をしたらしい。大方古代ポケモンでグラードンを連想してウメズさんを狙ったってとこか。

 

 

 

 

「……で、ここがその遺跡ねぇ」

 

「古代ポケモン、どんなポケモンなんだろうな!?」

 

 翌朝、俺達はその遺跡に来ていた。

 

 遺跡に入るには特別な鍵となる宝玉が必要らしいが、それをマグマ団がもっていたそうで、ウメズさんの知る鍵の使い方を元に遺跡に入るつもりだったそうな。

 マグマ団を撃退したお礼としてサトシが古代ポケモンに興味を示した事もあって俺達はその遺跡を見せて貰える事になった。

 

 道中ロケット団が乱入してきたが、面倒臭いので名乗ってる最中にゴウカザルのかえんほうしゃで空の彼方へと吹き飛ばしてやった。お前らの茶番なんぞ待つ気はない。

 

 ウメズさんの知る宝玉の鍵の嵌め方で遺跡の扉を開いて中に入れて貰う。

 遺跡の中にはプテラやオムナイト、カブトプスなどの化石ポケモンの壁画があり、マグマ団が欲したグラードン関連の情報はなさそうだった。

 

 とはいえ、これだけでも考古学的にも歴史的にも、ポケモンの研究としても大きな価値がある事は間違いないな。考古学に関してはシンオウ神話関連で叩き込まれた事があるから、多少は理解できる。

 

「凄いなこれ。あの人も喜びそうだ」

 

「あの人?」

 

「ああ、シンオウ地方の……」

 

 会話の途中、朝日が遺跡の中を照らすと今度はその日光に呼応したのか、遺跡の中の石同士の窪みが白く輝き出し、中央の石碑のようなものがスライドし、隠し階段が現れた。

 

「これは……」

 

「こんな仕掛けがあったのか」

 

「よし、行ってみよう!」

 

 ウメズさんを先頭に階段を降りるとそこには大きな湖があった。いや、潮の香りもするから海水かもな。でもその水には一切の汚染がなく、みずポケモンが生活するには文句無しの上質な水なのが分かる。うわ、マリルリの他にもみずポケモン連れてくれば良かった。泳がせてやりたいな。

 

「こんな場所に地下水脈があったなんて……」

 

「潮の香りだわ」

 

「きっとここは海と繋がっているんだろう」

 

「ウメズさん、マリルリ達を泳がせてあげても良いですか?」

 

「ああ、ここを見られたのは君達のお陰だからね。それくらいは……」

 

 マリルリ達を泳がせる為の交渉をしていると水脈の中からポケモンがハイジャンプして出てくる。正に古代魚のようなこのポケモンは……

 

「ジーランスだな。みず・いわタイプの珍しいポケモンだ」

 

「へぇージーランスかぁ。ゲットしたいぜ!」

 

「ははは。流石にここで捕まえるのは勘弁して欲しいかな。でもやはりコトキ遺跡は古代と現代を繋ぐ扉だったんだ……」

 

 感動しつつ、冗談混じりに笑って話すウメズさん。まぁジーランスはこの人の研究テーマに大きく関わるだろうし、この遺跡に関係しているともなればあまり捕まえて欲しくはないだろう。

 それはそうとまだ見ぬヘイガニへ。お前のみずポケモン枠という立ち位置がどんどん怪しくなってるぞ。

 

 ポケモンセンターに戻り、ウメズさんも交えて朝ご飯を食べて、ウメズさんのこれまでの研究と先程発覚した遺跡の実態を元にした見解を教えてくれる。

 

「あの遺跡は大昔、ここに住んでいた人々がポケモンと交流する場所だったんじゃないかな」

 

「もうそこまで仮説が立てられたんですか?」

 

「でもそうなるとあの連中の狙いは全くの的外れだったわけか」

 

「ああ。こんな事まで分かったんだ。もういても立ってもいられない。本当にポケモンの世界は奥が深いよ」

 

 そう語るウメズさんの目は本当に輝いていた。俺やサトシがポケモントレーナーとしてポケモンリーグを目指す夢があるように、ウメズさんにとってポケモンと人の歴史と真実こそが夢という事なんだろう。

 

 少し名残惜しいが俺達はホウエンリーグ出場の為、トウカシティに向かわなければならない。ウメズさんに別れの挨拶をして、出発の準備をする。最後にウメズさんにはある人の連絡先を教える。考古学者同士、一緒にあの遺跡を調べれば何か分かるかもしれない。勿論、その人には先に了承を得た上で教えた。

 

 そして出発前に俺はナナカマド研究所に連絡して手持ちを入れ替える。と言ってもガブリアスとロズレイドだけだ。ゴウカザルは基本固定だし、イーブイ二匹は少なくとも進化するまでは手持ちに入れておく方針。マリルリに至っては捕まえたばっかりだからな。

 トウカシティでは早速ジム戦をするつもりだから、ゴウカザルと今回入れ替えで呼び出した奴らを合わせて三体で挑む。

 

 さぁ待ってろトウカジム!




ハルカがルリリをゲットしようとすれば主人公はそれとなくフォローするよな。そうなったらサトシも絶対マリルかマリルリ捕まえるよなーと、考えていたらマリルリを捕獲。

ポケモンセンターの食事はトレーナーなら格安だけど決して無料ではない事にします。てか無料ならアニメでもロケット団が絶対馬鹿食いしてるだろうし。

ポケモンの技は没収されたものだろうが、ゲームの方で覚えられる設定があるものは覚えられます。勿論わざマシンが必要ならそれを使う必要がありますが。タマゴ技も教えれば努力次第で可。

4.ロズレイド(♀)
特性:しぜんかいふく
備考:スボミーの時、204番道路で捕獲。クロガネジム対策でゲットした。

26.マリルリ(♀)
特性:ちからもち
備考:AG2話に出たマリルリ。ハルカのルリリゲットの際についでに捕獲。
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