ポケットモンスター 遥かなるチャンピオンロード   作:メンマ46号

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年齢設定(AG編時点)
タケシ:15歳
ユーリ:14歳
カスミ:13歳
サトシ:12歳
ミテキ:11歳
ハルカ:10歳
マサト:7歳

おまけ
ミツミ:17歳
ハレタ:11歳
ヒカリ:9歳
セレナ:12歳

没タイトル『前にも言ったけど恋をするのは当たり前』


何でも筋書き通りにいくわけではない

 sideミテキ

 

 なんだあいつ主人公かよ……?

 

 シャラシティのユーリの登場の仕方を見て改めて思った事がそれだ。ヒロインの危機に颯爽と駆け付けて救出とか使い古された手法だがロマンの塊じゃねーか。

 

 んで、助けられたカスミの方もしおらしく顔を赤らめてモジモジしてるし……何これ。ラブの嵐が吹き荒れてるよ!!

 

「ねぇミテキ、カスミってもしかしてユーリの事!」

 

「やっぱハルカもそう思った?あれ絶対好きだよね。でもユーリ多分気付いてなくね?」

 

 どうやらその辺目ざといハルカは速攻で気付いたらしい。耳打ちしてきたから俺もハルカに確認を取る。だが肝心のユーリ本人は今言った通り気付いてないっぽい。爽やかな笑顔で無事で良かったとか言ってる。気付けよ!ラブコメ展開に鈍感パートとかマジでいらねーから!(おまいう)

 

「サトシとタケシも久しぶり。元気にしてた?」

 

「ああ。しかし驚いたな。アローラ地方で島巡りをすると言っていたのにここに来ていたとは」

 

「俺もビックリだよ!でもユーリが来てくれたなら百人力だぜ!」

 

 ロケット団の反応的にもサトシとタケシとの会話的にも旅仲間なのは間違いなさそうだな。じっくりとユーリを観察していると今度は俺達に気付いて自己紹介を始める。

 

「君達がミテキにハルカ、マサトか。タケシから話は聞いているよ。俺さシャラシティのユーリって言うんだ。よろしく!」

 

 ……真面目な優等生タイプって感じだな。つまんねー奴だな。

 挨拶をして、第一印象に割と失礼な事を考えながら観察を続けていると、落ち着いたカスミがジト目でユーリに詰め寄る。

 

「で、何でアンタここにいる訳?私が誘っても島巡りするからって断ってたわよね?」

 

「あ、いや…その後、タケシからも連絡あってさ……。どうせなら来ないかって……」

 

「なんで私の呼び出しには応じなかった癖にタケシには素直に従う訳ぇ!?」

 

「い、いや……カスミちゃんとタケシと立て続けに連絡あったから俺も久しぶりに会いたくなったというか……」

 

 そこはもうタケシの人徳が成せる業だろう。と言ってもタケシもユーリが来ている事に驚いてるし、報連相はだらしないタイプのようだ。優等生タイプという印象はすぐに崩れた。

 

 ギャーギャー喚き、怒鳴り散らすカスミに対して苦笑いで頭が上がらない様子のユーリ。奥さんに叱られる某カカロットを見ている気分だ。

 

「てゆーか、よくこのミラージュ王国が分かったな。集合場所って砂漠の向こうにある湖のほとりだろ?」

 

「え?ここって何かの王国なの?」

 

 偽装トゲピー祭りの会場とされたホテルのある湖ではなく、このミラージュ王国に直行して助けに来れた事に驚いていると、どうも認識が噛み合っていないらしく、惚けた発言をしている。

 すると今度はタケシが耳打ちしてきた。

 

「ユーリは方向音痴なんだ」

 

 ガラル地方のチャンピオンかこいつは。つまんねー奴かと思ったらすぐに個性爆発させて来たぞ。報連相だらしなかったり、方向音痴だったり。てかそれならよくホウエン地方に来れたな。ただ方向音痴に関してはユーリもタケシには言われたくないと思う。

 

 そんな事を考えていたらさっきまで停止していたロボットが腕を振り下ろしてきた。

 俺達は驚きながらもどうにか躱すと続けて何度もロボットは襲ってくる。ついてにロケット団も逃げ回っている。

 

 どうやら目を離した隙にまたメカに乗り込んでいたらしい。ユーリ(コイツ)が空気読まずに悪目立ちするからだ。

 

『最後通告だ。トゲピーを渡せ!!』

 

 ロボットに乗り込んだハンゾウがカスミのトゲピー引き渡しを要求してくる。当然、カスミは断固拒否だ。

 

「誰がアンタみたいなヒゲ親父にトゲピーを渡すもんですか!!」

 

「そうだ!トゲピーは俺達の仲間なんだ!お前なんかに渡すもんか!それにトゲピーはタマゴから生まれた時からずっとカスミと一緒にいたんだ!」

 

「だったらトゲピーにとってカスミは親も同然!」

 

「それを自分勝手な都合で奪って引き離そうだなんて……!」

 

「お前ら人間じゃねえ!!」

 

 うお!?迷言!?ここで来るか!?

 一緒にトゲピーを渡さない意思を表明するとタケシが前世ネットで散々ネタにされた迷言を言い放った。

 

「え?トゲピー?何これどういう事?」

 

 いきなり来て状況飲み込めてないのは分かるけど、分かんないなら空気崩れるから黙っててくれ。

 

「ちょっとちょっと!ハンゾウ様!?私達まで巻き込まれて潰される所だったんですけど!?」

 

「それにそれはニャー達が作ったメカなのニャー!」

 

「そうだ!そうだ!いくら依頼主でそっちの立場が上だとしても、これは横暴過ぎる!」

 

 そして余りにも雑な扱いにロケット団もたまらず抗議を始める。……面倒だし、また後ろからはかいこうせんでも撃ってやろうかな。

 

『消えろ』

 

 ハンゾウが放った一言がロケット団を硬直させた。

 

『今後我がミラージュ王国はロケット団などという薄汚れた犯罪組織と関わるつもりはない』

 

 そう言って新たに開いたハッチからミサイル弾のようなものを発射し、爆発。ロケット団はそのまま空の彼方へと吹き飛ばされて行った。

 

「「「やなかんじ〜!!!」」」

 

 あの様子だと最初からあいつらに報酬を払う気は無かった訳ね……。しかもあいつらが用意したメカまで強奪して追い出す始末。

 

 表だろうと裏だろうとある程度の信頼で社会は成り立っている。こいつは今それを自分から捨てた訳だ。例えここで奴が王位を奪えたとしてもこの国はロケット団という巨大な悪の組織を敵に回す事になりかねないんだが、その辺理解しているのか?

 

 チャンピオンになる前の子供一人に壊滅させられた程度の組織としか思ってないなら、とんだ甘い考えだ。

 

 だが、俺が気になるのはそこではない。

 

「おいクソジジイ……!今のミサイル弾、お前のポケモンが巻き込まれたぞ!!」

 

 ロケット団を吹き飛ばしたミサイル弾。その爆発を喰らったのはロケット団だけではない。俺達を取り囲んでいたテッカニン達もだ。

 今の爆発に巻き込まれたテッカニン達は戦闘不能になってそこら中に倒れている。

 

 こいつはテッカニン達に避難指示も出さずにそのままミサイル弾を投下したのだ。

 

『テッカニン達はあくまで私のポケモン。お前達にどうこう言われる筋合いは無い!!』

 

 言い切りやがった。その言葉に俺だけでなくこの場にいた全員が強い怒りを燃やした。

 

「なんて奴なの……!」

 

「自分のポケモンにあんな仕打ちを……!」

 

 同じくハンゾウの仕打ちに怒りを燃やしたらしいユーリはガンテツボールの一つ、ラブラブボールを取り出し、次のポケモンを繰り出した。

 

「行けっ!バタフリー!!」

 

 ユーリが新たに出したのはバタフリー。それもただのバタフリーじゃない。羽以外の身体がピンク色のバタフリーだった。

 

「ピンクのバタフリー!?あんなの見た事ないよ!」

 

 見た事のないカラーリングにマサトが驚くが、俺が驚いたポイントはそこではない。アレはサトシのバタフリーと番いになるピンク色のバタフリーだ。コイツがゲットしていたのか。だからサトシのバタフリーは離脱しなかったのか。

 

 しっかしまぁ……そりゃこんな奴がいたら無印も原作通りとはいかんよなぁ。サトシが新米トレーナーの頃に仲間として出すには普通に強過ぎて良くも悪くも多大な影響が出るのはそりゃそうだ。

 

 ハンゾウはロボットのハッチからミサイル弾をまたもや発射。だがこちらがまもるを使うまでもなく、ユーリはピンクバタフリーに対処させる。

 

「バタフリー!ふきとばしでミサイル弾を跳ね返すんだ!!」

 

 サトシ譲りと思われるアニポケ殺法。ふきとばしで実弾を押し返すという荒技に出てミサイル弾はロボットの肩に直撃。パーツを幾つか吹き飛ばした。

 

『貴様ら!これ以上私を怒らせるとどうなるか分かって……』

 

「うるさぁーい!私のトゲピーを悪い事の為に狙うだけじゃなく、自分のポケモンにまであんな事するなんて許せない!私の怒りを思い知りなさい!!」

 

 いくらむしポケモンが苦手なカスミでも不当に扱う事を許容する訳がない。この仕打ちは絶対に許せない。そんな強い意思を感じた。

 これまでのハンゾウの身勝手振りに遂に怒りが爆発したカスミはそう叫ぶ。今度は自分の髪留めに付いていたアクセサリー……キーストーンをこれ見よがしに輝かせた。

 

「強く、雄々しく、美しく!私の青いスイートハート!」

 

「カ、カスミ…まさかそれって!?」

 

「メガシンカ!!」

 

 カスミのギャラドスがメガシンカを果たし、メガギャラドスへとその姿を変貌させる。良いなぁ……俺キーストーンはあっても肝心のメガストーンがないからメガシンカさせられないんだよ。みずタイプにはメガシンカできる奴いねーし。個人的にはメガラグラージとか超欲しい。畜生、ムロ島でミズゴロウゲットできてたらなぁ……。

 

 メガギャラドスを直接見るのはこれで二度目になるが、やはり圧巻の一言だな。改めて考えても良く勝てたな俺達……。

 

「ギャラドス、ギガインパクト!!」

 

 真正面からメガギャラドスはロボットに突っ込み、文字通りの体当たりで叩きのめす。その衝撃でロボットは外装が一気に剥がれ、後ろ向きに倒れて更に幾つかの箇所が破損する。

 

『おのれ、猪口才な……!』

 

 見れば何箇所か回路が剥き出しになってショートしている。流石はロケット団のメカ。規模の割に脆く、かなり適当な造りになっているらしい。

 

「機械は水に弱い!みんな!みずタイプのポケモンを出すんだ!」

 

「なるほどなっ!」

 

 俺はタケシの指示に従い、ミロカロスとダイケンキを出す。どちらもカスミに自慢して見せびらかす為に手持ちに用意したポケモンだ。

 

「ミロカロス、ハイドロポンプ!ダイケンキはハイドロカノン!!」

 

「ミズゴロウ、みずでっぽう!」

 

「ギャラドス、ハイドロポンプ!!」

 

 俺、タケシ、カスミが一斉にみず技で攻撃を仕掛け、おまけにユーリがピンクバタフリーに指示して、ねんりきでロボットの動きを封じている。

 回路が剥き出しの状態で水浸しになったロボットは今にも爆発しそうにスパークを起こしている。

 

「ピカチュウ、10まんボルト!!」

 

 そこにサトシとピカチュウがトドメの10まんボルト。回路がショートしていたロボットは一気に大爆発を起こし、ハンゾウは黒焦げになりながら空高く吹き飛ばされて行った。

 

「みんな、テッカニン達の手当てをする!ここに集めて来てくれ!」

 

 タケシは間髪入れずにテッカニン達を集めて欲しいと言い、俺達はそれに従って倒れるテッカニン達を抱き上げる。あんな奴がトレーナーだなんて……!

 

 ……ところでこれ、またアイツに連絡しなきゃいけないの?

 

****

 

 side三人称

 

 ロケット団を切り捨て、強奪したロボットで正面から返り討ちに遭ったハンゾウは爆発を浴びて黒焦げになり、空高く吹き飛ばされてミラージュ王国の外れに落下した。

 

 爆発を受け、空から叩きつけられても無事な辺りは流石アニポケ世界の住人と言えるが、企みが失敗したハンゾウの心中は当然穏やかではなかった。

 

(こんなはずでは……!こんなはずではなかった!!)

 

 本来ならば国王達にバレる事なくトゲピーを奪い取り、トレーナー達はさっさと追い出して、トゲピーの所有を理由に王位継承権を主張するつもりだった。セーラ姫ではなく自分こそがトゲピーに認められた王であると。

 

 それが最初の段階で問答無用で叩きのめされて、事態が国王達に発覚。投獄されて後がなくなった。だからこそ、今回雇ったロケット団の巨大ロボットで強硬手段に出た。その結果がこれだ。

 

 この結果を招いたのは誰だ?最初にトゲピーを引き渡さずに自分に攻撃してきたあのトレーナーだ。全てあのマニューラ使いのせいだ!

 

 完全な逆恨みを抱きつつ、ミラージュ王国の自室に向かおうとヨロヨロと歩き出す。だが上空からバタバタとプロペラ音が聞こえてきたので空を見上げると、ハンゾウにとっての死刑宣告に等しい絶望が確認できた。

 

「国際警察だと!?」

 

 紛れもなく国際警察のヘリコプター。上からハンゾウを取り囲むように滞空していた。

 全てを悟ったハンゾウは必死になって端末を取り出し、藁にも縋る思いで電話をかける。

 

『……こちら、ロケット団通信』

 

「おお、()()()殿!実は早急に…『単身で国際警察に追われる身となった貴方に金払いができるのですか?元々我が組織の構成員への報酬も払う気はなかったのでしょう?報告は既に受けています』……!!」

 

 通話に出た相手を知るハンゾウは早速救援を求めようとしたが、その前に自分の現状を言い当てられ、先程のムサシ達への仕打ちも指摘された。あれから僅かな時間しか経っていないのにもうバレている。

 

『今後もう我々と関わる気はないのでしょう?お望み通りロケット団通信から貴方は退会して貰う事に決まりました。貴方にこれ以上関わると我がロケット団にも相応の損害が出ると判断しましたので』

 

 有無を言わせずに淡々と話が進められていく。言い訳をしようにも何も言葉が浮かばない。こんなはずではなかった。真っ白になっていく頭に残ったのはその言葉だけ。

 

『ああ、ロケット団通信の事は他言しない事をお勧めします。国の摂政の立場でそんなものに加入していたと知られれば罪は更に重くなるばかりか、同じ加入組織の怒りを買う結果になりかねませんよ?』

 

 だがロケット団そのものから直接的な報復がないだけハンゾウは幸運と言えた。ロケット団としても既にほぼ全てを失ったハンゾウに関わっても時間の無駄でしかなかった。今も世界征服を狙うロケット団がこんな事で国際警察に関わる事態になっても旨味など何もないのだから。

 

 たかが一都市国家との繋がりなど大した痛手でもない。

 

 何よりも今はまだ、カントーチャンピオン・レッドを刺激するべきではないのだから。

 

 何もかも一方的に話が進み、返答も許されずに通話を切られ、呆然とするハンゾウの元に国際警察の追手が辿り着き、逮捕と相なった。

 

****

 

 ハンゾウを倒した後、テッカニン達の治療を終えたミテキ達はカスミのトゲピーが宮殿上空にあった蜃気楼に興味を示した事でそこに行ってみると蜃気楼を介してその中にあるトゲピーの楽園なる異空間に辿り着いた。

 

 だがそこはかなり荒廃しており、とても楽園とは言えない程に荒れ果てていた。緑は枯れて、そこに住んでいたトゲピー達はすっかり衰弱していた。タケシが栄養のある食事を与え、ポケモン達の回復技で多少はマシになったものの、深刻な状態だ。

 

 こうなった原因はハンゾウの企みにあるのではないかというのが国王の見解だった。

 

 元々ミラージュ王国はトゲピーの楽園を守護する国でもあり、互いに守護し、守護されてバランスを保ち、繁栄してきた。トゲピーはこの楽園で生まれ、地上で様々な人の心に触れて成長するという。

 

 だがその触れる人の心が重要だという。トゲピーの中には人を幸せにするエネルギーが詰まっており、優しくされるとそのエネルギーを分け与えるが、邪な心を持った人間が近くにいれば幸せのエネルギーが急速に失われて、元気が失くなってしまうという。

 

 即ち、ハンゾウの邪な企みが影響し、トゲピー達は栄養失調を起こしてしまったのだ。勿論、ハンゾウを排除できたからにはまたトゲピー達は元気になりはするだろうが。

 

 これではトゲピー達がセーラ姫の元に来ないのも当たり前だ。これ程に弱っていてはそれどころではないだろう。

 

 ハンゾウの悪事と王位継承権という自分達の都合でトゲピー達にそこまで負担をかけていたと知ったミラージュ王国の国王達は今は王位継承よりもトゲピー達の支援を優先する事にしたようで、王位継承の話は一度先送りにする事となった。

 

 この先セーラ姫の元へトゲピーがやって来るかは、彼等次第だろう。

 

 こうしてカスミのトゲピーを巡るミラージュ王国の事件は終息した。

 

 ミラージュ王国から出国する為の飛行船を改めて手配して貰う間、ミテキ達はポケモン達を出してみんなで交流する事にした。

 

「ミロカロスにリージョンフォームのダイケンキ……!あ〜ん!もうみずタイプって最高〜!!」

 

「カスミちゃんは相変わらずみずタイプ大好きだなぁ。それにしてもダイケンキのリージョンフォームなんて俺も初めて見たよ。どうやってゲットしたんだい?」

 

「ああ、ゲットしたっつーか、色々と特殊な条件重なって進化したっつーか…」

 

 改めてカスミに自慢しようとミテキがミロカロスとダイケンキを出せば目をハートにしてミロカロスとダイケンキに抱き着くカスミ。この様子では自慢も耳に入らないだろう。

 

 一方でハルカとマサトはユーリの持つピンク色のバタフリーに興味を持っていた。

 

「バタフリーの色違いはピンク色なのね!」

 

「そんなはずなかったと思うんだけど……」

 

「オレンジ諸島のピンカン島出身なんじゃないか?」

 

 前世でそんな考察があったとミテキは思い返す。放送当時は分かりやすく♀としての印象を与えたかったのだろうが。

 すると今度はサトシのバタフリーがユーリのピンクバタフリーの元にやって来て、互いに踊り出す。

 

「バタフリー達、踊ってるかも!」

 

「……あれはバタフリーの求愛の踊りなんだ」

 

 そう言ったタケシの表情は妙に渋っていた。求愛と聞いてハルカは女の子らしく目を輝かせる。

 

「求愛ってもしかしてサトシのバタフリーとユーリのバタフリーって!」

 

「ああ!ユーリのバタフリーは俺のバタフリーの奥さんなんだ!」

 

 ピンクのバタフリーはユーリの手持ちとなっていたが、それでも良く別れなかったものだとミテキは考える。例え双方にトレーナーがいようとダイパ編のムサシとドクケイルの別れのように子供を残す為なら別れる時は別れてしまう事も多いのだから。

 

「……んん?」

 

 しかしサトシのバタフリーとイチャイチャしているピンクのバタフリーの羽をミテキは二度見して凝視する。

 

 何故羽を凝視するのかと言うとバタフリーの雌雄の特徴的な違いは羽の模様の一部が違うというものだからだ。♂はその部分が白く、♀は黒い。

 羽の模様からしてもサトシの口振りからしてもサトシのバタフリーは♂だ。

 

 ……余談だが、ミテキの前世においてアニメポケットモンスターにて『バイバイバタフリー』の回の放送当時はゲームにおいてもアニメにおいても雌雄の違いはデザインされておらず、雌雄問わず同じ♂のデザインだった。サトシのバタフリーと番いになるピンクのバタフリーも例外ではない。

 

 しかし後のメディアミックスでは雌雄の違いがしっかりと描写されている。劇場版の『キミに決めた!』とか。新無印最終話とか。

 

 だが今ここにいるユーリのピンクのバタフリーの羽の模様のその部分は、白い。

 

 見ればマサトもその特徴に気付いて顔を青くしている。タケシ、カスミ、ユーリは気不味そうに顔を逸らすだけ。

 

 何も気付いていないのはポケモンの知識がそこまでないハルカと、色々と鈍感なサトシだけ。

 

(バタフリーどっちも♂じゃねぇかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!)

 

 ミテキは心の底から叫びたいのを我慢した。

 

 そりゃ繁殖の為に南に渡る為にサトシと別れる必要なんてないはずだ。子供できないもの。

 

 サトシと別れはしなかったが、バタフリーは修羅の道を進んでいた事を知り、ドン引きするミテキだった。

 

「もしかしてユーリのバタフリーってタマゴ産んだりしたの!?赤ちゃんのキャタピーとかいるの!?」

 

「それが全然子供産まれないみたいでさ……」

 

(そりゃ産まれないだろーよ!どっちも♂だもんよ!!)

 

 もう一つ余談だが、ユーリがピンクのバタフリー用に持つガンテツボールの一つ、ラブラブボールは第二世代当時は同種の同性のポケモンが捕まえやすくなるというバグが存在していた。

 あくまでピンクのバタフリーのボールに関する解説であって他意は無い。だってこの世界はゲームじゃないもの。

 

 まぁ予想外の事はあったがミテキは気を取り直してカスミとユーリの前に立ち、モンスターボールを突き出す。

 

「こうして出会ったのも何かの縁だ。カスミ、ユーリ。俺とバトルしようぜ」




ユーリ:基本はミテキの言う通り真面目な優等生タイプ。ぶっちゃけ書きづらい。投稿遅れたのはこいつのせい。イメージとして近いのはNARUTOのミナトかな。

特に本編で言及される事のない裏設定

・ロケット団通信
映画九作目で出て来たロケット団の裏社会の情報網の一つ。雑誌ではあるが裏社会のネットワークというあらゆる点で結構重要な情報口。悪の組織同士のパイプでもある模様。流石に明確に敵対していたら別。例を挙げればマグマ団にアクア団は勿論、ギンガ団、プラズマ団、フレア団など。
海賊ファントムといったロケット団とは別の組織が裏社会でかけた懸賞などの情報があり、どうもロケット団員は本部を通さずにある程度自由に別組織から賞金を稼ぐなど色々やって良い模様。ハンゾウもトゲピー関連をここで募集してムサシ達がそれに乗ったという裏設定。主人公が国自体を怪しんでいたのは杞憂でした。


ピンクのバタフリー((アッー!)

クロスが出ても肝心の大筋はアニメの無印準拠(作画含む)ですからね。仕方ない。子供ができないんだったらどっちも態々トレーナーと別れる必要なんてなくなりますからね。これがバイバイバタフリーしなかった最大の理由です。

ネタバレ:ヨーギラスに関してはユーリは無関係。ユーリがいてもいなくても離脱はしなかった。
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