ポケットモンスター 遥かなるチャンピオンロード   作:メンマ46号

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ちょっと難産でした。最初マサトの台詞に主人公がガチギレしちゃって、なんか溝ができそうな感じに……台詞の選び方って大事。


ホウエン最初のジム戦

 sideミテキ

 

 トウカシティに辿り着いた俺達は最初のジム戦に挑むべくトウカジムに……行こうとしたら何故かハルカに引き止められ、トウカシティの公園で駄弁っていた。因みにサトシは頭にピカチュウを、俺は頭に兄イーブイ、ハルカは頭に何故か妹イーブイを乗せている。おい、妹イーブイ、お前俺のポケモンだよな?

 

「ねぇ本当にトウカジムに行くの?」

 

「当たり前だろ?ジム戦やって勝ったらバッジが貰える。それを八つ集めるとホウエンリーグに出られるんだぜ?」

 

「地方のリーグで優勝すればエキシビションマッチでその地方のチャンピオンとバトルできるし、何よりチャンピオンリーグに出場できる!そのチャンピオンリーグで更に優勝すれば四天王やチャンピオンへの挑戦権が得られる!各地方の四天王やチャンピオンもそうやって今の地位に登り詰めたんだ」

 

 ゲームみたいにバッジ八個集めればそのままポケモンリーグに行って四天王に挑むなんて事はできないが、この厳しい勝ち上がりをしたからこそ、四天王やチャンピオンがその地位にいると言われればゲームよりも遥かに説得力がある。

 

「そういう仕組みなんだ……」

 

「ピッカッチュ」

 

「ブイ〜」

 

「ブブイ!」

 

「ハルカもホウエンリーグに出たいだろ?」

 

「えっ…あ〜、まぁね……」

 

 サトシにそう聞かれて苦笑いで気不味そうに答えるハルカ。ポケモンセンターのロビーでも観光とかの情報を聞こうとしてたし、あんまりバトルにも積極的ではないようだ。

 ここは思い切って聞く事にした。

 

「ハルカ、あんまりポケモンリーグに興味無いのか?」

 

「え」

 

「そうなのか?」

 

「オダマキ博士からアチャモを貰った時からそんな感じしてたからな」

 

「う……やっぱり、変…かしら?」

 

 ポケモントレーナーならばポケモンリーグに挑むのが定石。そんな認識自体はあったんだろう。ハルカは後ろめたそうに話す。だけどそれはあくまで一意見に過ぎない。

 

「そんな事ないだろ。ポケモントレーナーだからって絶対ポケモンリーグを目指さなきゃいけない訳じゃない。ポケモンと一緒に何をするかはトレーナーの自由だ」

 

「そうそう!俺の友達にポケモンをバトルさせる事よりもポケモンを育てる事の方が好きでポケモンブリーダーを目指してる奴もいるんだ!だからハルカだってアチャモやルリリと一緒に何を目指したって良いんだ」

 

「それをこれから見つける為に旅をしたって良いと思うぞ」

 

 今ハルカは色んな所を見て回りたいという考えの下、旅をしているが、そうしている内に何か目標が見つかるかもしれない。アニメではそれがポケモンコンテストだったって話だ。この世界でもそうなるのかもしれないし、もしかしたら全く違う道を選ぶかもしれない。けど結局はハルカ自身が選び、ポケモンと一緒に夢中になれるものならそれが何だとしても頑張る価値のあるものだと思う。

 

「……そっか」

 

「良しっ!この話はおしまい!とりあえずは俺とミテキのジム戦だ!トウカジムに行こうぜ!ジム戦を観ればもしかしたらハルカもポケモンリーグに興味が出るかもしれないぜ?」

 

 サトシはハルカにジム戦の観戦を勧めるが、効果は薄そうだ。友達と父親がポケモンバトルして、どちらかが勝って、もう片方が負けるとあっては内心複雑なものがあるんだろうな。まぁ俺も全力で勝ちに行くけど。ホウエンリーグ出たいし、ジムは行ける所にはちゃんと行ってバッジをゲットしないと。

 

「それにしてもトウカジムのジムリーダーってどんな人かな?」

 

「トウカジムのジムリーダーはセンリさん。ノーマルタイプの使い手だな」

 

「っ!」

 

 サトシの疑問に俺は答える。アニメやゲームで知ってると言っても流石にそこまで鮮明には覚えていないからちゃんと調べたんだぞ。

 

「ミテキ、知ってるのか!?」

 

「知ってるも何もトウカジムに限らず、その地方のジムリーダーが誰かや使うタイプ、ジムの所在地くらいはポケモンセンターで調べられるぞ」

 

 勿論ポケモンリーグ公認ジムだって別に八つしかない訳じゃない。アニオリとされるようなゲームに存在しないジムだってある。というか、ないとジムリーダーだって次々と来るトレーナー達を捌き切れないし、トレーナーだって旅の方角によってはジムに辿り着くのすら難しくなる。実際俺だってシンオウリーグではゲームにないジムに挑んでバッジを取得したりもした。因みにフェアリータイプのジムだ。

 

「とにかく、まずは行ってみないとどうにもならない。一緒にジム戦頑張ろうぜサトシ!」

 

「ああ!じゃ、トウカジムに出発だな!」

 

「ピカチュウ!」

 

「「ブイ!」」

 

 俺とサトシが立ち上がるとピカチュウとイーブイ兄妹も地面に降りて、気合いを入れる。ところでイーブイ兄妹、気合い入れてるとこ悪いが、お前達のデビュー戦はまだだぞ。今回は他のメンバーで挑戦するから。

 だがハルカはやはりチャレンジャー側でトウカジムには行きづらいようで適当に理由を付けて別行動をするようだ。

 

「私、ちょっと用があるからここで……じゃ!また後でねー!」

 

「な、なんだぁ?あいつ……」

 

 スタコラサッサとどっか行ったハルカは置いといて俺とサトシでトウカジムに行く事にする。

 ジムの場所は街の人に聞けばすぐ見つかった。その外観は正に道場という感じでノーマルタイプというよりかくとうタイプのジムだと言われた方がしっくりくる。

 

「ここがトウカジムか。気合い入れて行こうぜピカチュウ、ミテキ!」

 

「ピカピーカ!」

 

「てゆか、どっちが先に挑む?俺も早くバトルはしたいけど、後からやった方がジムリーダーの戦い方も分かるし……」

 

「そうだなぁ、俺も先に戦いたいけど……」

 

 サトシとそんな話をしながらジムの中に入る。サトシは完全に張り合うタイプの相手となら我先にと順番を譲らないが、こんな感じにちゃんと対等に接していれば自分が優先だなんて態度は取らないのだ。

 

「こんにちはー!マサラタウンのサトシです!ジム戦に来ました!」

 

「同じく!フタバタウンのミテキです!ホウエンリーグ挑戦の為、バトルお願いします!」

 

 内装も道場みたいなジムに入って挨拶をするも誰も出てこない。受付の人すらいないってどゆ事さ?すると後ろの廊下からいかにも面倒臭そうに話す眼鏡の子供がやって来た。こいつがマサトか。

 

「うるさいなぁ。今シロガネ大会の録画観てたところなのに……」

 

「ああ、ごめん……」

 

 サトシが謝るとマサト(多分)が、サトシの顔を見て素性に気付いたらしく、サトシを指差してその正体を言い当てる。

 

「ああーっ!アンタ!ジョウトリーグ・シロガネ大会の二回戦で負けた人!」

 

 今ので確信した。凄まじいクソガキだ。普通初対面でこんな失礼な言い方する?

 サトシとピカチュウもそんな言われ方をして目に見えて落ち込む。

 

「名前は確か…サトルー!」

 

「サトシだよ……」

 

 しかもトレーナーの許可なく勝手にピカチュウを触り、抱き上げて頬擦りしとる。ピカチュウの頬は電気袋があるから刺激すると結構危険だぞ。ピカチュウの意思に関係なく、電流喰らうぞ?

 

「あの時のピカチュウだー!僕マサト!よろしくー!今年のポケモンリーグの中継は全部観てたし、全部録画して何回も観たよ!」

 

「へぇー」

 

「二回戦で負けたんだよね!?ハヅキさんに負けたんだよね!?バシャーモに負けたんだよねー!?」

 

 うっわ、おもっくそ煽ってる。サトシも青筋浮かべてるよ。

 

「あんまり負けた負けたって言うなよ……。二回戦っつっても決勝トーナメントなんだから……!」

 

「確かにアレは良いバトルだったよ!手に汗握って観てたもん!ラストバトルはリザードンとバシャーモの戦いになったんだよね!最後はお互いの技でダメージを受けちゃって、なんとか両者立ち上がったんだけど……結局リザードンは倒れちゃったんだよね」

 

 俺もあの試合は観た。アニメで観たサトシのリザードンが実際に戦ってる所を観られたのは感激だった。流石は初代エース枠。あんな良いポケモンを何故新無印のアニメスタッフはサトシにPWCSで使わせなかったのか。サトシの歴代のポケモン総動員で挑めば良かったのに。シロガネ大会でのバトルを観て余計にそう思った。

 

「でもあの試合、リザードンのパワーをもうちょっと上手く使ってたら勝てたんじゃない?僕がトレーナーだったら勝ってたね!もうちょっと腕磨かないと!」

 

 うわー、俺が言われてる訳でもないのにうぜー。人のバトルにケチ付けるだけじゃ飽き足らず、人のポケモンを自分が使った場合で結果だけ話すとかイラつくどころじゃねぇ。しかもそれはサトシに勝ったハヅキへの侮辱でもあるぞ。

 

「あのなぁ「こっちも知ってるよ!スズラン大会の決勝戦で負けた人でしょ!名前はミナキー!」」

 

「どっかのスイクンマニアみたいな名前はやめてくんない」

 

 サトシが何か言おうとしたらそれを遮って今度は俺に絡んで来やがった。

 しかもその間違い方は俺にとってはこの上ない煽りだ。これはもう戦争ですよ。

 

「シンオウリーグ・スズラン大会も観てたよ!ポケモンリーグ初出場なのにガンガン勝ち進んでさ!一気に決勝戦まで行っちゃうなんて凄いよ!」

 

「む……ま、まぁな」

 

 いきなり褒められて少々気が緩む。なんだ、ちゃんと凄さを分かっているじゃないか。

 だが上げて落とすのがマサトクオリティらしい。一気に掌を返してあの決勝戦での俺のバトルを酷評してくる。

 

「でも決勝のあの負け方は無いよね。いくら相手がメガシンカ使って来たからって、その前のカビゴンとのバトルでガブリアスをもっと上手く使ってたら勝てたと思うよ?僕ならつるぎのまいとドラゴンクローなんて使わないで元々高威力のりゅうせいぐんで牽制しながら攻めたのに。それなら技の枠だって一つ空いたでしょ?」

 

「ガブリアスは物理技の方が強いし、カビゴン相手に特殊技で攻める方が馬鹿だろうが。耐えられながらふぶきを喰らった場合の方がボロ負けしてたっての。そもそも数値が高い技をぶつければ良いなんて程ポケモンバトルは甘くないぞ」

 

 なんだこいつ。技の数値しか見てねぇのか。ガブリアスならバフ無しでりゅうせいぐんをカビゴン相手に使うより、積み技で強化したドラゴンクローの方が有効なのは明らかだろうが。

 

「それでも僕がガブリアスのトレーナーだったら絶対勝てたよ」

 

「はいはい、戯言(ざれごと)は良いからジムリーダーのセンリさん呼んでくんない?」

 

「今戯言って言った?」

 

 後からならなんとでも言えるからなぁ。それにこれ以上こいつの知ったか振りの思い上がり発言聞いてたら本気でキレちゃいそうだし。

 マサトの煽りを一蹴してセンリさんを出すように言っても、このガキんちょは俺達のジム戦よりも自分の好奇心を満たす事の方が大事なようでポケモンを見せろとせがんでくる。

 

「ねぇねぇポケモンを見せてよ〜」

 

「分かった分かった。センリさん呼んで来たらバトルで見せてやるから」

 

「ポケモン見せるのが先ー!」

 

 駄々こねてゴリ押せば何とかなると思ってんじゃないよ。おいこら服を引っ張るな。伸びるだろ。

 ぎゃいぎゃいうるさいのでサトシと俺でそれぞれマリルとマリルリ、イーブイ兄妹を出してやる事にする。サトシはピカチュウの他にはマリルしか手持ちがいないし、俺はジム戦で出すポケモンはまだ見せない方が良いと思ったのでこの三匹だ。

 

「えー!?ゴウカザルとガブリアスじゃないのー!?サトシもリザードンとかさー!!」

 

 こいつど突いて良いかな?

 と思ったがあまりに失礼な反応をしたマサトにムカついたのか、イーブイ兄妹、マリルリ、マリルが四匹がかりでマサトをボカスカ殴ってる。完全にリンチだが、ギャグ調だし大丈夫だろう。おい兄イーブイ、さすがにびりびりエレキはやめてやれ。

 

「ふぅ……酷い目に遭った。でもマリルとマリルリのみずでっぽうにイーブイ達のたいあたり……感激したぁ」

 

 なんだこいつ。ドMか?

 

「マサト、何してるの?」

 

「あ!お姉ちゃん!」

 

「お姉ちゃん?」

 

「やぁ、いらっしゃい」

 

 マサトの発言にドン引きしてると道場の窓の外からハルカがこっちを見ていた。その隣には父親らしき男の人と母親らしき女の人も。なるほど、この人がジムリーダーのセンリさんか。

 

「なるほどね。それはポケモン達に失礼だぞマサト。サトシ君とミテキ君もすまなかったね」

 

 道場…というよりジム内に入ってきたハルカとその両親にこれまでの流れを説明しつつ、マサトがポケモン達にボコられた経緯を知るとセンリさんがマサトに軽く注意する。それよりも煽り癖を矯正した方が本人の為だけどな。

 

 話が終わるとハルカが若干気不味そうに俺とサトシに家族を紹介してくる。

 

「ミテキ、サトシ。紹介するわ、私のパパとママ。そして弟のマサト」

 

「私の名はセンリ……と言っても既に調べていたようだね」

 

「私はミツコよ」

 

 軽く挨拶をしてくれるセンリさんとミツコさん。うーむ、厳格ながらも立派そうな父親、朗らかで優しそうな母親、素直で心優しい姉……この組み合わせで何故こんなクソガキが育つ?

 

「って事はハルカはトウカジムの子供だったのか」

 

「ま、まぁね…」

 

 ジト目でこれまで誤魔化されていた事を根に持ってる様子のサトシ。俺もぶっちゃけあそこまで気不味そうに隠す理由がいまいち分からん。父親に友達が挑戦して内心複雑だからってああなるか?

 

「二人共、ハルカをこの街まで送ってくれてありがとう」

 

「いや別にそういう訳じゃないんですけど」

 

「まぁ俺達友達ですから」

 

 ミツコさんにお礼を言われるが別にお礼を言われる事なんて何もしてないんだよなぁ。普通に一緒にこの街に来ただけだし。するとクソメガネは両親に俺達を悪意の籠った仕方で紹介する。

 

「パパ、ママ!この人達ね、シロガネ大会二回戦で負けた人とスズラン大会決勝戦で負けた人だよ!」

 

「だから決勝トーナメントだって!」

 

「散々馬鹿にするからにはお前こそトレーナーになったら初出場で地方リーグ優勝できるんだろうなぁ……!?」

 

 なんならお前がトレーナーになったらホウエンリーグに再出場して叩き潰しても良いんだぞ。お前がバッジを集めてリーグに出られるならの話だがな。

 

「ところでハルカ、自転車はどうしたの?」

 

 ミツコさんの質問に俺はギクリと身体を硬直させる。

 

「あ、それが……」

 

「すいません、俺のガブリアスが粉々にしました」

 

 流石に誤魔化す訳にはいかないので頭を下げる。

 

「なぁに、旅にトラブルは付き物だよ」

 

「それに歩いた方が健康に良いしね」

 

 そう言って貰えると助かる。なんて良い人達なんだ。何故こんな良い両親に育てられてこんなクソガキが(ry

 

「で、ハルカはオダマキ博士からどのポケモンを貰ってきたんだ?」

 

「そうだよお姉ちゃん!ポケモン見せて!」

 

「良いわよ。それにもう他のポケモンもゲットしたんだから!」

 

 センリさんとメガネにポケモンについて聞かれてハルカはちょっとドヤ顔でゲットしたルリリのモンスターボールも見せびらかす。

 

「出て来なさい!アチャモ!ルリリ!」

 

「チャモー!」

 

「ルリー!」

 

 先日バトルを繰り広げたアチャモとルリリはポケモンセンターでの交流でもう仲が良くなって二体とも元気良く出てくる。しかしそこに学習しないメガネが一本。

 

「ええー!?アチャモなの!?僕キモリの方が断然良かったのに」

 

 別にお前のポケモンじゃないんだから良いだろうに。そしてイーブイ達同様失礼な事を言われたアチャモは怒ってマサトに連続でつつく攻撃を浴びせる。アチャモを馬鹿にされた事でルリリも怒ったのか、尻尾でおもいっきりマサトの頭をはたいてる。ポケモンでも友情とは素晴らしいな、うん。昨日の敵は今日の友とはよく言ったもんだ。サトシもボコられてるマサトを見てスッキリしたのかちょっとニヤついてる。

 

「アチャモもルリリもやめなさい!」

 

「初めてのポケモンにアチャモは中々良いよ。初ゲットがルリリなのも初心者にピッタリだ」

 

「本当、アチャモもルリリも可愛いわね」

 

「でしょー!?」

 

 つつかれ終わり、マサトはまだ自分がポケモンを持てない年齢な事もあってか、羨ましそうにアチャモを見る。

 

「良いなー。僕もポケモン欲しいなー。キモリとか欲しいなー」

 

 まーた自分からボコられる口実作ってら。本気でドMなのかこいつ。つーか三度目だしそろそろ飽きてきたな。

 

「ミテキ君とサトシ君もお昼、一緒にどう?」

 

「「はい!ありがとうございます!」」

 

 マサトがポケモンにボコられるのを見るのにも飽きてきたのでミツコさんの誘いに甘えて昼ご飯をご馳走になる事にする。場所は変わってハルカの家のリビングにてサンドイッチとシチューを振る舞って貰い、トレーナーとしての旅の話をする事になった。

 

「サトシ君もミテキ君もずっと旅をしてるのよね?」

 

「はい。カントー地方やオレンジ諸島、ジョウト地方なんかを旅して来ました」

 

「俺はまだ故郷のシンオウ地方だけですね。いずれはカントーやジョウトも行くつもりです。イッシュやカロス、ガラル地方も良いですよね」

 

 以前も語ったが本来ならシンオウ、ジョウト、カントー、イッシュ、カロス、ホウエン、アローラ、ガラルの順で旅をする予定だった。勿論このホウエンでの旅が終わったら他の地方にも行くつもりだ。

 

「良いな、良いなー。二人共色んな所を旅してるんだ」

 

 どっちかっつーと俺もサトシもまだまだこれからなんだけどな。

 

「一人で旅して来たのかしら?」

 

「シンオウ地方での旅はそうですね。地元のフタバタウンの友達の中では俺が最初に旅立ちましたし。でもやっぱり一人で旅するのは寂しい所があったからハルカとサトシに出会えたのは良かったです。や、勿論ポケモン達がいてくれたから完全に寂しい訳じゃなかったけど」

 

「俺は今までの旅は他の友達がいました。でもミテキの言う通り、旅をするなら友達と一緒が良いですね」

 

「確かに旅は友達と一緒の方が良いよね」

 

 俺とサトシの話にセンリさんも頷く。ポケモンも良いけどやっぱり人間の友達も一緒の方が良いんだよ本当に。フタバタウンの友達三人はポケモン貰えるの来年だし。

 

「良いな、良いなー。友達と一緒に旅できるなんて良いなー」

 

 お前友達いなさそうだもんな。

 

「パパ、ミテキとサトシはジム戦をやりに来たのよ」

 

「是非お願いします!」

 

「俺もお願いします!」

 

 ハルカにトウカジムに来た理由を説明して貰い、ジム戦をセンリさんにお願いする。センリさんも二つ返事でジム戦を了承してくれた。

 

「勿論良いとも。二人共、ジムバッジはいくつ集めたんだい?」

 

「ここが最初です」

 

「俺もホウエンではトウカジムが初めてです」

 

「それじゃあこれからだね」

 

 ホウエンリーグ挑戦の景気付けの為にも最初のジム戦は勝ちたい。それはサトシも同じようで気合いが入っている。

 

「それで、トウカジムのルールは…」

 

「三対三の勝ち抜き戦だよ」

 

 センリさんの代わりにマサトがジム戦のルールを説明する。とは言っても大概のジム戦は使用ポケモンが二体から四体。ポケモンの交代はチャレンジャーのみが認められる。でも勝ち抜き戦ってのは珍しいな。

 

「え、三対三?」

 

 マサトの説明を聞いたサトシは顔が固まる。

 

「どうかしたのかい?」

 

「今はピカチュウとマリルしかいないんです」

 

「え?二体しかいないの?シロガネ大会に出てたポケモンは?」

 

 マサトの疑問は当然だろう。サトシはカントーやジョウトでの旅を通じて沢山ポケモンを捕まえて、ジム戦やポケモンリーグを戦って来た。そのポケモンはどうしたのだという話だ。

 

「みんなマサラタウンのオーキド研究所に置いてきちゃったんだ」

 

「そうなのかい?」

 

「じゃあポケモンセンターで転送して貰えは良いんじゃない?」

 

 ミツコさんがポケモンの不足の解決策を提案する。そう。ジム戦の為にポケモンを揃えたいならそれが一番手っ取り早い。しかしサトシはその提案を敢えて受けない。

 

「……今度の旅は新たな気持ちで始めようと思ってるんです。だからホウエン地方でゲットしたポケモンで戦おうと思って、最初のポケモンのピカチュウだけを連れて来たんです」

 

「まぁそれも一つの考えだよな。でもサトシ、それだとしばらくピカチュウはジム戦に出せないんじゃないか?レベル制限的に」

 

「あ、そっか……」

 

 ジム戦はジムバッジの数やトレーナーのポケモンのレベルから逆算して最も適したレベルのポケモンをジムリーダーが出す事になっている。その際、チャレンジャー側のポケモン達にレベルの格差があり過ぎるとその判断ができないのだ。レベルの低いポケモンに合わせるとレベルの高いポケモンに蹂躙されて、ジム戦の意味が全くないし、レベルの高いポケモンに合わせるとレベルの低いポケモンでは勝てず、成長にならない。中間レベルのポケモンを出しても同じ事だ。

 

 だからジム戦の規定の一つとしてチャレンジャーのポケモンは全体のレベルの差異が一定以内でないと挑戦が認められない。そのチェックをジムの審判が事前に行い、問題ないと判断されれば、挑戦が認められる。そして使用するポケモン達のレベルのみをジムリーダーに報告し、それからジムリーダーが使用するポケモンを選ぶ事になる。

 

 つまりサトシがピカチュウをジム戦に出すならばピカチュウと同格のレベルのポケモンをパーティに加える必要がある。それこそジョウトリーグまでを共に戦ったポケモン達なんかがそうだ。少なくとも今すぐにピカチュウとマリルを一緒にジム戦に出す事はできない。

 

 これまで育てたポケモンの成果を示すポケモンリーグならばその限りではないが、あくまで成長の場であるジム戦だとこれは当然の措置だ。レベルの高いポケモンが無双しても、レベルの低いポケモンが瞬殺されても得られるものなんてないからな。

 

「ピカチュウを出したいならリザードン達を呼べば良いじゃない!ねぇねぇそうしようよ!他のポケモン達も見たいしさー!」

 

 マサトはサトシのジム戦……というよりサトシのポケモン達見たさにポケモンセンターでの他のポケモン達の転送を勧める。

 正直俺もサトシのリザードンと俺のガブリアスを戦わせてみたいから、それは願ったりだが、それだとサトシの最初のスタンスを崩さなきゃならなくなる。

 

「うん……でもやっぱり最初に決めた事をいきなり破る気はないよ。という訳でごめんなピカチュウ、ジム戦の参加は暫く待っててくれ」

 

「ピカッチュ!」

 

 ピカチュウも了承はしているようで、軽く頷く。まぁホウエンで捕まえたポケモン達がピカチュウと同じくらいのレベルに成長するまでの辛抱だ。俺と俺のポケモンでその分の野良バトルくらいならしてやれるし。

 

「ポケモンが集まったらまた来ます!」

 

 サトシは今回はジム戦は見送る事にしたらしい。でも俺は別だ。

 

「ま、サトシにはサトシの考えがあるように俺には俺の考えがある。俺はこれまでのポケモンもホウエンでの新しいポケモンも、バランスよく使って全体で鍛えていく!だからセンリさん、俺は使用ポケモンが揃っているのでジム戦をお願いします!」

 

「うん。二人共素晴らしい考えだ。分かった。まずはミテキ君のジム戦をしよう。それからサトシ君も折角来てくれたんだ。ミテキ君のジム戦の後に一つ稽古を付けてあげよう」

 

「「ありがとうございます!」」

 

 そんな訳で俺のジム戦が決定したので昼ご飯の続きだ。これまでの旅の話やこれからの目標について話しながら食べる。

 

****

 

 昼食が終わり、腹ごなしの軽い運動をした後、さっきの道場っぽいスタジアムにて俺とセンリさんが向き合う。

 サトシ達もジム戦の観戦の為にここにいる。折角なので公式戦がどういうものなのか学ばせる為、サトシ達のいる見学席にイーブイ兄妹とマリルリを出しておく。妹イーブイ、ハルカに甘えてないでこっち見てくれ。

 

「ミテキー!頑張れよー!」

 

「ミテキがパパに勝てる訳ないよ」

 

 応援してくれるサトシと見下してくるマサト。まぁ何だろうと全力でぶつかるだけだけどな。

 さっきまではいなかったはずの道着を着たジム専属の審判が試合開始を宣言する。これまでどこにいたんだ?

 

「それではこれよりジム戦を始めます!使用ポケモンは三体!ジムリーダーかチャレンジャー、どちらかのポケモンが全て戦闘不能になった時点で終了です!尚、この試合は両者完全勝ち抜き戦とします!」

 

 俺はベルトに装着されたモンスターボールに手をかけながら宣言する。

 

「ホウエン初のジム戦、全力で行きます!」

 

「ではジムリーダーの私から出そう。行けっ!ガルーラ!!」

 

 センリさんが繰り出したのはガルーラだ。

 俺がこれまでのシンオウ地方での旅で鍛えたポケモンを使う事からセンリさんもそれなりにレベルの高い強力なポケモンを使ってくる。まぁ当然だな。

 

「よーし!いっけえ!ラムパルド!!」

 

「ラァァム!!」

 

 俺は早速ノーマルタイプを半減できるいわタイプのポケモン、ラムパルドを出した。タイプが分かってるのに中途半端に有利なポケモンを出したのはただ弱点を突くだけじゃこの先駄目だからでもある。

 

「化石ポケモンのラムパルドだー!!」

 

 大興奮のマサトに対し、サトシとハルカはポケモン図鑑を取り出してラムパルドについて調べる。ラムパルドはシンオウ地方でも中々お目にかかれないポケモンだからな。

 化石ポケモンがどういうものかを知って驚くハルカは隣で目を輝かせる弟に詳しく尋ねる。

 

「マサト、ラムパルドの事知ってるの?」

 

「勿論!僕はスズラン大会もちゃんと録画して何度も観てるからね!ミテキがスズラン大会で使ったポケモン22体全部覚えてるよ!中にはとびきり珍しいポケモンもいてさー!」

 

 センリさんはラムパルドを見て好戦的な笑みを浮かべる。多分ラムパルドの内に秘められたパワーをある程度は理解したんだろう。ジムリーダーとしても滾っているようだ。

 

「それがラムパルドか。確かに中々のパワーを持っているのが分かる。化石ポケモンというのも興味深いね」

 

「コイツのパワーはセンリさんの思ってる以上ですよ」

 

 ラムパルドは俺のシンオウ地方での旅を支えてくれたポケモンの一体だ。これまでの公式戦でも大活躍してくれた。これからもな。

 

「さぁ、大暴れしてやろうぜ!ラムパルド!!」




ピカ様の露骨なリセットを防ぐ為、どのシリーズだろうとピカ様は同格の仲間がいなければジム戦に参加できません。その辺のアテも多少はあるので。実際にはピカ様の枠にアニメでいなかったポケモンをぶち込む為でもありますが。


11.ラムパルド(♂)
特性:かたやぶり
備考:ハクタイシティで悪事を働いていたある組織が持っていたずがいのカセキをネコババ。クロガネシティでズガイドスとして復元した。
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