ポケットモンスター 遥かなるチャンピオンロード   作:メンマ46号

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あぁー早くタケシ出してぇ。アニポケはタケシがいなきゃ始まらねぇ。


決着!トウカジム!

 sideミテキ

 

 ロケット団をぶちのめして、世界王者レッドの話題になったりと色々あったが俺達はどうにかトウカジムに戻って来た。

 

「さて、ミテキ君。ジム戦の続きをやろうか」

 

「はい!」

 

 トウカジムに戻って来て俺達はジム戦の続きを始める。と、その前に言っておかなきゃな。

 

「あの、すいません……ラムパルドは戦闘不能の扱いにして貰って良いですか?」

 

「おや、どうしてだい?」

 

 当然の疑問だろう。態々自ら数の利を捨てるような舐めプと言われても仕方ない申し出だ。だが俺にもラムパルドのトレーナーとして譲れないものがある。

 

「ガルーラとのバトルで戦闘不能寸前だった所をロケット団と戦わなきゃいけなくなって、本当に限界に近いからもうこれ以上無理はさせられません」

 

 そう。ガルーラに追い詰められ、もろはのずつきまで使ってその反動でラムパルドはもう本当に限界ギリギリだった。そこにロケット団の横槍が入ってアーボックやパルシェンを相手に無駄な戦いと消耗をさせてしまった。その上ジムリーダーのポケモン相手の二戦目をさせるのはダメージ以上の負担にしかならない。

 例えラムパルドが次のポケモンの為にセンリさんの二体目の体力をある程度削れるのだとしても、そこは譲れないラインだ。

 

「……良い判断だ。分かった。そういう事ならお互いに二体目からスタートだ」

 

「ありがとうございます」

 

 俺の説明を聞いて納得してくれたセンリさんは申し出を認めてくれた。状況は二対二でイーブン。ここからまた仕切り直しだ。

 

「頼むぞルカリオ!」

 

「出て来いバクオング!!」

 

 俺は二番手として当初の予定通りルカリオを繰り出し、センリさんが二体目に出して来たのはバクオングだ。

 サトシとハルカがそれぞれルカリオとバクオングをポケモン図鑑で調べる中、二戦目が始まる。

 

「ルカリオ!しんそくにグロウパンチを乗せろ!」

 

 まずはしんそくで先手を打ち、勢いを乗せて威力を底上げしたグロウパンチを叩き込む。

 しんそくが加わったグロウパンチがヒットしたバクオングはその図体と重さから吹き飛ぶ事はなくても体勢を崩している。ここで追撃だ。もう一度グロウパンチを叩き込んで物理攻撃のステータスを上げる。

 

「バクオング、じならしだ!」

 

 だがセンリさんはバクオングにじならしを指示して足元から攻撃を仕掛けてくる。ガルーラみたいにかわらわりでカウンターを仕掛けようとしてもしんそくで躱されるのを見越してじめん技で弱点を突いて来たか!

 

「ルカリオ!飛び上がってはどうだん!」

 

 地面から離れている間はじめん技を受けずに済む。だが着地と同時にまたじならしをされては溜まったもんじゃない。はどうだんで弱点を突いてじならしをさせる暇を与えない。

 効果抜群のはどうだんを受けてダメージを負ったタイミングでもう一度しんそくとグロウパンチを組み合わせて攻撃して、物理攻撃のステータスを積む。

 

「もういっちょグロウパンチをお見舞いしてやれ!」

 

「ばくおんぱ!」

 

 しかしセンリさんは一切動じる事なく技の指示。それも音による攻撃であるばくおんぱ。威力140というぶっ壊れ技をタイプ一致で。

 

 それを使うのは声の大きさにおいては右に出る者がいないポケモン、バクオングだ。

 

 凄まじい怒号に俺は思わず耳を塞ぐ。やべぇ……トレーナーの俺までも耳が痛い。頭がガンガンする。見れば観客席にいるサトシ達もまるで麻痺したかのように頭を押さえている。

 至近距離でこんな爆音を聞かされたルカリオなんてモロにその影響を受けて蹲っている。ノーマル技を半減していてもこれは不味い。

 

「ほのおのキバ!!」

 

 その巨大な大口に火を纏わせて強烈な顎の力でルカリオを噛み砕きにかかる。蹲っていたルカリオは避けられずに噛まれて捕まってしまう。弱点のほのお技を受けた所にセンリさんは更に追撃してくる。

 

「もう一度じならしだ!!」

 

 ほのおのキバでダメージを与え続け、がっちりホールドしている所に容赦なくじならしを叩き込んでくる。流石のルカリオも大ダメージで吹き飛び、転がってしまう。だがルカリオを襲うアクシデントはそれだけじゃなかった。

 

「ルカリオ…お前、やけどを!」

 

 そう。ルカリオはほのおのキバを受けた事で三割の確率で引いてしまうやけど状態になっていた。ジワジワとダメージを受け続ける上に物理攻撃の威力が半減してしまう。グロウパンチでステータスを三段階積んでいたのも白紙にされてしまった。

 

「これで形成逆転だ!いっけーパパー!!」

 

 センリさんへのマサトの声援が響く。ちょっとばくおんぱの影響で耳が痛いから勘弁して欲しい。平然としているセンリさんがどれだけバクオングの声に慣れているのかが突き付けられるなこりゃ。

 効果抜群の技を立て続けに喰らったルカリオのダメージは大きい上にやけど状態で時間もない。おまけにじならしを二回も受けて素早さまで二段階も落ちている。これじゃあきしかいせいを使っても威力に不安があるし、そもそも先にやられるな。センリさんの強さが身に染みて分かる。

 

 面白い……!!

 

 さてどうするか。ルカリオは素早さが下がってもしんそくを駆使してバクオングの攻撃を躱し続けている。特殊技のはどうだんで一気に仕留めたいが、わるだくみで特攻を積む前にやけどのダメージで終わる。ならばやけど状態を逆に利用して……

 

「ルカリオ!しんそく!」

 

 ルカリオにしんそくで一気に距離を縮めさせる。だがセンリさんもそれを読んでいた。ルカリオが距離を詰めるのに合わせて技の指示を出してきた。

 

「君がそう来るのは読んでいた!狙いはからげんきだろう!バクオング、カウンター!!」

 

 やけど状態を利用してそれをパワーに変えつつ、グロウパンチによる攻撃ステータスの上昇を活かして攻撃する。それには物理技のからげんきしかない。バクオングの反撃を許さずに仕留めるにはしんそくでからげんきを打ち、吹っ飛んだところをはどうだんで倒すしかない。

 

 と、思うじゃん?

 

「今だルカリオ!」

 

「ガウッ!」

 

 ルカリオは攻撃をする前にもう一度しんそくを使って真上に逃げてバクオングのカウンターを躱した。そして天井を蹴って更にもう一度しんそくを発動してバクオングに後ろから拳を叩き込む。

 

「ドレインパンチ!」

 

 そもそも攻撃が三段階上がってるからやけど状態で半減しても、元々より若干威力は高いんだ。ならタイプ一致補正もあるドレインパンチを確実に決めて体力を奪えば良い。これならやけどのダメージがあったとしても時間的余裕も生まれるからそもそも勝負を急いでカウンターを喰らう可能性の高いからげんきを無理に使う必要なんてないんだ。

 

 それに効果抜群の技を受け続けてダメージが蓄積しているのはバクオングも同じだ。技の威力と状態異常で有利に立ち回っているのなら、それで生じた体力の差をここで逆に利用すれば良い。

 

 効果抜群のかくとう技を喰らった上に体力まで吸われたバクオングの身体がフラつく。勝負所はここだ!背後ならほのおのキバは決められないし、身体が安定してなきゃじならしもばくおんぱも無理!そして特殊技にはカウンターは無意味!

 

「もう一度飛び上がってフルパワーのはどうだん!!」

 

 一応じならしを警戒して、飛び上がらせ、やけどの物理半減の影響を受けないはどうだんをその無防備な背中にぶち込んでやった。爆発ような煙が晴れればバクオングは目を回して倒れていた。

 

「バクオング、戦闘不能!ルカリオの勝ち!」

 

「良ォし!!よくやったルカリオ!!」

 

 ルカリオが勝ってガッツポーズを俺に見せ付けてくる。やけど状態はまだ残っているから余裕がある訳ではないが、それでも喜んで良いだろう。

 それにしてもあのバクオングは強敵だった。よく育てられているし、もし本当にあそこでしんそくとからげんきのコンボを狙っていたら、カウンターでやられていた。それ程までにしんそくにタイミングが合ったカウンターだった。一歩前で止まってしんそくで更に二回移動して背後に行けたのが勝因だったな。

 

「うおおおっ!凄えぜミテキー!」

 

「ピカチューー!!」

 

 息吐く暇も無かったんだろう。今のバトルを観て終わってサトシとピカチュウはプハっと一息。そして大興奮で新たルカリオのバトルを褒めてくれる。ポケモンバトルについてまだあまり理解していないハルカもこれにはビックリしたようだ。

 

「そんな……ガルーラだけじゃなくてバクオングまでやられちゃうなんて……」

 

「もしかして……本当にパパに勝っちゃうかも」

 

「何言ってるのさお姉ちゃん!パパが負ける訳ないよ!パパの事を次期四天王だって言ってる人までいるんだ!パパが勝つに決まってるよ!」

 

 けどマサトはあくまで父親のセンリさんが勝つと主張している。まぁそこにまで文句を言う気はないさ。マサトにとっちゃセンリさんはヒーローみたいなもんだろうし。でも俺だって負ける訳にはいかない。

 

「流石だねミテキ君。ガルーラを倒したラムパルドもバクオングを倒したルカリオも本当に強い。そして彼等を育て、こうして勝利に導いている君も優れたトレーナーと認めよう」

 

「ありがとうございます。でも、俺はまだこのジム戦に勝利した訳じゃありません」

 

「そうだね。このジムリーダーセンリ、最後の一体はこいつだ!全力で来たまえ!」

 

 そう言ってセンリさんが出した最後の一体はケッキングだ。種族値だけなら600族を超え、伝説のポケモンにだって比肩するとんでもないポケモンだ。

 

「ケッキングか……中々手強い相手だぞ!油断するなよルカリオ!」

 

「ガウ!」

 

 やけどによる限界が来る前に少しでもケッキングの体力を削る為に一歩を踏み出すルカリオ。まずはしんそくとドレインパンチのヒット&アウェイで……

 

「ケッキング!メガトンキック!」

 

 ルカリオがしんそくを使う前に距離を詰めてメガトンキックを使い、一撃で倒した。いくらバクオングのじならしで素早さが下がっていたとはいえ、まさか何かする前に瞬殺されるなんて……

 

 ルカリオをモンスターボールに戻し、俺は最後のポケモンを用意する。

 

「ルカリオ、ゆっくり休んでくれ。後は頼むぞ…行けっ!ゴウカザル!!」

 

 俺の最後のポケモンは当然ゴウカザルだ。俺の一番最初のポケモンであり、不動のパートナー。ノーマルタイプに強いかくとうタイプでもある。ホウエン最初のジム戦を白星にする為にも確定で選出した。

 

「ゴウカザルだ!ミテキのエースポケモンだよ!」

 

「知ってるわよ。もう」

 

 さっきロケット団とのゴタゴタで見たはずのゴウカザルを見て興奮するマサトとそれに呆れるハルカ。センリさんの応援だったり、ポケモン見て興奮したりと忙しい奴だな。

 

「ゴウカザル!かえんほうしゃだ!」

 

 ケッキングは特防がそれ程高くはない。基本的に特殊技をメインに攻め立てる。かくとうタイプのきあいだまで攻撃しつつ特防を下げる事も考えたが、まずはそれよりほのおタイプの技でさっきのルカリオみたいにケッキングをやけど状態にしたい。

 ケッキングの物理攻撃の種族値はラムパルドにかなり近い。ならばやけど状態にしてそれを削るのは当然。かえんほうしゃでやけどにできなかったら、おにびを使う事も考えなくちゃならない程だ。できれば技の枠を一つ節約したい。

 

「ケッキング!!ドわすれ!!」

 

「!?」

 

 センリさんはケッキングにドわすれを指示して特防のランクを上げてきた。だが俺が驚いたのはそこではない。

 

「ケッキング!かえんほうしゃを突き破ってメガトンキック!!」

 

 特防を上げた事でかえんほうしゃに耐え易くなったケッキングは指示通りにかえんほうしゃに突っ込み、熱さなど知った事かと言わんばかりにゴウカザル目掛けてメガトンキックを繰り出してきた。

 当然、スピードはゴウカザルの方が上なので躱して距離を取る。

 

「……どういう事だ?ケッキングが怠けずに連続して動いている?」

 

 そう。センリさんのケッキングは特性のなまけが発動せず、普通のポケモンのように普通にバトルしている。

 ルカリオにメガトンキックを喰らわせたばかりでドわすれを使い、あまつさえかえんほうしゃを突き破ってまたメガトンキックを放つ。あのケッキングがだ。

 

「凄いや!パパのケッキングは強いんだ!ミテキのゴウカザルでも勝てっこないよ!」

 

「すっげー…」

 

「ピィカ…」

 

 ケッキングというポケモンの強大さを目の前で見せ付けられたサトシ達も開いた口が塞がらないらしい。

 とにかく間違いない。あのケッキングは特性のなまけを無視している。スキルスワップを使ってる訳でもないのに。どんな訓練したらそんな事ができるんだ?

 

「怠けないケッキング……どうやって育てたんですか?」

 

「それは秘密だ。何より今はジム戦だぞ?」

 

 それもそうか。

 

 さっきも言った通り、種族値は600族超えどころか伝説のポケモンにだって匹敵する。ダメージが蓄積していたとはいえ、はがねタイプのルカリオがノーマル技で倒された点から見てもケッキングというポケモンがどれだけ規格外かが分かる。

 

 それを抑える為と言って良いデメリットが特性のなまけだ。ゲームにおいては2ターンに一度しか行動できないという酷過ぎるデメリット特性だ。この世界ではターン制が無い代わりに数分に一度くらいしか動かないという場合によってはゲームよりも酷い性能の特性だ。

 

 センリさんのケッキングにはそれがない。これがどれだけの脅威か。

 

「……挑戦の場のジム戦で使って良いポケモンじゃない気もするけど、上等!そんな凄えポケモンと戦える機会なんて早々無い!勝つぞゴウカザル!!」

 

「ウキャッ!!」

 

 だがそれを見て闘志がより燃えるのが俺とゴウカザルだ。敵が強ければ強い程燃えてくる。これだからポケモンバトルは最高なんだ。

 

「ゴウカザル!きあいだま!」

 

 かくとうの特殊技でケッキングの特防から攻める。ドわすれを使ってくるとはいえ、ケッキングの特防が穴である事には変わらない。下手にちょうはつなどで変化技を封じるよりも攻めて攻めて攻めまくる。

 

「ケッキング、アームハンマー!!」

 

 アームハンマーできあいだまを弾いてゴウカザルにまたメガトンキックを繰り出すケッキング。ならばとこちらも三つ目の技としてゴウカザルが好むほのおのパンチを指示する。

 

 かくとう技じゃなくて良いのかと思われるかもしれないが、この技は最後の一撃の為の布石だ。

 そこからは決死の攻防戦だ。かえんほうしゃときあいだまで遠距離から攻めつつ、隙が生まれたらほのおのパンチを叩き込む。ケッキングもかえんほうしゃはドわすれで耐えて、きあいだまはアームハンマーで弾き飛ばす。ほのおのパンチで攻めて来たらメガトンキックでカウンターを決めにかかる。

 

「あんなに強いゴウカザルに一歩も引かないなんてケッキング強すぎかも……」

 

「当然だよ!」

 

「ほのおのパンチ!」

 

 ケッキングの頬にほのおのパンチが突き刺さる。その瞬間、ケッキングの表情が確かに歪み、先程よりも弱々しいアームハンマーが振るわれ、ゴウカザルはそれを躱す。

 

「これは……さっきの意趣返しかな?」

 

「いえ、割と偶然です」

 

 間違いない。ケッキングはやけど状態になった。ここでやけどを引いたか。これで体力はジワジワと削れていくし、何より物理攻撃は半減する。

 

「きあいだま!」

 

 何度も言うがケッキングの特防の種族値はそこまで高くはない。命中に難はあるがここはきあいだまで一気に削る。アームハンマーも威力が足りず、弾けずきあいだまが腕に直撃。

 

 ゴウカザルもケッキングも限界が近くなっているのが分かる。そしてここでゴウカザルに変化が訪れた。

 ゴウカザルの全身から橙色に輝く炎が沸々と燃え上がってきた。

 

 ゴウカザルの特性、もうかだ。ほのお技の威力が上がるこの特性を最大限に活かして最後の一撃を叩き込む。

 

 ここで互いに最後の四つ目の技を発動する。

 

「からげんき!!」

 

「フレアドライブ!!」

 

 センリさんのケッキングはやけどの物理攻撃半減を無効化し、状態異常で威力が倍化するタイプ一致技、からげんきで向かってくる。奇しくも先程のバクオング戦でルカリオが仕掛けてくると予想していた一手だ。

 

 対してこちらはゴウカザルの物理最強技、フレアドライブ。タイプ一致の上、もうかで威力が底上げされている。

 だが俺のゴウカザルのフレアドライブはここからが本番だ。

 

「フレアドライブからほのおのパンチに繋げろ!!」

 

 全身から爆炎を吹き出して突撃するフレアドライブの最中、俺は更にほのおのパンチを指示。ゴウカザルはそれに従い、右手に炎を灯すとそこにフレアドライブで発現した全身の炎が集まっていく。

 最早いつ爆発してもおかしくないような炎の塊と化したそれを右手に宿して、ゴウカザルはからげんきで突っ込んでくるケッキングに向けて拳を振り抜いた。

 

「ウキャアァァァッ!!」

 

「ケッキン!!」

 

 激突するフレアドライブからのほのおのパンチと全力のからげんき。しかし衝突の衝撃から一転、ゴウカザルの振り抜いた拳から噴き出た炎が全てを飲み込んだ。

 

「きゃああっ!?」

 

「な、なんだあの技!?」

 

「ミテキのゴウカザルはフレアドライブで出した全身の炎を全部手に集めてほのおのパンチと合算して繰り出せるんだ!」

 

 それだけじゃないぜ。あくまでほのおのパンチとして繰り出すからフレアドライブの反動もほぼ無い。シンオウリーグを勝ち抜く為、そして奴らに対抗する為に必死で考えてモノにした俺とゴウカザルの必殺技だ。この為にかくとうタイプのパンチ技ではなく、ほのおのパンチを四つの技枠の中に入れたんだ。

 ゴウカザルの最後の一撃に驚くサトシにスズラン大会を観たマサトが説明する中、煙の先を俺はジッと見つめる。

 

 そして煙が晴れればそこには拳を突き出して立つゴウカザルと、焦げた匂いを漂わせ、仰向けに倒れて気を失ったケッキングがそこにいた。

 

「ケッキング、戦闘不能!!ゴウカザルの勝ち!よって勝者、フタバタウンのミテキ!!」

 

「おっしゃあああぁっ!!」

 

 勝った。ゴウカザルがケッキングに勝った。600族を上回り、伝説のポケモンやメガシンカポケモンにも並ぶ強さの怠けないケッキングを相手に勝ったんだ……!!

 

「ミテキ凄いかも!パパに勝っちゃった!」

 

「ああ!すっげー良いバトルだった!くぅ〜!俺もバトルしたくなってきた!!」

 

「ピーカチュウ!!」

 

 ハルカとサトシはこのバトルを観てゴウカザルの凄さを褒め、良いバトルだったと言ってくれる。初心者トレーナーのハルカでも手に汗握り、ポケモンバトルが大好きなサトシはより一層その意欲を掻き立てられたらしい。

 

 勝利を喜び、ゴウカザルを抱きしめていると、満足そうな顔をしたセンリさんが笑みを浮かべ、こちらへと来る。

 

「……こんなに気持ち良く負けたのは久しぶりだよ。ミテキ君、君のバトルは素晴らしかった。流石だよ」

 

「ありがとうございます!」

 

 センリさんはいつの間にかその手に持っていたジムバッジを俺の前に出してくれる。

 

「それを讃え、このバランスバッジを「駄目!!」マサト!?」

 

 だがそれを俺が受け取る前にマサトが割り込み、バッジを強奪して走り去ってしまった。その目には涙が浮かんでいた。

 

「ちょっとマサト!何してるの!」

 

「マサト!」

 

 姉であるハルカや母のミツコさんの静止の言葉も聞かずにそのまま逃走するマサト。まさかの事態に俺は呆然とし、すぐに我に返ったセンリさんが追いかけて行く。

 

 ………ま、まぁ説得はジムリーダーであり父親でもあるセンリさんに任せよう。どうしてもマサトが渡さないなら、まだ在庫があるだろうから、そっちを貰えば良い。

 

 ジムリーダーは負けるのも仕事の内。それを幼いマサトに理解しろとはまだ言わない。

 実はハルカから聞いた話によるとこれまでセンリさんはハルカやマサトにジム戦を観る事を禁じていたらしい。

 今回もジム戦をやる前にセンリさんがチャレンジャーである俺の気が散るという理由でハルカやマサトにジム戦の観戦をさせないようにしようとしていたのだが、本来なら同じくジム戦に挑むはずのサトシまでジム戦を観られないのは流石に可哀想だと思った俺は構わないと許可した。それで今回は例外的にマサト達もジム戦を観られたのだ。

 恐らくセンリさんはこのような事態をある程度想定していたのかもしれない。だからこれまでジム戦を子供達に見せなかった。父親の負けを受け入れられないマサトがこんな暴挙に出るかもしれなかったから。

 

 まぁ今のを見る限り、あくまで懸念であって本当にやるとは思ってなかったんだろうけど。

 

 そんな事を考えているとハルカが近寄って来て、申し訳なさそうに話しかけてくる。

 

「ミテキ……その、ごめんね。マサトってばミテキが勝ったのに……」

 

「ん……まぁ、マサトはセンリさんを尊敬してるみたいだし、父親が負ける所なんて見たくなかっただろうからな。そんな気にしてはいないよ。センリさんも説得してくれるだろうし」

 

 実際の所、驚きはしたがそんなに怒ってはいない。むしろマサトに関しては散々煽って来た事の方が腹立つくらいだし。

 とりあえずセンリさん達が戻って来るのを待つ事にしてサトシやハルカからバトルの感想を聞いていたら、20分くらいしてセンリさんとマサトが戻って来た。どうやら無事説得してくれたようだ。

 マサトはバツが悪そうに、しかし本当に申し訳なさそうに謝り、バランスバッジを差し出してきた。

 

「……ごめんね、ミテキ。おめでとう。良いバトルだったよ」

 

 今回はちゃんと謝ってバッジを渡したから許す事にする。つーかどっちかっつーと煽られる方がムカついたし。今度煽って来たらロケット団みたく空の彼方だからな。

 

 さーて、せっかくアニポケの物語に参加できたんだ。お決まりのアレをやらせて貰うとしますか。

 

「バランスバッジ、ゲットだぜ!」




最初センリの二体目をパッチールにして変化技による混乱や状態異常をメインにルカリオを苦しめようとしたけど、主人公がそれを想定しない訳がないからしんそくで一気呵成に攻めて仕留めるなんてやるのが目に見えてしまい、面白いバトルにならなかったからバクオングによるパワーバトルに変更しました。パッチールを上手く使えない私を許してくれ。

ルカリオがしんそく使いまくってPPどうなってんの?とか思うかもしれませんが、この小説では修練次第でPPも増やせます。もちろんポイントアップなんかも存在します。
レベル技も努力次第ではレベルが届いてなくても修得可能です。
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