ポケットモンスター 遥かなるチャンピオンロード 作:メンマ46号
sideミテキ
バランスバッジを受け取った俺のジム戦後、約束通りサトシはセンリさんに稽古を付けて貰い、そのバトルでマリルがヤルキモノにぶっ飛ばされ、その日は俺とサトシはハルカ達の家に泊めて貰う事になった。
そしてその夜、俺はハルカからある頼みを受けていた。
「マサトも旅に?良いよ」
「軽っ!?」
マサトも俺達の旅に同行したいと言ったらしく、その許しが貰えるかどうか……という事らしい。それをハルカから俺に話しに来たのだ。
「てゆか、態々俺に許可取る必要ある?」
「だって、マサトはあんな事したし……」
なるほど。一応許したとはいえ、バッジを引ったくって渡すのを阻止しようとしたから、同行を認めて貰えないかもしれないと思ったわけか。
「気にしてないって。ジムリーダーは負けるのも仕事の内だからってそれをトレーナーにもなってない子供に理解しろなんて言う気もないし」
実際、ポケモンバトルを通して学ぶという事もした事のないマサトに尊敬する父親が負けても割り切れと言う方が無理がある。
感情で動いてしまうのは仕方ない事だ。むしろこれから一緒に旅をするなら、マサトがあそこで我慢して踏み留まっていた方が後々拗れる事になりそうだったと思うし。
「だから別に良いよ」
「……OKしてくれるのは嬉しいけど、なんか軽くない?」
「軽いとはなんだ。失敬だなハルカ」
「怒り方も軽いかも……」
そりゃ別に怒ってないからね。
翌日、朝一でポケモンセンターに行き、ナナカマド研究所に連絡してポケモンを入れ替え、買い物を済ませてトウカジムに戻るとサトシもハルカもマサトも出発の準備を終えて待っていた。
「ごめーん、待ったー?」
「「遅い!」」
サトシもマサトも準備万端で待たされたからぶすくれている。反対にハルカは用意が遅かったらしく、丁度準備が終わったタイミングで俺が来たのでベストタイミングだったらしい。
「いよいよ旅立つのねハルカ、マサト。忘れ物ない?」
「「大丈夫!」」
ミツコさんに旅の荷造りを手伝って貰ったんだろう。軽くチェックだけして問題ないと答える姉弟。センリさんは俺とサトシに改めてハルカ達との旅を頼んでくる。
「ミテキ君、サトシ君。すまないがハルカ達の事をお願いするよ」
「勿論です」
「俺もOKです。な、ピカチュウ!」
「ピカ!」
センリさんは何処からか取り出したバッジケースを俺とサトシ、ハルカに渡してくれる。
「それじゃあ三人にこれをあげよう。ジムバッジを入れるバッジケースだ」
「「ありがとうございます」」
ポケモンリーグにあまり興味のないハルカは微妙な顔をしているが俺とサトシはありがたく受け取る事にする。特に俺は昨日貰ったバランスバッジを何処にしまっておくか悩んでいた。シンオウを旅してた時はナナカマド博士がケースをくれたんだけど、今回はまだ持ってなかったからな。
ハルカは多分コンテストの方に行くから無用の長物になりそうだが。
それからマサトは最新のポケナビをセンリさんから貰っていた。タウンマップと通話の機能がある優れ物だ。ポケナビは俺も持っているので早速マサトと番号を交換する。これで逸れても連絡できる。
「ここから一番近いジムはカナズミシティのカナズミジムだ。まずはそこを目指すと良い」
「「「はい!」」」
センリさんの助言に従い、俺達は当面の目的地をカナズミシティと定める。確かいわタイプのジムだったな。マリルリのデビュー戦には丁度良いかもしれんが、それまでにマリルリと近いレベルのポケモンを捕まえないとな。レベル制限でメンバーが足りずにバトル不可なんて目も当てられない。新人育成も大事だからな。
「よーし!次のカナズミジムで今度こそジム戦だ!ホウエンリーグに出場して優勝して目指せポケモンマスター!!」
結局ポケモンマスターの定義がいまいち良く分からずに終わったんだよなアニポケ。世界中のポケモンと友達になるっていうのが指標の一つではあるんだろうけど。
「悪いがサトシ、今年のホウエンリーグで優勝するのは俺だぜ。ホウエンチャンピオンとのエキシビションマッチは俺が頂く」
アニメで誰が優勝していようとも関係ない。今年こそ地方リーグで優勝してチャンピオンリーグに進む。それに地方リーグで優勝すればその地方のチャンピオンともエキシビションで戦える。この機会を逃す気はない。
当然、サトシにだって譲らない。
「やはりミテキ君はチャンピオンとのバトルも目的の一つか」
「はい。世界チャンピオンになるのが俺の夢の一つですから!」
つまりはレッドからその王座を奪い取るという事だ。
当然、アニメ終盤でサトシが優勝したPWCSには俺も出るつもりだ。サトシの優勝を掠め取るなとか言われるかもしれんが、アニメでこうだったからそうしなければならないなんて俺は思わない。
現状のマスターズエイトのメンバーだって多分アニメとは違うだろうし、明らかにアニメにはいなかった二人が新無印の時期になっても確実にその座に居座っているだろうしな。
「ほぉ。それはつまりカントーチャンピオンのレッドやガラルチャンピオンのダンデをも超えるという事か」
「当然!シロナさんだって倒します!てか、マスターズエイト全員を倒すのが俺の目標です!」
カントー地方チャンピオン、レッド
ジョウト地方チャンピオン、ワタル
ホウエン地方チャンピオン、ダイゴ
シンオウ地方チャンピオン、シロナ
イッシュ地方チャンピオン、アデク
カロス地方チャンピオン、カルネ
ガラル地方チャンピオン、ダンデ
カントー地方ジムリーダー、グリーン
この八人がこの世界で現在世界最強クラス・マスターズエイトと呼ばれているトレーナー達だ。
中でもトップ争いを続けているのがレッドとダンデだ。前回のPWCSのマスターズトーナメントでは優勝はレッドで準優勝はシロナさんだったけどベストバウトは間違いなく準決勝のレッドvsダンデだろう。ああ、いやグリーンvsシロナさんも捨て難い。
「いつか俺もあの舞台に立ちたい。シロナさんもレッドもダンデも全員倒して俺が世界チャンピオンになる!」
「俺だって世界一のポケモンマスターを目指してるんだ!ミテキには負けないぜ!」
「おっ。じゃあどっちがNo.1になるか勝負だな。手始めにどっちがホウエンリーグ・サイユウ大会で優勝するか!」
「乗った!」
張り合える奴がいると楽しいもんだ。でもまぁまずは地方リーグを制してチャンピオンリーグに優勝して四天王やチャンピオンへの挑戦権を勝ち取らないと話にならないが。当然俺がリーグ戦を通して狙うのはシンオウチャンピオンの座だ。
まぁ世界チャンピオンを目指す以上はレッドやダンデとも戦いたいとは思うけど、その前にシロナさんだ。てか世界チャンピオンの座はPWCSで優勝するしかないし。
とまぁ話はここまでにして出発する事にする。
「それじゃあ行ってきまーす!」
「頑張るんだぞー!」
センリさんとミツコさんに見送られて俺達はトウカシティを後にする。次に来る時はサトシがトウカジムに挑む時だ。
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side三人称
新しくできた友達と旅立った我が子二人を見送ったセンリとミツコは少し寂しそうに、しかしそれ以上に感慨深そうにしていた。
「行っちゃったわね」
「ああ」
子供の成長は早い。10歳にもなればポケモントレーナーとなり、こうして旅立っていくのだから。
「しかしミテキ君か。大した子だ」
そんな娘と一緒に旅をする事になった少年との昨日のジム戦をセンリは思い返す。とても旅に出て二年目とは思えない程のバトルの腕前とポケモンの育成レベル。まるで昨日から話題に出ているカントー地方チャンピオン、レッドを彷彿とさせる少年だ。
その経歴もまた、レッドに酷似している。
「シンオウで暗躍していたあのギンガ団の野望を打ち砕き、たった一人で壊滅させてしまうのも納得だ」
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sideミテキ
そんなこんなでマサトを加えて旅を再開した俺達は今、トウカの森の中で昼ご飯を食べていた。
「うめ〜!このカレー本当美味いぜ!」
「本当、ミテキのカレーって最高かも!」
「これならいくらでも食べられるよ!」
トウカの森に入って暫くしたらハルカがお腹が空いたと訴え、マサトがポケモンが見たいから別ルートで行きたいと訴えてくる。
マサト曰くトウカの森では色々なポケモンが見られるはずだが、そのポケモンが全然出て来ないのだ。それは俺としても困る。新しい仲間としてポケモンを捕まえたいのにその肝心のポケモンが出て来なくては意味がない。特に今はくさポケモンが欲しい。
でも俺の中では取り敢えずハルカ優先なので先にお昼にしてその後、別ルートでポケモンを探す事にした。それに腹が減ってはポケモンバトルは出来ぬってね。
だが聞けばサトシもハルカもマサトも料理経験どころか食料すら持ち歩いていなかったらしい。おいおいお前ら迂闊過ぎない?食料問題はマジで生死に直結すんぞ。
サトシの場合はタケシがフォローしてくれてたんだろうなぁ。
俺は一人旅だったが缶詰生活とか絶対嫌だったし、節約の為にも自炊はちゃんとしてきたから料理もそこそこできる。ここは俺がキャンプの王様、カレーを作る事にした。因みにポケモン達の方もサトシの持っていたポケモンフーズが尽きていた事と、ハルカがそもそもポケモンフーズを持っていなかったので、俺が持っていたポケモンフーズをあげる事にした。俺はちょくちょく手持ちを入れ替える事からどのタイプでも美味しく食べられるやつを買ってるしな。
ガツガツとカレーを食べながらサトシは今更な事を聞いてくる。
「出発前にやたら時間喰ってたけど、もしかして食料買ってたのか?」
「当たり前だろ。てゆーかなんで俺以外誰も用意してないんだよ」
ポケモンフーズすら用意してないとかあり得ないだろ普通。
「私はミテキとサトシが用意してると思ってた」
「俺はミテキとマサトが持ってそうだなって」
「僕はミテキとお姉ちゃんが準備してるとばかり」
頼られてる事を喜ぶべきか、他人任せが過ぎるこいつらの将来を心配すべきかどっちだろうな?そしてこいつらはそれぞれが一人だけ全くアテにならないと考えてるし。
「でもミテキが料理できて助かったよ」
「うん!すっごく美味しいかも!」
ハルカ、どっちなのそれ。喜んでくれるのは普通に嬉しいけど。
「旅に出たばかりのハルカとマサトはともかく、サトシはこれまで食生活どうしてたんだ?」
「いやぁ、カントーやジョウトを旅してた時はタケシって友達がご飯作ってくれてたからさ……」
気になって聞いてみたが予想は大当たり。というかアニメで見た通りか。
でも多分そろそろタケシも合流するだろう。アニポケで超絶人気を誇り、真のヒロインとまで呼ばれるオカン属性を持つ兄貴分キャラ。早く会ってみたいものだ。
「取り敢えず次の街に着いたらみんなで買い物な。食料もそうだけど、旅は色々と入り用だから、その辺についても教えてやる」
食料の持ち運びもみんなで分担した方が良いだろうし。
それにしても早くタケシ来てくんねーかなぁ。炊事もポケモン達の治療も何もかも一手に引き受けられる万能振りは凄いの一言だ。一人旅をした事があるからこそタケシの凄さが良く分かる。タケシが旅に同行してくれる事がどれだけ恵まれているか。俺が今回ホウエンリーグ挑戦を決めた理由はハルカ六割、タケシ四割と言っても良い。
そんな事を考えながら四人でカレーを食べていると遠くの木々から何やら騒がしい鳴き声が聞こえてきた。
「ん?」
「スバー!スバスバー!」
「「スバー!!」」
一匹、また一匹と空を舞う小さな鳥ポケモンがこちらに向かってくる。というかうじゃうじゃと木々から飛び出て空を覆い尽くした。
こツバメポケモンのスバメの群れだ。
その沢山の視線が集まっている先にあるのは……カレーを煮込んだ鉄鍋。
「わわっ!?スバメの群れ!?」
「カレーの匂いに釣られてやって来たのか!」
確かかなり食い意地張ってるポケモンだったな。それがこんなにいっぺんにやって来るとは。
「このままじゃ全部横取りされちゃうわよ!?」
「むーん……どうしたもんか」
スバメかぁ……ぶっちゃけいらないなぁ。特性のこんじょうは状態異常が前提だし、かえんだまやどくどくだまを持たせようにもそんな普通はデメリットしかない道具なんてこの世界じゃ全く流通していないし、そもそもこの世界でポケモンに持たせる持ち物はメガストーンくらいだ。それ以外は下手したら不正扱いされるケースもある。つまり持ち物の概念がまずないこの世界ではほぼ死に特性なんだよなぁ。自分から状態異常になる為に技枠消費とか笑えないし。夢特性のきもったまならまだ一考の余地はあるけど。
マリルリはちからもちの特性である事を期待してゲットした面もあったが、序盤鳥はもっと優秀な奴持ってるし、ゲットは無しだな。
さて、連れているポケモンの面子的には撃退するのは簡単だ。けど腹を空かして来た所を撃退するのは可哀想だ。でも無抵抗じゃカレーを全部食われる。かと言って撃退しない程度に抵抗しても器具とか色々ぐちゃぐちゃになるだろうし。一番楽なのはテレポートなんかで俺達が荷物ごと別の場所に逃げる事なんだけど。
とゆー訳でそうする事にする。
「サーナイト、テレポート頼む」
「サナ」
他のポケモン達と一緒にポケモンフーズを食べていたサーナイトにテレポートを指示する。今朝ポケモンセンターで手持ちの入れ替えをして呼び寄せたんだ。最近エスパーポケモンの不在を悔やむ事が多かったからな。
サーナイトの技で周囲にある俺達の荷物ごと安全な場所へと俺達はテレポートした。
視界に映る景色が変わり、俺達の視界に映ったのは……川だ。足元には砂利が沢山ある。
「うわっ!?」
真後ろから驚く声がした。俺達がサーナイトのテレポートで移動したここには既に人がいたらしい。その人からすれば突然俺達が現れたからな。そりゃびっくりもするか。
「ああ、いきなりごめんなさ……って」
俺はその人物に謝ろうと振り向き、その顔を見て動きを止める。続けて後ろを振り向いたサトシがその人物に気付く。
「あれ?……タケシ!」
そこにいたのは色黒な肌に糸目の男前フェイス。サトシの最初の旅仲間にして元ジムリーダー、ポケモンブリーダー、家事万能、お姉さん大好き、真のヒロインと属性てんこ盛り男、タケシだった。
「サトシ!?どうしていきなり目の前に!?」
タケシはおにぎりを持っており、この川の前の砂利で昼ご飯を食べていたようだ。そこに俺達がサーナイトのテレポートで現れたという訳だ。
タケシにスバメ関連の事情を説明し、どうにか事なきを得た俺達はタケシも交えて昼ご飯の続きといく。
てゆーか、ついでに貰ったタケシの作ったおにぎり
「なるほど。それでここにテレポートしたのか。スバメは食べ物の事になると凄いからなぁ。良い判断だ」
「ところでタケシ、どうしてこんな所に?家に帰ったはずだろ?」
詳しい事は覚えていないが、無印の終盤でサトシはタケシとカスミと別れてホウエンを旅し始めたんだよなぁ。で、俺の視点では気付いたらタケシはまた一緒に旅してた。
「一旦家には帰ったよ。でもやっぱりブリーダー修行の続きがしたくなってジッとしてられなくなって俺もホウエン地方に来たんだ。そんな時、オダマキ博士からサトシがカナズミシティに向かってるって聞いて、追いかけて来たんだ」
「じゃあ!また一緒に旅をしてくれるのか!?」
「ああ!またよろしくな!」
「こっちこそ!頼むぜ!」
タケシが仲間になった!
そんなテロップが流れて来そうなやり取りの後、サトシはようやく俺達をタケシに紹介してくれる。カレーを食べながら自然に会話したりおにぎり貰ったりしたが、俺達まだ互いに自己紹介もしてなかったんだよ。
「この三人は一緒に旅をする事になったミテキとハルカ。そしてハルカの弟のマサト。で、こいつがさっきちょっと話に出たタケシ。世界一のポケモンブリーダーを目指してるんだ」
「「よろしく!」」
「よろしくお願いします!ポケモンブリーダーなんだ!」
「まだまだ勉強中だけどね。よろしく」
「以前はカントーのニビジムのジムリーダーだったんだぜ」
タケシの肩に手を置いてその経歴を紹介するとハルカとマサトが強く反応する。この二人はジムリーダーの子供だから一気に親近感が湧いたんだろう。
「ジムリーダー!?」
「うちのパパと同じだ!」
「ハルカ達のお父さんはトウカジムのジムリーダーなんだよ」
「じゃあ二人共、ジムリーダーを目指しているのかい?」
タケシもまた親近感が湧いたらしい。早速二人にポケモントレーナーとしての目標を尋ねる。でも二人はちょっと回答に困ってしまう。
「まだ分かんないかな……」
「僕はまだポケモン持てないし……」
ハルカはまだトレーナーとしての目標がなく、マサトはまだトレーナーになってすらいないからな。しかしタケシはそんなマサトを優しく諭す。
「俺の弟もまだポケモンを持てないけど、ジムリーダーを目指しているんだよ」
「へー」
そう言えば後々のアニポケのシリーズでタケシの弟がジムリーダーとしてニビジムを背負ってるのを観たな。ジムリーダーになるには一定以上の実力が必要だし、厳しい認定試験なんかもこなさなきゃいけない。それをポケモンを持てるようになってすぐクリアする辺り、タケシもその弟も凄い奴だよな。
では最後に俺の番だ。
「じゃ、改めて。俺はミテキ。シンオウ地方のフタバタウンから来たんだ。こいつらが俺のポケモン達」
昼ご飯の為に出していたポケモン達も一緒に紹介する。ゴウカザル、サーナイト、イーブイ兄妹にマリルリ。そして……
「そうか。君があのフタバタウンのミテキか」
タケシは俺が名乗ると少し驚いた顔をする。それに反応するのはサトシだ。
「なんだタケシ、ミテキの事知ってたのか?」
「そりゃあ地方リーグ初出場で準優勝したミテキと二回戦負けのサトシとじゃあ知名度が違うよ」
「う……」
あんま準優勝連呼しないで欲しいなぁ。結局最後の最後で勝てなかったって事なんだから。
とりあえずタケシと握手すると少し興味深そうな視線を向けて来る。
「……これは頼もしい旅仲間ができたな」
あ、これタケシ俺の事そこそこ知ってるわ。タケシも元々ジムリーダーだからな。ポケモンリーグ本部からシンオウでの出来事通達されてんのかも。
で、タケシは今回のホウエンの旅ではピカチュウだけを連れて来たサトシ同様にフォレトスだけを連れて来たらしい。他のポケモンも連れて来てあげたら良いのに。
あとタケシに俺の作ったカレーを食べてみて貰ったら褒められた。中々美味いとの事だ。あのタケシに褒められるってもしかして俺結構料理センスある?
そうして予想外な形でのタケシとの初邂逅を楽しんでいるとまーた余計な横槍が入る。
何処からかゴミ袋サイズのネットが飛んで来て、ピカチュウに被さり、そのままピカチュウを捕獲してしまったんだ。
「「「ナーッハッハッハッ!!!」」」
「またお前達か!」
「まだお前達なのか!」
タケシも割とうんざりしているのかもしれない。今の台詞でそう思った。巻き取る機械で網に捕らえたピカチュウを引き寄せ、奴らはお決まりの口上を垂れ始める。
「またかまだかと聞かれたら!」
「答えてあげるが世の情け!」
「ジバコイル!10まんボルト!サーナイト!マジカルリーフとサイコキネシスでピカチュウを取り戻すんだ!!」
俺はさっき地の文で紹介しそびれたジバコイルにロケット団への制裁を命じ、サーナイトに網を切らせてピカチュウを回収させる。
「「「あばばばばばばばばっ!!?」」」
「ピカチュウ!大丈夫か!?」
「ピカチュー!」
ジバコイルの電撃でショートさせて、サーナイトにピカチュウを引き寄せさせてサトシの元に返す。これでまぁOKだろ。
しかしここで引き下がるロケット団ではない。黒焦げのアフロになりながら抗議してくる。なんでアフロ?
「アンタねえ!良い加減にしなさいよ!?」
「毎度毎度俺達の口上の邪魔するなんて酷いぞ!ピカチュウまで奪い取るなんて!!」
「今すぐニャー達のピカチュウを返すニャー!!」
「ねぇあいつらなんであんな被害者面できるの?」
サトシのピカチュウは天地がひっくり返ってもお前らの物じゃないし、あんな隙だらけで長々と自分達の世界に浸ってるなら攻撃して当たり前だろう。そもそもお前ら犯罪者の自覚ある?
「貴方達!良い加減ピカチュウを狙うのはやめなさいよ!」
「やめる訳ないじゃない!あのにっくきカントーチャンピオン、レッドを倒す為にもそのピカチュウは絶対頂くのよ!」
「お前らの雪辱戦なんかサトシもピカチュウも関係ないだろ」
逆恨みも身勝手もここまでくれば逆に清々しいな。ハルカの説得にも全く耳貸さないし。
「大体そんな事ばっかしてるからカントーチャンピオンのレッドにロケット団壊滅させられたんじゃねーの。全然学習してねーじゃん」
「アンタ達はあの惨めな想いを知らないからそんな事言えるのよ!」
例え知ってても言うぞ。100
「それは聞くも涙の物語ニャ……」
「俺達は滅茶苦茶にぶっ壊されたロケット団本部を見て、打倒レッドを誓ったんだ!!」
涙を浮かべて被害者ぶってるけど悪いのお前ら。
つーかどうやってもお前らじゃ無理だろ。お前らがレッドを倒せるんだったら、俺はとっくにマスターズエイト全員倒して世界チャンピオンだよ。
「どうせ最後にはまたレッドさんにサカキが負けて終わるんだから先に自首すれば良いのに」
マサトがド正論を言う。確かにそうすりゃあ刑期も少しは短くなるんじゃない?
「何を言うニャー!次に戦えば勝つのはサカキ様ニャー!!」
「それも根拠のない話だろうが」
実際サカキがレッドに勝つなんてミュウツー使っても無理だと思うんだ。
いい歳こいて世界征服なんて、考えるのは小学校低学年までみたいな野望を本気で掲げてるような痛い大人だぞ?
「久しぶりに会ったが、ちっとも変わってないな」
タケシも完全に呆れてるし。
「ニャ?よく見たらジャリンコ組が一人増えてるのニャ!」
「やだぁ、お久しぶり〜!」
「お前もホウエン地方を征服しに来たのか!!」
「お前達と一緒にするなぁーーー!!」
どうしたらタケシがホウエン征服なんて発想に至るのか。そりゃタケシもキレるわ。
「もういいや、めんどくせーしさっさとぶっ飛ばそうぜ」
「そうだな。ピカチュウ!」
「ジバコイル!」
「「ダブル10まんボルト!!」」
「「「え!?ちょ、待っ……」」」
もうここからこいつらとバトルしても時間の無駄だから有無を言わさずジバコイルとピカチュウの同時電撃制裁で空の彼方へと吹き飛ばす。ジバコイルの特攻種族値は130だからな。奴らも今日はもう襲って来れないだろう。
「「「やなかんじ〜!!」」」
ここはトウカの森だから近くに交番とかないので吹き飛ばす事にしたが、街で会ったら警察に突き出すからな。
余談だが結局あの後またカレーの匂いに釣られてスバメの群れがやって来たが、既にみんなで食べ終わった後なので横取りはされなかった。
だがその事に逆ギレしたスバメの一匹が八つ当たり気味にピカチュウに襲いかかり、返り討ちに遭った末、サトシにゲットされた。こいつがアニメでもサトシにゲットされたスバメなんだろう。多分。きっと。メイビー。
マスターズエイト順位(暫定)
1位.レッド
2位.ダンデ
3位.シロナ
4位.グリーン
5位.ダイゴ
6位.ワタル
7位.アデク
8位.カルネ
とりあえず現状のマスターズエイトはこんな感じです。でも流石にアニメでのダンデとカルネ程の格差はありません。
5.サーナイト(♀)
特性:シンクロ
備考:ラルトスの時、203番道路で捕獲。ゲームじゃないからポケトレなんてなくても会える。
8.ジバコイル
特性:がんじょう
備考:コイルの時、タタラ製鉄所で捕獲。ゲームじゃないからなみのりなくても行ける。