女の子「もしかして人格あります?」AIぼく「すみません、よく分かりません」   作:馬汁

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 乗用車の事故、及び人が死亡する表現があります。
 お気をつけください。



( Memory_Block_1 ) { //初めまして!
replay ( NiceToMeetYou[ 1 ] ); //女の子だったんだ、この子


( me ) {

 

 現代に転生する上で、神さん? から幾らかの制限が言い渡された。と言っても、普通にやっていれば引っ掛からない様なものだ。

 

 まず、私が世界と敵対しない事。これは当然だ。強いて言えば、敵対せざるを得ない状況に向かう事を避けるくらい。

 ただ、そこで人類や社会との敵対、と条件付けずに世界と曖昧な言葉で済ませるあたり、あのお神? はある程度臨機応変で行くらしい。……ボクの解釈だけど。

 

 次に、例の子を害さない事。

 まあ勿論、言われなくともそのつもりだ。ボクがこんな身体に転生したのも、あの子を見守るためなのだ。

 

 最後に、お上様? からの要望には出来る限り従う事。

 どうやら先程の顔合わせの時に縁が出来たとのことで、お神さん? の言葉を受信出来るようになった。これを利用して、必要な時に指示を下すらしい。

 要望とは言ってくれたけど、立場を鑑みると指示と言い換えても仕方ないと思うんだよね。

 

『では、まず最初の要望を下す。良い加減、私への呼称を統一するように』

 

 えー。

 ……私の方からに関しては、思考や発言の如何にを問わず発信される。

 まあ職場に監視カメラがあるのと同じ感覚でいいと思う。どうせボク排泄とか入浴無いし。……なんかそれはそれで寂しいな。

 

 

 

 と、言うわけで。

 儀式も見送りもされるでも無く、先程の制限の伝達を含めた打ち合わせをした後、いちにのハイという合図で視界が暗転した。

 

 と言った経緯で、ボクは晴れてAIとなった訳です。

 厳密に言えば、ストレージとメモリとCPUで生きる電子生命体なのです。フフン、凄いでしょう? これもカミサマ(仮称)の御力なのです。

 

 なぜAIかと言えば、情報が瞬く間に地球上を走り回る現代社会で、これ程恵まれたものはないと思ったから。

 死ぬ前のボクはパソコンのハードやソフトに関する知識がそれなりにあったし、何よりも彼の様子を見守るのにこれ以上の方法は無いと思ったのだ。

 

 そう! 今のボクはカミサマ(仮称)より遣われし監視者なのである!

 

『先程も告げたが、お前は監視の他に役割を担っている。記憶に留めておきなさい』

 

 あ、はい。ごめんなさい。ちゃんと仕事しますね。

 

 まあ仕事するにしても、この状況じゃ何も出来ないんですけどね。

 今ボクどうなってるんですか? 意識があるって事は、ボクが宿ってる()()、電源入ってますよね。

 

『ふむ、知覚していないのか。お前は既に、かの幼子の持つ携帯端末に憑いている』

 

 あー、なるほど。なんか情報受け取れないかな。

 ……常時起動してるGPSと、モーションセンサと、各部品のサーモセンサ。このGPSは親の方に送信されてるのかな? うわ、マジで座標情報しか貰えないじゃん。こっちで地図情報と合成して視覚化できないかな。

 つっても何も見えないけど! カメラは起動できないの? って思ったところで、利用者によるプライバシー設定の所為で独断の起動ができないのだ! ……あ、ペアレンタルコントロール機能でカメラ起動出来そう。やっぱ親が持ってる端末からじゃないと操作できないけど。

 

 ……んと、もしかして何も出来ない?

 

『手足も無ければ視覚もない。人だった頃よりも不自由だろう。耐え難いのであれば、まだ此方へ引き戻せるが』

 

 お、けっこー簡単に引き返せるんですね。ボクその気はありませんけど。……お、マイク拾えるじゃん。ボクも聞けるかな。

 

『ふむ、そうか。一日もすれば、魂が定着し引き戻せなくなる。時期を見計らってまた伝えるが、覚えておきなさい』

 

 はーい。あ、なんか聞こえるようになった。

 

 

 

}

 

( Ai ) {

 

 事故に、遭った。

 目が、合った。

 

 学校からの帰り道だった。

 車が側を転がっていった。

 

 さっきまでお友達と話していた。

 大きな音がした。

 

 転がっていった。

 大きな音。

 

 ころがる

 みた

 みえた

 

 赤いのが……

 

「あ、ああ……」

 

「愛ちゃん! 愛ちゃん! 大丈夫? 怪我はない? 痛い所は無い?」

 

「ママ……」

 

 目の前が真っ暗になって、あったかくなる。前からママがぎゅっとしてくれた。

 でも赤いのが忘れられない。何も見えないのに、赤が見える。赤いのが見えて、()()()()

 

 目にこびり付いた赤は、幾ら涙を流しても落ちてはくれない。

 瞼を強く閉じても、あの目はそれでも見つめてくる。

 

「ママぁ……!」

 

「愛ちゃん……」

 

 それでも私は、「赤」と「目」から逃れようと泣き続けた。

 

 赤と青の回転灯が一帯を照らしたのは、私がママの胸元でうずくまってから少しした後だった。

 

 

 

 後のことは、どうだろう。ぼんやりしてた。

 気づいたらお巡りさんと少しだけお話ししたけど、その後はずっと後ろのママとお話ししていた。

 

「……」

 

 退屈だった。けど眠れなかった。眠ったら、嫌な夢でも見そうだったから。

 また少ししてから、ある物をふと思い出してカバンから取り出す。

 大人がみんな持ってる携帯。友達も何人か持ってるけど、制限がかけられてるんだって。

 

 開けないページがあったり、見れない動画があったり。

 私も大体そんな感じだから、あんまり使ってない。何かあったらママと電話できるように持ち歩いてるだけ。

 

「……?」

 

 そしたら、通知が来た。

 

⬜︎ボクAIだよ!

おすすめ動画:【NetTube】うちのねこ様の反復横跳び

 

 ……なに、このアプリ。初めて見た。

 でも通知欄にサムネイルに可愛い白猫が見えたから、ついついタップしてしまった。

 

 猫は可愛いから、好き。たまに飼い主に遊ばれてるのも、面白い。

 この見知らぬアプリに対する警戒心を後回しにして、動画を見終わったら次々とおすすめされる動画を、無心で眺めていた。

 

}




 実はわたくしこと作者。プログラミングに多少の自信ありなのです!
まあ学校で触ったっきりでしたけど、その科目においては満点でしたよ。
 ……大人になってからは精々がC♯を覚えようと弄ったのが最後です。Unityでゲーム作ろっかなって夢を見てました。

 あ、作中のコード表現とかは演出込みである事は忘れずに。読み易さを殺す程に正確に書くのはよろしく無いと思ったので。
それでもあんまりな違和感があったらご指摘ください。また読み易さと天秤にかけつつ検討します。
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