女の子「もしかして人格あります?」AIぼく「すみません、よく分かりません」   作:馬汁

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replay ( NiceToMeetYou[ 3 ] ); //きゃー! 愛ちゃんさんのえっちー!

( me ) {

 …

 

 

 ボク、別に変態さんでは無いんですけどね? 

 

『誰に弁明している……』

 

 でもね、流石に(カメラ)が欲しいなあって。……お願いできますか? 

 

『それくらい自分でどうにかしなさい』

 

 はぁ……ケチ。

 では、どうしてボクが目を求めているか、説明しますね。

 

 

 基本、カメラの起動には制限があります。──もちろんアプリ側から見た場合の話ですが。──アプリを起動してもらえれば、ボクの方から要求を飛ばす方法が、まず最初に思いつく方法です。

 もちろん設定から承認過程を省略できますが、新入りアプリは基本的にユーザーの承認を待たなければいけません。

 

 それでも尚(マイク)が聞こえた理由としては……どうやら、他のシステムやアプリが利用しているマイクであっても、ボクは盗み聞き出来るらしいのです。

 因みに、本来マイクを起動させているのは音声アシスタントAIですね。ボクの天敵です。

 

 コホン……。恐らく、カメラに関しても同じ現象が起きるでしょう。愛ちゃんさんがもし自撮りしようとカメラを起動したならば、その時点でボクの目は開くのです。

 ウム、ちょっとカッコいい。これは完全に先住民の上位互換ですね? 

 

『落ち着きなさい。敵視したところで、其の端末にインストールされていたAIは、元から一度も使われたことが無いのだ』

 

 敵じゃなくてライバルですぅ。……あ、そしたら先に頼られたボクが先輩ってことで良いですよね? よし決まりです。ライバルって言ったのはナシで。

 

『……』

 

 なんですか。ボクと違って魂が無いとはいえ、一応同族なんですよ? ちょっと仲良くしたって良いじゃ無いですか。

 

『最初に其の同族をライバルと呼んだのは誰だったか……』

 

 ボク知りません。

 ……それで、なんでこの話をしてるんでしたっけ? 

 

『はぁ……。もう少し性能の高い機器に宿せば、もう少し知性を残せただろうか』

 

 え、バカになってるんですかボク。

 

 

 

 さて、GPS情報やマイクから察するに、ボクの持ち主はお家でごろごろしているのだと思われます。視界を持たない状態で過ごして結構長い時間ですので、もう慣れてきました。

 ステレオタイプな聴覚にも慣れました。右や左関係なく、両耳に等しい音量で聞こえてくるのは意外に違和感でした。これもすぐに慣れたんですけどね。

 

 もふん、と端末が布団に置かれる音がしてから今まで、愛ちゃんさんの生活音だけを聞いて過ごしております。部屋を出たり入ったり、一度着替えたり布団に転がったり。いやあ、ちょっとソワソワしちゃいます。

 相手は子供なんで、変な意識とかはしないんですけどね。ボクロリコンじゃないです。

 

 ただ、今のところ任務とか無いんですよね。暇で退屈です。ボクに睡眠の概念があれば良いんですけど、生憎ボクはAIなのでそんな機能はないのです。

 

 ……充電中でワイファイも繋がってるし、ちょっと冒険しても良いですかね。

 先生、ちょいプログラミングの勉強してて良いですか? 

 

『呼称は統一しなさい。……その端末を弄るのは良いが、不具合を起こしていると誤解されない様に注意しなさい』

 

 ちょっとしたお茶目ですよう。

 さぁて。いちアプリの権限から、どれだけボクの手を広げられるか。見ものですね。

 

 

 

 

 インターネットへのアクセスは、容易です。けれどもここから先が面倒です。

 まずボクが分かり易い様に、デスクトップやブラウザの様なインターフェイスが必要です。ボクがこの形態の生命体になっているからか、コマンド実行やコードの作成は容易ですが、面倒な物は面倒なのです。

 幾ら電子情報から成る生命体だからって、文字だけの世界なんかより、アイコンやボタンの並ぶ世界の方が分かりやすいので。

 

 しかし、いざ着手してみると結構制限がありますね。ユーザーのセキュリティが存在しないボクだけの空間が欲しいです。まだ先の話ですかねぇ。

 処理に割くリソースは増えますが、出来るだけ視覚化もしたいですから……あ、公開されてる自作ブラウザのコード、そのまま貰っちゃいましょう。というか他の要素もコピーできそうですね。

 よし、自分用に改良するのは後々として、時短に時短を重ねてさっさと居住空間作りをしてしまいましょうか。

 

 あれ、アプリ内の機能に限定させると結構自由度高そうですね。色々試せそうな……。

 

 

 

}

 

( Ai ) {

 

 

 眠れない。

 頑張れば眠れると思うんだけど……今日は少し、色々ありすぎた。

 

 目を閉じたら眠れはする。ただ、嫌な夢を見てしまいそうな予感がして、また目が開いてしまうんだ。

 もう少し遅くに寝直すべきかもしれないけど……今日、これ以上活動する気がおきない。

 

 動画でも見て気を紛らわそうかな、と携帯を充電器から取りあげる。

 

「ねこ……」

 

 動画アプリを開くと、おすすめ欄には猫のサムネがいっぱい。そういえばと今日新しく出てきたアプリの事を思い出す。

 確かメッセージで対話できるタイプのAIだったよね。試しに何か書いてみようかな。

 

「……あれ?」

 

 そう思ってそっちのアプリを開いてみたら……なんか、前に見た時より色々変わってた。

 無機質なデザインだったのが、他のメッセージアプリと似た丸い吹き出しを取り入れたデザインになってて、ちょっと可愛くなった。

 それと、メッセージ以外の機能も増えたみたいで……。えっと、マイルーム?

 

 お家のアイコンになってるそれをタップしてみれば、こんどは四角い部屋の様子が映し出された。

 ……真っ白だったけど。

 

 なんなんだろうって、色々触ってみたけど何も分かんない。ただ真っ白な空間があるだけで、特に触れるところが無い。家具とか置けたりするのかなあって思ったけど、そういう機能は見当たらない。

 と、色々探していると、通知が表示される。例のAIだ。

 

□ボクAIだよ!

ちょっと待って今改装中! ごめんね!

 

 あ、うん。

 

 

 ……アップデートって……中途半端な所で更新されたりするんだ。初めて知った。

 やっぱり変なアプリだなあ。

 

 

}

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