その兎、触れるべからず   作:猫を乗っけた青髪の女

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13話 

私が高専に戻ってすぐ、灰原と七海は二人で二級の呪霊を祓いに行かされるらしい。あと数日で行くのに無事に海に行くことが出来るのか考えていると、出発前の灰原にで会う。私を見るな否や、「稲羽さ〜ん....」と涙目になっていて抱きついて来た。七海も少し申し訳なさそうに謝っていた。私は二人に気に負う必要はないと答え、二人いるなら二級ぐらいすぐ祓えると応援もした。灰原は元気が戻ったのかすぐ終わらしてくるからと勢いよく言い、七海は灰原はわかりやすいですねとよくわからないことを呟いていた。

二人にまた後でと言い別れる。

これが灰原との最期の会話になるなんて思いもよらなかった。

 

 

なんだかんだ一人で授業を受けることなんてあまりなかった。必ず灰原か七海が隣にいた。寂しくはないのだが前にある先生とマンツーマンで受けるのが妙に気まずかった。なので私は授業をサボり屋上で大の字になり寝転ぶ。...背中がジリジリと焼けるような感覚が伝わる。それもそうか今は夏、去年より何度が上がっているとテレビで聞いてた。どこか涼しい場所を探し彷徨う、私の体は自然と三年の教室に向かっていた。扉を開けると硝子や悟、傑のいつもの三人組がいた。私が開けた後で三人はこっちを見る。

 

「あれ悠里、授業どうしたの?」

「決まっておろう?逃げたのじゃ、あれといるとなんか気まずいんじゃ」

「だからと言って授業をサボる理由にはならんだろう、稲羽」

 

ゲッ、この異様に低くドスの効いた声と恐る恐るその方向を向くと夜蛾がいた。額には青筋が見えたような気がし、こちらを睨む目が恐ろしい。

 

「...さっさと教室に戻れ、そして真面目に授業を受けろ」

「..わかったわ、今回は大人しく帰ってやる」

 

トボトボと歩きながら教室戻ろうとしたとき、ドタドタとどこからか慌ただしい足音が聞こえてくる。そして無造作に扉が開かれそこから息を切らしながら誰かがやってくる。

 

「ハァ...ハァ...、大変です夜蛾さん...ッ!七海建人、灰原雄の二名の二級術師が、一級相当の呪霊と交戦しています」

「いったいどういう事だ!あの二人は二級の呪霊....」

 

思考が追いつかない、二人が一級の呪霊と?何故?そんなことを考えてる場合じゃない、助けにいかないと。

 

「なあ、二人はどこじゃ?」

「え?だめです!あなたはまだ...「早せぬか!!」」

 

懐から刀を取り出し男の首筋に触れる。

 

「教えねば貴様の首が飛ぶことになるぞ」

「ですが...」

 

なかなか答えようとしない男に苛つき刀を軽く引く、男の首からスーと血が滲み流れる。

 

「良いか?我は貴様を殺すことに何躊躇いもない。貴様のことなどどうでも良い、....早う教えよ」

 

男は早口で情報を吐き出す。あらかた聞き出し窓から出ようとすると、

 

「どうやって行くんだい、悠里?」

 

傑が言い私は振り向かず、

 

「...飛んで行くんじゃ...」

「それってどうi」

 

それを聞く前に窓から飛び去る。木を足場に飛び移る。街中を出るとビルからビルに飛び移り、目的地の最短距離を進む。どうか二人とも生きていてくれと願いながら。

 

 

 

目的地付近では戦闘が始まっており、遠くに帳が見える。私はそこに突っ込み中へと入る。その呪霊から出る呪力量は相当なものであり、到底二人では対処が難しいやつである。刀を握り居合の間合いまで飛ぶ。

 

「居合抜刀ゥッ‼︎『三日月』‼︎」

 

首を狙ったつもりだったが、手堅いがない。まるで木を斬るかのような感触、斬った方向を見ると呪霊が咄嗟に木で守っておりそれが斬れただけであった。すぐさま攻撃を加えようとするが後方に勢いよく弾き飛ばされる。気に当たり打ちどころが悪かったのか、呼吸がままならない。その隙を狙うように追撃を加えようとする。呼吸が出来ないせいか体が動かせない、死がジリジリと迫る。死を覚悟した私は諦めるように目を閉じる。

目に浮かぶは今までの思い出、いいものも悪いものもそれらを含め悪くなかったなと走馬灯が現れるがいつまで経っても痛みが来ない。薄ら目を開くと目の前には灰原が立っていた。自分を守るかのように立ちすくんでいた。その体は奴の攻撃で胸や腹など至る所を突き刺さっていた。声が出なかった、私のせいで灰原は刺された。私が隙を見せなかったらこうはならなかっただろうと、血の気が引き頭が急を冷えてくる。

 

「...ッ!...!」

 

鋭利なものが引き抜かれるが彼は倒れることなく立ち続けいる。後ろ姿しか見えない。そんな彼にお構いなしに呪霊は奴に攻撃を続ける。だんだんと体勢が崩れていき、姿勢が低くなっていき、最期に顔がぶっ飛びついに倒れる。

 

「はいばら...?」

 

彼だったものが仰向けで倒れ、顔が見える。彼の顔の上半分は吹き飛び見れなかったが口元はどこか喜んでいた。呼吸が出来ることも気付かず彼だったものを見る。このとき世界が止まって見えた、全ては灰色に自身も動かすことを出来ない。ただ今はこの状況を受けいることが出来ない。

 

「稲羽さんッ!」

 

七海の声が聞こえたような気がしたがそんなことをどうでもいい。

もうやだ。もう戦えない、心に穴が空くように何もしたくない。目の前まで呪霊がやってきて私に止めを刺そうといていた。

 

...あぁ、早くこr.、そんなこと考える前に七海によって回避させられる。

 

「何やってるんですかあなたはッ!」

「もうやめよ...我はもう何もやりたk」

 

バシンと頬を叩かれ、痛みがやってきた。

 

「何バカなことを言ってるんですか!そんなことをして灰原が喜ぶと思うんですか!今はあれを祓うことだけ考えなさい、他のことは後で考えて」

「すまぬ...」

 

むくりと起き上がり奴を見る。さっきので刀が今手元にない、今作り出そうにも隙がない。

 

「七海、我と一緒に戦えるか...?」

「もとよりそのつもりです」

 

私は手印を組む。灰原の死、あまりに突然で理不尽に死んでしまった彼、この気持ちはきっと私の性質だけじゃない、あの底抜けた光に私はどこか絆されていたんだ。あの夜の彼の暗い部分も含め、私は...

 

私の足元には黒い渦が出来始め、そこから水のようなものが溢れ出して来る。

 

 

欠月叢雲

 

周囲に水のようなものが溢れてあたりが急に暗くなる。そして何処からか月が姿を表す。しかしその月は真ん中は穴が空いており、そこから何かが流れ出している。

 

七海はびちゃびちゃと水音を立てながら奴に向かって行く。私は奴を逃さないために奴の周りから根っこのようなものを出し拘束する。そして七海の十劃呪法が奴に当たりダメージが入る。いいダメージが入ったがまだ祓うには程遠い、すぐさま奴の懐に入り込みムーンサルトを顔面に入れ水から鋭利な針を取り出し顔に刺す。それで拘束が取れ奴の攻撃が全部私にくる。何個が避けることが出来たが一つが耳を刺し貫き千切れる。激しい激痛が私を襲ったがそれのおかげで頭が冴え、アドレナリンがドバドバと溢れる。七海は私が攻撃されてる隙に背後から叩きつけ黒い稲妻が走る、黒閃が決まる。奴はそれで体の一部が破壊され仰反るような態勢になる。そのときの私は体に流れる呪力が感じれるようになり、完全に一体化することが出来た。拳が奴の胸に当たる瞬間、黒い稲妻が走り奴の上半分が消し飛び崩れ去る。異様なほど頭が冴える。そう思いながら糸が体ように崩れ落ちてしまった。

 

夏油は闇堕ちした方が良いですか?

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