十八話
あれから数年が経った。気付けば私は特級に上がっていてやることが急に降ってきて海外に飛ばされることが増えた。子供みたいな体型だった私も多少成長し中高生くらいまだには成長出来た。それでも酒を買おうとすると店員に年齢を確認される。その度に免許証(偽造)を見せないといけないが、まあ楽しく過ごせてはいる。
そんな私の今は京都校の方で教師をしている。理由はこれといったものはないが昔とはいえ私の住んでいた場所が近いからだと思う。
あと私を危険視した上層部が手元に置き監視できるようにたこともあるかもしれない。
そんなことはさておき、そのせいで硝子や傑とは離れてしまった。悟は卒業後、そのまま術師となり年々増加する呪霊を祓うようあらゆるところで引っ張りだこになり中々会えなくなっていった。傑は東京校で教師をすることになり教鞭を取っているそうな。時たま私は傑に会いに行く。
硝子も東京校にいて、よく三人で飲んでいる。
七海は...卒業後普通の社会人なり、自然と会わなくなったが今は術師に戻り東京校にいるらしい、だけど私と会うことがない。
そんな私だが教師とは存外簡単なものではなかった。始めたのは最近ではあるのだが、なかなか生徒相手に伝わんなかったりと苦労することが多い。しかも新たにきた子達がかなりの曲者で手を焼いている。腕はあるのだがよく私の授業を抜け出したり(しかも何食わぬ顔で)、協調性が一切なく単独で行動してしまう。
だがそんなとこも愛らしいと思ってしまうのは何故か?
「---おい、葵、聞いておるのか...」
「...!すまないブラザー、今日の高田ちゃんの握手会のことを考えていた」
「...はぁ、わr...私はなお前の兄貴分ではないし、今は授業中じゃ。お前の趣味にとやかく言う権利はないが少しくらいは自重しろ」
ため息を思わずついてしまう、気を取り直し引き続き授業を進める。
するが.,.
「先生、質問です」
「なんじゃ加茂?」
加茂が手を挙げ質問をしてくる。
加茂は少し抜けたところはあるが根は真面目で聞き分けがいいのでいい子だ。流石は御三家が一つの嫡男だ。ちゃんとしている。そんな彼の質問に答えていると、
「センセーがまた加茂君に色目使ってるー」
「やめてくれ西宮その言い方には語弊を招く、私は別に彼は恋愛対象に入らない。皆平等に接しているつもりだ」
西宮は若干癖はあるがこの中じゃ一番まともだ。
この二人(主に東堂)が同級生でかなり苦労してる。
「だよな加茂?...加茂?」
「....はい、そうです...」
少し間があったがまあいいか。
時間は夕方過ぎになり部屋でごろごろしているとメールが鳴り響き携帯を取り出す。
件名を見て驚く、悟じゃないか。珍しいこともあるんだなと思いながら内容を見る。
内容を見るにやばい呪霊に憑かれている少年を拾ったとのことだ。
書いている内容はわかったもののどうすれば良いのか困惑したがよく見ると続きが書かれていて、そこにはいる場所が書かれていた。
...つまり来い。と言いたいんだろうな、
特に用事はなかったので向かうことに、荷物を整え準備していると、
「稲羽先生ぇ!これからどこ行くんですか?」
「ん?あぁ三輪か、これから悟に会いに行く。召集をかけられたからの」
「悟さんって、五条悟さんですか!?」
三輪は悟の名前を出すと目を輝かせて聞いてきた。
そういえば悟のファンだがなんかだったかなと思い、
「そうじゃな、皆まで言うな。言いたいことは手に取るようにわかるぞ、サインもらっておくから楽しみにしとくようにな」
「ほんとですか‼︎やったー!」
嬉しそうに三輪はどこかに行った。
私の車に乗り込んだ後に、そういえばと思い歌姫に電話を掛かる。
トゥルルルル...とコール音が二度なった後に掛かる。
「もしもし?どうしたの稲羽ちゃん?」
「歌姫か?ちょっと今から東京に行くからしばらく不在にするからよろしくな」
「エッ⁉︎ちょっと、どう言うこと?もうちょっと詳しく説明しなさい」
「悟に呼び出しをくらった。それで察してほしいの」
「えぇ!あんな奴の要求なんて無視しちゃっていいのに」
「奴を無視るとあとが怖いからの、だから許してほしいの、じゃあまた後でな」
「まだはなs『プツンッ』」
要件を伝えすぐ切る。
申し訳ないが自分の命が大事だから、車のエンジンを掛け
フルスピードで東京へと向かい、昼頃に着く。そこには悟がいた。
悟は私に気づいたようで手を振る。車を降り悟に駆け寄る。
「久しいの悟、なかなか連絡が来ないから死んだものかと思ったの」
「んなわけないでしょ?ただ特に用事ないから連絡しなかっただけ」
「で、件の奴はどこじゃ?」
悟に連れられある教室の前に着く、窓から四人と一匹の姿が映る。
教卓で何かを教えているのは傑。彼を睨んでいる禪院の娘、彼女の後ろでなんとも言えない表情をしている呪言師、あとパンダ。そしてオドオドとしている気弱そうな少年、その彼こそが件の子だろう。
見た感じそこまでやばいといったようなものはないのだが
私が悟に聞こうとした時、悟はガランッと勢いよく開ける。
「やぁみんなッ!グッドルッキングガイの五条先生がきたぞォ」
「ゲェッ...五条かよ...!」
「しゃけ」
「お?悟か」
「あ...五条さん...」
それぞれ五条に対する反応で違和感を感じる。あれ?悟、こっちに頻繁に来てるのか、
「悟ぅ、もう少し時間をくれぬか?わr...私は初対面は怖いのじゃ」
「あぁ?稲羽じゃん!珍し、何しにきたんだ?」
「真希か、私は乙骨を見に来たんじゃ」
「ぼ、僕ですか...?」
「そうじゃ、....にしてもおぬしは男の癖してなんと女々しいときたか、そのままじゃと彼女に愛想尽かされてしまうぞ」
「え..?」
その瞬間、身体に電流が流れるような不快感が襲う。少年の指輪からものすごい負のオーラが湧き出てきた。
『ユ"ウ"タ"ォ...ヲ"イ"ジ"メ"ル"ナァ"‼︎』
少年の背後からこの世とは思えない程の呪霊が現れた。あまりの気迫にビビって少し出てしまった。しかしトリガーは少年か、...なんと扱いづらいのだろうか。
少年はあの呪霊を宥めているが無駄みたいだ。
「少しは自制できるようにして欲しい物じゃがのう...まあよいか。
ほれ、里香とやら、呪い殺してみるが良い」
『シ"ン"シ"ャ"エ"エ‼︎!』
里香は白く大きな異形の腕が振り上げ、虫を叩き潰すかのように大雑把に叩きつけられる。私はその手を晒しすぐ側にの床に激突し、振動が直に感じる。
この威圧感...まるで蛇に睨まれた兎の気持ちが分かってしまう、成程確かにこれは強い、私では敵うかどうか怪しいな。
里香は仇かのような目付きのままでさらに殴ろうとすると、
「もうやめて里香ちゃんッ‼︎」
少年の声で里香は静止する。
「ボクは怒ってないから...大丈夫だよ、里香ちゃん...」
『ホントォ...?』
「本当だよ」
里香は私を睨みつけた後彼の元に戻っていく。
「すまぬな、別におぬしを傷付けたいわけではなかった」
「い、いえ別にそんな...」
「いーのよ、こいつってばさっきのでビビり散らかしてるんだから〜、じゃなきゃ謝ったりしないよこいつ」
「悟...!」
かっこよく誤魔化そうとしようとした時に限ってこいつめ...と睨み付ける。
「イヤァ~、そんな睨んでもただガキにしか見えないんだわ。いや、今もガキか」
「これぐらいにしときなよ悟、悠里が泣きそうじゃないか」
「そうじゃった...おぬしらは同類じゃった...」
ここには味方がおらず、自然と目柱が熱くなってくる。硝子がいてくれたらなんと良かったか、と泣きたい気持ちを抑え、
「...で、何故私を呼んだ悟?こやつを見せられても特に分からんぞ」
「あ〜...そういえばそうだった。稲羽、この子を見てどう思った?」
「どうって...別にさっき言った通りじゃが...ってまさか同じ⁉︎」
「そうそのまさか、この子を鍛えて欲しいんだ。君、刀の扱い得意でしょ?」
頭が痛くなってきた...
「悟?言ってなかったか?我、一応京都校で教師をやってあるのじゃが?」
「ん?それは知ってるよ、でもさぁ、俺ってば忙しい身だし傑は折本里香にめちゃめちゃ嫌われてるからさ。君ぐらいなんだよね任せられるのは」
「...いやそれでも他にって傑?」
傑は口には出さず手で謝罪を示した。何か出てきそうだったがため息と共にその思いを吐き忘れる。
「..まあ千歩譲って教えるのは良い、じゃが我がいけるのは休日くらいじゃぞ?平日は我も仕事があるでの」
「あぁ、そこは大丈夫だから。憂太、彼は飲み込み早いから」
「えぇッ‼︎ちょ、先生?」
「....わかった、やってやろうじゃないか」
「よし、憂太。これからこいつから教わってくれ」
憂太はオロオロとしていたが大丈夫だろうか、そう考えていると。
「おいちょっと待てよ」
禪院の娘が止めに割って入る。
「そりゃズルくねぇか?憂太だけ特別扱いってのは、私らも全員鍛えてくれよ」
「ハァ?それは無理な相談じゃそう言うことはすぐr「いいんじゃないかいな?学ぶことは大事だし」...」
泣きたい。
「....しょうがないのう。じゃがそこまで来ると何かしら欲しいの?」
指で擦り合わせ報酬を要求する。悟は何かを考え思案する。
「...じゃああれはどうだい?ここの呪具どれか一つ上げるのは」
「それはおぬしが決めてよいことなのか?」
「いいのいいの、どうせここの人たちは使いもしないのにコレクションするんだから使ってあげないと呪具が報われないでしょ?」
なんか言ってることが怪盗のそれに近いがまあ良いか。
「これから私は土日だけじゃが言っておこう。私は厳しいぞ」
そう言い残し私は京都に帰る。
帰る途中高速代をケチり山道を一人車で走る。それが祟ったか道路の真ん中に人影が突っ立ってる。それも特級か、私は車を止め降りる。
「待って居たぞ兎のガキ」
「おぬしか火山頭」
あの時の特級がいた。そしてもう一人白いガタイのいい呪霊がいた。
『アナタが漏瑚が言っていた娘ですか、確かにこの呪力量...とても良いですね。確かに欲しい』
「じゃろ?わしら四人ではちと心苦しいでの、数は多い方が良い。じゃからわかってるの?娘」
「...わかった。着いて行くから車は壊さないで欲しいの」
そう言い私は漏瑚ともう一人の呪霊を乗せ、彼らの基地に案内される。
夏油は闇堕ちした方が良いですか?
-
はい
-
いいえ
-
どちらともいえない