無数の手が私を襲いに降り掛かる。私はそれを防ぐ為に泥で波を生み出し押し流す。
「貴様のその手、触れることが条件の術式じゃろ!」
「あぁそーだよォッ‼︎隠してるつもりなんて一切ないけどなッ!」
真人本体が直接殴り込んで来て四方八方から手が出現する。
私も負けじと押し返すがあの白い呪霊がどこから現れるか感じ取れず気が抜けない。
二人相手なら絶対負けることはないが、陀艮の存在が気掛かりだ。奴は見た目こそマスコットみたいな奴だがこんな奴らといるんだ、それなりに強いはずだ。
「ちょっとよそ見しすぎしゃないかな」
気づくと真人が間近まで迫っていた、不味いッ!と思い身体に触れさせないよう避けようとするが身体に触れられてしまう。魂に粘性の液体が覆い着いたような感触、背筋を悪寒が走る。
私は真人を蹴り付け引き剥がし、刀を振り下ろす。真人は真っ二つに裂けたが致命傷に至ってないと理解する。
「ガード固いなぁ...でもそれはそっちも同じか」
「...少し我も甘く見ておった。これ程とはな、貴様ぁ...少しずるくないかの?」
グチグチと不快な肉音が聞こえ、切れた断面から再生していく。
あの類は私では歯が立たないだろう。
真人から距離を取ろうとするが背後から何かがが迫ってきていることに気づく、多分白い呪霊だろうか?体を翻し迫ってくる方向に指を向け、
『
呪霊がいる位置に斬撃を発生させる、がこちらに進むスピードは変わる気がしない。あれでは傷一つ付いてなさそうだ。
「硬いの、じゃがそれだけじゃ」
非常に鋭い槍瞬時に地面から射出され奴に向け一斉に飛ばされた。
呪霊もそれに対応するかのように木がそれを守るように生えてきた。
なるほど、あの呪霊はきっと自然に関係していることがわかった。
実に厄介、だがいくら外側が硬かろうと内側は案外脆い。
奴が守りに入ってる内に飛び込み、目前の壁に
『
砕け散り木片が飛び散り、私がギリギリ入れるくらいの穴を抜ける。
白い呪霊は待ち構えてたかのように何かを飛ばしてきた。それは小さく種のような形をしている。
数が多い、一振りで落とすには....
腕に刃を押し付け黒い液体が滴り、そして急激に燃え始め刀身に広がる。
私は刀を振り炎が前方に飛び散らせ小さな種達を灰と化した。
腕からダラダラと垂れる黒い液体を固形化させ止血し、立ち上がる。
白い呪霊は無言のまま私を見ている。メラメラと燃える刀を持ち直し飛び込む。
私は刀を突き刺し呪霊の肩に当たり奴の肩が燃え始める。私はもう一押しと思い手から刀を放し柄を蹴り刀は更に食い込み距離を取ることが出来た。透かさず私は白い呪霊を指差し、
「『爆ゼロ』」
その瞬間白い呪霊は私の声に反応するように爆発し半身が抉れ炎は全身に燃え広がり悲鳴のような音が聞こえる。あれではしばらくは行動出来ないだろうとそこら辺に転がっていた私の刀を広いその場を後にする。
二体を行動不能にはしたがこれ以上ここにいるのは少し不味い、そろそろ歌姫が殺しにかかって来そうだ。
「どこに行くのかなぁ?」
背後から真人の声が聞こえてきた。だがあれは今の私では倒せない、ならばここは。
「貴様を正面切って戦うわけがなかろう!莫ァ迦!」
足元に閃光弾を生やし領域外へと逃げる。間髪置かず背後から強力な光が発生する。一応人間なら目が潰れるくらいに調整したが奴に効くのだろうか。あと適当に私の分身をいくつか用意して時間を稼ぐか、地面から何体か造り領域を抜ける。
既に辺りは明るくなっており優しい日差しが当たる。私は自分の車に乗りエンジンを掛けこの場から全速力で走らせ逃げる。
敵に背を向け逃げるのは武士として名折れではあるが勝てない相手に戦いを挑むのは死にに行くようなものだ。
...それと死んでしまったら彼奴に顔向け出来なしな...
そう自分に言い聞かせ山を下る。
あれから何時間かたったがなんとから京都校に着くことが出来た。
私はあの呪霊四体のことを上層部に報告した。少し小言を言われたがそのあとは何事もなく家へと帰ることが出来た。
家のドア開け私は一目散にベッドに飛び込みそのまま寝た。
次の日、私は起きてすぐシャワーを浴びそのまま教室へと向かった。
その道中歌姫が仁王立ちの状態で校門に立っているところをみて怒り心頭であることを理解した私は、バレないようにこっそりと入ったが何故かバレ鬼の形相で追ってくる歌姫に腰を抜かしてしまい捕まってしまった。
「稲羽さぁん...ちょっと、お話ししましょうか...?」
私は恐怖の余りただただ頷くことしか出来なかった。
久しぶりに書くことが出来ました
夏油は闇堕ちした方が良いですか?
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はい
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いいえ
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どちらともいえない